シンボリルドルフ達と泊まる話&他etc 作:how-kyou
みたいな台本形式にした方がめっちゃ楽。
エタりませんように…人。
第一幕:雑誌の余白に閃いた
第一幕:雑誌の余白に閃いた
ある日の午後、トレーナー室は静けさに包まれていた。
窓ガラスを叩いている水滴は、規則正しくリズムを奏でる。
生徒たちは、それぞれのトレーニングを終え始めており、
数刻前までは校舎のあちこちから聞こえていた活気も、かなりの落ち着きを見せていた。
「……ふう」
ここは落ち着いた静寂の中。
そのような中、
トレーナーは湯気の立つカップを机に置き、
それなりに分厚い雑誌を捲っていた。
雑誌の表紙には『最近のスポーツ心理学を取り上げた特集号──』とデカデカと書かれていたはずだったが、
読み進めていく内に、ページの端に妙な見出しが躍っているのを発見する。
『愛してるゲーム 確かな効果!大流行中!!』
「……なんだこれは」
比較的スムーズに読み進めていたのだが、思わず…目が止まる。
その記事は数ページに渡っており、
主に若者の間で流行している“遊び”だと紹介している。
ルールは至って単純。
お互いに「愛してる」と言い合い、先に動揺した方が負け。
──ただ、それだけ。
その内容に、眉間に皺が寄る。
(バカバカしい……)
最初の感想はそれだけだった。
しかし、ページを捲る手を止まることはなかった。
そのコラム欄に、流すことの出来ない興味深い言葉が並んでいるからだ。
「心の安定を試す」
「恥じらいを超えることで自信がつく」
「心理的耐性が育まれ、動じなくなる」
(…ふむふむ……おいおいおい、これは……)
最初は眉をひそめていたというのに、
読み進める内にトレーナーの表情は、より一層複雑怪奇なものに変わっていった。
この大きく扱われているコラムを見た時は思わず『なんとくだらないことか』、
そう一蹴しそうなった。
が、その一方で、『確かに…一理あるのではないか?』と思える部分もある。
レースは一瞬の心の乱れで、勝機を逃すことがある。羞恥や動揺といった感情だとしても、それを…今以上に制御出来るようになるのならば…。
(意外と──立派な『訓練』じゃないだろうか)
ページの写真には、実際にプレイした人々なのだろうか。顔を赤らめながら笑っている姿が写っていた。
楽しげでありながら、その実、どこか真剣さも滲んでいるように見える。
(……心を鍛える、というのは見過ごせないワードだ。冗談半分だとしてもやってみる価値はあるな……)
そこまで考えて、頭の中に姿が浮かぶ。
──シンボリルドルフ。
この学園の生徒会長にして、走るその様は皇帝と称される彼女。
その瞳は常日頃から揺らぐことは殆どなく、
言葉も態度も、威風堂々、公明正大たるもの。
確固不動とも言っていい彼女が、
ほんの一瞬たりとも、レース中に動揺したことなど……あっただろうか?
いや、脳裏に浮かぶ彼女の姿には、そのようなものは思い至らない。
(いや、だからこそ…価値があるのか?)
喉が、嫌に乾いた。
読み続けていたページを閉じて、トレーナーはカップを手に取り、再び口をつける。
苦味が広がるが、頭の中は別の思考で占められていた。
(彼女を相手に、この「愛してるゲーム」を挑んだらどうなるんだろうか?)
少し考えてみるが…
おそらく平然と受け流され、逆に自分が打ちのめされてしまう。
どのようなシミュレートをしても、だ。
そんな未来が容易に想像出来てしまった。
そして、そんな想像をするだけで…若返った錯覚の様に、顔の熱が少しばかり増した気がしてならない。
「なにやってんだ俺は……」
小さく呟き、目を閉じて、自然と額を押さえた。
確かな温かさを感じてしまう。
だが…それでもなお、この思いは続いてしまう。
(………)
ここ最近だが、
彼女との時間が減っていると感じていた。
重なってしまう会議や行事は忙しなく、
二人で落ち着いて話す時間は、僅かほどしかなかったように感じる。
つまり、言葉に出来ていない感謝も、
伝えそびれたまま積もっている状態。
(『愛してる』なんて言葉、軽々しく使うものじゃない)
(そもそも、今までの人生を振り返っても、口に出した記憶が無い…)
(……でも、ゲームとしてなら…)
自分が声に出してみることを想像すると、心臓が一際大きく脈動した。
(だめだ、やっぱりこの言葉は重い……!)
だが、これで鍛えられるのは確かだ。
自分よりも彼女にこそ必要な遊び……いや、訓練かもしれない。
そう理由付けする。
(…何より大人びた彼女が動じる姿を見られるなんて、ないだろう)
彼は雑誌をぱたんと閉じた。
弱かった雨脚は強まり、窓を叩く音が室内を満たしている。
(よし……決めた。ルドルフならこのゲームの本質理解してくれる。いや、してもらう)
大人である自分に、強く言い聞かせようとする。
だが…次の瞬間、思考に待ったがかかる。
(……待て、待て待て。もし……本気にされたら??いや、そもそも俺は『ただのゲーム』と割り切れているのか?)
「愛してる」なんて、簡単に言える言葉じゃない。だが……伝えることで得られるものは確かにある。
葛藤の中、まるで挑発するかのように、雨音はさらに強くなる。
少しばかり、冷たい空気が入ってくる。
トレーナーは深く息を吐き、閉じた雑誌を机の端に置いた。
一度固まりかけた、決意はまだ揺らいでいる。
……だが、妙な胸の高鳴りだけは確かにあった。
──それはまるで、起ころうとする嵐の前触れのようであった。
お読みいただきありがとうございました。ネタください。ネタ。
ルドまだ出てねぇな。
あと感想と評価は原動力なので…もらえると嬉しいです!
完全外伝を
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このまま加えても良い
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イチャつくならおk
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別で連載しろ
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早く本編書け