再編・淡く儚い夢   作:Negima -{}@{}@{}-

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初めてのドラマオーディション・前編

5月も中旬になった頃。

私、ゆめちゃん、小春ちゃん、ローラちゃんの4人でランチを食べていた。

 

「ゆめ、今日のレッスンはどうする?」

「今日は…あっ!いけない!S4TVの始まる時間だ!」

 

S4TVとは、S4のツバサ先輩、夜空先輩、ゆず先輩、ひめ先輩が出演している番組。

 

今日も

『私たち、輝く四つ星!S4です!』

というキャッチコピーから始まった。

 

今日は、ドラマが決まったこと。

そこに、学園内から出演者をオーディションで募集することになったこと。

が番組内で知らされた。

 

「私、絶対出る!」

「S4と共演できるんだもんね!」

「私も、劇組として、ツバサ先輩から色々学びたいです。」

 

ゆめちゃんや小春ちゃんがやる気なのもあって、私もやる気だ。

 

ポスターを見たらタイトルがすごく長かった。

『ガリ勉していたギャルがロックバンドで音楽大学に現役合格した話』

 

「略して、ROCK!ロックガールズ!」

 

昔、読んだことがあるベストセラー小説が原作のドラマだった。

 

「みんなで、オーディション受けよう!」

「面白いじゃない!アイカツやるなら受けなきゃでしょ!」

「劇のことなら頼ってください。」

 

みんなが、受ける気満々の中、小春だけは首を振った。

 

「私は無理だよ!演技なんてやった事ないし」

 

「私もないよ?」

「ないから、やるんじゃない」

「演技なら私が教えますし、小春ちゃんは原作を知っているので、すぐ上達すると思いますよ。」

「……そういうことなら、私も受ける!」

 

小春ちゃんも含めてみんなでオーディションを受けることになった。

 

 

 

 

「でも、演技ってどうしたらいいのかな?」

「雪は何かある?」

 

早速、演技について聞かれたが、みんなのレベルがわからないと、アドバイスも出来ない。

 

「まずは、1回やって見てはどうですか?」

 

すると、教室の入口からギターの音が響いた。

 

「Good morning!お待たせBABY!今日の基礎レッスンは演技!特別講師を紹介しよう!」

 

私たちのクラスの担任、アンナ先生だった。

それよりも、特別講師って誰だろう?

 

「講師Come on!」

 

入ってきたのはツバサ先輩。

 

「ROCK!ロックガールズ!のオーディションを受けようと考えている人も多いかもしれない。そこで、未経験者のための基礎レッスンを行う。」

 

レッスン室に移動した後、

 

チラシを配るツバサ先輩を誰も相手にしない

 

というシーンの練習をすることになった。

 

ゆめちゃんは、

「いっ、いりません…」

緊張しているのか、表情がすごく固かった。

 

ローラは、

「いらない!」

歩き方が不自然で右足と右手が同時に出ていた。

 

小春ちゃんは、

「いりません!」

一生懸命さは伝わったが、声を張りすぎて、大きすぎると言われていた。

 

私は

「堂々としてればいいんですよ」と言ったが、

みんなは難しいと言って、ため息をついている時

 

「次!」

「はい!」

 

あの子は、劇組の正式なトップ合格者の早乙女あこちゃん。

劇組のホープって呼ばれている。

その演技は、実力通りという感じだった。

 

「お願いします」

と頭を下げたツバサ先輩を

「邪魔」

の一言でバッサリ。

「よし。」

初めてツバサ先輩がダメ出しをしなかったから、レッスン室がざわめいた。

 

あっ、次は私の番だ。

 

 

「次!」

「はい。」

 

「お願いします。」

さっきまでと同じ、洗練された動きで頭を下げてくる。

これまでの人は、誰もチラシを受け取らなかった。

でも、相手にしないって言うのは、それだけじゃないことをゆめちゃんたちに見せてあげよう。

 

チラシをもらって、目を通す。

相手にしないというお題だったからみんな驚いたようで、ザワっとした。

しかし、それも一瞬だった。

 

「……バンド?…ふっ、馬鹿ですか?」

 

なぜなら、私が口元に薄い笑みを浮かべながら目は笑ってないという、後にホラーと言われた笑みで、冷笑しながら質問をなげかけたからだ。

 

「……っ!よ、よし!」

「ありがとうございます。」

 

よしと言われて嬉しかった私は、満面の笑みでお礼を言った。

 

「凄いね、雪ちゃん!」

「流石劇組!オーラが出てた!」

「私も…あんなふうに堂々と演技できるようになりたい!」

 

3人は褒めてくれたけど、他の人はまだ、絶句していた。

 

(凄いな、一瞬だったとはいえあのオーラ。S4の私でも去年まではあそこまでのオーラは出せなかったぞ。)

 

(ぐぬぬぬぬ。わたくしは負けませんわよ星乃 雪!)

 

 

 

 

 

 

 

 

「特訓しよう!ということで、レッツゴー!」

 

ゆめちゃんの急な提案で、本屋に行くことになった。

そこで、ゆめちゃんが大声で叫んだせいで、悪目立ちしてしまい、慌てて本屋から飛び出した。

 

すると後ろから、知っている声が聞こえた。

 

「おーい、雪!茹でたこ!何やってんの?」

「「えっ?」」

 

ゆめちゃんとすー君って知り合いだったんだ。

 

「あっ!そっちこそなにやってんの?」

「本を買いに来たんだよ」

 

すると、ゆめちゃんが持っていたメモを覗き込んで、飴が貰えないという所で大笑いしていた。

 

「ツボに入っちゃったみたいだね。」

「ちょっと、笑わないでよ!」

「こら、すー君!みんなの努力を笑っちゃいけません!」

 

注意すると、すー君は素直に謝った。

 

「あー、すまんな雪。それに茹でダコも。」

「ん。素直でよろしい。」

 

わたしたちのやり取りを見ていたみんなを代表して、五十嵐さんが言った。

 

「夫婦漫才面白かったよ。2人は知り合いだったの?」

 

「夫婦漫才って言うな!」

 

すー君が切れかかったところで私が腕を出して制止する。

 

「はい、すー君そこまで。直ぐに切れないの!」

 

私は、腕を下ろして五十嵐さんの方を向いた。

 

「彼と同じグループの五十嵐さんですよね。私は、星乃 雪といいます。お初にお目にかかります。先程の質問ですが、ご想像通り彼とは3年前からの知り合いです。」

 

「これはご丁寧に。僕のことは望でいいですよ、雪さん。」

 

「では、望さんと呼ばせていただきますね。」

 

お互いに自己紹介をして連絡先を交換した所で、話を戻して、

ROCK!ロックガールズ!の勉強をしていたことを伝えた。

 

「ROCK!ロックガールズ!は僕らM4も出演するんだよ。」

 

望さんがいきなり爆弾発言をした。

 

「M4も出るなんて競争率上がりそう。」

「んー。でも、演技ってどうやったら上手くできるんだろう?」

 

すー君は少し考えてから、口を開いた。

 

「上手くやろうとするな。演技の初心者は緊張して目が泳ぎがちだ。だから、胸を張って顔を上げて堂々とやれ。」

 

「堂々と……」

「そういえば、雪も同じこと言ってたわね。」

 

望さんが腕の時計を確認すると、もう時間らしい。

すー君が私の頭に手を乗せた。

 

「じゃあ雪、体に気をつけろよ。お前ならオーディションは合格できるって信じてるから。」

 

私は、満面の笑みでうなづいた。

「頑張る!皆で。」

 

「それじゃぁ、バイバイ。頑張ってね。……ほら行くよ、すばる君。」

 

2人を見送っていると後ろから誰かに突き飛ばされた。

転んでしまいそうになったところを、ギリギリでローラに支えれた。

 

「何するの!危ないじゃない!」

ローラが代わりに怒った。

 

振り返ってみると、早乙女あこちゃんがいた。

 

「ふん。星乃 雪!貴女には絶対負けませんわ!覚えてなさい!」

 

そう言って道の向こうへ走って行ってしまった。

 

みんなして、首をかしげた。

「「「「なんで?(なんででしょう?)」」」」

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