IS学園で幸福になれるのか…   作:とあるP

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またまた新作書いちゃいました…まぁこっちは気が向いた時に更新する程度なので過度な期待はしないでください。

それは本編どうぞ


歩IS学園に入学する。

 

“人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないからだ。ただそれだけの理由なのだ。”

byドストエフスキー

 

小学校の頃から僕はいじめられていた。原因はこの体質である。

 

「こっち来るな!この疫病神!」

「お前が来ると、負けるんだよ!」

「あっち行け!しっし!」

 

運動会や文化祭と言った、大きな行事で一緒になると必ずと言っていいほど、負けたり失敗したりする。だから、この時期になるとクラスのみんなから腫れ物扱いされてしまう。

 

そんな中でも、何とかやっていけたのは祖母のおかげかもしれない。学校から帰ると暖かく迎えてくれた祖母。今日はこんな事をした。楽しかったこと、悲しかったこと。頑張ったこと、辛かったこと。何でも祖母に話した。

 

しかし、その祖母も小学校を終わると同時にこの世を去った。老衰だったり、持病のガンが悪化したとか様々な憶測が飛び交っていた。

 

身寄りが無かった僕は親戚の家を転々として行ったが、不幸体質が何一つ上手く行くことは無かった。

 

中学生になっても、この不幸体質は変わらずむしろ酷くなっていった。

 

「なぁ修学旅行の班決めようぜ!」

「そうだなぁ。けど、アイツを入れるのはやめておこうぜ」

「ああ、アイツが居ると不幸が移っちまうからな」

 

修学旅行に限らず体育祭や運動行事。文化行事でも僕が入った所は負けたり、楽しい事がない。

 

家に帰っても誰もいない部屋に入って、自分だけの料理を作る。両親も生まれた時から僕の目の前から消えていた。

お互いが浮気をしていたらしく、僕を生んで直ぐに祖母に預けて蒸発していった。今更探そうとも思わない。

 

「…いただきます」

 

そんな事で高校生活も不幸まみれの時期になるのかなと思っていた時がありました…

 

 

 

「皆さん初めまして!私がこの1年1組の副担任の山田真耶って言います。よろしくお願いしますね!」

 

「……え?」

 

拝啓天国のお祖母ちゃん。僕は何故か周りを女子生徒で囲まれた教室に居ます。…タスケテクダサイ。

 

どうしてこうなったか見当がつかない。けど、思い当たる節があるようなないような…確かあれは先週の事だと考えていると、いつの間にか自己紹介が始まっていた。

 

「…くん、お…くん!織斑君!」

「は、はい!!」

「ごめんね!「あ」から始まって「お」なんだけど…怒っている?」

「謝らないでください。別に怒ってないですから」

 

そう言って誰かが自己紹介をしているのであった。

 

「お、織斑一夏です!」

「…」

 

そして、数秒間の静寂が流れた。

 

「以上です!」

 

瞬間、クラスメイト達がドタドタ!と倒れて行った。僕も気を抜いていたら倒れていたかもしれない。それくらい間抜けな自己紹介だった。

 

当の本人は何が起こったかしらずキョロキョロしているが次の瞬間、教室中に「スパーン」と軽快な音が響き渡った。

 

「痛って~」

「お前は真面に自己紹介が出来ないのか」

「げ!関羽!」

「誰が、三国志の英雄だ!」(スパーン)

「痛い!」

「すまなかったな山田先生。会議が伸びてしまってな…」

 

そう言って、女の人は教壇に立った。そして、その瞬間僕は耳を塞がなかった事を後悔した。なぜなら…

 

「諸君!私が織斑千冬だ!!君たちを一人前のIS操縦者にするのが私の任務だ。いいか!分からなくてもハイと言え!いいな!わかったか!」

『キャーーーーーーーーー!』

「千冬様よ!千冬様!」

「本物の千冬様よ!」

「私、お姉様に憧れてIS学園に入ってきました!北海道から!」

 

僕が思考の海を彷徨っている中でクラスでは、阿鼻叫喚が続いている。そして、織斑先生はため息をつきながら愚痴をこぼすのであった。

 

「はぁ~どうしてウチのクラスにはこんなにも騒がしい奴しかいないんだ…」

「キャーーーもっと罵って!」

「そして、つけあがらない程度にしつけして~!」

 

女子生徒達が絶賛している中でその女の人は、僕の方を見てきた。そして、自己紹介をする様に言って来たのだ。

 

「諸君。時間も惜しい。それじゃあ最後に皆も気になっている奴の自己紹介を最後にするとしよう。天道。立て」

 

「―!-歩君!―道歩君!天道歩君!」

「えっ?」

「ご、ごめんね。天道君の自己紹介なんだけど大丈夫かな?」

「ああ、すみませんでした。えっと…初めまして、天道歩(てんどうあゆむ)と言います。その……そんなに趣味と言うのはないんですけど…一人暮らしをしていたので料理が得意です。僕自身どうしてここに来たのか分かりませんが…よろしくお願いします。それと、最後に一言だけ……僕に近づかないほうがいいです」

 

そう言って、僕は席に着いた。周りの人達がひそひそ話をしているが、僕の知った事じゃない。どうしてこうなったのかを思い出そうとうして必死なのだから。

 

そんな事を思っていると、SHRが終わっていた。仕方なく僕は机から参考書を取り出し、次の勉強の準備を使用していると、制服ダボダボの女の子が話しかけてきた。

 

「ね~ね~?」

「うん?」

「何かお菓子とか持ってないの?」

「あ~ごめんね。そういう類の物は持ち歩かない様にしているんだ」

「そっか…」

「ごめんよ」

 

そう言って、女の子はトボトボと友達がいるところへ帰って行った。お菓子の一つでも持っていれば、良かったのかもしれないと僕は思った。

 

そして、友達が居るところに帰ろうとした途端、その子は何もない所(・・・・・)で前のめりに転びそうになった。だが、友達が運よく受け止めた。

 

「うぁ!」

「っと!大丈夫本音?」

「えへへ。転びそうになっちゃった」

「全くもう…」

 

僕に声をかけたばかりにそう思って再び参考書に目を落とすと、今度は金髪縦ロールの子が、僕の前に立ってきた。

 

「ちょっとよろしくて」

「はい?」

「まあ!なんて間の抜けた返事ですの?仮にも、この私イギリス代表候補生のセシリア・オルコットに話しかけて貰えるだけで名誉なことなのに!」

「……すみません。僕は貴女のことを知ったのは今日が始めてなので…」

「ふん!そんな態度が気に入りませんわ!」

「貴女が気に入る、気に入らないと僕には関係ないことですから」

「んまぁ!この私に意見するんですか!だいたい…「キーンコーンカーンコーン」うん?」

 

その時予鈴を知らせる鐘が鳴った。結局僕はこの金髪縦ロールのセシリア・オルコットさんに邪魔されて勉強が出来なかった。

 

「あら、もうこんな時間でしたか。また来ますわ!」

「……え?」

「何ですの?その返事は」

「えっと…来ない方がいいと思いますよ」

「!それを決めるのは私ですわ!」

 

そんなことを言ったセシリア・オルコットさんは、例によって自分の席に戻って行く途中でコケそうになったが、寸前の所で踏ん張ったので大事には至らなかった。

 

そして、いつの間にか教室に居なかったもう一人の男子高校生とポニーテールの女の子も戻っていた。

 

2時間目はISの基礎的な用語説明であった。僕はここに来るまでに勉強していた為ある程度はついていけた。

しかし、全くついていけていない人がいた。教室の中央で頭を抱えているのは、僕がここに来る原因を作った織斑君だった。

 

「織斑君?どこか分からないところとかありますか?何時でも聞いてくださいね!何せ私は先生ですから!」

「先生…」

「はい!」

「ほとんど、全部わかりません…」

 

ズゴゴゴ!

 

織斑君の回答に教室の女子生徒達は、余りの酷さにこけてしまった。僕は…その程度の事なのかと思ってしまった。

 

僕の場合は、いつも通り使っていた教科書が見つからない時が、度々あったので予備の教科書を持っていた。

 

しかし、通学途中で家に忘れてしまったことや友達に貸したまま帰って来ない事があったので別段驚くことではなかった。そんな事をよそに授業は進んで行く。

 

「全部ですか?他にわからない人はいませんか?天道君は大丈夫ですか?」

「えっと…勉強はして来たんですけど、正直自信がないです。」

 

そんな事を話しているうちに女の人織斑先生がもう一人の男子高校生である織斑君の目の前までやって来た。

「織斑、事前に渡していた教科書はどうした?」

「あの厚い本ですか?」

「そうだ、必読と書いてあったはずだぞ」

「古い電話帳だと思って捨ててしまいました。」

 

スパーン!と本日何度目かの出席簿アタックが炸裂した。

 

「再発行するから、1週間で覚えろ!」

「けど、あの量は「いいな!」…はい、わかりました」

「天道、あとで織斑に教えてやれ」

 

織斑先生がこちらを見て織斑君に勉強を教える様に言って来た。けど僕はそれを断った。

 

「えっと…ごめんなさい。それは出来ません」

「ええ!なんでだよ!?」

「その…僕は人に教えた事が無いですし、仮に教えたとしても多分間違っているかもしれないので…ですから無理です」

「そうか…」

「なので、山田先生。織斑君に勉学を教えていただけますでしょうか。僕は自分で何とかしますので」

 

僕の提案を山田先生は不安そうに見つめて来たが、僕は自分一人で勉強をする様に言って来た。

 

「けど、そうしたら天道君の勉強は誰が見るんですか?」

「僕は一人で大丈夫だと思います」

「そんな…」

「良いだろう」

「織斑先生!?いいんですか?」

「本人が良いと言っているんだ。だがな…天道」

「はい?」

「もし、不安な部分があったら遠慮なく聞きに来い。私と山田先生で教えられる範囲であれば、教えてやる」

「そ、そうですよ!私達は先生何ですからね!」

 

僕は意外だと思ってしまった。自己紹介の時に近づかない方がいいと言って来たのに、向こうから聞きに来いと言って来た。

 

「では、授業を再開する」

 

そんな感じで、授業が進んでいった。その授業後に織斑君が話しかけてきた。

 

「全く、あの出席簿に参ったよ」

「…」

「そう言えばお互い自己紹介がまだだったな。俺は織斑一夏。気軽に一夏って呼んでくれ」

 

そう言って、織斑君は、手を差し伸べて来たが、僕は手を握れなかった。昔のトラウマが蘇って来たのである。

小1の頃だ。当時仲良くしていた友達が居た。その子と一緒に遊んでいた時は嫌な事を忘れて、よく近所の公園に遊びに行っていた。

 

しかし、ある日。その子が来なくなってしまった。理由は、僕と遊んだ次の日に手を怪我してしまったのだ。しかも怪我をしたのは、僕と手を繋いでいた方の手である。

 

それ以降はその子とも遊ばなくなった。聞いた話によると、小3の頃に何処かの町に引っ越しらしい。だから、あんまり人には触れたくないのだ。

 

「えっと…こちらこそよろしく、織斑君」

「おう!俺の事は一夏って呼んでくれ。その代わりに歩って呼んでもいいか?」

「えっと…好きに呼んでもいいよ」

「そうか!それじゃあよろしくな歩!」

 

そんな風に僕と織斑君…違った。一夏君が話をしていると、先ほどの金髪縦ロールの女子生徒が近づいてきた。彼女の名前を出す前にその人は僕と一夏君の間に入って来た。

 

「また会いましたね!」

「えっと…どうも」

「歩知り合いか?」

「まぁ!先程の会話程度で知り合い扱いとは!これだから庶民で男は…」

「ちょっと待ってくれ?」

「なんでしょうか?まぁ貴族である私は下々の願いをきいてもいいでしょう」

「……あんた誰だ?」

 

『ズル!』

 

これには、周りの女子は滑ってしまった。もちろん彼女も…しかし、当の本人は何が起こったのか分かっていなかった。

 

「?」

「あ、あなたね!私を知らないのですか!セシリア・オルコットを!イギリス代表候補生で入試主席のこの私を!」

「そうか、あともう一ついいか?」

「…なんでしょうか」

 

頭を抑えながら聞いてくるセシリア・オルコットさん。何となくだけど嫌な予感がして来る。

 

「…代表候補生ってなんだ?」

 

『ズガーン!』

 

やっぱりと思ってしまった。どうしてこうなったのか分からなかった。流石に僕は耐えることが出来たが、やはり周りの女子生徒とセシリア・オルコットさんはコケていた。

 

「うん?どうしたんだみんな?」

「…日本の男性ってどうしこう、知識が乏しい人ばかりなのですか」

「違うと思います。この人が特殊だと思います」

「本当でしょうかね?貴方はどうなのですか?」

 

何となくだけど、僕が説明しなければいけない雰囲気が漂っているので、仕方ないが説明することにした。

 

「一夏君。例えば校長先生や社長とか、どんなイメージがある?」

「そりゃあ学校や会社の代表者だろう」

「うん。その認識であっているよ。それでね、『代表候補生』っていうのはそれぞれの国にいる『国家代表者』に次ぐ存在なんだよ。よくオリンピック候補生とか言うよね。だから、セシリア・オルコットさんの場合は、イギリス代表候補生って言いていたからイギリスの国家代表の次に凄い人なんだよ。しかも簡単には代表候補生にはなれないからね。相当な努力をして来たんだと思うよ」

 

僕にはISの知識がなかった。だからこそ勉強で補う必要があった。その中で専用機や各国の特徴を勉強して来たておいて良かった。

 

「それに、代表候補生だと『専用機』とか与えられているかもしれないね。専用機って言うのは国或いは企業から、その人専用の機体が与えられているんだ。だから、セシリア・オルコットさんの場合は、イギリスから献上されているのかもしれないよ」

「その通りですわ!あなた見る目がありますね。私の専用執事に差し上げてもよろしくてよ」

「…魅力的な話しだけど遠慮しておくよ」

 

そう言って、セシリア・オルコットさんは指をさしてきたが僕はやんわりと断った。もしこの人に僕の不幸体質が移ったら大変だからね。

 

「そうですわ!私はエリートなのですわ!もちろん、適正試験で教官を倒したことがありますのでね!」

「そうなのか?俺も倒したぞ」

「な!私だけと思っていましたが…」

「女子だけってオチじゃあないのか?だけど俺の場合、向こうが飛んできて避けたら勝手に壁にぶつかったから、俺は何もしていないけどな」

 

一夏君は教官を倒したんだ。僕はどうしたっけ?衝撃的な勝ち方だったから覚えていないや。けど、一夏君の結果を面白くないと思ったのはセシリア・オルコットさんであった。

 

「ムキー!」

 

そして、ちょうど予鈴終わりの合図が鳴った。次は鬼教官の織斑先生の授業である。流石に物理攻撃(出席簿アタック)を食らいたくないので、大人しくみんな席へと戻って行くのであった。

 

その際セシリア・オルコットさんは「覚えてらっしゃい!」と言って席に戻っていた。

 

 

 

3時間目はISの実践的な動きや兵装についての授業だった。

 

「始まる前に言っておく。皆ISをファッションやスポーツ目的として運用していると思っているのであれば、今すぐ出てい行ってもらう。ISは一歩間違えれば兵器にもなる!」

 

織斑先生の言ったことは大きかった。確かに今はスポーツ競技と言う位置づけになっているが、ビーム兵器や実弾などを用いるわけがない。

しかし、ISにはSE(シールドエネルギー)や「絶対防御」がある。

絶対防御はあらゆる攻撃を受け止めるシールドである。シールドエネルギーを極端に消耗することから、操縦者の命に関わる緊急時、救命措置を必要とする場合以外発動しない。

 

但し、ISの絶対防御も完璧じゃない。SEを突破する攻撃力があれば、本体にダメージを貫通させられる。だからこそ、正しく運用しなければならない。織斑先生はそれを教えたかったのだ。

 

「なに、正しく運用することを教えるために我々がいるのだから」

 

そう言って授業を再開するのであった。僕も正しく運用していれば、事故とか起こさずにすむであろうかなぁと思った。

 

そして、授業が終盤になってきた時何かを思い出したように織斑先生から爆弾発言級の提案があった。

 

「そう言えば今度、ウチの『クラス代表』を決める。クラス代表とは、そのままの意味で生徒会の会議や委員会への出席やその他諸々を決定する時に必要な奴だ。決まれば一年は変更なしだからな。自薦、他薦は問わない。誰かいないか?」

 

その時1人の女の子が手を挙げた。

 

「はい!織斑君を推薦します!」

 

それを皮切りにほとんどの女の子達が手を挙げて、一夏君を推薦し始めた。

 

「わたしも~!」

「賛成!」

「ええ!俺かよ!」

「他にいないか?なら織斑で決定になるぞ?」

「ちょっと待ってよ!俺はやりたくないぞ!」

「諦めろ、自薦、他薦は問わないと言いたはずだ」

 

選ばれた当の本人は、焦っているように見えた。しかし、運悪く僕と目が合ってしまった。…何だかとてつもなく嫌な予感がする。

 

「まじかよ!なら俺は歩を指名する!」

「えっと…その拒否権とかは「推薦されたんだ。諦めろ」ですよね」

 

案の定嫌な予感が当たってしまった。よりもよって、一番目立ちたくないクラス代表だ。仮に僕がクラス代表にでもなってしまったら、このクラスは一年中運が悪くなるだろう。そうならないようにする為に、何とか拒否しようと思った。

 

「なら、天道と織斑のクラス投票になるがいいか?」

 

しかし、その結果に待ったをかける人物がいた。

 

「お待ちになってください!!」

 

セシリア・オルコットさんだった。

 

「納得が行きませんわ!1組の代表はこの入試主席の私セシリア・オルコットではありませんか!大体、男がクラスの代表なんて恥さらしもいいところですわ!そのような屈辱耐えらせませんわ!」

「それに、このような極東の地まで来てIS技術を学びに来たのに、男が珍しいだけの理由でクラス代表になるなんて、甚だおかしいですわ!」

 

どうやら彼女は女尊男卑の理想に縛られた子のようだ。僕は黙って見ていようと思ったが、一夏君が食ってかかっていた。

 

「イギリスだって日本から見れば極東だろうが、それに世界一メシマズ選手権で何年の覇者だよ」

「な!あなた私の祖国を侮辱しましたね!」

「そっちもな!」

「だいたいそちらこそ「は、ハックシュン!」きゃ!」

 

突然寒気を起こした僕はどうにも我慢出来ず、盛大にくしゃみをしてしまった。その際、周りにいた女子や山田先生までもが、縮こまってしまった。

 

「ごめんなさい。少しだけ寒気がして…」

「大丈夫か歩?」

「大丈夫だよ。けど、一夏君さっきの話しには間違いがあるよ」

「え?」

「イギリスには、美味いご飯とかいっぱいあるよ。僕は他の人からしか、聞いたことないけどね。だから、実際に食べてみたいと思ったよ」

「そ、そうなのか?」

「うん。憶測で物を言うのは良くないと思うよ」

 

僕の言葉に納得したのか一夏君は、大人しくなってくれた。次はセシリア・オルコットさんだ。

 

「あの、セシリア・オルコットさんでしたっけ?」

「そうですが!貴方は確か…天道歩でしたっけ?そんな方がわたくしに意見するなんて甚だしいですが、聞いて差し上げましょうか!」

「オルコットさんにも非があると僕は思うな」

「…何ですって?」

「うん。だってさ……ここに居る人はたいがい日本人だと思うよ」

 

そう言って、オルコットさんは周りを見てみた。そこには、不満げな目で彼女を見ているクラスメイト達がいた。それもそのはず、彼女は日本を「極東の地」と侮辱する発言をしてしまったのだ。

 

「わ、私は…」

「それに、オルコットさんはイギリスの代表候補生だよね。それじゃあさっきの言葉はイギリス国民全ての意見と捉えられてしまうかもしれないんだよ」

「…」

「僕が言いたいことはそれだけです」

 

そう言って、僕は席に座った。それ以来一夏君とセシリア・オルコットさんは俯いて何も喋らなくなってしまった。それを見た織斑先生ははぁ~とため息をついて、事態の収拾にすることにした。

 

「織斑、オルコット。天道の言う通りだ。お前たちの発言はイギリスと日本両国の国際問題に発展しかねない事だったんだぞ」

「でも…「でもじゃない!」…はい」

 

姉である織斑先生からのお叱りを受けて黙ってしまった一夏君。でも、織斑先生の言い分は最もだ。

けど、この悪い空気を作ってしまった責任は僕にもある。火中の栗を拾う行為はしたくないがここは、言いだしっぺが責任を取らないと思ってしまった。

 

「あの~それじゃあ、僕を含めた3人でクラス代表を決めればいいんじゃないんですか?」

「天道が気を負う必要はないぞ。元々はこの2人の言い争いだからな」

「いえ、僕もこの2人に意見した身ですから…」

「そうか…分かった。それでは勝負は1週間後の月曜日。放課後の第三アリーナで行う。織斑と天道、オルコットは準備をするように」

 

そして、3人によるクラス代表戦が始まるのであった。そう言えば僕がここに来ることになった理由思い出せてないや…

 

 

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