ようこそアイドル至上主義の教室へ   作:黒岩

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暴力事件編
劣ることもまた魅力になりえる


 魅力とは、人を惹きつける力のことである。

 分かりやすいのが容姿だ。イケメンや美女といった異性、はたまた同性すら惹きつけるほどの美貌は性的魅力として多くの人を惹きつける。

 だが魅力とはそれだけではない。

 ある人物が優れた能力を周囲に見せつけ、それに他者が惹きつけられる──その場合もその人物は魅力があることになるだろう。

 あるいは性格や雰囲気的なものもまた魅力だ。その人物の人格に不思議と惹きつけられる──それもまた魅力の1つ。

 そしてあるいはそれらを複合したものを魅力的な人物、カリスマのある人物と指す。

 ようは、何でもいいのだ。何であれ人を惹きつけているならそれはその人の持つ魅力に他ならない。

 私があらゆる意味で魅力的な人物であることには疑いの余地がない。国民的アイドルとして日本中にその名前と顔を知られ、多くのファンを持ち、この高度育成高等学校においても上から2番目のBクラスに振り分けられ、その集団をまとめて中間試験を無事に乗り越え、多くのクラスポイントを獲得することに成功した私は、優れた資質を発揮する魅力的なリーダーだろう。少なくとも今年入学した1年生の中で私以上に魅力的な人物は存在しないと自負している。

 

「──チェックメイトですね」

 

 ──そして、目の前に座る少女もまた優れた能力を持つ魅力的なリーダーであることも間違いない。

 この学園敷地内にある大型商業施設であるケヤキモール。平日の放課後や休日には多くの学生で賑わうその施設内の南口付近は、学校から真反対にあるため比較的人の少ないその辺りは内緒話にはうってつけだ。平日であるなら尚更。

 そしてその南口付近にあるカフェのテラス席。日光避けの傘の下の丸テーブルには私ともう1人が『盤面』を挟んで対峙していた。縦横8マスずつ、64マスのその盤面で互いに16個の駒を使うそのチェスにおいて、私はあっけなくその少女に敗北を喫した。その事実に、私は自然な笑みを浮かべて彼女を称賛する。

 

「……まいったまいった。いやぁ強いねー有栖ちゃん。これは勝てないわ。私も結構自信あったんだけど有栖ちゃんの方はほんとプロ並みの腕前だね」

 

「ふふ、ありがとうございます。ですが麗さんも強かったですよ。少なくとも今までに戦ってきた同年代の中では1番手強かったです。楽しませてもらいました」

 

 ゲームが終われば互いが互いを褒め合う。口元に手で隠し、お上品に嫋やかな笑みを見せるその少女は、1年Aクラスに所属する坂柳有栖という生徒だ。

 その見た目はとっても可憐。アイドルの私から見ても不思議な魅力を感じる有栖ちゃんはしかし、先天性心疾患を患っており、歩行時にも杖を使うなど身体的に大きなハンデを持っている。

 だがそれでも彼女は現在、Aクラスを二分する坂柳派のリーダーとしてAクラスの半数近い生徒を率いているのだからさすがと言うべきだろうね。

 その証拠に有栖ちゃんの背後には神室真澄という無愛想だが見た目80点以上は固い女子生徒と橋本正義という70点台後半くらいの男子生徒を付き従えている。2人とも、この有栖ちゃんが側近に置くのだからきっと優秀なんだろうね。

 対するこちらも、背後には神崎隆二こと隆二くんと姫野ユキことユキちゃんを従えている。2人とも大事な友達であり私の側近だ。

 本当なら隆二くんと並んでクラスのサブリーダー的立ち位置に置いている一之瀬帆波こと帆波ちゃんを右腕に置いておきたいところだが、ぶっちゃけ帆波ちゃんはこの会談に連れてくるには向いてないと思って今日は呼んでない。今頃千尋ちゃんや麻子ちゃんと一緒にどこかで遊んでいたりするんじゃないだろうか。

 ──と、この場の状況を脳内で改めて整理したところで、私は目の前にいる有栖ちゃんに声を返すべく口を開きながら手に取った駒をパチンと盤面に置く。有栖ちゃんもまたその盤面を見下ろした。私はその有栖ちゃんの表情に注目しながら、同時に声をかける。

 

「それでどう? 派閥争いは上手くいってる?」

 

「どうでしょう。葛城くんも私もクラスメイトに呼びかけ結束を高めると共に相手の派閥に所属する生徒へ味方していただけるよう説得していますが、成果は芳しくありません。大勢が傾くには何かのきっかけが必要でしょうね」

 

「大変だねー。でも葛城くんも優しくて良いリーダーだと思うよ。私なら、有栖ちゃんの欠点でも突いて弱らせるのに。強い獲物は弱らせてから仕留める方が楽だし」

 

「なるほど。それは効果的ですね。確かにそういう手段を取るのであれば私1人では為す術がありません」

 

 有栖ちゃんがパチ、と更に駒を打ってくる。彼女の表情は余裕に満ち溢れていた。

 

「ですがご心配なく。備えは怠っていませんよ。そういった暴力的な手段への対策は最低限取らせて頂いていますし……それに幸いなことに、その手の駒は既に私も所有しています」

 

 駒を動かし、私の駒を取る有栖ちゃんは対策は取れていると豪語する。背後にいる真澄ちゃんと正義くんがその証拠だろう。もしここで私が有栖ちゃんに殴りかかってもこの2人が止めるし、もっと本格的な争いになればその能力に長けた駒をここに召喚する用意もあるということだ。なるほど。二分しているとはいえさすがはAクラス。優秀な駒が揃っているみたいだね。私は駒を動かしながら言う。

 

「いやまあそうじゃなくてさ」

 

「そうじゃない……? ではどういった意味でしょう?」

 

「──有栖ちゃんっておっぱい小さいよね」

 

 ピシッ、と空気が凍る音がした。有栖ちゃんの笑顔が笑顔のまま固まっている。背後の真澄ちゃんは「急に何言い出してんの?」と冷たい目を向けているし、もう1人の正義くんは冷や汗をかいて顔を引き攣らせていた。

 多分背後の隆二くんやユキちゃんも私の発言に驚いているだろうが、私は構わず続けた。

 

「それに身長もちっちゃいしね」

 

「……面白いことを言いますね、麗さんは。胸の大きさや身長の低さがこの学校の争いにどのように関係しているのか。是非ともご教授頂きたいです」

 

 パチッ、と有栖ちゃんが駒を返す。その音、駒を打ち付ける力が気持ち強いような気がするのはきっと気の所為だろう。大人な有栖ちゃんはきっとこんな幼稚な挑発で怒らないに違いないからね。私はまだ間髪入れずに駒を打ちながら更に続ける。

 

「色仕掛けとか出来なさそうじゃない? まあロリコンには効きそうだけど」

 

「ロリータ・コンプレックスはその元となった小説からして12歳の少女に対する恋愛感情。あるいは15歳未満のローティーン以下に対するものでどちらにせよ年齢がその基準です。私には当てはまりませんし、当てはまるとしたらあなたも含めて女子生徒全員に当てはまるのではありませんか?」

 

「有栖ちゃん知らないの? 最近じゃもっぱら見た目が基準なんだよ。胸も身長も小さくて可愛い顔した有栖ちゃんは世間一般じゃロリ扱いだし、私がいたグループにも有栖ちゃんと同じくらいの身長で胸もちっちゃい子がファンからもロリ扱いで人気あったし。正義くんは知ってるよね?」

 

 有栖ちゃんが駒を打ってくるその盤面をちらっと見ながら横の橋本くんに話題を振ってみれば彼の顔がぎょっとした。有栖ちゃんの顔が橋本くんの方を向く。露骨に橋本くんは目を泳がせた。

 

「橋本くん。そうなんですか?」

 

「い、いやぁ……どうかな……アイドルはちょっと、疎いんだ」

 

「あれ? 初めて私に話しかけてくれた時に色々話してくれたよね? 私のグループの曲もよく聴いてたって聞いたけどあれ嘘だったの? 酷いなぁ」

 

「い、いや……あれは曲だけ何となく知ってただけで……メンバーの詳しい見た目やどういう売れ方をしてるかは知らなくて……そりゃ南雲のことは知ってたが……」

 

「どうなんですか? 橋本くん」

 

「あ、ああ。だから……俺には判断つかないというか……」

 

 私と有栖ちゃんに笑顔を向けられてるというのに、何故か冷や汗が止まらない正義くん。一体どうしたんだろうね? 

 まあでもそろそろいいだろう。私は駒を打って、そして有栖ちゃんに声をかける。

 

「はい。手番だよ有栖ちゃん」

 

「ええ、わかってますよ」

 

 ──と、そこで有栖ちゃんは盤面を見て長考に沈む。

 いや、実際には数秒だ。時間はそんなに経ってない。それは有栖ちゃんの優秀さ。聡明さがゆえだろう。

 だがさすがに気づいた筈。

 このままいけば有栖ちゃんは──千日手か、不利な盤面かの二択を選ばされるということに。

 とっくに終わったチェスの真横に置かれた将棋盤。その盤面をしばらく見下ろし、そして有栖ちゃんは愉快そうな笑みを見せてくれた。

 

「……なるほど。チェスの方でやけにこちらを迷わせるだけの手が多かったかと思えば、最初からこれが狙いでしたか」

 

「だって有栖ちゃん強すぎるんだもん。チェスは捨てて将棋に集中しないと対抗するのは難しいかなーってね」

 

「最初から私の処理をある程度削ぐことが目的だったと。私への幼稚な挑発も少しでも私の気を逸らすために打った盤外戦術ですか」

 

「まあねー」

 

 私は有栖ちゃんの指摘にいたずらっぽく笑いながら頷いてみせる。ゲームを持ちかけてきた時点で有栖ちゃんがチェスが得意なのは知ってたし、2面指しを提案してこういう局面に導こうとその戦略を着々と実行していった。

 なのでチェスは早々に捨てた。ただ相手を迷わせるために無駄に粘るだけの手を打ち続け、こっちは将棋に集中。そうして何とかこっちの有利にまで持ち込んだけど……と、そこで私はやれやれと言わんばかりに肩をすくめて苦笑する。

 

「といってもこれでもまだ勝った訳じゃないし、全然逆転されそうなんだから困ったものだよ。おまけに相手は手を抜いてるみたいだしさ」

 

「いえいえ私も8割……いえ、9割方は本気でしたし麗さんの実力も確かでした」

 

 それはつまり本気じゃないということだ。なるほど、やっぱり手強いね。

 私の見立てだともうちょっといい勝負は出来るかなぁとは思っていたがちょっと厳しい。こういうゲームじゃ有栖ちゃんに勝つのは難しいかな。それが分かっただけでも良かったとも言えるけど。

 

「ですが残念です。チェスの方も将棋と同じくらい力を入れて頂いたらもう少しいい勝負が出来たでしょう」

 

「将棋の方が単純に好きだし得意だからねー。相手の駒を取って使えるし、将棋の方が自由度が高い気がしてさ。有栖ちゃんはチェスの方が好き?」

 

「ええ。手持ちの駒だけで戦う方が私の好みです。勿論、他のボードゲームが嫌いという訳ではありませんよ」

 

「そっかー。きっとどれも強いんだろうね。……で、どうする? もう良い時間だけどまだ続ける?」

 

 私と有栖ちゃんがこのカフェで待ち合わせをし、集まってからチェスと将棋に2面指しを始めてからもう1時間。時刻は5時を過ぎているし、徐々に辺りの陽光は夕焼け色へと変化していた。別にやろうと思えばまだまだやれる時間だが、この局面ならどっちが勝つにしろ負けるにしろかなり長引くだろう。それを読んでか、有栖ちゃんはカップを手に取った。

 

「いえ、やめておきましょうか。これでは長引いてしまいそうですし、勝負の続きはまたの機会にでも」

 

「おっけー。楽しみにしてるよ。次はもっと大人数で出来るゲームもやろっか。せっかくこうして集まってるのに見てるだけじゃつまらないでしょ?」

 

「いやぁ……どうだろうな」

 

「別に見てるだけでもいいんだけど」

 

 そう言って正義くんや真澄ちゃんにも笑いかける。返ってきたのは曖昧な笑みと無愛想。ぶっちゃけどっちも参加したくなさそうだけど、有栖ちゃんの性格からしてやるとなったらやるだけの覚悟も決めてるんだろう。どの程度の腕前かは知らないが、Aクラスの生徒で有栖ちゃんの側近ともなればやはり弱くはないだろうね。

 ただまあ大人数でこっちの陣営も巻き込む勝負ならぶっちゃけ幾らでも手はあるし、負ける気はしない。有栖ちゃん、とっても可愛いし泣き顔が似合いそうだからね。それを見るためにも今度色々と仕込んでおくとしよう。

 

「隆二くんとユキちゃんは? 参加したい?」

 

「いや……だが、必要ならそうする」

 

「私は出来れば遠慮したいかな……」

 

 そしてこっちもどちらかというと消極的。まあ私が参加してと言わない限りは余計なことはしないと弁えているのだろう。この2人は徐々に私のやり方を理解し始めている。その私が立てる戦略のためには自分達も必要なピースだと理解しているだろう。そこを理解しているのだから十分に使える。今も裏では色々動いてもらってるしね。

 

「あはは、皆でやるゲームも楽しいもんだよ? まあ無理強いはしないけど」

 

「そうですね。次の機会があれば今度は大勢で楽しみたいです」

 

 私と有栖ちゃんは顔を見合わせて互いに親しくやり取りを交わす。その姿は友達といって何ら差し支えない。

 いや実際友達だとは思ってるけどね。ただ……それ以上にAクラスとBクラス同士。クラス間の争いを指揮する敵同士なのだ。互いが互いを蹴落としてAクラスへの切符を掴み取ろうとしている。油断も隙もない関係性。

 ただだからといっていがみ合い憎しみ合うというタイプではないし、むしろ私は馴れ合いたいタイプだし、有栖ちゃんもこういう戯れも含めて勝負を楽しむタイプ。互いに似ているため、こういう風に談笑することだって出来るのだ。今も、有栖ちゃんは私に対して祝いの言葉を送ってくれる。思い出したように。

 

「そういえば……麗さんは生徒会入りが決まったようで。おめでとうございます」

 

「あ、もう聞いたんだ。ありがとねー」

 

「ええ。1年生唯一の生徒会役員と聞いています。それとこれも聞いた話なのですが……現副会長は麗さんの実の兄だとか?」

 

 そしてその親しげな会話の中にちょっとした仕掛けを投げかけてくる。全く油断も隙もないね。ま、これくらいならなんてことないけども。何言ってくるかも大体読めるし。

 

「そうだよー。それがどうかした? もしかして紹介してほしい?」

 

「いえ、そうではなく……副会長が実のご兄妹であれば、そのコネを使ったなどと他の生徒に邪推されないか心配していまして。勿論、私はそんなことはないと信じていますが」

 

「なるほどね。ありがと。でも今のところそんな噂はないかなー。副会長が私の兄だって知ってる人もそんなに多くないしね。それにそう思う人には思わせとけばいいと私は思ってるよ」

 

 と、私は軽い調子で返しつつ続いて言葉を送る。これも有栖ちゃんがやったのと同じで、ちょっとした嫌がらせだ。

 

「有栖ちゃんも大変じゃない? 理事長がお父さんなんでしょ? Aクラスに振り分けられたのが身内贔屓だって言われたらたまったものじゃないよね」

 

「ふふ、ご存知でしたか。ですが今のところそういった中傷を受けることはありませんので安心しています」

 

 理事長が実の父だということを私に知られていても動じることはない。実際、この程度のことはどうだっていいからね。頭の良い生徒じゃなくても普通に考えれば分かることだし……そもそも、何と言われようが実力で黙らせる自信が私にも有栖ちゃんにもある。

 

「そもそもこの学校は身内だからと適正のない生徒を上に押し上げるようなことはしません。Aクラスも生徒会も、教師や生徒会の人員による厳正な審査の下選ばれていると私は思っています」

 

「そうだよねー。それに身内贔屓で押し上げたところですぐにボロが出るに決まってるんだからさ」

 

「ええ、全くその通りです。なので私は、麗さんが生徒会に選ばれるだけの実力をお持ちだと確信していますよ」

 

「私も有栖ちゃんはAクラスに選ばれるのも納得な実力の持ち主だと思ってる」

 

 互いに実力は認め合っている。競い争うだけの資格を持っていることはもう理解した。

 

「気が合いますね」

 

「私もそう思うよ。これから楽しくなりそうだね」

 

 ただ……お互いに自分が負けるとは微塵も思っていない。

 これはCクラスのリーダーである龍園くんもそうだろう。私達の実力を認めており、その上で自分が屈服させるものとして楽しみにしている。

 例外は……Dクラスのみ。

 

「ふふ……それではそろそろお暇させていただきます」

 

「うん。またねー有栖ちゃん。真澄ちゃんに正義くんも」

 

 席から立ち上がった有栖ちゃんと共に、橋本くんと神室ちゃんが(橋本くんはチェス盤と駒を片付けて手に持ち)去っていく。

 私はそれに手を振り、別れの挨拶を告げた。そうして、隆二くんとユキちゃんに声をかける。

 

「私達も帰ろっか」

 

「ああ。……だが、やはり坂柳は侮れないな」

 

「はぁ……やっと終わった。これ私達いる意味あった?」

 

「一回面と向かって話しといた方がいいと思ってね。隆二くんはともかく、ユキちゃんは皆初めてでしょ?」

 

「そりゃそうだけどね……」

 

 坂柳派との会合が終わると、ユキちゃんは息を吐いて気怠そうな表情で愚痴を言う。1時間近く黙ってそこにいるだけってのも疲れるからしょうがない。悪いとは思ってる。

 ただそれでも顔と声とは特徴を把握しておくことは大事だからね。面と向かいあって初めて分かることもある。顔見せは大事なのだ。相手に手持ちの駒を把握させてこそ嵌まる罠だってある。これはそのための布石だ。

 とはいえ今すぐにAクラスに仕掛けるということもない。そのことを私は2人に告げておく。

 

「あはは、ごめんねー。でもこれでしばらくAクラスと関わることはないと思うからさ。少しは楽出来ると思うよ?」

 

「……ならそれ以外のクラスには仕掛けるということか」

 

 隆二くんから鋭い指摘が投げかけられる。やっぱ中々分かってきてるみたいだね。

 とはいえその指摘は正解でもあり正しくはない。

 

「んー、仕掛けるっていうか、準備しようと思ってね。前みたいな試験もないから大きく動くにしても綺麗に嵌めるのはちょっと面倒だし。私も忙しいからねー」

 

「準備か。どうするつもりだ?」

 

「それは明日以降……7月になってからのお楽しみかな。今はまだ話せないからね。話したら怒られちゃうし」

 

「7月、か……」

 

「なんか嫌な予感……」

 

「へーきへーき! 私達のクラス()何もないからさ!」

 

 席を立ちながら、2人の肩をぽんぽんと叩いて帰宅の準備をする。この場で2人に話すことは出来ないため、長居しても仕方ない。

 それにユキちゃん辺りは私の言葉で不安になっているが、本当に何もないのだ。Bクラスは全く関わってないし、問題はない。3日後が7月1日でポイントの支給日であることもあって不安になる気持ちも分かるが、心配する必要はない。

 そう、『私達は』だ。それを私は思い出す。先日聞いたその話。CクラスとDクラスの間に起こった──『暴力事件』のことを。




おっぱいの話です(サブタイ)。ここから2巻です。

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