東方時刻烈伝 〜夢見る緋時計〜   作:マデュラ

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ここは、幻想郷。
有機物と無機物が分け隔てなく生きる世界。
それは忘れじの楽園。
それは謳歌する平穏。
それは現に生きる最後のディストピア。
器は、全てを受け入れる。
それはそれは、美しく、残酷なまでに。
ただ、もし、その器が腐っていたとしたら。
そこから零れた水は一体、何を壊すのだろう。


第一夜 子羊達のプレリュード【下】

「やっぱりベーコンと卵のハーモニーは最高ね!咲夜、今日の予定は?」

 

 レミリアは先程の教訓を活かし、ありったけの料理を口に運ぶ。まるでリスのように膨らんだその口からは、はみ出したベーコンエッグが見える。

 

「今日は洗濯して、館の掃除、午後買い出しに行こうかと」

 

 レミリアに紅茶をそっと置き、咲夜もようやく着席する。すかさず、レミリアは膨らんだ頬の中身を流し込み、不満を漏らす。

 

「昨日も掃除したじゃない。

今日は人里でサナトラマンがヒーローショーやるの、一緒に行きましょ!」

「いつも掃除してるから、綺麗が保たれるんです。

それに、人里くらい一人で行けるでしょう?

フラン様、野菜も食べてください」

 

 席に着いても、従者はフランの世話で大忙しだ。

 一方、レミリアは先程までの旺盛(おうせい)だった食事の手を止め、俯く。

 

「みんな家族で見に来るんだもん。毎回、私だけひとりは嫌」

 

 五百年も生きた吸血鬼とは思えない一言だった。しかし、咲夜もここで折れるほど、甘くはない。

 

「パチュリー様がいるでしょう。

フラン様、サラダ食べてください」

「私はパス。図書館の整理しないと」

 

 パチュリーはあっさり切り捨てる。

 なんでも、ここ最近、侵入されたらしく、本の配置が変わっていた。もう数日経つが、誰が何を盗ったのか、一向に(わか)る気配はない。

 唯一、残るのは

 

「お嬢様、私がいますよ!」

 

 美鈴(メイリン)だ。彼女なら、護衛(保護者)としても、申し分ないだろう。

 しかし、

 

「ダメです、美鈴は。

あなた、毎回、お菓子とおもちゃ買って来るんだから。うちにサナトラマンチョコ、何百個あると思ってるの!」

 

 咲夜は、言い切った直後に青ざめた。

美鈴に、では無い。レミリアの顔が再び、歪み始める。目尻に大粒の涙が、今か今かと溜まっていく。彼女は泣き出すと最低、二時間は泣き止まない。そうなったら最後、何もかも狂い出す。

 思い悩む咲夜を横目に、三人は耳栓の用意をする。皆、目を背け、黙って食事を続けていた。

 咲夜は、苦い吐息を飲み込む。

 

「はぁ、分かりました!

 先に、買い出しとヒーローショーですね。

 だから、泣かないでください」

「やったぁ!なら、おめかししていかないとね!日焼けクリーム探してこないと!」

 

 レミリアの笑顔とは裏腹に、咲夜は力無く座り込む。また負けてしまった。

 いつもより、善戦した咲夜の背中を、美鈴がそっと撫でる。

咲夜は、バツが悪そうなその苦笑いに手刀を叩き込んだ。

 約束してしまったものはしょうがない。咲夜は、まずは、苛立ちと共に目の前の食事にかぶりつくことにした。

 

「あと、フラン様、サラダを戻さないでください」

 

 ◼

 

「サナトラマン!今日もわるい怪獣を倒してくれてありがとう!」

「いや、みんなの応援のおかげです!ワッハッハー」

 

 ようやく終わった。

 一時間半にも及ぶ激闘は、いつも通りサナトラマンの一撃であっけなく終わった。周りの保護者も、一辺倒してきた展開に飽き飽きしてるのか、疲弊(ひへい)しきった顔だ。

 

「レミリア様、そろそろ買い出しに行かないと……」

「ちびっ子のみんな、今日は来てくれてありがとう!今から、サナトラマンと写真撮影が始まるぞ!」

 

 咲夜の声を(さえぎ)るように、悪意のないアナウンスが鳴る。

 日傘の中でゆっくりと振り返るレミリアは、目を輝かせていた。 咲夜には、主人を止めるほどの気力はなかった。

 二人は、どうにでもなれと諦観(ていかん)してる保護者の列に並ぶ。

 五分、十分、三十分、一時間。気が遠くなるような時間をかけ、ようやくレミリアと咲夜の番になる。

 

「サナトラマン、あのポーズやって!」

 

 レミリアの願いに、サナトラマンは大きく頷き、一撃必殺のポーズをとる。レミリアも、楽しげに同じポーズをとった。

 咲夜だけが呆然と立っていると、カメラマンがこちらをじっと見つめている。レミリアもサナトラマンも、咲夜の方をじっと見つめていた。

 どうやら、全員同じポーズをしないといけないらしい。咲夜は、恥ずかしげに同じポーズをとる。

 

「早苗、あんた覚えときなさいよ。」

 

 後ろから聞こえてくる低音の呟きに、サナトラマンは狼狽(うろた)えながら首を振る。

 

「撮りますよ〜

 はい、シュワッチ〜ズ!」

 

 ダサい掛け声と共に鈍い光が、三者三葉の(いびつ) な表情を撮影する。

 

 

「はい、どうぞ〜」

 

 もう昼過ぎ、三時間以上も付き合わされた。咲夜が消耗しきった傍らで、レミリアは大事そうにフィルムを抱える。

 

「あっ!レミリアだ」

 

 水色の妖精がこちらに駆け寄ってくる。

 彼女の名は、チルノ。氷の妖精で、よく美鈴と遊んでいる子だ。

 

「サナトラマンと写真撮ってる!いいなぁ」

 

 その声に反応して、二人の幼女が駆け寄る。

 

「ほんとだ!しかも、サナシウム光線のポーズ!」

 

 緑の服が目立つ大妖精が、レミリアのフィルムを覗き込む。彼女も美鈴とよく遊んでいるが、名前は誰も知らない。親友であるチルノ本人も知らないらしい。

 

「羨ましいでしょ。額縁(がくぶち)に入れたら、あなた達にも見せてあげるわ」

「わはー、いいのかー?」

 

 黒服の少女が揺れながら、浮かれた声になる。

 赤いリボンが特徴的な彼女の名前は、ルーミア。彼女も、何かと二人にくっついて、美鈴と遊んでいる。

 三人とも、レミリアと同じサナトラマンの大ファンで、イベントがある日は、いつも四人で長話している。

 

「あなた達は撮らなかったの?」

「カメラマンの人に、親御さん(パパやママ)と一緒にって言われて、ダメだったの」

「あたい達、アイツより長く生きてんのにさー」

「そーなのだー」

 

 三人は文句を垂れる。それもそのはず、(はた)から見た三人は、ただの幼女なのだ。素性を知らなければ、仕方の無い話である。

 

 

「レミリア様、そろそろ買い出しに行きますよ」

 

 話が長くなる前に、咲夜は軽く耳打ちする。レミリアは、別れを惜しむように手を振る。

 

「んじゃ、ばいばーい」

 

 三馬鹿と別れ、ようやく念願の買い出しに向かう咲夜であった。

 

 

「やっぱり、美鈴について来てもらった方が良かったんじゃない?」

 

 先を進むレミリアは困惑した表情で、咲夜に尋ねる。

いつも、紅魔館の買い出しは美鈴の仕事だった。

 まさか、八百屋のオヤジにのせられて、予定の倍を買わされるとは、思いもよらなかった。

 

「なんの……これしき……!!」

 

 咲夜は、両手の巨大に膨れあがった買い物袋を再度持ち上げ、ゆっくりと一歩を踏み出す。

 急がないとフラン様が駄々をこねる(館を破壊する)。おやつの時間はすぐそこだ。

 必死に急ぐ咲夜を見て、レミリアは荷物をひとつ、手に取る。

「お嬢様、重いですから!」

「確かにね。でも、今日は付き合ってもらったから。

 それに、こうしないと、咲夜と手を繋げないもの」

 

 レミリアは、そっと手を差し伸べる。

 あざとい人だ。咲夜は綻び、優しく柔らかい手を握る。

 もう人里から離れ、辺りが森になる。少し暗い森は、そろそろ紅魔館に着く証だ。

 

「やっぱり、あのアイスワッガーとカナコレットブーメランの二刀流は、最高だと思うの。

咲夜もそう思わない?」

 

 未だ、興奮冷めやらぬ主人は、嬉々としてショーの内容を繰り返す。楽しげなレミリアを見て、咲夜もたまには悪くないと思いつつあった。

 そんな母娘(おやこ)のような二人は、突如として足を止める。

 ひたり。

 静かな足音が聞こえてくる。

 ここは、紅魔館の領地。礼儀知らずがいたものだ。

 二人の警戒心が加速する中、木々をかけ分け、何かが現れる。

 それは、全身が緋く染った人間だった。

 いや、人間に近い何かだ。緋色のぬめりけが残るその姿は、まるで人の血を頭から被ったかのようだ。しかも、服を着ていない。

 ただ、有るべきはずの生物として大事な部分が存在していないのは、コンプライアンスの為か、それとも『必要ない』からか。

 よく見ると、顔には時計を模した仮面を被っていた。

 屋台で叩き売りしてそうな陳腐(ちんぷ)で異様な仮面から、くぐもった笑い声が聞こえると、森の中から一人、二人と次々に緋い人間が這い出てくる。まるで、前からそこにいたかのように。

 異様な風景が、二人の警戒心を最高潮にする。

 

「咲夜、パーティの予約はあったかしら……?」

「いいえ、今日は来客の予定はありません」

 

 二人はそっと荷物を置き、臨戦態勢をとる。

 何も語らぬ仮面の集団は、こちらを見つけると一斉に笑い声を揃え始めた。狂気の笑い声は、辺りを不穏に包み込む。

 硬直が続く中、勇気ある緋色の人間が、一歩前へと歩き出した。その瞬間、咲夜は、太もものホルダーから抜いたナイフを投げつける。

斜線描くナイフは、華麗に敵の心臓を捉え、血飛沫(ちしぶき)を撒き散らす。

 緋色の人間が倒れた先から、ちらりと紅魔館が見えた。が、走るにも、声を上げるにもまだ遠い。それに、得体の知れない連中を野放しにする訳にはいかない。これからの買い出しに、支障が出ては困る。

 ざっと、三十体。いや、先程ので一人死んだ。

 

「キリが悪いわね」

 

 レミリアはそういい、流れてきた血を指につけ、適当な一体に飛ばす。

 超高速で飛んだ液体は、極度の潮汐力(ちょうせきりょく)により引き伸ばされ、重力を切り裂く。槍のような形状に変わった血は、敵の胴体を丸ごと消し去った。

 これで二十八。それなりの数だが、この程度、能力を使うまでもない。

 

「一人あたり、十四人。何分で終わらせる?」

「五分……いや、三分で終わらしましょう」

 

 ◼

 

 

「減らないわね」

「むしろ、増えてません?」

 

 レミリアと咲夜は、幻想郷で指折りの実力者だ。敵の数が『十四人』だけなら、三分もいかない間に始末できるだろう。

 おかしいと思い始めたのは、お互い七人目を殺した辺りだった。

殺せど殺せど、敵の数は減るどころか、どんどん増えてくる。辺りは、血なのか緋色の人間なのか、ひと目では判別できないくらいだ。

 しかし、二人はたった一つの結論にたどり着いていた。

 緋色の人間は、必ず死ぬ。

傀儡(ゾンビ)のように生き返るわけではない。それなのに、こうも増え続けるのは、『何者かが産みだしている』。

 それしかない。

 レミリアは咲夜に目配せを送る。

 

「承知……致しました!」

 

 全てを理解した咲夜は、時を止める。

 咲夜が時を止めれるのは、せいぜい二分が限界だ。それに、今は戦闘中、体力の消耗もある。恐らく、もって一分。敵の母体を探すには、あまりにも足りないだろう。

 しかし、咲夜はありったけのナイフを自身の周りに放った。突き進むナイフは咲夜の手を離れ、やがて空中に静止した。

 

「そして、時は動き出す。」

 

 その言葉と共に、円状に並んだナイフは飛び出していく。飛び出したナイフは、理解の追いつかない緋色の人間を次々に仕留めていった。

どんなに大量のナイフと言えど、全滅には至らない。倒れる味方に目をくれることなく、緋色の人間はじりじりと近づいてくる。

 ただ、レミリアは見逃さなかった。時間停止前に飛び上がった事で、狙い通り見つけ出せた。仕留めた敵の中で、唯一、移動した個体がいたことに。

その個体は避けたのではない。

 『当たりに行った』のだ。

 

「そこね」

 

 虐殺によって流れた血が、レミリアの手へと集まっていく。

 血は伸縮し、凝固し、形成していく。それは巨大な槍、『神槍スピア・ザ・グングニル』。彼女の最強の武器だ。先程のとは比べ物にならないその一撃を、敵が庇った先へと振りかぶる。

 

「お嬢様!!」

 

 レミリアを見上げる咲夜の声が響く。

 途端に、レミリアの背に悪寒が走った。恐る恐る、そして、ゆっくりと振り向く。

 そこにいたのは、巨大な手だった。大地から生えるように伸びる手が、そこにはあった。

 いや、正確には、手ではない。手の中に無数に(うごめ)く影。

それは、緋色の人間だった。彼等は自身の体を組みあわせ、巨大な腕を形成していたのだ。地上にいた個体も集まり、徐々に腕は大きくなっていく。

 ただ、理解できたところでもう遅い。

 手はレミリアを掴む。強力な圧力は、強固な吸血鬼も悲鳴をあげたくなるほどだった。レミリアは神槍を滑り落とす。

 万事休す。その瞬間だった。

 咲夜は、腕の中心で紅く光る何かを見つけた。

 それは脈動を打ち、植物によく似た異様な物体だった。緋色の人間と同じく真っ赤に染るそれに、疑念がよぎる。しかし、その疑念はすぐに確信になる。

 植物の脈動は加速し、壺のように大きく発達した四つの房から、緋色の人間を産み落としていた。産み落ちた緋色の人間は、ほかの仲間と同じように腕の一部に組み込まれる。

 間違いない。やつが母体だ。

 咲夜は、一か八かの賭けに出ることにした。残り少ない体力で、再び時間停止する。

 残り二十秒。

 止まった時の中で動けるのは、咲夜ただ一人。のはずだった。

 停止した世界でも、緋色の人間達は動きを止めない。母体も脈動を続けている。

 咲夜は、驚きの表情を隠せなかった。

 

「ウソでしょ……!!」

 

 残り十五秒。

 意味ないと思われた時間停止も、たった一つの救いがあった。

 レミリアだ。咲夜が時間停止したことで、レミリアが死ぬことは絶対にない。ただ、それも時間停止が解除されるまでの延命処置に過ぎない。

 残り十秒。

 咲夜は、蠢く緋色の人間を掻き分け、神槍の元へと走る。あの数、一人一人殺していては時間が無い。かと言って、咲夜の扱うナイフでは、あの腕を破壊するほどの一撃は生み出さない。

しかし、あの槍なら、話は別だ。レミリアの強力な魔力を帯びたあの槍なら、何とかなるかもしれない。

 残り五秒。

 咲夜は、眼前に立つ緋色の人間の一体を踏み台にし、槍の前まで跳ぶ。大地に突き刺さった神槍を手に取る咲夜の体は、その重みでふらつく。が、一呼吸と共に冷静に狙いを定めた。

 

「行っけぇぇぇ!!」

 

 残り一秒。

 ありったけの力を込めた槍は、隆起する肉壁を突き破っていく。幾重の血でぬかるむ槍は、次第に減速していった。

 時間停止が終わる。

 槍は、最後の一体を貫き、母体の寸前で止まっていた。

 仕留めきれなかった。勝利を確信したかのように、緋色の人間たちの笑い声が甲高く上がる。

 

「パーフェクトよ、咲夜」

 

 嘲笑うような嬌声(きょうせい)の中、レミリアの声が細々と聞こえる。

その瞬間、止まっていたはずの槍は母体を貫く。

 その直後、一体が破裂した。それを起点に、緋色の人間達が次々に破裂していく。散る花のように舞う臓物や肉片と共に、腕は瓦解(がかい)する。

 開放されたレミリアは重力に従い、落下していく。先程の圧力で、全身の骨が何十本か逝ったようだ。翼を使おうとも、回復には時間がかかる。それに地面は、もうすぐそこだ。

 地面に衝突する寸前で、レミリアの体が宙に浮く。

咲夜だ。槍までの道で受けた痛みなど噛み殺し、レミリアを抱きしめ、咲夜は大木の下へと不時着する。

 砂ぼこりが舞う中、咲夜は自身の手首を切りつけた。流れる血を吸い、レミリアの口へと移す。これで、多少は大丈夫だろう。血で汚れた外着を脱ぎ、柔らかくレミリアの上にかけた。

 安堵する咲夜の背後で、影が微動する。

 我が子を失った母体が根や茎をしならし、人の形を作っていく。

 触手で出来た表情は歪んだ笑顔を浮かべていた。

 咲夜は、レミリアだけでも守ろうと立ち上がる。ナイフはもう一本もない。だが、死んでも主を守るのが、従者の務め(花道)というものだ。

 

「しつこいわよ」

 

 そう言いつつも、咲夜にもう戦える力は無い。貧血のせいか、視界が少し(かす)む。

 そんなことはお構い無しに、母体は走り出す。

 飛びかかってくる母体を前にして、咲夜は死を覚悟した。

 しかし、身体はその意に反して、ゆっくりと腕を前へと突き出している。

 その手に握られていたのは、(あか)い懐中時計だった。

 母体に懐中時計が触れると、母体はゆっくりと力を失っていく。先程まで浮かべていた笑みはなく、今にも泣き出しそうな顔で必死にもがいていた。

 

「忘れそ…忘れそ…」

 

 そう言い残し、母体の身体は緋い塵となって消えた。

 何が起きたのか、全く理解できなかったが、ようやく終わった戦闘に咲夜はへなへなと座り込む。気が緩んだせいか、疲労が全身に押し寄せる。

 

「忘れたくっても忘れられないっつーの」

 

 想定外の出来事には慣れてるつもりだったが、今回は想定外すぎた。

 レミリアの所に向かおうとしたが、上手く立てない。手首から流れるものは、咲夜の意識を遠のかせる。

 

「レミリア…様…」

 

 

咲夜は気を失い、その場に倒れた。

そこに緋いローブを纏った影が現れる。

 

 

 影は、咲夜の片手にある緋色の時計を見て、深く溜息を着く。

 

「まずまずね。

 色々、想定外はあるけど、期待してるわよ。十六夜 咲夜。」

 

 そう言い、彼女の腕輪が光る。光は、彼女の前に禍々しい色のワームホールを開く。

 その先は、全てが緋色で覆われた廃墟の世界だった。夕焼けよりも緋く、流れ出る血よりも緋い世界。

 中央には、緋く染まった時計が浮遊している。見るものに底知れぬ恐怖を与える時計は、地響きと共に針を進めた。

 針が指し示すは、一の時字。

 破滅への小さく、そして偉大な第一歩が踏み出されたことに、まだ誰も知らない。

 

 

 

《続く》

 




はいどうも、マデュラです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
ぶった切られた後編です。ルビとか入れてみました。もし、これ読めねぇわァ!とかあったらコメくれると助かります
はてさて、ようやくのバトルシーンです。
ここで小噺をひとつ。当初の予定だと、霊夢を登場させる予定だったんですが、咲夜とレミリアの見せ場が無くなるので、泣く泣くぶった切りました……
まぁ第2夜では、あのキャラと共に出てくると思うんで、是非ご期待ください!

???「メイドじゃなくても、メイド長になれるのか?」

んじゃ、またいつか〜

もしかして、Twitterアカウントは必要ですかーッ!?

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