Call of Duty: Modern Warfare Ⅴ   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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ここに、中央トレーニングセンター学園プール棟の建立を宣言する

私は、13回挑んだ全ての重賞の直後必ず発生した大怪我に悩まされた
それはひとえに、柔軟性の欠如が原因である
プール棟の建立は、我らの後に続く者達が私の二の舞にならない
ようにという私の最後の祈りである
どうか、若き者達が安全に引退まで走ってくれることを祈願し、私の訓示とする

ドレッドノート






プール棟エントランス前にある石碑





#2 "下準備"

戦いは始まった。ようこそ私の戦場へ。

 

ドレッドノート

出場した全レース ゲートイン直後に必ず行っていた宣言

 

 

 

 

 

 

 

 

ドレッドノート

 

実は、点滴の生理食塩水が大好き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チーム"TF-141"司令部 リビングエリア

 

 

「ん?」

 

シービー君が雑誌を読んでいる。珍しい。

 

「シービー君、何読んでるの?」

 

「書店のおすすめにあったやつ。」

 

『"戦艦ヤマト"という時代 -1980~1985-』

 

何で今更母さんを取り上げる奴がいるんだ···

 

「母さんの特集?シービー君そんなことに興味があったんだ?」

 

「????···え?母さん?」

 

「そうだよ。私の母はヤマトだよ。」

 

「···そうだったんだね。道理で少佐とヤマトさんの勝負服似てるな~って。親子なら似ててもおかしくないか。」

 

「ちなみに私の祖母はブリュンヒルトだよ。」

 

「????1950年代のアメリカ競バ界を支配したあの"純白の戦艦"ブリュンヒルト?」

 

「そうだよ?」

 

「···少佐の一族凄すぎない?」

 

「ブリュンヒルト、ヤマト、ドレッドノート。我々戦艦一族の次はどうなるかな?まあ尤も、私はまだ結婚すらできてないけどね。」

 

単純な歴史では我々はメジロ家より長い。だが、母は祖母から何も引き継がなかった。母は私が幼い内に事故で死んだので、私とて母から何も引き継がなかった。力は継承したかもしれないけど、歴史も何もあったもんじゃない。多分私も次世代に何も遺せないだろう。遺伝子さえ遺せれば僥倖といったところか···

 

「···正直今暇だからさ、少佐の昔話でも聞かせて欲しいな。」雑誌を閉じる

 

「私の過去はシービー君の暇潰しにはならないと思うけど···。」

 

「じゃあさ。少佐、何で"孤高の戦艦"なんて呼ばれてるのか解説して欲しいな。」

 

「···レースになったら私が無意識に発するプレッシャーから同時代を走る子達からそう呼ばれるようになったのがきっかけ。同期の一人がこう評してた。"フリゲート艦(排水量2000t未満の軍艦)戦艦(30000t以上の大型艦)に挑むような無謀なオーラに皆がのまれて誰も貴方に抗えない"って。現役時代はそのプレッシャーのせいで私に近づく者はいなかったから現役時代の友達は1人後輩がいただけだった。それも私が高3の時に中1で入ってきた子だった。だから"孤高"。合宿の時にでも一緒に走ろうシービー君。そうすればわかる筈。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室前

 

「···」コンコンコン

 

「どうぞ。」

 

「失礼します。」

 

「シェパード少佐。」

 

「一応面と向かっては初めましてですね。シンボリルドルフ会長、エアグルーヴ副会長、ナリタブライアン書記。マクシミリアン·マリア·ヒロシ·フォン·シェパード少佐です。」敬礼

 

「少佐、何用で生徒会室に?」

 

「当然ですが着任当日には理事長、理事長秘書には挨拶を済ませてあります。が、生徒さんの代表者達に挨拶をしていないことを失念しておりましたので今更ですが伺いました。」

 

「態々ありがとうございます。」

 

「昨日大変なことになっていましたがロドルフォトレーナーとゴーストトレーナーの担当は決まりましたか?」

 

「ロドルフォはまだ物色中ですがゴーストはセイウンスカイが担当になると思います。」

 

「わかりました。それとロドルフォトレーナーには早急にとお伝えいただきたい。」

 

「伝えます。」

 

「···シェパード少佐。」

 

「何か?」

 

「ゴーストトレーナーがかのドレッドノート氏と交流があると言ってましたが、彼は今どこにいるのです?ご存知なら是非教えていただきたい。」

 

「···ドレッドノートの所在は今の合衆国にとって最も知られたく無い機密の一つ。例え本人が許してもお教えすることはできません。たまに学園を訪れOBとして激励して貰うことでさえ行政府(ホワイトハウス)としてはできればやって欲しくないのが彼らの本音です。あまり束縛するのも嫌だから妥協したということらしいのです。生徒会としては先達に指導して欲しいという本音はわかりますが、我々がこれ以上の譲歩をトレセン学園に重ねることは不可能です。御了承いただきたい。」

 

「承知しました。我儘を言ってしまい申し訳ない。」

 

「では失礼します。」ガチャ

 

 

「あ そうでした。一つ忠告を。彼は今の日本競バに失望していました。『これでは一体何のためにプールを寄付したのかわからない。私が単なる善意でプールを寄付する訳ないだろう。』と。では、本当に失礼。」

 

 

 

 

 

「「「···。」」」

 

「···失望されても文句は言えませんね。設備も人材も17年前と現在では比べ物になりません。にもかかわらず彼の記録を抜いた者は我々生徒会を含めて誰も···。」

 

「因果応報。我々は彼の時代より優れた設備人材に胡座をかきすぎたのだ。その結果がこの慢心だ。記録を破るどころか凱旋門賞を彼以外まだ誰も獲得できていない。もう20年近く経つというのに···。」

 

「···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チーム"TF-141"司令部

 

 

「···。」学生名簿確認中

 

「そういえば坊主。」

 

「おやっさんどうしました?」

 

「お前さんの部隊だが短距離とダートはどうするんだ?中長距離しかいないだろう?」

 

「そうですね。アンバランスなのは否めません。ダートは必要に応じてギャズからウララ君を借ります。短距離は···。」全館放送ボタンを押す

 

 

「ケイエスミラクル君、ケイエスミラクル君。直ちにチーム"TF-141"司令部に出頭せよ。以上。」

 

「···なるほどな。」

 

「一応確認してみましょう。駄目なら他をあたります。」

 

「奴が命の恩人であるお前さんの頼みを断る訳無いだろう。」

 

「彼女は責任感に溢れていますから、ほぼ間違いないと思います。」

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね、ケイエス君。」敬礼

 

「···。」答礼

 

「お互い知らぬ仲じゃないんだからここに遊びに来てくれて良かったのに来る気配が全く無いから呼び出しちゃったよ。」

 

「···少佐は着任してまだ間もありません。お忙しい中訪ねるのはご迷惑になるかと思いまして。」

 

「それこそ要らぬ配慮だよ。私は"兄弟"とのコミュニケーションは欠かさないし、兄弟に対して閉ざす扉を持ってない。ケイエス君、君もまた私の兄弟だよ。あの地獄を共に生き抜いたんだから。」

 

「···あの時はただおれが足を引っ張ってただけな気がしますが···。」

 

「細かいことは気にしない。さ、かけて。」椅子を指す

 

「···失礼します。」着席

 

「では早速本題に入ろう。率直にお願いしたいケイエス君。我がチーム"TF-141"に入って欲しい。」

 

「···おれ今怪我してますから、少佐のお役には立てないかと。」

 

「···ならこう言い換えようか。ケイエス君、兄弟の私の為に141に入って怪我治して走ってくれる?私は君の戦いを見てみたい。」

 

「···そう言われたらおれは断れませんよ。少佐だってわかってるでしょ?」

 

「悪どい真似をしている自覚はあるよ。でもねケイエス君。」

 

「?」

 

「私の後ろ楯の将軍達はもっと悪辣なことを息を吸って吐くようにやれる。だからこそ戦いは楽しい。尤も、現場(戦場)は地獄だから行きたくないけどね。ケイエス君、ようこそ!選りすぐりによる地球上で最強の部隊TF-141へ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず買い物に行ったアイツに代わってオグリのと一緒に訓練メニューをつくっておいた。ケイエスミラクルは怪我を2ヶ月で治す。そこから短距離重賞を狙った基本トレーニングだ。ミスターシービーはいつも通り。ただしキングヘイローは普段の練習メニューに加えてこのクソ重い蹄鉄シューズでトモを鍛えろ。最初は1日5キロ程度こいつを履いて足を上げるよう意識しつつゆっくり走るんだ···あぁそうだ。」

 

「「「?」」」

 

「アイツからキングヘイロー、お前さんに当分の目標が与えられた。どれか一つに絞って良い。"三冠"を獲れ。そしてモンジューを始末しろ。」

 

「わかったわ!キングの栄光を見せてあげる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレハンドロ。」

 

「あぁおかえり兄弟。お前さんの指示で訓練メニューをやらせてみたが案外やるなアイツら。」

 

「アレハンドロにそこまで言わせるなんて珍しいね。」

 

「他はある程度放っておいてもいいだろうがケイエスミラクルには注意だな。アイツはどうも真面目に過ぎる。」

 

「わかってる。彼女の所在と体調はしっかり随時把握しておく。」

 

「しかし、お前さんが直接やるならいざ知らず、若い奴にモンジューの始末を任せるとはな。思惑を聞いてもいいか?」

 

「奴はいずれ私が直接始末する。けどねアレハンドロ、それは簡単過ぎるよ。キング君に負けて驚愕するであろう奴を然る後私が直接処刑してやる。絶望を味あわせてやる。我々戦艦一族の後継者を勝手に名乗りやがって。報いを受けさせてやる。」

 

「お前さんそんなに怒ってたんだな。ちょっと意外だったぜ。まあ仕事の話はとりあえず終わりだ。 さあて、一杯やって寝ようぜ兄弟。プライス大尉が本場のスタウト(黒ビール)をキンキンに冷やしてくれてる。」

 

「だからおやっさん珍しく機嫌が良かったのか。一杯交わして明日に備えよう。」

 

···一瞬ケツが痒くなった。何か面倒事に巻き込まれる気がする。嫌だな···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「···なるほどね。聞いたことある名前だと思ったんだ···『タスクフォース-141』···。」

 

???「殿下···。」

 

???「安心して隊長。チームに入ったって別に走る訳じゃないんだから。」

 

???「···。」

 

???「英雄って意外と身近なものなんだね。隊長?」

 

???「明日朝一でシェパード司令官代理にアポを取ります。」

 

???「ありがとう隊長。」

 

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