ようこそアイドル至上主義の教室へ   作:黒岩

27 / 96
アイドルと交渉成立

 

 この試験の最強の攻略法。それは……優待者の法則を見つけ出すことだ。

 その攻略法を私は試験が始まる前日。試験の説明が行われた後から考えていた。

 

「わかりそうなの?」

 

「うーん……さすがにこの時点じゃ難しいけどね。でもどうかなぁ」

 

 客室のベッドでうつ伏せに寝転がりながら12枚の紙を見ながら考えていると同室のユキちゃんが声を掛けてくる。

 見ているのはBクラスの生徒に提出させた全グループのメンバーリストだ。それを眺めながら、私はひたすらに思考を回す。天才の私ならばこんな試験はちょちょいのちょいで片付けられる。そう思って挑んだが……。

 

「……あー! さすがに無理! 優待者の情報早く持って来ーい!」

 

「わかんないなら明日の朝になるまで待てばいいじゃん……」

 

「それはそうなんだけどね」

 

 私はベッドから勢いよく起き上がる。ユキちゃんがジト目で緩いツッコミを入れてくるとすぐにそれに同意する。実際のところその通りなのだ。幾ら私が天才で最強に可愛くてもこのメンバーだけじゃどう考えても法則などわかりようがない。

 なので真面目に考えていた訳ではなく、なんとなく眺めていただけ。なので本番は優待者が確定してからとなる。

 

「8時になったら即全員にスクショ送ってもらって、それから考えてー……まあ夜までに解明出来ればいいかな。そしたら勝ち確定だよ」

 

「本当にそれだけで分かんの?」

 

「わかるわかる。多分ねー」

 

「適当……」

 

 ユキちゃんの質問に適当に、楽観的に答えながら売店で買ってきたジャスミン茶に口をつける。そうして考えるのはこの単純すぎる作戦のことだ。

 ……実際のところどうなるかなー。2クラスの情報があればどうにかなるとは思うけど、ウチはともかくDクラスは優待者の情報共有が満足にされない可能性が高いし、幾らスパイを抱えてるって言っても解明には時間がかかるかもしれない。

 あるいは私が生徒1人1人を見定めていくってのも出来ないことではないけれど、さすがに時間も足りないし非効率が過ぎる。自分のグループと後2、3グループくらい分かればいいかな。私の読みは当たるけど過信しすぎるのも良くない。綾小路くんとか高円寺くんなんかが相手だと読みきれないし、龍園くん辺りも中々難しい。私の読みも完璧ではないのだ。

 なのでまあ、出来れば法則がさっさと分かればいいのだが……とはいえ、あんまり時間をかけると龍園くん辺りに先を越される可能性もある。

 ただそうなってくると確実を期すには他のクラスと組むのがいいかもしれない。

 

「お」

 

 なんてことを考えていると携帯に連絡が来た。その相手は他クラスの生徒で私とも繋がりのある蝙蝠野郎くんだ。チャットの中身を見てみると、そこには交渉のお誘いと待ち合わせ場所が記載されていた。ちょうどいいと思い、私は直ぐ様向かうことを決めて返信する。

 

「ちょっと行ってくるね」

 

「何? こんな時間に」

 

「ちょっと交渉。内緒話だからついてこなくて大丈夫だよ」

 

「はーい」

 

「頑張ってねー」

 

 立ち上がって同室の3人、ユキちゃんとこずえちゃんと紗代ちゃんにも声を掛けて部屋を出ていく。内緒話をしに行くと言ってもこんな風に素直な返事が返ってくるのだからBクラスでの私の信頼も中々のものだ。

 私は気分を良くしながら軽い足取りで待ち合わせ場所の1階へ向かった。この辺りは人気がない。バーやラウンジ、居酒屋などの子供には関係のない店ばかりで学校側からもあんまり近寄らないように通達が来てるからね。禁止ではないけど、良くはないことって感じだ。

 そして、だからこそ内緒話をするのに都合が良い。約束の店の陰に立っていた見覚えのある顔を見つけると私はノリ良く声を掛けた。

 

「お待たせ。さ、入ろっか」

 

「いや入ったらさすがに怒られるでしょ」

 

「大丈夫だって。私は大人だから。ドレスでも着たらバレなさそうじゃない?」

 

「今はジャージだろ。まあ否定しないけどな」

 

 私が声を掛けると向こうも真面目に、しかしそれなりに気の利いた対応をしてくれる。軽薄そうな笑み。見た目は悪くない方だが、私と比べれば釣り合わないその男子の名前は橋本正義くん。Aクラスの坂柳派の側近であり、蝙蝠外交を続ける癖のある男子だ。

 

「それで? リーダーの次は優待者でも教えてくれるの? それならありがたいけどさ」

 

「おいおい、本題に入るの早すぎだろ。まずは世間話でもしようぜ」

 

「だーめ。こんなところで男子と2人っきりなんて誰かに見られたら私のブランドが下がる。正義くんだってそうなんじゃない?」

 

「そりゃそうだな。ならまあ……言っとくとそういうことではある。ここ最近のAクラスが荒れてるのは知ってるだろ? 葛城派の生徒もこっちに付いたり、葛城派にいる生徒も試験が発表されて今回は慣れない攻撃をしようとしてんだ」

 

「それで葛城派にトドメを刺したいってことでいい? 優待者を漏らしちゃえば簡単だもんね」

 

「そういうことだな」

 

 私が尋ねれば正義くんはあっさりと頷く。無人島に続き、どうやら坂柳派は徹底して葛城派の足を引っ張るつもりらしい。有栖ちゃん性格悪いなー。そんなことされたら勝てる訳ない。試験が始まる前から負け確とかなんか可哀想になってきた。人としてはいい人なんだけどなぁ。

 ただだからといって手を緩めるつもりもないので了承することにする。

 

「ならいいよ。朝になったら優待者の情報を共有してくれるってことでいいよね?」

 

「ああ。だが待ってくれ。こっちの条件も聞いてくれないか?」

 

「何かな?」

 

 条件を求められるのは想定の範囲内。だからこそ淀みなく答える。

 だけど返ってきた言葉は別の方向からだった。正義くんではない。第三者の登場だ。私はその気配に少し早く気づきながらも、身を隠すことはしなかった。相手が、相手だったから。

 

「よう橋本。これはどういうことだ?」

 

「……龍園くん?」

 

 そこに現れたのは、Cクラスのリーダーである龍園くん。その彼の登場は私にとって予想外だ。少し驚き、そしてすぐに視線を正義くんに向ける。少しだけ威圧的な笑みを浮かべながら。

 

「……正義くぅん? なんで龍園くんがここにいるのかな?」

 

「まあ待ってくれ。2人ともそんな睨むなよ。俺は言ったように交渉がしたいだけだ」

 

 私と龍園くん。2人からの圧を受けても、正義くんはまあまあとこちらを宥めるように話を続ける。だが、ふざけたことを言うようならすぐに立ち去ろうかとも思う。多分それは、龍園くんも同じ。正義くんとの距離を詰め、剣呑な気配を隠そうともせずに彼にぶつける。

 

「何か裏でもあるのか? 橋本」

 

「別にそんな訳じゃない。だからそういうのは勘弁だ。こっちはおまえに無人島でやられた傷がまだ痛むんだよ」

 

「ふざけたこと抜かすようなら今すぐぶち殺すぜ、橋本。さっさと俺たちをこの場に呼んだ理由を話せ」

 

 不敵な笑みを浮かべて龍園くんが壁に背中を預ける。橋本くんの退路を塞ぐように。本当にふざけたことを口にしたらこの場でボコボコにしてやるという意思表示だ。その対応に正義くんは軽く頭を掻く。さすがに表面上は動揺していないようだ。内心はちょっぴり怖いとそれでこそって気持ちが同居してるように感じるけど。せっかくだし、私も脅しておこうかな。

 

「じゃあ私は社会的に殺そうかな。大声で叫んで襲われそうになったって言えば面白そうだよね」

 

「……全く。洒落にならないな。こりゃ頭使って話す必要がありそうだ」

 

 そう言って橋本くんもまた壁に背中を預けた。私もまた同じように寄りかかる。一応交渉だからね。聞く姿勢はあるという意思表示も兼ねて。

 

「それで? 察するにどっちと組むか決めかねてる……あるいは、オークションにでもかけるって感じ? より条件が良い方と組むとかね」

 

「もしそんな舐めた真似をするようなら即座に潰してやるよ」

 

「安心してくれ。そんな真似はしない。まあ要は……3クラスで組まないかって話だ」

 

 3クラスで組む。その意味を理解出来ない者はこの場にいない。

 つまりは3クラスで優待者の情報を共有し、法則を導き出してDクラスを集中砲火し、3クラスでその報酬を分け合うことだ。正義くんはその内容を詳しく説明する。

 

「こっちとしちゃAクラスにはマイナスで終わってほしいからな。その分の分け前もやろうと思ってる」

 

「……なるほどな」

 

 龍園くんはそれに頷きを入れる。私としても理解は出来た。それを口にする。

 

「確かに3クラスの方が確実だからね。まあ正義くんの話も悪くはないけど……でもなぁ」

 

「何か不満でも?」

 

「こっちは不満だらけだぜ橋本。3クラスで組むってのはこの試験の根幹を暴き出すのに効率的だってのは認めてやるが、こっちとしちゃあ麗を含めたら意味がないんだよ。今回の俺の狙いはBクラスだからな」

 

 私への問いかけに割り込む形で龍園くんが不満を表明する。その言葉に私は笑いを禁じ得なかった。

 

「いやぁ、私の前で堂々と言ってくれるねぇ。こっちとしてもどうだろう。あんまり気乗りはしないんだよね。ぶっちゃけ私達だけでもどうにかなるし」

 

「まあそう言うなって。俺達坂柳派としてはBクラスに負けてもらっちゃ困るんだ」

 

「ならこの俺を敵に回すか? 今すぐ無人島の続きをしてやってもいいんだぜ?」

 

 龍園くんお得意の暴力による脅し。普通の生徒ならこれだけでも従う人もいるだろうが、さすがに正義くん程になるとビビリはしない。

 

「でもBクラスだけと組んでAクラスが大敗したりBが勝ちすぎるのも俺らとしちゃ困るんだ。だから出来れば3クラスと組んで程々に収めたい」

 

「都合の良いこと抜かすじゃねえか。クラスを売っときながらクラスの利益を求めるのか? やるってんならAクラスには死んでもらうくらいじゃねぇとな」

 

「あーまあそれならいいよ。3クラスだと分け前も減っちゃうしね。Dクラスの優待者をそれぞれ当てるとしてクラスポイントを50ずつ得てもそんなに旨味もないしさ」

 

 そこまでするなら組んでもいい。私も龍園くんと意見を一致させる。談合しようというならそれなりの旨味がないと話にならない。ぶっちゃけ私も龍園くんも相手に負けないと思ってこの試験に挑んでるし。やるならそれ以上の見返りが欲しいところだ。

 ただ問題があるとすれば断った場合だね。坂柳派としては葛城くんには負けてほしいが、Aクラスとしては大敗されては困る。BクラスにはAクラスに上がってほしいし、そのためにCクラスにBクラスを狙われたら困る。これがまずAクラスの坂柳派の考えだと思う。

 ならCクラスはどうかというと、私達Bクラスを潰したい。そのための戦略は幾つか考えられるが、橋本くんに誘われてここに来たことを思うと似たような戦略をやろうとしていると推測出来る。つまり、他クラスの内通者から優待者の情報を得て、相手よりいち早く法則を見抜いて刺す方法。私達がやろうとしているのはこれだ。これ以上に最強の戦略はないので必然的にこうなる。

 そしてこうなってくると、私が安易に断るとAクラスとCクラスが結託した場合にめんどくさいことになる。さすがの私でも他のクラスの情報を得た相手より早く法則が見抜けるかどうかはかなり危うい。AクラスはBクラスに落ちてほしくないとは言うが、そこはAクラスのクラスポイントも一緒に下げることで調整出来なくもない。なので私がここで坂柳派の交渉を断るのは少しリスキーである。

 だけどそれは龍園くんからしても同じ。向こうもまたこっちの戦略を見抜いている。少なくとも可能性として考えていると見るべきだろう。龍園くんがこの交渉を蹴れば、必然的にAクラスは私達と組むことになり、法則探しにおいて遅れをとることになる。そうなれば待っているのは敗北だ。この試験は早いもの勝ち。優待者の法則をクラスで共有した瞬間、そのクラスの勝利が決まる。だけど法則を導き出すのはそう簡単なことじゃない。話し合いが始まってから暴き出す方法も悪くはないとはいえ、他のクラスと組んでからの法則探しに比べたら速さで劣る。頭が悪い相手なら問題ないけど、相手が私と同じくらいの頭脳を持っていると仮定するならここでの遅れは致命傷になりかねない。

 だから乗ってあげてもいいが、そうなってくると旨味が少ない。こうなってくるともうBクラスとCクラスで組むというのも視野に入ってくる。そうしてAクラスをお望み通り負けさせてあげてDクラスもついでにぼこすというのが1番丸く収まる気がしないでもない。

 ただしその時はAクラスはDクラスと手を組むだろう。それについてはそこまで怖くはないが……怖いのはここでDクラスも巻き込んで3クラスで組まれることだ。そうなると残された方はほぼ負けが決まる。それは避けたいところだ。

 

「……まあ正義くんの案も悪くないけどさー。それなら2クラスで組んでもいいんじゃない? Aクラスがそんなに沈みたくないって言うなら私が調整してあげなくもないけど?」

 

「まあ、な。俺も気持ちとしては少しBクラス寄りだ。Cクラスも引き込みたいところだが、Bクラスを落とされちゃちょっと困る。だから龍園。出来れば折れてくれないか?」

 

「舐めてんのか? 組みたいなら俺を納得させるだけの分け前を提示してみろよ。でなきゃ……本気で潰すぜ?」

 

 壁から背中を起こし、龍園くんの顔から笑みが消える。肌がピリッとするような空気がこの場に充満した。次に正義くんが龍園くんの気に障るようなことを言うようなら龍園くんは本気で仕掛けてくるだろう。幸いにもここはあまり人の気配がないからね。やるには絶好の場所だ。

 あるいは私もやる必要が出てくるかもしれない。正直暴力はあんまり好きじゃないんだけどこれは正当防衛だし襲いかかってくるならやるしかない。喧嘩なんてしたことないけどね。でも一応は止めておこうか。

 

「こらこらー。やめなって龍園くん。やるなら私ダッシュで人呼んじゃうよー? 私の足が速いのは知ってるよね?」

 

「面白え。ついでに麗と殴り合うのも良いかもな。おまえがそこそこ出来そうなのは無人島で見たからわかってるぜ。石崎を躱した時の動きが普通じゃなかったからな」

 

「あれは偶然偶然。私アイドルですよー? アイドルが殴り合いの喧嘩なんてしたことあると思う?」

 

「それを確かめる意味でもやるのは面白いって話だ」

 

 私にも視線を移すと今度は笑みを復活させる龍園くん。私と喧嘩出来ると思って興奮してるとんでもない変態だ。これはマジでやる必要があるかもね。龍園くんの喧嘩の実力もまだ未知数だけど龍園くんの特異性は無人島で理解してる。脅しや生半可な攻撃は通用しないかもしれないからやるなら初手で有利を取らないとね。左手が怪我してることも優位に働くだろう。そう計算しながら、私も覚悟を決めた。

 

「わかったわかった。ならもうひとつ提案がある」

 

 だがそこで正義くんが両手を挙げてやる気がないことをアピールしながら更なる言葉を送ってきた。私と龍園くん。両方に視線を送りながら、正義くんはその提案を口にする。

 

「プライベートポイントを得るってのはどうだ?」

 

「プライベートポイントだと?」

 

 龍園くんが眉根を寄せる。私も同様に。

 

「正義くーん。それってどういう意味かな?」

 

「意味も何も、組む代わりにプライベートポイントを……そうだな。100万でどうだ? それなら分け前としても十分だろ?」

 

「…………」

 

 正義くんが100万ものプライベートポイントを龍園くんに出すと言う。その提案を聞いてさすがの龍園くんも先程までの喧嘩の期待で浮かべていた笑みを消し、考え込んでいるようだった。そして、ややあって正義くんが返答を聞くために再び口を開く。

 

「どうだ? 悪い話じゃないだろ?」

 

「……ああ。確かに悪くはない」

 

「だろ? だったら……」

 

「だが……おかしな話だな。それだけのポイントをどうやって用意するつもりだ?」

 

 そうだね。私もそれは思う。龍園くんの疑問に私は思考した。

 当然だが100万なんてポイントは簡単に用意出来るものではない。坂柳派の生徒から徴収すれば不可能ではないかもしれないが、それはそれで反感を買うことになるだろう。再び生徒が葛城派に流れ込むことだって考えられる。有栖ちゃんがいないこの船上では特にそう。

 なら橋本くん達が用意出来るポイントは精々20万やそこらの筈だが……今から始まる試験は大量のポイントを獲得することが出来る。と、そこまで考えたところで私は理解した。正義くんもまたそれを口にする。

 

「そりゃあおまえらなら分かるだろ? 3クラスで組むなら最高の結果だって得ることが出来る。こっちも実績が欲しいんだ」

 

「……ああ……なるほどね。正義くんが欲しいのってそれのことかな?」

 

「……クク。そうか、なるほどな」

 

 龍園くんが私の言葉に興味を向ける。どうやら龍園くんも気づいたようだ。あるいは、といったところだが、100万もの大金を用意出来る上、更には私達にもメリットがあり、しかもそれは坂柳派にとっての追い風にもなるその結果。それを、私は口にする。

 

「3クラスで組めば、結果1を狙うこともあるいは可能だってことだね。そして得たポイントは坂柳派にとっても実績となりえるし、クラスポイントの代わりに得られるものとしては十分なもの。Aクラスがこのまま有栖ちゃんの物になるなら、葛城派だろうと持っているポイントは徴収出来る訳だしね。方法も3クラスで結束してるならDクラスさえどうにか誘導出来ればいいし……あるいはもう誘導する方法をある程度確立してる、とかかな? どう思う? 龍園くん」

 

「そうだな。それがなきゃ結果1なんて成り立たない。俺たちがある程度知恵を絞ってDクラスを罠に嵌めるとしても成功するかどうかは五分ってとこだ。だが……あるいはDクラスの中に内通者がいるってんなら話は別だ。おまけにDクラスはポイントを得たところでそれを無為に消費するだろうからな。絶対的なリーダーがいるクラスならまとまったポイントを徴収するのは難しいことじゃねえがあいつらにはそれがいない。バカみたいに遊び回って終わる。ポイントを与えても問題のないクラスだ」

 

「……内通者がいるとまでは言ってないんだがな。だけど話を進めるために白状すると、確かにこっちにはDクラスを動かす用意がある。それも、表には知られずにな」

 

 どうやら龍園くんも私と同じ結論みたいだ。正義くんもまた交渉をまとめるためかそれを肯定する。結果1という平和的解決は確かに誰にとっても利がある。ただその実現が難しいため、私としてもそれをするにはせめて龍園くんを消す必要があると思っていた。法則を導けそうな相手がいる状態ではどうやっても試験終了まで持たせることは出来ない。だから結果3と4だけを狙う方針にしようと思っていたが……確かに、龍園くんと坂柳派の協力。それと内通者がいるなら出来ないことではない。そしてそれで得るポイントは莫大なもの。誘導出来ずに多少の誤差が出るとしても1000万近いプライベートポイントを得ることも可能だ。なるほど。中々面白い策だね。だけど気になることもある。私は正義くんに尋ねることにした。

 

「確かに悪くはないけどさ。ちょっと正義くんに聞きたいんだけど聞いていい?」

 

「ああ、いいぜ」

 

「これって正義くんが考えた策じゃないよね?」

 

 さすがにここまでの戦略を正義くんが1人で、しかもこの試験の説明があってすぐに思いつけたとは思えない。だからこそそう問いかけたのだが……答えは分かりきっていた。

 

「そこは企業秘密だ。ウチの姫様かもしれないし、Aクラスの誰かかもしれないな」

 

「有栖ちゃんな訳ないじゃん。Dクラスの内通者じゃないの?」

 

「違うな。あくまでこれはこっちから持ちかけた計画さ。ただ、誰が考えたかは伏せさせてもらうぜ。他のクラスに内情を教えたくはないんでな」

 

「……そっか」

 

 なるほどね。やっぱりそうか。私はあの感情の読めない顔つきを思い出し、笑みを浮かべる。

 正義くんは上手く隠してるけど隠してるのは分かるし、私にとってそれは心当たりしかないものだ。

 私達がどうしたら釣れるかをよくわかってる。私達の力関係。それぞれの思惑。それらを理解しながら、リスクのない、それでいてリターンの大きい交渉を持ちかけてきた。

 この戦略を採用するにあたって1番重要なのは損がないことだ。勿論、得られる筈だったクラスポイントは諦めることにはなるが、そもそもそのクラスポイントは相手に勝つこと前提。

 それもBクラスとCクラスにAクラスを使って交渉することで、お互いを牽制した。こっちと組むならあっちと組むと匂わせ、私達が交渉のテーブルから降りることを躊躇させる。何しろ、AクラスとDクラスは既に組んでいるのだ。BクラスとCクラスで組んで2つのクラスに仕掛けるというのも出来れば問題ないが、私と龍園くんは互いの実力は信頼出来ていても相手が裏切らないという信頼は皆無に等しい。手を組んでると見せかけてAクラスとDクラスと組んでCクラスを刺すという手も思いつくし、龍園くんも当然それは思いつく。相手がそれを狙う可能性も。

 

「……ククク。そうか。そういうことかよ」

 

 龍園くんも何かを考えて、あるいは同じことを思ったのか笑い声が漏れる。そう。考えれば考えるほど巧妙なのだ。これは私と龍園くんが互いに敵としての信頼を持っていないと成立しない。低い可能性に賭けてリターンを取りに行くとリスクも大きい。だが、これに乗ればほぼノーリスクでリターンが得られる。それも莫大な。

 クラスポイントはそこまで得られないにしてもプライベートポイントは大量に手に入る。私と龍園くんにとってクラスが得られるプライベートポイントは丸々私達の物だと言ってもいいもの。その資金力は今後の戦いを有利に運ぶことが出来る。

 そしてそれは相手も同じだが……不平等であればともかく、調整が出来るこの試験であれば平等にポイントを得られるし、何より同じ条件なら自分が勝つと思っているからこそ悪い提案ではないのだ。プライベートポイントの使い道は色々ある。貰えるものなら貰って損はない。たとえ相手に与えてでも。

 

「そういうことなら乗ってやってもいい。だが……そのDクラスの内通者ってのは本当にクラスを誘導出来るんだろうな? 出来なきゃ話にならないぜ?」

 

「さあて、な。実のところ俺もよくわからないから確実なことは言えないが……俺としては期待してみたくもある」

 

「クク。蝙蝠野郎が新たな寄生候補を見つけたってところか?」

 

「どうかな。それを見定める意味でもその手腕を見ておきたいってのが本当のところだ」

 

「なるほどな」

 

 正義くんの本音を聞いて龍園くんが納得する。つまり、その内通者の実力を見てみたいってことだ。

 そしてそれを聞くと確かに、私としても興味が湧いてしまうし、その詳細を知らない龍園くんだって興味津々だろう。個人的な意味でもメリットがある。この場にいる3人は実力者に目がないっていう共通点があるからね。ある意味で最大の釣り餌はそれだ。

 少なくとも私はその活躍を見てみたい。そう思った時には心は決まっていた。クラスにとっても利益がある。悪い話じゃない。

 

「私も理解したよ。乗ってあげてもいいけど1つ質問。葛城くんはどうするつもりかな? 有栖ちゃんが優勢だって言ってもまだ葛城くんの言うことを聞く生徒もいるでしょ? 嵌めちゃってもいいの?」

 

「ああ。いいぜ。一応終了日までにこっちも仲間に引き入れられないかそれとなく動いてみるけどな。どうしても無理な奴はそっちで調整してくれ。おまえらなら結果4に誘導するくらい簡単だろ?」

 

「じゃあ私は乗るよ。龍園くんはどうする?」

 

「クク。俺もその内通者とやらに興味が出てきたからな。乗ってやるが……やるからにはポイントの分配はきっちりやらせてもらうぜ? それとアクシデントが起きて不平等が生じた際には補填も行ってもらうが構わないな?」

 

「その辺りの調整はおまえと南雲に任せる。一応こっちの要望を言っておくとクラスポイントはマイナス100ポイントくらいに収めてくれよ。いっても150だ。それ以上下げられるとこっちも困るからな。坂柳に怒られちまう」

 

「わかったよ。それじゃ誓約書は明日にでも作ろっか」

 

 私と龍園くんがその誘いに乗ることを決めれば、交渉は無事終了だ。正式な契約は明日になるが、もうこれで試験の結果は決まったようなもの。明日からは分け前の調整をしたり予定外の裏切り者が出ないように動くだけだ。

 ……それと私にはちょっとした手もあるしね。

 契約の上では限りなく平等にしても、多少イレギュラーが起きることは避けられないし、起きた場合は仕方ない。そこは恨みっこなしということで予めどのグループでどっちが裏切り者を出すかは決めておく。

 だけど結果4で、結果的にクラスポイントを得てしまう場合には仕方がないことだ。そう思いながら、私達は最後に握手をする。

 

「一応言っておくけど、裏切ったら許さないからね?」

 

「そりゃこっちの台詞だな」

 

「おまえらを裏切ると後が怖いからな」

 

 そうして私達は暗がりから出てそれぞれの自室へ戻っていく。この時に勝敗は既に決していた。

 明日からは……そう。ただの消化試合だ。

 

 

 

 

 

「Aクラスの坂柳派。Bクラス。Cクラス。この3つが組んで結果を調整した。それがこの試験の結果に至る過程だ」

 

 オレは後日、堀北にその結果に至る過程を、オレの推測も交えて教えてやった。軽井沢については話していないし、オレの関与も最後に軽井沢にやらせたこと以外は隠している。オレから見れば見えていない部分も多々あることも含めてそれを話してやると、堀北は難しい顔をしながらもそれを受け止めていた。

 

「……つまり、戦う前から試験はほぼ終わっていたのね。南雲さんが言っていた言葉の意味がようやく理解出来たわ。あれはそのまんまの意味だったのね」

 

「おそらくだが確認の意味も込めてのことだろうな。堀北が全部分かってるかの確認は南雲にとってそれほど難しいことじゃないんだろう」

 

「文字通り、遊ばれていたということね」

 

 さすがに気落ちした様子で堀北は言う。それでもまだ希望を残した様子なのはDクラスがそれほど負けていなかったからだろう。

 オレがなんとか3クラスで組むことに誘導出来たから良かったが、南雲と龍園が真正面から戦っていればその戦いに巻き込まれる形でDクラスも酷い結果に終わっていた。

 そして今回も掘北は蚊帳の外だった。助けられなければどうにもならなかった。そのもしもの可能性を知った上で、オレはその理由の1つを堀北に突きつける。

 

「……堀北。以前にオレはお前に足りないものが幾つもあると、そう言ったのを覚えているか?」

 

「……ええ、勿論。忘れられないわ」

 

「ならその足りないものを教えるが、その1つが動かすことの出来る……いや、信頼出来る人間の存在だ」

 

 オレはその不足している部分を口にする。それを聞いた堀北は険しい顔になった。堀北にとって、それは1番の問題であり1番解決が難しい部分でもある。おそらく本人もそれを自覚してる筈だ。

 

「そんなの……簡単に作れるものじゃないわ」

 

「ああ、そうだな。だが作ろうとしなければ得ることは出来ない。そして、おまえが今回何も出来なかった理由の1つもそれだ。情報収集の手段に乏しいこと。クラスの人間を動かすことが出来ない、動かすことをしないことだ」

 

 オレは間を置かずに続ける。

 

「軽井沢がやったこと。それはおまえでも出来たことだ。そして相手の戦略を見抜くことに重要な要素の1つは動かせる人間の数だ。戦略眼や読みの深さといった要素も、その判断材料となる情報がなければどうにもならない」

 

「でもそれは……今回の試験ではどうやったって防ぎようがないでしょう? 向こうは3クラスで結託していたんだから」

 

「確かに厳しい展開なのは間違いない。だがそれでもやるべきだ。人からの信頼を勝ち取るには動くしかない。高いレベルじゃなくてもいい。試験に困っているクラスメイトに手を差し伸べ、その背中を押すだけでも状況は変わる」

 

「っ……それは……」

 

「おまえは無人島と今回の試験で、クラスのために動いたことで信頼を築き上げた。クラス内での地位は間違いなく向上している。それも活かすも殺すも掘北次第だ」

 

「…………」

 

「おまえにはまだ変われるだけの時間とチャンスがある。それを無駄にするな」

 

 オレはそれだけを告げると返事を聞かずにその場を後にする。

 堀北の考え方の矯正。オレが動かせる協力者を作ること。クラスの損害を最小限に抑え、ポイントを得ること。オレは今回、その結果のためだけに動いた。

 それらは概ね達成出来たが、堀北の矯正だけはまだ少し時間が必要となるだろう。2学期が始まるまでには少しは氷解出来ていればありがたいことだが、どうなるかはまだ未知数。クラスをまとめるためにも掘北には早めに成長してもらいたい。

 何しろ……今のDクラスには問題がある。

 その問題の解消にはクラスがまとまることが必要だが……こちらでも突き止めておく必要があるかもしれない。

 オレは携帯を開き、試験の結果が送られてきたメールを再度確認する。堀北にはまだ確証がないため言ってないことだが、この試験の結果にオレは疑問を持っている。

 その疑問の切っ掛けとなるのが猿グループの裏切り。つまり、高円寺の裏切りだ。

 ここで問題なのは高円寺が裏切ったことではない。これはあくまで切っ掛けだ。高円寺がさっさと回答を送ってしまったことはクラスの足を引っ張る意図がある訳ではない。自分本位に動いた結果でしかなく、むしろ結果だけを見るならクラスに貢献しているもの。

 だから問題は高円寺が裏切ったことで出来た不平等のことだ。高円寺の裏切り。そしてそれによって起きるD以外のクラスのポイント。特にBクラスとCクラスの調整は間違いなく平等に行われている筈。結果1を多く目指し、クラスポイントを得る結果3や4などは最小限に留め、各グループにいるクラスの人数まで計算して緻密な調整をしている筈だ。

 だからこそ、ここで高円寺の裏切りによって平等が生まれていることはちょっとした疑問となる。

 高円寺のいる猿グループの結果は3。つまり優待者を当ててDクラスのポイントを増やしている。

 一方で当てられたクラスはポイントをマイナスにしている筈だ。

 ならばBクラスやCクラスは高円寺が優待者を当てるところまで計算していたのか? それの答えはおそらく否だ。高円寺の気まぐれを読み切り、更にはその成否まで読めていたとはとても思えない。なので、高円寺の気まぐれが計算外であることを前提に各クラスのポイントを計算してみれば、ちょっとした違和感が残る。

 まず優待者がDクラスであるグループはオレのいた兎と堀北達の竜。そして馬グループ。このうち結果1である竜グループは除外し、残り2つのグループについて考えてみる。

 馬グループは結果3。つまり優待者が当てられている。これによりDクラスはマイナス50クラスポイントで他のどこかのクラスのポイントがプラスされる。

 兎グループはオレが軽井沢や幸村と協力し、携帯のトリックを行ったことで結果4へ導かれた。このグループは町田という葛城派の生徒が1人存在し、話し合いを強く希望し、優待者を見抜こうと躍起になっていた。そのためこのグループで結果1に誘導することは出来ない。優待者を坂柳派が教えて結果1に導くように言っても聞かないどころか葛城に伝えてしまう可能性すらあるからだ。

 なら選ぶのは結果3か4。Dクラスのポイントを下げてなおかつクラスポイントを得られるのだから結果3が妥当だと思われるがどういう訳かその気配は感じられなかった。Bクラスの一之瀬達かCクラスの真鍋達。そのどちらかが回答すればいいが、その回答を行う気配はなかった、それは何故か。

 その理由は軽井沢が優待者であることをギリギリまで秘匿していたからだろう。Dクラスの優待者の情報は2人だけ。そうなってくると法則を見つけ出すまでは軽井沢の情報は露見しない。

 それでも法則を見つけ出すのは時間の問題だが、調整をするに当たって試験開始当初に決められたのだとしたら一旦兎グループは後回しにされていた可能性はある。ここについては確証はないが、それ以外に結果3に導かなかった理由に説明がつかないからだ。

 ともかく兎グループはAクラスの回答ミスにより結果4となりDクラスはポイントを得た。

 そしてここから更に計算してみる。犬グループもまた結果4。だがここはDクラスが優待者ではない。法則を当てはめればBクラスが優待者であり、それを坂柳派の生徒が裏切ることでクラスポイントを減らすことで調整することが出来る。

 これらの要素を当てはめていきポイントを計算していく。高円寺の裏切りも含める。

 更には、結果発表の後に龍園が南雲に向かって放った『調整が上手いな』というあの言葉。あの様子から察するにあの結果は龍園が計算していた本来の調整結果と違っていたのかもしれない。高円寺の裏切りによって出た予想外の損害。ここで法則を当てはめて出た優待者はBクラス。

 つまり損害を被ったのはBクラスだ。そして、そうなるとBクラスのポイントはおそらく50ではなくプラマイ0。変動無しでなければおかしい。

 そして更に言えば、Dクラスの結果もプラス50ポイントでなければおかしい。兎グループのオレ達の結果4と高円寺の結果3。それと馬グループで優待者を当てられる結果3によって合計50ポイントとなるはず。

 だが実際には変動なし。つまり、残り1つのグループである牛グループが関係してくる。

 牛グループの優待者はBクラス。そして結果は4。つまりここでDクラス内から裏切り者が出てBクラスにポイントを与えたことになるが、Dクラスから裏切り者を出して調整するのは難しい。まだ手段の確立方法に悩んでいたオレに軽井沢から指示も出せる筈もない。

 つまり牛グループにいる裏切り者は、何らかの理由で2日目にして誤って投票してしまったということになるが……そんな偶然がありえるのか? 

 あの時の龍園も怪しさを感じる発言をし、南雲もまたどこか意味深な表情を浮かべていた。

 その様子から察するに……Dクラスにいる裏切り者は、Bクラスからの指示を受けて回答を間違え、そのポイントを調整した。そんな推測を成り立たせることが出来る。

 勿論証拠はない。牛グループのDクラスの生徒が何も言い出さなかったことも気になるが、それは後ろめたいだけという可能性もある。これだけで『黒』と言い切ることは出来ないだろう。

 だが……どうにも気になってしまう。メンバーもメンバーだ。オレは改めて牛グループにいるDクラスの名前を確認する。

 

 Dクラス・池寛治 佐倉愛里 須藤健 松下千秋

 

 その4名。その内の松下以外の3人は、全員が南雲と付き合いのある生徒だった。

 これを偶然と片付けていいのか? 

 それにオレはこのメンバー表を見てこの可能性に思い至った時、気になっていた疑問が再浮上し、それに伴い疑惑を持った。

 その時は偶然に依るもの。あるいは上手くやったものだと流したが、今にして思えば()()()内側からの関与によって引き起こされたものかもしれない。

 

「……確かめてみるか」

 

 オレは携帯を操作し、軽井沢へとチャットを送る。そしてある生徒に対し、あることを尋ねてくれと指示を出した。

 そしてすぐに携帯をポケットにしまうと息を吐く。せっかくクラスをまとめるための協力者を作り、堀北に発破をかけたのにクラスに裏切り者がいるのは洒落にならない。オレはその可能性を考えながらも結果が出るまでは1度思考を止め、客室へと戻ることにした。

 

「ん?」

 

 だがそこで携帯が鳴る。まさかもう結果が出たのか。いや、ただの了承の連絡かと思いながらも一応既読をつけるために携帯を開く。

 だがその相手は……軽井沢ではなかった。別の知り合いだ。その文面を見てみる。

 

『お役に立てましたか?』

 

 ……ああ、そうだったな。

 オレは返信をする。この知り合いが無人島へ向かう前に教えてくれた橋本の連絡先も役に立った。なので一応礼を言っておく。

 

『ああ。助かった』

 

『お気になさらず』

 

 返信を返すとすぐに既読がつき返信が返ってくる。それを確認するとまたポケットに携帯をしまった。

 そして今度こそ客室へ戻ることにした。

 




ということで船上試験編終了。この話を書くにあたってもう1度4巻を読み直してみたけど軽井沢の話とか無視したらそんなに書くことないなって思いました。ということで次回は夏休みの話です。その後で体育祭かな。お楽しみに。

クラスポイント(船上試験終了時)
Aクラス(坂柳クラス):924
Bクラス(南雲クラス):1170
Cクラス(龍園クラス):592
Dクラス(堀北クラス):257

感想、評価、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。