シンボリルドルフ達と泊まる話&他etc   作:how-kyou

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まーたまた難産でした。
次を考えないと…!!

皆さん優しいので外伝に逃げそうっ!!


11.皇帝と併走・前、三日目〜貝殻拾い

---11.皇帝と併走・前、三日目〜貝殻拾い---

 

日の光が強くなり、照り始める。

そろそろ暑くなり始めようとしている、そんな時間だ。

 

「よし!90秒したら、ラスト一本走るぞ…E地点で折り返し、3分を切るように」

 

「フゥ、フゥ…分かったよ、トレーナー君!」

 

「…お"ぉ……余裕だ、ぜ……ウッ」

 

「…シリウス、水飲むかい?飲ませてあげようかい??」

 

「絶対今、入れるんじゃねぇぞ?…ほっといてくれ…ウ"ッ」

 

本日のルドルフの調子はすこぶる良い。

息を整える速度も普段より速い。

シリウスに構う余裕も有る。

 

やはり、隣でシリウスが走っているということが影響しているのだろうか。

 

対してシリウスシンボリも疲労困憊ながら、着いていってる。

意地を張り、根性で動いている…そんな状態に見える。

 

今…一本走る度、互いを昇華している。

自分にはそう見える。

いつか読んだ本に「ミックスアップ」という現象について書かれていた。

 

自分の実力以上に、力を発揮出来る…そして、レベルアップする。

この現象に必要な要素は【最適な相手】との競い合いだ。

 

負荷を高め、相手と競う。

心から願い、相手と競う。

 

なるほど、この2人…実に相性が良い。

 

「私も先日足を攣ったんだ…脱水になる前に存分に飲んだ方がいいね、ほらポキャリだ」

 

「やめ、せめて味のないゴボボボガハッ⁉︎…ゴホッ!…ふざけんな!」

 

「ふむ、まだ元気そうだな」

 

「…ぜってー次は負かす」

 

「はいはい、後30秒で走るぞ?…ラスト一本なんだ、気合入れてけ!」

 

2人の集中力が高まる。

シリウスシンボリは、次は喉元に喰らいついてやると言わんばかりに。

シンボリルドルフは、雄大豪壮に…されど一切の予断を許さぬように。

 

「はい…よーい、スタート!」

 

合図と共に、2人は駆け出す。

一歩目の踏み出しを見ると…この砂浜での練習は確かにものにしていっているようである。

 

二人で走り、競い合うことで…この練習内容にも相乗効果が生まれ、更に価値を見出せる。

 

これからの併せ練習について考えていると、

戻ってきている彼女達に目が合う。

 

「ルドルフ、気を抜かずにラストダッシュ!シリウス、頭上げずに着いていけ!!」

 

こくりと頷き、加速を維持するルドルフ。

 

「んにゃろう…」とでも言いたげな目をして、走るシリウス。

 

午前中のラストランは、そのまま決着がついた。

 

---

 

「昼食べれそう?」

 

「……ああ」

 

ホテルの部屋に戻ったが、シリウスシンボリはぐったりとしている。

 

「情けないぞシリウス……と言っても、私も重い物は食べられそうに無いな」

 

どうやらラスト一本でハッスルし過ぎたようである。

 

嗾けたのは、専らトレーナーであるが。

 

「昼は食べやすい、負担も少ないものを用意するよ…冷えた麺なら、素麺、冷麺、うどん辺りかな……何がいい?」

 

「ふむ…では、シリウス選んでくれるかい?」

 

「その中なら…素麺が食べてぇ」

 

「だ、そうだよ…彼女の為にお願い出来るかい?トレーナー君」

 

「了解、材料買ってくるから…元気になったら二人で……ストレッチとかしててくれるか?」

 

「分かったよトレーナー君…ほら、シリウス?私が押してあげよう」

 

「グフッ…てめぇ上に乗っただけじゃねーか、重い!降りろっ!!」

 

「重っ…ふむ、シリウスは腰が凝っているみたいだね?先にマッサージしてあげようではないか!」

 

「いてぇ‼︎ふざけんなっ!」

 

仲良くやってくれてるな、うんうん。

そう認識して、トレーナーは買い出しに出て行った。

 

---

 

昼が過ぎ、そろそろアフタヌーンティーを嗜む時間帯。

 

「今から、【これ】を見つけてもらう」

 

トレーナーが手に持って見せるのは…

 

「…貝か」

 

「ふむ、先日私が見つけたのと同種のようだね…これを?」

 

「ああ、見つけてもらうぞ!」

 

「…おい、ルドルフ。トレーナーは熱さでやられちまったみたいだが…どうする?」

 

「うーん…あ、トレーナー君。そこに木陰があるから…そこで横たわっていてもらえるかい?」

 

「俺は正常だよっ!ったく…説明するぞ?」

 

トレーナーの話はこうだ。

・朝同様、区間内目標タイムを設定する。

・タイム切りをしつつ、貝殻を拾う。

・戻ってくる

 

「以上だ!何か質問は?」

 

「…正気か?」

 

「…ふむ、面白そうだ。では行くとするか、シリウス!」

 

「正気か!?」

 

「シリウスシンボリ…あえて意図は伝えないぞ。ほら、ルドルフは乗り気なんだ……やる気を出さないと、負けるぞ??」

 

「…誰もやらねぇとは言ってねぇだろ。目標タイムは?」

 

「最初は3分40秒、区間はAまでだ」

 

「ふふ…レースとは色が違うが、今回「も」負けないよ」

 

「…言ってろ、合図を」

 

ドッドッドドドド…

 

緊張が高まるのを感じる。

 

「イクゾー!(カーン)」

 

気を利かせて、金物を叩いたが…。

なんとも気の抜ける音で、スタートとなった…。

 

---

 

「ふぅ…」

 

一人浴槽に浸かるのは、シリウスシンボリ。

 

「…夕方も大概、キツかったな」

 

気を抜けば、心地良くて寝てしまいそうになる。

そんな程度には疲れている。

 

「……ふぅ」

 

今日の練習を思い返す。

 

午後の練習は、自分では思いつかない練習方法だった。

 

「確かに意味は有ったんだろうな、…また負けちまったが」

 

練習の特性上、地面を時折注視する必要が有る。

 

レース中に足を踏み入れてはいけない、荒れた箇所が生じている場合がある。

そう言った場面に出くわした時…それこそ荒れたバ場に向かう時に、今日の経験は活きてくるだろう。

 

「…ふぅ、そろそろ出るか」

 

屈むことが多かったから、少し腰が痛む、ような気がする。

念のため、出たらルドルフに湿布でも貼らせるか。

 

---

 

「…スヤァzzz」

 

「……寝付き良すぎだろ、コイツ」

 

さしものコイツも疲れていたらしく、手早く入浴しようとした私とカチ合った。

珍しく「一人でのびのびと入りたい」と意見まで合致したのだが…。

 

 

「古今東西…こういう時の決め方は決まっているね?」

 

「へっ、一回勝負な」

 

 

…今日は負けてばかりだったな。

 

さて、面倒になってきたのでこのまま寝ようか、などとも思うが…明日に尾を引く判断は得策じゃない。

 

「…トレーナーは起きているんだな」

 

今、自分が着ている服は…捲らなければ背中に湿布を貼ることが出来ない…。

 

…つまり、肌を見られる、ことになる…どうしようか。

 

「……いや、まてよ…なんで私が意識するんだ?」

 

……なんか、めっちゃムカついた。

 

湿布を貼らせる前に、一丁…揶揄ってやることにする!

 

---

 

ふと、時計を見る。

 

晩御飯を食べ終わってから、結構経っていた。

 

 

今日の練習は…成功したように思う。

 

強化の狙い所は様々に有ったが…一番効果が覿面だったのは……結果から見るに、彼女達の「勘」ではないかと思う。

 

いつ、どの様に攻め立てるか…。

そこの感覚を、今日の練習で……伸ばせたのではないだろうか。

 

午前と同じく、シリウスがついていく形になっていたが……今日の勝負勘の成長は、彼女の方が凄まじかった。

 

これを活かせるための身体が、今後の課題となってくる、と………。

 

「…んー」

 

伸びをする。

集中し、前傾姿勢になっていたためか、身体の随所からコキコキと音が聞こえた。

 

「そろそろ、風呂空いたかな」

 

「ああ、今上がったぜ」

 

「っ!?…シリウスシンボリよ、気配を消して近付くんじゃない」

 

完全に独り言のつもりだったから、途轍もなく驚いてしまった。

 

「…もう出たんだな?次、俺が入るから……早く寝るんだぞ」

 

気恥ずかしさから、彼女の顔をあんまり見ないようにしつつ、手早く入浴の準備をする。

 

「おっと…ちょっと待ちな」

 

「…なんだよ」

 

彼女が襖を開けて、入ってくる。

この光景に…どこか、既視感が有る。

 

「…一つ頼みがあってな」

 

「……なんだ?」

 

「……すっかり硬くなっちまってな」

 

羽織りを一枚脱ぎ捨てる。

 

「お、おい…待てっ、待ってくれ!」

 

「だからさ…手で」

 

もう一枚脱いだようだ。

只ならぬと察したトレーナーは、先程よりも顔を背ける。

 

「シリウス!?本当に何を!!?」

 

ルドルフとのやり取りを思い出す。

既視感の正体はこれであったか。

 

「湿布貼ってくれ」

 

「……は?」

 

見上げれば、してやったと言わんばかりの表情をした、シリウスシンボリの顔。

 

彼女は薄着のシャツを着ていた。

捲り上げて湿布を貼れそうだ。

 

「こうも暑いと、三枚も着て寝れないよな?トレーナー??」

 

「……」

 

そう言って、横たわる。

 

なんでこう…計ってばかりなんだシンボリは。

 

捲り上げた腰に、大きな一枚手に取りを貼り付けてやる。

思いの外冷たかったのか、声を上げやがった。

 

妙に艶っぽい声を出しやがる。

…演技派じゃねーか、この野郎。

 

「おら、綺麗に貼れたぞ……さっさと寝るんだな」

 

うつ伏せたままのシリウスの表情は、夜ということもあり…俺には見えなかった。

 

 




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 モチベが上がりこりす!!

あ、夏ネタも欲しいっす…!

完全外伝を

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