シンボリルドルフ達と泊まる話&他etc   作:how-kyou

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単発のつもりだったんで駄文気味です。
申し訳ありません。
一応オチまで考えようと思います。


2.何事もなく、宿泊するには

---2.何事もなく、宿泊するには---

 

彼女に先導される。

タクシーもない。

ともすれば必然的に、歩くこととなる。

今更になって、自分の胸中はグルグルと、やっぱり不味かったんじゃないのか、と不安になってくる。

 

「ルドルフ、周囲に気を配って……写真とか撮られないように気を付けろよ、ホント頼むからな」

 

「私は大丈夫だよトレーナー君……君こそ泰然自若、逆に目立っているから落ち着くんだ」

 

この大雨には心許ない、ビニール製の傘をさしている。

顔を隠して、代わりに脚を濡らし、苦笑する彼女について行く。

 

「いいかルドルフ、パパラッチされてみろ…生徒会だけじゃなくて全生徒、全URA職員に迷惑がかかる、皇帝のスキャンダルはそういうレベルなんだ……俺はだな、何よりこれからも、栄光を掴み続けるルドルフがそういった…」

 

「分かった、分かったよトレーナー君。ふふ…幸い時間もあるし、ほら少しそこで落ち着こう」

 

彼女は方向を変え、屋根のある公園に向かう。

諭された、自分は一息ついて、ついて行く。

 

---

 

「落ち着いたかい?」

 

公園に入り、周囲から人目が無くなった。

 

「あ、あぁ…その、悪い…熱くなった」

 

「いや、私の事を想ってくれてのことだろう。嬉しいよ、謝る必要なんか無いさ」

 

学園からの忠告もあり、自身で思っていたよりも、心慌意乱していた。

 

だがこうして、その心に余裕が産まれたためなのか、雨が打ちつける自動販売機を視野に捉えることが出来た。

おもむろに近づき、彼女に声をかける。

 

「それでも迷惑はかけたろ…礼だ、何か飲む?ルドルフ」

 

「ん?いや、私は」

 

彼女が目を動かす。

俺の観察眼は光る。

 

「これだな…俺も同じのにするか」

 

彼女が答える間もなく、2本買い彼女の元へと戻る。

 

「驚いたな、遠慮しようと思ったが…こうも見事に、欲した物を当てられるとは」

 

「皇帝のトレーナーだからな、これくらい訳ないよ」

 

「ふふ…先程の慌てようとは、別人の様だよ。ありがとう、頂くよ」

 

「んぐ、どういたしまして」

 

彼女と共に、雨の当たらないベンチに腰掛ける。

 

冷静になるまで、温かいものを飲みながら心をさまそう。

そうなるまで、もう少しかかるだろうが。

彼女に感謝して休憩しよう。

 

---

 

この温かみは、冷えた身体に沁みる。

そのおかげでリラックスして、彼女に伝える。

 

「もう、ホテルに一緒に入るのは反対しないからさ。…だから、お互い十分に気をつけて行こう」

 

「私たちの写真一枚が、一波万波随わせるということだね。大丈夫、理解しているよ」

 

彼女はしっかりと聴いてくれていたようだ。

 

ただ、自分から話すことの方が多かったらしく。

 

「…美味しかったよ、ご馳走さま」

 

彼女はもう飲み終わったようだった。

 

早く飲まなければ。

 

ふと見れば、整った尻尾も濡れてしまっているようだ。

 

他者が見たら、その濡れた尻尾の揺れは、大変あでやかに映ることだろう。

 

ぽたりと滴が落ち、

いかん、彼女が冷える前にホテルに辿り着かないと、と考える。

 

「ルドルフ、もうゴールは近いのか?」

 

「もうすぐだよトレーナー君、あっちの方だ」

 

彼女の指差した方向を見る。

ここまで続いて来た道は、表通りとは言えないものであった。

しかし、示された先は、色合いが目立つようになり、見た限りだがホテルは多そうな印象を受ける。

 

だが、

 

「ぁー…マジか………マジか?」

 

所謂ラブホテルじゃね?

 

いや、どう見てもラブホ街だ。

 

ダメじゃん。

なんの言い訳もできん。

 

「以前、シリウスと話した時にね…なんでも、仲の良い者達でしか泊まれないホテルがあると聞いてね。おすすめも聞いていたし、思い出して連絡してみたんだ」

 

よりにもよって…

この状況下では思い出さないで欲しかった。

おすすめってなんだよ。

 

「エアグルーヴもブライアンも知らなかったみたいでな」

 

分かった。

シリウスシンボリにおちょくられてるんだ。

それにしても、生徒会全員ピュアが過ぎないか。

不安になるぞ。

 

「さて、トレーナー君も飲み終わったみたいだし、そろそろ行こうか」

 

「ん、あ、あぁ…」

 

やっちまった。

何も聞かずに相槌打ってしまった。

畜生、なんでここにきて、こんなに情報量が多いんだよ。

 

---

 

先ほどよりかは、幾分マシになってきた雨の中、彼女に連れられて再び歩き始める。

 

一縷の望みがあるとするならば、シリウスシンボリが彼女をからかっただけで、その実、普通に良い宿泊施設を教えている可能性。

しかし、その僅かな可能性すらも、歩を進めるたびに潰えていっている様に感じる。

 

「ルドルフ…フロントではトレーナー君と呼ばないでくれよ。部屋に入ったら呼んでくれて良いから」

 

「それも流出対策だな。分かったよ、気を付けよう」

 

歩いた時間などを加味すると、この天候で、ここから別の所を見つけるのは至難の業だろう。

つまり、なんであれ、予約した所に泊まる必要がある、と言うわけだ。

 

覚悟完了。

 

「あー『ルナ』…もうそろそろかい?」

 

彼女の歩調から、結末が近いと分かる。

 

「久しぶりにその名前で呼んでくれ「るな」……ふふ、そこの大きい通りを右折、左手に見えてくるはずだよ」

 

「……分かった」

 

彼女は高揚している様だ。

 

自分は大した反応も出来ない。

 

心臓の高鳴りが煩い。

彼女のG1レースの方が、まだ、もう少し、緩やかな鼓動を刻んでいる様に思う。

 

彼女を見る。

 

「おお!凄いな…実家とは違う。なんと表現するべきか…うん、そうだな。まるで、お城のようだよ」

 

かかっている?

建物の外観に興奮している様だ。

こう見てみると、彼女の年頃を感じる。

 

なるほど、ラブホテルを知らなかったか。

 

自分も、現実を直視する。

 

「やっぱり、ラブホテルだよな…」

 

認めたくないが事実は変わらない。

おのれ、シリウスシンボリめ。

 

「雨もまた強くなって来た、勇往邁進、これ以上身体を冷やす前に、さあ入ろう」

 

乗り気な彼女は絶好調。

自分の心臓は高低差200mの坂を上り下りしたかの様に、本日マックスの早鐘を打つ。

絶不調だ。

 

俺は彼女に、手を引かれて、

半ば引き摺られる様にしてついて行く。

 

雨を吸った靴を履いているからか、足取りは重たい。

 

非常に重たいなぁ。

 

---




pixivにも投稿してます。
感想お待ちしております。

シリウスシンボリの扱い(出来る限り頑張ります)

  • いっそ3人一緒に泊まれ
  • 泊まるのはルドルフとだけ
  • 別の機会にトレーナーと
  • そんなことより修羅場が見たい
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