とある箱庭の一方通行   作:スプライター

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未来からの贈り物

 

 

 

 

アル達を味方として取り込んだ高校奪還作戦は、およそ一時間の戦闘を経て奪還に成功した。

 

誰の犠牲も出さず、学校の大幅な破壊も回避した上で学校を奪還。

戦績としてはこれ以上ない結果を出したと言えるだろう。

 

そうして静けさを取り戻したアビドス高校で一方通行は現在、息を潜めて一矢報いようとしている残党がいないかどうかを調べる為、校内の見回りをしている真っ最中だった。

 

『敵対反応はどこにも見られませんね』

 

頭の中から響くアロナの声を聞き届けながら、一方通行はそォだなと相槌を打つ。

彼女の言う通り、何かが潜んでいる気配はどこからも感じない。

 

元々杞憂前提の行動であるので潜んでいないのが当然なのだが、それが本当かどうかを確かめるのは大いに意味がある。

 

誰も居ないことを確認するのは、安全を確保すると言う面ではとても大きい。

 

「機械仕掛けのロボット共が潜伏してるとは元々思っちゃいねェが確認は必要だ。だがこの分なら校内に残ってねェと見て間違いねェな」

 

現在彼がいる場所は三階の端にある音楽室。

一階からしらみ潰しに学内を見回り、最後の部屋である音楽室にも気配が感じられ無かった事から、全機の撃破、あるいは生き残りがいたとしてもそれらは全て逃走したと結論付ける。

 

ふぅと、安全を手に入れた一方通行は嘆息する。

その後、おもむろに左手の指先をチョーカーに当てて。

 

「バッテリーは……明日の朝までは保たねェな」

 

着実に活動限界時間が削れていることに僅かばかりの焦りを覚えた。

 

四十八時間。

それが彼が活動できる限界。

 

これを超えると彼の生活を維持しているチョーカーのバッテリーが途切れ、一方通行は廃人に戻り喋ることも歩くことも出来なくなる。

 

チラリと、壁に備え付けられた時計を見やる。

時刻は十三時を記録している。

 

彼に残された時間は十五時間。

このまま過ごせば、明日の早朝に彼は使い物にならなくなる。

 

取り急ぎ、充電を行う必要がある。

 

が、ここでも問題は発生する。

 

『先生……、気持ちは分かりますが、ここでの充電は推奨出来ません』

「あァ……。分かってる」

 

続きを言いにくそうな声でアロナは一方通行に警告を発し、一方通行も彼女の意見に同意する。

アロナが言っている内容は正しい。

 

この学校はついさっきまでカイザーが掌握していた施設だ。

コードをコンセントに差し込んだが最後、ハッキングを開始する細工がされている可能性は否定できない。

確率的には非常に低い話と言えるが、万が一ハッキングが発生した場合、一方通行にとってそれは致命傷となる。

 

自身の活動と直結する事柄な以上、どうしても一方通行は慎重にならざるを得ない。

確実性を求めるならば、一度シャーレに戻って充電する必要がある。

 

『私のバッテリーも二割を切っています……先生を十分にお守りするだけの力を発揮し続けるのは難しいです』

 

彼の思考に便乗するように、アロナから自身の、シッテムの箱の消耗具合も深刻だと報告が入る。

 

『今のままではミサイル等の大きい爆発は防ぎ切れません。弾丸五発が限界です』

 

提示された防御能力はこれから先、カイザーの本拠地に向かうことを思うと非常に心許ない物。

無いよりはマシ。その程度の力しか残されていませんとアロナは申し訳なさが多く含まれる声で一方通行に今自分が出来る防御の最大値を語った。

 

当然、『シッテムの箱』においてもハッキングを警戒する必要はある為、安易に学校の施設を使う訳にはいかない。

 

ではどうするべきか。

その答えは彼の中でとっくに出ている。

ここからどう動くのが正解なのか、それが分かっていてその選択を選ばない訳にはいかない。

 

何故なら、これは作戦の、ひいては自身の生命活動に直結する事項だからだ。

 

「やらなくちゃならねェ物もある。背に腹は代えられねェ。一度シャーレに戻る」

 

自分が、自分達が万全に戦う為には絶対的な安全地帯。シャーレに一度引き返す必要がある。

静かな廊下に杖の音だけを響かせて、一方通行はアロナに戻る旨を伝えた。

 

『? シャーレにやり残した仕事は生徒さんがやってくれてるんじゃないですか?』

「そこに関して心配はしてねェ。俺が言ってるのは別だ」

『別、ですか?』

「あァ。常々思ってた不安要素が昨日今日で噴出し過ぎた。対策を講じる必要がある」

 

今までは騙し騙しでやってきたが、それでは役に立たないどころかお荷物になるのが明らかになったと一方通行はアロナに説明する。

 

「セリカ、ノノミ、ハルカもまだ起きねェ。ムツキ、シロコ、カヨコの三人も戦闘が終わって緊張が途切れたのか全員一斉に倒れた。全員大なり小なり傷も負った。どの道今日はこれ以上の戦闘は無理だ」

 

ムツキ、カヨコ、シロコの最後まで立っていた三名も、戦闘が終了した直後、緊張の糸が途切れ、意地で戦い続けていた身体に限界が訪れたのか、今は揃って仰向けになって倒れ、意識を失っている。回復するまで数時間は必要だろう。

 

先に倒れたセリカ、ノノミ、ハルカの三名もまだ覚醒には程遠い。

 

現状戦力になるのが唯一大した傷も負わずに戦闘を終えたアルとサポートのアヤネだけ。これではホシノの救出を行うのはとても無理だと一方通行はアロナに語る。

 

「黒服の野郎が告げたリミットは今日じゃねェ。出来ることならば今日中に片付けたかったが、無理を押して作戦を行っても全滅するだけだ」

 

ミレニアムで黒服が語っていたホシノが処分されるまでの期限まであと二日ある。

処分が何を意味しているのかこそ一方通行は知らないが、それが明日でないのなら無理をすべきではない。

 

今日は、回復に充てる。

生徒達にも、そして自分にも。

 

カツ……と、杖の音が静かな廊下に響かせながら一方通行は気絶している六名と、彼女達の警護役を任せているアルとアヤネがいる二階の教室の扉を開ける。

 

「戻った。中を一通り見て回ったが特に誰かがいる気配は無かった。恐らく今日は安全だろ。……まだ誰も目覚めてねェか」

 

「おかえりなさい先生。見回りご苦労様。見ての通り皆起きていないわ」

「お疲れ様です。皆さんが起きるまではまだ時間が必要そうです」

 

そう目線を下げるアヤネの先には、体育館のマットの上に仲良く並べられて気絶している六名の少女達の姿があった。

 

「まァ良い。どの道今日はもう動く気はねェ。ゆっくり寝かせてろ。オマエ等も程々に身体を休めとけよ」

 

適当な机に腰かけながら一方通行はそう進言し、はい。と、彼の言葉にアヤネが頷き、続いて、ええとアルも首肯する。

 

「身体にダメージが残ったままアビドス砂漠に向かっても余計に体力を消耗するから、ですよね」

「良く分かってンじゃねェか」

 

ヘイローを宿す少女達は、受けたダメージを明確な傷として肌に現れることは少ない。

先日、ミレニアムで起きた事件の際に大きな傷を負ったユウカやミドリ、ネルは例外であり、基本的に彼女達は傷を残さず、体内でダメージを蓄積し、それが一定値に達した瞬間、意識を失う。

 

傍目には無傷に見えるのに、実際は動くことすら出来ないボロボロの状態になっていた。となっていても何らおかしくない。と言うのが一方通行が出している見解だった。

 

故に目に見える傷を負っていたユウカ達は正真正銘の超重傷だった訳だが、何故か次の日にはボロボロながらも元気に動いていたのはよく分からないと一方通行は諦めた。

 

とは言えそれらは考察の材料として機能する。

要はキヴォトスの生徒は、回復力も桁違いに高いのではないかと言う疑問だ。

そして一方通行はこの考えについて、間違いなく回復力が高いと踏んでいた。

 

今は全員倒れており、起きても満足に戦うことは出来ないだろうが、明日にはほぼほぼ通常時同様の動きが出来ると一方通行は見立てていた。

 

「明日には半数がピンピン。残りの半数も九割方回復してアビドス砂漠も進めるようになるだろ」

「ところで、その情報に信憑性はあるの? アビドス砂漠でカイザーが拠点を作ったって話」

 

アヤネと一方通行が話している中、ちょっと待ったと手を上げたアルが話の輪に割り込む。

その目からは、信ぴょう性はあるのか、という言葉が声を出さずに伝わって来る。

 

今回の作戦には彼女達便利屋の四人も新たに含まれている。

だからこそ、何も詳細を聞かずに彼の言葉を信じる訳にもいかないのだろう。

カイザーの拠点に関する情報を得ていることに疑問を持ってはいないが、それが事実かどうかを、一方通行の口からアルは聞きたいのだと、彼は推測する。

 

「この件に関してはアヤネの方が詳しい。つゥか俺もアヤネから聞いた話を信じてるだけだしなァ」

 

アルの意図を読めはしたが、そこに対して完璧な応対が出来るかは話が別。

そして対応出来ないと言うのが一方通行が出した結論だった。

 

なので、アヤネにこの後の説明を丸投げした。

同時に、俺が信じてるのだからお前も信じろと、アルに言葉に出さず伝える。

 

仕方ない。そう言いたげにアルは一方通行から目線を外し、アヤネの方に顔を向ける。

一方通行からのパス。そしてアルからの視線を受けて、アヤネははい。と、返事をした後、得た情報を改めて共有を始める。

 

「最初はノーマークだったんです。アビドス砂漠は何も無い場所ですから。カイザーコーポレーションがあそこで何かを企んでいるなんて、想像すらしていなかった」

 

アビドス周辺の地図を広げてアヤネは説明を始める。

高校がある場所に一指し指を置き、スルスルと滑らせるように指を動かしていく。

 

「転機が訪れたのは、単身調査に向かったシロコ先輩が、学校に置かれたバイクに発信機を取り付けたんです。動きがあったのはそこから数時間後。信号が動き始めたのを皆で確認して、止まった場所が……」

「アビドス砂漠のど真ん中。だったって訳ね」

「はい、間違いかもしれないと思ってその後も二回、三回と発信機を秘密裏に取り付けましたが、やはりアビドス砂漠のこの場所を発信機は指しました」

 

ピタリ。と、滑らした指を止めてアヤネは一方通行とアルを見上げる。

彼女が指を置いている場所はアビドス砂漠の奥深く。

 

普通ならばまず立ち寄らない場所。

立ち寄ることその物がおかしい場所。

 

そこに何回も発信機が止まった。

おかしいと思う方が普通だろう。

怪しむなと言うのが無理な話だ。

 

「場所は割り出せたんです。でも殴り込みを掛けなかったのは……」

「挟撃される可能性が高かったから。だな」

 

アヤネが言い放とうとしていた言葉を一方通行が横から奪い取る。

コクンと、彼の言葉にアヤネが頷く。

 

無謀な突撃は安易な死を招く。

カイザー側は学校から追い出した後もシロコ達の動向を逐一チェックしていただろう。

ホシノの場所を突き止めたと歓喜の勢いのままアビドス砂漠に乗り出せば、学校を占拠しているオートマタが動き出し、拠点にいるオートマタとの挟み撃ちを仕掛けていたに違いない。

 

補給地点も何も無く、環境的に最悪な砂漠という戦場で挟み撃ちを受けた場合、逃げ場も無く全滅するのは確実だ。

 

当然、彼女達もそれを分かっていたから、ホシノがいる場所を掴んでいながらも動けなかった。

 

「でも、学校は取り返しました。これで挟み撃ちの心配はありません。今度こそ、取り返しに行けます」

 

だが、状況は変わった。

最大の懸念点である挟み撃ちの心配は学校を奪還したことによって不要になった。

 

だが、最大じゃない細かな懸念点はまだ残っている。

少なくとも、一方通行は抱えている。

 

その為

 

「アル、アヤネ。俺は一度シャーレに引き返す」

 

懸念点を払拭する為、一度ここから離脱する旨を二人に伝えた。

直後、二人が驚いた顔で一方通行を見つめる。

このタイミングで先生が離脱するのは厳しい。

そう言いたげな顔をアヤネは浮かべている。

 

「装備を整える必要が出来た。砂漠を歩くにはどうしても俺の足が枷になる。それを払拭しに行く」

 

が、一方通行としてもここは譲れなかった。

言っている内容は本当。何がしかのサポートが無ければ足を取られる砂漠を歩くのは今の彼には難しい。

本当の理由を述べて、バッテリーによる制限時間が刻一刻と迫っている真に帰るべき原因を隠した。

 

「心配すンな、朝までには戻る。シロコ達にもそォ伝えろ」

 

充電に必要な時間は六時間。しかしフルまで充電させる必要は無い。三時間程で十分。それだけの時間があれば一日は余裕で動ける。シッテムの箱に至ってはフル充電される。シャーレに戻って、三時間休んで、アビドスに戻る。間違いなく朝までには片付く用件だ。

 

「明日の朝までは自由時間だ。それまでの間にとりあえずこれで英気を養っとけ」

 

言いながらシャーレの制服の内ポケットに手を突っ込み、取り出したソレを机の上に置く。

二百万クレジット。彼が持つポケットマネーのほぼ全財産だ。

 

「これ、は……先生?」

 

大金を前にしたアヤネが何事かと目を白黒させている。

対してアルはこの程度見慣れた額なのか、特に驚きを示さない。

 

「全員起きたらコイツで装備整えるついでに美味い物でも食いに出掛けろ。前半後半で組みを二つに分けて残った組が学校で見張りをしてれば安全だろ」

 

言いながら、一方通行は席を立って教室を後にする。

あ、先生。とアヤネから声が掛かり、一瞬立ち止まるが、振り返ることなく彼は歩き出した。

 

受け取れない。そう言いたかったのだろうと推測しつつ、しかしその言葉を敢えて無視する為一方通行は振り返らずに学校を後にする。

向かう先は、校門に置いてある自分のバイク。

 

懸念事項を打ち消す為に、彼は一度戦場から離脱する。

自分自身に出来る精一杯を、遂行する為に。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

ドーム状の空間に一人、小鳥遊ホシノは幽閉され続けている。

 

今日もまた、彼女は眠らない。

もう、眠いとすら思わくなっていた。

 

自身を傷付け付け過ぎて、精神が危険域に達している。

だがそれすらも、ホシノは受け入れていた。

 

結局、自分が生きていることが悪だったのだ。

交差個体(クロスオーバー)との交流を経て、ホシノはその結論に至った。

彼女がキヴォトスで何かをしようとしている。

そしてその原因を作ったのは自分の力。

 

突き詰めれば、自分自身が原因でキヴォトスに動乱が起きる。

その騒ぎを、止める力を自分は持たない。

 

生きていても、事態を悪化させるだけ。

ならばもう、この命を終わりにする方がまだ償えるのではないか。

 

気付けば、自然と彼女はそう思うようになっていた。

何もかもに、諦めを抱いていた。

 

その目に光は無い。

その身体に力は無い。

 

着実に朽ちていく過程をホシノは歩んで行く。

 

しかし。

突如、その終わりにストップが掛けられる。

 

「生きているかね。元副生徒会長」

 

靴音を鳴らしながら、一つの声がホシノが幽閉されている空間に響いた。

同時、ホシノの顔が険しく歪む。

 

二度と聞きたくないと思っていた声が聞こえてきたことに、強く、強く歯噛みする。

 

その言葉は、たちまちにしてホシノの瞳に生を宿させた。

ただし、その生は活力から生まれた物ではない。

 

全身の血液が沸騰し、腸が煮えくり返る程の憎悪が、瞬く間にホシノに感情を蘇らせた。

皮肉にも、彼女から感情や活力を奪い去った張本人が、彼女の目に力を宿らせた。

 

何度殺したいと考えたか飽き足りない。何度頭の中でグチャグチャに前進を叩き潰したか数え切れないほどの鬱憤した怒りが、ホシノに宿る。

 

「カイザーPMC……ッ!」

 

絞り出した声はどこまでも怨嗟に満ちていて、睨み付けるようにカイザーPMCと呼ぶソレを見上げるホシノの表情は正しく鬼の形相と言っても差し支えなかった。

 

カイザーPMC理事。

ホシノと、アビドスを嵌めた張本人。

 

醜悪な、大人。

 

顔も見たくない、声も聞きたくない存在が、ホシノの前に姿を現す。

隣に、一見洗濯機にも見えるが詳細は良く分からない自律型機械を引き連れて。

 

「なんだ、まだまだ元気そうじゃないか。聴いた話ではずっと寝ていないと聞いていたが」

 

射殺すような視線を向けられているにもかかわらず、カイザーPMCは自身のペースを一切崩さない。

ホシノは拘束されている身かつ、何かをしでかせば即座に包囲している二百三百の自動機関銃から一斉射撃と言う名の制裁が加わる状況に置かれている。

 

実質的に何も出来ない少女になったも等しいホシノだが、放たれている威圧は本物。

 

全く睡眠を取らなくなり加速度的に精神を消耗させている少女とはとても思えない程、彼女の目には気迫が籠っていた。

 

「まあ、どれだけ凄もうが置かれている状況が意味を奪っている以上、何の脅しにもならないことは君が一番分かっている筈だ」

 

でも、結局はそうだった。

カイザーPMCの立場は絶対安全。

ホシノが握られているのは施設全体を用いた生殺与奪の権利。

 

どれだけ圧をかけても、そこに意味は全くない。

全部が全部、ただのまやかしに過ぎない。

 

「紹介しよう。助手の五十六号だ」

「よろしく、ヨロシク」

 

全く興味が無い。だからこの機械の名前だとか役割だとかは全部全部どうでも良い。

それがホシノが真っ先に抱いた感情だった。

 

故に一切の反応を彼女は返さない。

 

しかし、彼女の心持ちはカイザーPMCも理解していたのか、特に言葉を投げて来るでも無く、五十六号に関する紹介を続けずに終える。

 

代わりに。

 

「本題に入ろうか」

 

恐ろしさが込められた声が響いた。

靴音を強調させて一歩、ホシノへと近付くカイザーの姿に、反射的にホシノの顔が上がる。

 

「今、外ではとても面白いことが起きていてね。何と我々が所有しているアビドス高校が君の仲間達によって奪われてしまったよ」

 

目を、丸くした。

カイザーPMCの前で感情を曝け出す行為は、彼女にとっては不覚だったかもしれない。

けれど、そんなことを考える余裕は無い程にホシノは動揺した。

 

自分が身を差し出した後、学校の所有権を握ったカイザーが学校を一斉襲撃し、シロコ達に学校を放棄せざるを得ない状況を作り出し、追い出したと、施設に入ってから聞かされた。

 

自分のせいで何もかもを失わせてしまった無力感に、寝ることすら出来なくなった。

もう、どうしようもないと思っていた。

 

なのに今、この男は学校を奪われたと言った。

それはつまり、皆がまだ戦っていることを意味している。

 

自分はもう諦めてしまったのに。

シロコは、ノノミは、セリカは、アヤネは。

今も諦めずに、前を向いて抗っている。

 

圧倒的戦力差を前にして折れずに立ち向かっている。

ドク……と、この施設に閉じ込められて、初めてホシノの心臓が高鳴った。

 

「シャーレの『先生』中々にやり手な男だ。戦力の一部とはいえ、こちらが敗北するとは流石に予想外の出来事だった」

 

パサリと、一枚の写真が投げ捨てられる。

視線を落とすと、シャーレの制服に身を包んだ真っ白な髪が特徴的な端正な顔立ちをしている男性の写真が目に入った。

 

(この人が……シャーレの……)

 

おもむろに彼女は思い出す。

まだカイザーに屈していなかった時期を。

皆でどうすればこの学校の借金を減らして存続させることが出来るのか頭を悩ませて日々のことを。

 

その案の中に、シャーレに頼るというのがあった。

皆で一縷の望みを掛けて救援要請を送った日は、今でも彼女の頭に残っている。

 

返事は、来なかった。

一日経っても、二日経っても、三日四日、一週間経っても来なかった。

 

助けが来ないと分かった時、ホシノは顔も知らない『先生』に失望を覚えた。

やっぱり大人はそうなんだと、希望を抱いた自分を呪った。

 

真っ黒な感情に支配されて、それを表に出さずにグッと堪えた。

失意のどん底に叩き落された顔をしていた他の面々をフォローする立場にならないといけなかったから。

 

(遅いよ……!! もっと早くに来てくれたら……!!! 皆があの時、泣かずに済んだのに……!!)

 

思わず、視界が歪む。

自然と、瞳に涙が溜まる。

 

ポトリと、雫が一滴、床を濡らす。

 

それはアビドスに来るのが遅すぎたことによる怒りの涙だった。

 

(でも……声は届いてた……! 私達の声は……ちゃんと届いてた……!!)

 

それは彼女達を助けてくれていることから流れた感謝の涙だった。

 

再び、雫が一滴、頬から零れ落ちる。

相反する感情が、彼女に複雑な気持ちを植え付ける。

 

「そうか、泣く程嬉しいか」

 

真上から声が響く。

何も分かっていない、彼女の感情を何一つ理解していない声が降りて来る。

 

刹那、ホシノの涙が止まる。

それ程までに、カイザーPMCの発言はホシノと相容れない物だった。

 

「しかしお笑い種だ。いくら暴力で学校を奪ったとしても肝心の所有権は我々にある。力でどうにか出来る問題ではとうに無いというのにもう勝った気でいる。所詮その程度な脳しか持ち合わせていない。この男の底も知れた物だ。ゲヘナでの勝利も彩られた物だと知らないでいる所が特にな」

 

だが、その勢いだけは買ってやろうと、カイザーPMCは勝者の立場から物申していく。

一方で、ホシノとしては何故ここで突然ゲヘナの名が上がったのか不明だった。

 

この問題はアビドスとカイザーでの話だけな筈。

事態が肥大しようとも根本は間違いなくこの二つ。

 

ゲヘナが絡む理由はどこにも無い。

なのに今この男はゲヘナで先生がカイザーといざこざを起こしたと言っている。

 

何が、外で起きているのだろうか。

一抹の不安が、ホシノに過る。

 

「勝者気取りの愚者が目指す最終目的は当然君だろうな、元副生徒会長」

 

そんな彼女の思考を塗りつぶすように写真を踏みつけながら、実に機嫌が良い声で理事は『先生』の目的はホシノであると明かした。

 

それは少し考えれば当然のこと。

学校を取り返した後に行うべきは奪われたホシノの奪還。

しかし肝心のホシノには、それは意外な物に聞こえてしまった。

 

自分なんかが救われていい筈が無いと思っていたが故に、誰かが助けに来るなんて未来を、想像すらしていなかった。

 

学校を取り返したという文言を聞いても尚、その発想に至らなかった。

 

「来ると分かっている以上こちらも防衛に全力を注がせて貰う。学校にいたオートマタとは数も違えば迎撃兵器の質も違う。誰一人辿り着くとは思えない。が、それでも万が一ということもある。曲がりなりにも学校にいた二百近いオートマタを蹴散らした相手だ。突破される可能性も考えなくてはならない」

 

だから、と。

カイザーはホシノのすぐ目の前にまで歩み寄ると、彼女の髪を左手で掴み上げ、強引にその顔を近づけた。

理事の右手には、拳銃が握られている。

鼻同士が触れ合う様な距離にまで顔を近付けられて、銃口を額に突き付けられて、ホシノはカイザーPMCに顔を真っ直ぐ見据えられた。

 

「だから面白いことを思い付いてしまったよ、やっとの思いで辿り着いたアビドスの面々、君の大事な仲間達に与えるべき試練を」

 

発砲されたのは、直後のことだった。

大きな音と共に、額に銃弾が突き刺さる。

放たれたのは、何の変哲も無い弾丸。

 

「あっっっが……ッッ!!??」

 

当然、彼女達ヘイローを持つ者にとってその程度は何の脅威にもならない。

いくら捕らわれの身だからと言って、いくら心身ともに疲弊していると言って、それはホシノにとって何ら致命的にはならない。

 

筈、だった。

しかし。

 

「が、あああああああああああああああああああああああああぁあああああああッッッッ!!!!!!!」

 

ホシノは、絶叫を上げた。

刹那、彼女の右腕の血管が破裂し、制服が赤い色で染まり始める。

ただしその現象は右腕だけが痛みを発したからではない。

 

全身に襲う痛みに、右腕が耐えられずに先に音を上げてしまったからだった。

 

「ぎ、ぐっっっっ!! ぐっっっ~~~~~~~!!!!!」

 

身体中を巡る血管全てが悲鳴を上げる中、ホシノは必死にこれ以上声を上げまいと歯を食い縛る。

代償として、ボタボタと彼女の額から夥しい程の汗が流れた。

 

激痛。

その一言ではとても済まされない痛みがホシノを襲う。

 

全身が引き裂かれる様な痛みだった。

全身が貫かれる様な苦しみだった。

 

自分の身に何が起きたのか、カイザーPMCは何をしたのか、何の細工を施した銃弾を放ったのか。

全く、全くホシノは分からなかった。

 

「ヘイロー殺しの弾丸。君達を殺す為に作り出された武器の一つだ」

 

強引に掴んでいたホシノの髪を離しながらカイザーPMCはポツリと呟く。

ヘイロー殺し。

それは、世界のバランスが簡単に崩れてしまう言葉だった。

絶対に、存在してはならない兵器だった。

 

しかし、ホシノはその威力の凄まじさを思い知った。

カイザーPMCの説明が嘘ではないことを、身体が証明してしまった。

 

今も右腕からは、ドクドクと血が止まらずに流れ続けている。

 

「この弾丸は少々特殊な細工が施されていてね。命中した振動を利用して相手の脳に一定のリズムを一定の感覚で刻む。特殊な波形を直接叩き込むことで電磁的刺激と暗示を同時に掛けると言った、科学的操作を極短時間だけ実行する代物だ」

 

一撃でホシノを瀕死寸前に陥れた拳銃を息も絶え絶えのホシノに見せびらかして彼は説明を続ける。

 

「これにより簡易的な()()()()()()()。それがこの弾丸の本質だ」

「のう……りょ、く……?」

 

時間が少し経ち痛みも大分引いてきたのか、未だ汗こそ止まらない物の、ホシノの思考が僅かばかり回復する。

だがそれはカイザーPMCが解説した内容が分かるようになったという訳ではない。

 

話されれば話される程、頭の中には無数の不明が浮かび上がるだけだった。

 

「神秘の身体は脳開発に酷い拒絶反応を起こす。これを()()()()()()()()()()()()()として、失敗すると言う部分に着目し、簡易的とはいえ超能力開発を引き起こす銃弾を作り上げた。その成果は……今の君に説明は不要だろう」

 

しかし、それでも直感的に分かる物はある。

その言葉を聞かされた途端、ホシノの背筋がゾワリと凍った。

この男が言っていることが真実だとするならば。

 

今の自分と同じような目に何度も会った誰かがいるということになる。

腐敗に腐敗した理事の後ろに、もっとドス黒く濁った誰かがいるということになる。

 

「とは言え欠点も当然ある」

 

言うと、再び男は拳銃を構えた後、再びホシノ目掛けて発砲した。

但し今度は頭では無く、彼女の心臓目掛けて銃口が向けられ、その心臓に容赦なく銃弾が突き刺さる。

直後、ビクッッ!! と、撃たれた恐怖と、先程の痛みがフラッシュバックし本能的にホシノの身体が震えた。

 

またあの拷問じみた激痛が来ると、無意識に身体が反応し身構える。

 

しかし。

 

「…………っ」

 

いくら待っても、全身の血管と言う血管が沸騰しているかと錯覚しそうな程の痛みは襲って来なかった。

痛みと言う概念すら、感じなかった。

 

「結果の通り、この銃弾は脳に撃ち込まないと効果が無い。どこにでもある普通の銃弾と化す。脳開発を行っているのだから腕や身体に当てても意味が無いのはある種当然の話であるがね」

 

カイザーPMCはホシノの心臓に突き付けた銃口をゆっくりと離しながら、話を続ける

 

「生身の人間に撃てばその銃弾の威力でどこに当てても死ぬので効果は見込めない。故にこれは君達にしか効果が無い弾丸。だからヘイロー殺しと名付けられたのだよ」

 

これが、ホシノが受けた銃弾の正体だった。

一発の銃弾がホシノの脳に超能力開発を行い、しかし神秘の肉体はその開発を嫌った。

 

結果、超能力者が魔術を使用した時のような反応が、彼女の身体で起こった。

 

無論、その結論までホシノは辿り着かない。

銃弾の結果発表と今の状況の因果がどう繋がっているのかも、何一つ的を得ない。

 

何故自分はそんなことをされたのか。

何の目的でそのお披露目を行ったのか。

そんな疑問ばかりがホシノの頭に浮かぶ。

 

「ゲヘナの風紀委員の連中もそろそろ会場に置いてたプレゼントの使い方も理解しただろう。動き出すなら同じく明日だ。全く、暴走する幹部に振り回される部下も哀れな物だ。そして先生が君を助けに来るのも状況から見て明日。ならば我々も、明日に向けて動いて行こうじゃないか」

 

途端、どこまでも悪意が籠った声がホシノに降り注ぐ。

答え合わせをしてやろうという、そんな思いが言葉には込められていた。

 

同時に。

思わず彼女の瞳孔が開いてしまうぐらいに、カイザー理事が放つ声にはドス黒い何かが混ざっていた。

 

「な……にを……」

 

何を企んでいる。

何を画策している。

この男の頭の中では今、何が描かれている。

 

何も分からない。

ホシノには一切把握できない。

ただ、ただ。

それが途轍もなく恐ろしい物であることだと、全身が訴えていた。

 

「五十六号」

「はい。目的の物はこちらです」

 

隣に連れていた洗濯機のような自律型機械の内部がおもむろに展開される。

出てきたのは、至って普遍的なヘッドフォンとバイザーだった。

 

「君にはこれを装着し、半日もの間、流れる映像と音を拾って貰う」

 

渡された要求は、言葉だけを拾ってしまえば特に何でもない物。

だがしかしこの状況でただ音楽を聴いて映像を見ろという要求が出される筈が無い。

 

確実に何かがある。見てはいけない、聞いてはいけない物だと勘が訴える。

だが、それを逆らえる状況に彼女は置かれていない。

 

選択権は、無いに等しい。

だが。

だが。

 

彼女の本能は、それでも拒否しろと言っていた。

 

「……。イヤだと……言ったら?」

 

グッッと、これが答えだと言わんばかりにホシノのこめかみに銃口を突きつけられる。

瞬間、彼女の望みは絶たれたことが確定した。

 

「五発は頭に受けて貰うことになるな。データでは助かった生徒は一割に満たないそうだが、君はどうかな? 折角助けに来た仲間が見るのは君が死んでいた姿だとしたら、間違いなく発狂すると思うがね」

 

課せられた言葉は、ホシノの行動を縛るには充分だった。

降伏せざるを得ないと、諦めるには充分だった。

 

自分のせいで今、皆は苦しんでいる。

なのにこれ以上絶望を叩きつける訳にはいかない。

それだけは、絶対に避けなくてはならない。

 

ならばどうするのが正解なのか。

簡単だ。

 

言いなりになれば良い。

 

どこまでもカイザーPMCの人形になれば良い。

そうでしか、彼女達を救えない。

 

そうやって、ホシノは自分自身を納得させる。

簡単に命が天秤に乗せられてしまった中で、何もかもがおかしくなった、狂ってしまった価値観で、望まざる選択をホシノは強制される。

 

拒否権は、無かった。

彼女には一切、与えられなかった。

 

「音と映像を見せて、何をするつもり……!」

 

何もかもが敵の思い通りになってしまうのなら、どう足掻いても轢かれたレールの上を走るしか道が無いのなら、せめて今から何が行われようとしているのかを把握しようとホシノは口を開く

 

しかし。

 

「それを体感するのも、楽しみだと思わんかね?」

 

帰って来た返答は簡素で、そして彼女の要望を何一つ汲み取ってはくれない物だった。

 

言葉の最後に、問答無用にヘッドフォンを無理やり頭に被せられ、バイザーが装着させられる。

ホシノは一瞬その行為に頭を左右に振って逆らおうとして……寸前で止めた。

 

逃げた報復を、恐れた。

確実に撃たれると言う確信が、ホシノに逃げると言う行為を封じさせた。

結果、無抵抗のままホシノはヘッドフォンとバイザーを装着させられる。

 

直後、ブゥ……ン……と、何かの装置が起動したかのような機械音が一瞬迸った。

数秒後、バイザーから映像が出力され始め、ヘッドフォンから音楽が流れ始める。

 

バイザーに流れる映像からは、目から『映像』と言う情報を使って脳に何かを書き込もうとしているかのような感覚が襲った。

 

ヘッドフォンから聞こえる音からは、耳から『音』と言う情報を使って脳へゆっくりと何かを染み込ませていくような感覚が襲った。

 

直感が、訴える。

これを見続けるのは、まずいと。

 

「…………っ」

 

咄嗟に、ホシノは目を閉じる。

 

「目を瞑っても無駄だ。目を閉じただけでは太陽の光を完全に遮断することは出来ないように、その映像もまた目を閉じただけで情報を掻き消すことは出来ない。確実に、確実に君の脳に蓄積されていく」

 

見越したかのようにカイザーPMCがホシノに無駄であると警告を発した。

その程度、予想していない訳が無いだろうとも言葉が続く。

 

「ゲヘナで塾を開いていたデータを基により洗練された百パーセントを半日間是非愉しんでくれたまえ。と、もう私の声は聞こえていないか」

 

だが、その言葉をホシノは聞くことが出来なかった。

近くで発された声を、声と認識することが出来なかった。

 

それは、彼女の五感が外からの刺激を受け無くなったことを意味している。

聴覚が、ヘッドフォンからの音以外を拾わなくなっている。

 

「……ッ! ッッッ……!!!!」

 

故にホシノは嘲笑うカイザーの声を聞くことは出来なかった。

孤独な世界に一人放り出されたホシノに、映像と音楽がイヤでも頭に叩き込まれていく。

 

「さて、私はここで彼女が壊れていく様子を眺めているとしよう。五十六号、君はゲヘナの行政官が壊れていく様子を眺めに行くと良い。彼女が救いようが無い程に暴走する時はもう近いぞ」

 

絶え間なく叩き付けて来る情報の雨に潰されないように必死に耐えてるホシノの様子を勝者の立場から眺めるカイザーPMCは、この舞台におけるもう一人の見世物であるゲヘナの風紀委員行政官、天雨アコの観察を五十六号に勧めた。

 

「天雨アコの肉体から独特の波長が発されていたのを先日確認。彼女の動向に強い興味あり。調査を介します。調査を開始します」

 

機械音声ながらどこか浮き立つ雰囲気を音に宿らせて五十六号は百八十度回転し、キュルキュルと車輪の音を立てて五十六号はいずこかへと姿を消す。

 

「…………ッ……!! ぐ……、っ……!!」

 

装置を付けられたホシノは外で何が起きているのか何一つ把握しない。

ただただ、己の身を守る為に懸命に努力を重ねる。

それが結果的に皆の助けになることだと信じて彼女は戦いを始める。

 

だが。

 

「頑張っているようだが、悲報だよ元副生徒会長。まだ始まって一分だ。その様子では五分後すら怪しいのではないかな?」

 

放たれた言葉はあまりにも無慈悲だった。

幸いなのは、ホシノは既にそれを聞ける状況ではないということだろうか。

 

但しそれは同時に不幸にも、その程度の言葉すら拾えない程、音に集中していることに他ならないことも意味している。

 

「誰も彼もが狂わされていくな。クク、一体誰のせいなのだろうな。……答えは言わずもがなだな。『先生』」

 

手に持つ写真とは別の方を見据えながらカイザー理事は先生と呟く。

その言葉に秘められた意味が語る真実は、未だ誰も見抜けない。

 

ただ、真っ黒でドス黒く深淵の悪意が間違いなくここ、学園都市キヴォトスに根付き始めていることだけは、疑いようの無い事実だった。

 

 











サブタイトルにいつも苦戦させられます。スプライターです。

一方通行がシャーレに帰還することになりました。バッテリーは大事だからね、仕方ないね。
活動限界があることをひた隠しにし続けている彼ですが、いつかこれが白日の下に晒された場合どうなるんでしょうね、彼ね。糾弾されたりするのでしょうか。


そしてホシノですが……どんどんヒロインらしくなってきました。
王道だと思います。展開は。展開は、ね。

アビドス編は伏線回収が多いパートになってます。あれやこれやが色々と交わってるような気がします。読者が一年前のことをどれだけ覚えてるのかと言われたら、ごめんなさい長すぎましたと黙るしかありませんが……。

感想コメント、閲覧、お気に入り登録いつもありがとうございます。
これが一番励みになります。頑張らせて頂きます。

それでは次回更新までまたしばらくお待ちください。



次回は……アコ……。に、なるのかなぁ……。
ちなみに創訳10巻。試し読みの段階から学園都市がヤバいことになってて実に買うのが楽しみです。インデックス……君は間違いなくヒロインだ……!!

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