IS学園で幸福になれるのか…   作:とあるP

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とあるPです。

一応生きてます。久しぶりの投稿なので不安ですが、宜しくお願い致します。

それでは本編どうぞ!




歩覚醒!

 

一夏君のクラス代表就任パーティーの翌日。僕は日課の朝練をする為にジャージ姿でグラウンドへ向かっていた。遅くまでやっていたパーティー疲れもあるけど、それ以上に怒らせては行けない人がいる。

 

「遅いぞ天道!」

「すみません。織斑先生…」

「まぁいい…準備運動をした後に素振り100回だ」

「分かりました!」

 

最近織斑先生の当たりが強すぎる気がする。正確に言うと、この前のIS授業からかもしれない。けど、これもセシリアさんとの勝負に勝つため…頑張らなきゃ

 

「…ふぅーよし。終わった」

「よし準備運動は終わったな。それじゃあ、素振り100回始め!」

「お、オッス!」

 

そう言って、素振り100回を始める。けど、初日に比べてだいぶ楽になって来た。これも朝練の賜物かな?

そう思いつつ素振り100回を終えた。

 

「よし、だいぶ板について来たな。なら、明日からは回数を増やそう」

「は、はい…」

「それじゃあ、打ち込み稽古だ。何処かでもかかって来い」

「わ、わかりました。やぁぁぁー!」

 

…全力で頑張ったけど結果は惨敗。今日もかすりもしなかった。僕って成長しているのかなぁ?

 

「…よし。今日はここまでにしよう」

「は、はい!ありがとうございました」

「うむ、天道。最近筋が良くなって来たじゃないか」

「そうですか?」

「ああ、あんまり実感が湧かないようだが、全盛期の織斑程ではないが、それに匹敵するくらいの成長だぞ」

「そうですか……良かった」

「そうだぞ。だから、これからも一緒に頑張って行こう」

 

そう言って、織斑先生は右手を差し出してきた。以前の僕だったらためらうけど、織斑先生なら、大丈夫だと思う…そう思って握り返すと

 

「!///」

「…どうかしましたか織斑先生?」

「い、いや!何でもない!そ、それよりも早く行かないか///そろそろ、一時限目が始まるぞ」

「あ!そうでした…それじゃあ、失礼しますね!」

「う、うむ。ではな…」

 

何故か顔を真っ赤にしてしまった。熱でもあるのかな?そう思いつつ僕は、着替える為にテントへと戻ることしにした。

 

 

~千冬side~

 

私は最近ある男子生徒の事が気になっている。入学当時は、卑屈になりつつも授業は真面目に受けている。それに、最近では何かしらの目標が出来たようだ。

 

クラス代表決定戦の時は訓練機で専用機持ち、しかも代表候補生相手に勝てるか不安だった…

 

しかし、彼はやってのけたのだ。ただ、受けたダメージは大きく2日間寝込んでしまった。倒れた彼を見舞いに行きたかったが、授業があるゆえ結局行けず仕舞いだった。保険医の小鳥遊先生によると、軽い疲労があったとの事だった。

 

だからと言って、朝練の手を抜く訳にはいかなかった。それどころか病み上がりでも強めのメニューにしてしまった。

けれど、彼が元気になったと聞いた時は何処か安堵していた。一夏とはまた別の感情があったのかもしれない。

 

この気持ちを彼にバレないようにしなければならない。だが、少しだけ甘えてみようと思った。

 

「そうだぞ。だから、これからも一緒に頑張って行こう」

 

そう言って、私は彼に右手を差し出した。すると彼は力強く握り返してきた。その仕草に私はドキッとしてしまった。まさか10歳以上も年下の男の子にときめいてしまうとは…

 

その後は、ついきつく言ってしまったが大丈夫だろうか…

 

~千冬side out~~

 

 

織斑先生との朝練を終わって、テントに戻ると若干の時間に余裕があったから、購買に寄って朝食を買うことにした。

けど、時間が遅かったせいか余りいいのは置いてなかった。仕方ないね。朝練は大事だし、ここはコッペパンで我慢する事にしようかな。

 

そう思ってコッペパンに手を伸ばした時横から伸びてきた手があった。その手の持ち主は何と意外な人物だった。

 

「あれ?セシリアさんがどうしてここに?」

「歩さんが、一向に食堂に現れないので、もしかしたらと思いここに来たのですわ」

「そうなんだ…あ、セシリアさんもコッペパン食べるの?」

「コッペパン?この細長いパンがコッペパンというのですか?」

「うん。そのパンの間に、好きな具材を挟んで食べるのが一般的な食べ方なんだ」

「そうなんでしたか…私の知らない事ばかりですわね!」

「まぁ、これから徐々に慣れて行けばいいよ」

「はい!ところで、歩さんはこのコッペパンをどうするおつもりですか?」

「えっと…それを朝食にしようかなぁって…」

 

そう言った瞬間セシリアさんの目付きが変わった。普段のニコニコ顔をから、いきなり目を細めて、狩人の目付きに変わったのだ。

 

「いけませんわ!」

「うぁ!」

「歩さんは、いっぱい食べて鍛えてもらわないといけません!ですから、これから私と一緒に食堂に参りましょう!」

「ええ~今から行ったら、確実に遅刻するよ」

 

そう言って、時計を見ると朝のSHRまで30分しかない。流石に織斑先生の出席簿(伝家の宝刀)を受けたくない。

 

セシリアさんも思ったのであろう。とても悔しそうな顔をしている。

 

「……分りましたわ。今日のところは引きさがりましょう」

「ふぅ~「ですが!」は、はい!?」

「明日からは、食堂で一緒に食事を致しますわよ」ゴゴゴゴ

「ヒィ!は、はい~」

 

謎の圧力を感じつつ、僕はコッペパンを食べるのであった。そして、教室に入るとクラスメイト達が次々と挨拶をしてくる。

 

「天道君おはよう」

「おはよう~」

「お、おはようございます…」

 

クラス代表決定戦のパーティー以降クラスの人たちが、よく声をかけてくる。けど、相変わらず小さな不幸は起こっている。

 

この前は相川さんが体操着を忘れてISスーツで体育を受けていたし、鷹月さんと四十院さんは理実習で砂糖と塩を間違えて甘じょっぱい肉じゃがを作ってしまったし、極めつけは布仏さんがISスーツを忘れて、下着でIS授業に出ていたっけ…

 

あの時チラッと見てしまったけど…布仏さん結構着瘦せするタイプなんだぁ。その後セシリアさんにこっぴどく怒られた…

 

「私という者がありながら、他の人に(うつつ)を抜かすなど…いけませんわ!」

「ええ~」

 

同じ場にいた一夏君は篠ノ之さんにも怒られたような気がする。そんな事を思いつつ僕は、授業の準備をしている。

 

そんな中で聞こえてきたのは、来週末に行われるクラス対抗戦の話しだった。各クラスの代表がトーナメント形式で行われる「クラス対抗戦」。そこで優勝したクラスには『半年間有効のスイーツ食べ放題』が付いてくる。

 

だから、みんな躍起になっている。そんな中ある情報が飛び出してきた。

 

「織斑君再来週のクラス対抗戦頑張ってね!」

「おう!任せておけ!」

「期待しているからね」

「ああ、頑張るよ!」

 

「今のところ専用機持ちは1組と4組だけだから勝てるよ!」

 

そう、現在1年生の専用機持ちは1組と4組だけ。けど、4組の子はとある事情(・・・・・)により機体の完成が出来ていない。だから、専用機持ちである一夏君が1歩リードしている状態。

 

「その情報古いわよ」

 

だけど、その情報が古いと言った人がいた。その人は、ドアに背中を預けて決めポーズまでしている。ツインテールに八重歯、肩だしのIS制服を纏った子は、ツカツカと一夏君の前までやって来ると高らかに宣言してきた。

 

「2組も専用機持ちになったからね!そう安々と勝ちを譲る気はないわよ!」

「鈴?お前、鈴なのか!」

「そう、凰 鈴音!勝利宣言をして来たってわけよ!」

「久しぶりだな!元気だったか?」

「そっちこそ、偶には風邪ひきなさいよね」

 

話しを聞く限り一夏君と、その人は何だか楽しげに話している。けど、2人の会話はある人物の登場で中止となった。あ~相当お怒りのようだ。青筋を浮かべる一歩手前まできているよ…

 

「あの~ちょっといいですか?」

「何よ!」

「えっと…あれを見てもらった方がいいと思いますよ…」

「あれって何よ?」

 

そこに居たのは、1年1組の主任教師で世界最強(ブリュンヒルデ)の称号を持つ人物で、真っ黒なタイトスカートに鷹の様なツリ目。10人が10人「あの人は美人」と答えるスタイルの持ち主。織斑先生がそこにいた。

 

「そこをどけ凰。授業の邪魔だ」

「げ!ち、千冬さん…」パン!

「織斑先生だ。早く教室に戻れ」

「は、はい!…じゃあね一夏!逃げるんじゃあないわよ!」

 

急いで二組に戻る凰さんを尻目に、一夏君は何処か懐かしさを覚えていた。

 

「アイツも、IS学園に来たんだな」

 

この発言に篠ノ之さんとセシリアさん、それに他のクラスメイト達は訳アリだと思うのであった。

 

 

 

 

朝のSHRの後から過ぎて、今は昼休み。いつものように購買部でパンを買って、屋上で食べようと思っていたが、チャイムがなると同時にセシリアさんに手首を掴まれて、半ば強制的に食堂に連れてこられた。

 

今まで、屋上でしか食べた事がないから、どうすればいいのか分からなかった。

 

「お、歩が食堂に来るなんて珍しいな。どうしたんだ?」

「えっと…セシリアさんに捕まってしまって…」

「歩さん!それでは、私が歩さんを犯人扱いしているようではありませんか!?」

「実際そうだと思います…」

「何か言いましたか?」ギロリ

「イエ、ナンデモアリマセン…」

 

そんな事をしていると、食堂に着いてしまった。こうなったら、手早く食べる物にして早くここを去ろう。

 

一夏君と篠ノ之さんが一緒に、メニューを決めているところだったので、僕は食券機のところに来た。素早く「かけうどん」のボタンを押して、食券を食堂の人に渡した。

そんな事をしていると、入口のところにラーメンのお盆を持って立っていた人の姿があった。

 

「待っていたわよ一夏!」

「悪いな、そこ入口だから通るの邪魔になっているぞ」

「わ、分かっているわよ!」

 

その人が入口から退くと、僕が頼んだ「かけうどん」が運ばれてきた。僕はそれを受け取ると、大急ぎで食堂の端っこに座った。

いざ食べようとした途端、一夏君達も僕のテーブルに向かって来た。やめて!近くに来ると、不幸が移っちゃうよ…

 

「あ、歩はここで、食べるのか?良かったら一緒に食おうぜ!」

「えっと……大丈夫?」

「何がだ?」

「僕と居ると不幸が「ああ、そんな事か」え?」

「大丈夫だ!歩が思っているほど俺は軟じゃない」

「一夏君…」

「それに、そうなったら、それまでだ!だから、大丈夫だ」

「……わかったよ」

「おし!それじゃあ、鈴達も呼ぶか」

 

そう言って、一夏君は今朝の転校生と篠ノ之さん、セシリアさんを呼んできた。

 

「それにしても驚いたわよ。アンタがISを使えるなんてね」

「まぁな。それよりも、叔母さん元気にしているか?」

「え、ええ…まぁね…」

 

一瞬だけ、転校生の顔が曇った様に見えた。何だか訳ありの様な言い方だった。それよりも篠ノ之さんとセシリアさんは一夏君と転校生がどんな存在なのかを聞きたかったようだ。

 

「一夏、そろそろ教えて欲しいのだが?」

「妙に親しい感じがしますが、一夏さんの彼女さんでしょうか?」

「か、彼女!///」

「あ~違う、違う。鈴とは幼馴染なんだよ」

「幼馴染?てっきり、私だけだと思っていたが」

「箒は小4まで一緒だっただろう?その後に鈴が来て、小5から中学まで一緒だったんだよ。だから、箒はファースト幼馴染、鈴はセカンド幼馴染ってわけだ」

 

どうやら、転校生と一夏君は幼馴染らしい。しかも、篠ノ之さんとも幼馴染だと。だけど丁寧に説明したつもりだったが、転校生さんは納得いかない様な表情をしていた。

 

「フン!」

「うん?どうした?」

「別に…」

 

転校生さんは怒ってそっぽを向いてしまった。その後は、各々自己紹介をしていた。

 

「じゃあ、改めて。中国代表候補生の凰 鈴音って言うわ!気軽に鈴って言ってね」

「篠ノ之箒だ」

「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットっと申しますわ。以後お見知りおきお」

 

皆が自己紹介を終わった時、凰さんは僕の事をジッと見ていいた。いや、睨んでいた。何か睨まれる様なことした覚えはないんだけど…

 

「そうなのね…アンタが2人目の緒男性操縦者っての?」

「えっと…僕は天道歩って言います。よろしくお願いします」

「ふ~ん…まぁいいわ。よろしくね」

 

何処か興味なさそうにしていた凰さん。そりゃそうだよね。一夏君ほどカッコ良くないし、今日あったのは初めてだし…

 

そう思っていると、凰さんは空白の時間を埋める様に一夏君と話しをしていた。

 

「じゃあ、僕はもう行くね」

「あ、歩待てよ!」

邪魔しちゃ悪いと思ったから、僕は早々に立ち去ろうとしたら、あの3人組に出会ってしまった。

 

「ちょっと待ちなさいよ」

「!」

「アンタ、ここで何しているのよ」

「…別にいいじゃないですか」

「アンタが居ると、不幸が皆に移るのよ」

「そうよ、そうよ!」

「…」

「だから、さっさと出て行きなさいよ!」

「そうよ、そうよ!」

「……分りました」

 

僕がトレイを持ったまま、彼女たちの脇を通ろとしたその時だった。急に、誰かが(・・・)僕の足に当てて来た。

僕は、上手く避ける事が出来ずにトレイ毎一緒に転んでしまった。

 

ガシャーン!

 

「うぁ!」

「アハハ!いい気味ね!」

「うぁ~床がびちゃびちゃじゃない。どうしてくれるのよ」

「…それは、貴方が「五月蠅いわね!口答えする気!」…」

「お得意の不幸が招いたのよ」

「いいこと。5限目が始まる前に、綺麗にする事ね」

「えっと…あと10分しかないんですけど」

「アンタなら楽勝でしょ。それじゃ」

 

そう言って、3人組は食堂から出て行った。僕はあと10分でここを綺麗にしなければならない。そう思っていると、一夏君達が駆け寄って来てくれた。

 

「大丈夫か歩!?」

「大丈夫ですか!歩さん!」

「天道…これはひどいな」

「あ~アンタ大丈夫?」

「……大丈夫です。いま、モップを持ってきますね」

「歩!手伝うぜ!」

(わたくし)も手伝いますわ!」

 

僕がモップを持ってくる時に、一夏君とセシリアさんが手伝うと言って来たけど、僕の事で2人が遅刻するだけは、絶対に避けようとした。

 

「……大丈夫だよ。それよりも、もうそろそろ授業が始まるよ」

「けど…」

「大丈夫。この位の汚れだったら、直ぐに終わらせて授業を受けるから」

「っく!絶対に来るんだぞ!」

「天道…」

「ほら、篠ノ之さんも行きなよ」

「っく…すまん…」

 

そう言って、一夏君と篠ノ之さんは教室に向かって行った。凰さんは「何かあったら言いなさい。力になるわ」と言って一夏君と一緒に出て行った。

 

これで、心置きなく掃除が出来ると思っていたけど、何故かセシリアさんだけは動かなかった。

 

「セシリアさん?早く行かないと授業間に合わないよ」

「……いいんです」

「え?」

「私は歩さんと一緒に授業を受けたいのです」

「でも「それに」うん?」

「それに…一度でいいのでやってみたかったんです。授業をサボるのを♪」

「セシリアさん……分りました」

「はい♪」

 

そう言って、セシリアさんの分のモップを持ってきて、2人で掃除をするのであった。案の定2人共授業をサボる形になってしまった。

 

 

放課後。授業をサボった罰として、僕とセシリアさん2人で教室の掃除をしていた。お互いに無言で掃除をしていると、教室に一夏君と篠ノ之さんがやって来た。

 

「歩!今度は手伝いに来たぜ!」

「天道。昼間の件はすまなかったな。お礼として手伝わせてくれ」

「一夏君と篠ノ之さん…はい。お願いします」

 

そう言って、2人も加わって、4人で教室掃除をするのであった。それを教室のドアの影からそっと覗いている人物がいた。

 

「……」

「行かないんですか。織斑先生」

「山田先生…」

「気になるんですよね。天道君の事が」

「ええ、授業を休んだ時本人は転んで着替えていというのは、噓でしょう」

「そうでしょうね…多分天道君からは言えないことがあったに違いありませんね」

「我々教師が解決するのは簡単です…それだと天道のためにならない」

「…そうですね。これは、天道君自身が解決しなければならない問題ですからね」

 

 

一夏君と篠ノ之さん改めて箒さんの力もあって、教室の掃除は終わった。そして、今は自室のテントで勉強をしている。山田先生の話しによると僕の部屋が出来るのは、もっと先の話しになるだとか…

 

教科書と参考書更にタブレット端末を駆使して、勉強していると、不意にテントのジッパーが下げられた。

 

「ごきげんよう。歩さん」

「セシリアさん!?どうしてここに?」

「いえ、歩さんが寮にも入らずここで生活をしていると、聞いたので…」

「そうでしたか」

「あの~歩さん。ここは歩さんの書斎でしょうか?余りにも手狭なのですが…」

「い、いえ…ここが全部です」

 

そりゃそうだ。ただでさえ狭いテント内だからね。貴族出身のセシリアさんなら書斎程度のスペースだと思ってしまうだろう。

 

「ええええ!ここに歩さん1人で住まわれているんですの!?」

「…はい。しかも入学初日から」

「まぁ…けど、素晴らしいですわ!」

「え?」

「このような状況下でも逞しく生活していらっしゃる…セシリア・オルコット感動致しましたわ!」

「あはは…なら、良かったのかな?」

 

どうやらセシリアさんここでの生活を感動しているようだ。故にさっきからテント内をグルグル回っている。

 

そして、とんでもない事を言い出してきた。

 

「歩さん!私もここに住んでみたいですわ!」

「ダメダメ!」

「?どうしてですか?」

 

首をコテンと傾げるセシリアさん。その姿も可愛いらしいけどここは、心を鬼にして断らないと…

 

「えっと…セシリアさんが部屋に帰ってこないとなったら大事になりますし」

「同室の子に言っておけば大丈夫ですわ♪」

「それに、ここだと狭いし…」

「歩さんと一緒にいるだけで大丈夫ですわ♪」

「それに…」

「それに?」

「か、仮も男と女ですし…その…間違いがあったら…遅いですから///」

「……!そ、そうですわね///」

 

僕は何を言っているんだ!セシリアさんとそんな関係じゃないのに!けど、それを意識してしまったのか、セシリアさんと微妙な空気が流れてしまった。仕方ないか…それなら妥協案を出すかな。

 

「そ、それじゃあ、偶に遊びに来てくださいよ。こんな狭い部屋でも大丈夫ならだけど」

「!え、ええ!分かりましたわ!」

「それに、入試主席のセシリアさんから色々な事を聞きたいですからね」

「分かりましたわ。では、私は失礼しますわ」

 

そう言ってセシリアさんは帰っていた。僕も勉強の続きをしよう。

 

そう言って2時間位勉強していたから、喉が乾いてきちゃった。冷蔵庫の中を見ても、ジュースは一本も入っていなかった。仕方ない。自販機で買ってくるか…

 

案外近くに自販機があったから、ジュースを買ってテントに戻ろうとしたら、近くのベンチに凰さんが座っていた。

 

無視することは出来ないよなぁ…明らかに凰さん泣いてるし…ええいままよ!

 

「…凰さん?」

「アンタは…確か天道歩だったわよね」

「ええ、そうです。凰さんはどうしてここに?」

「…別にいいじゃない」

 

う~んどうしたものか…とりあえず訳を聞いた方がいいかもしれないね。そう思った僕はもう1本ジュースを買って凰さんに手渡す。

 

「はい。お茶でいいですか?」

「…ありがとう」

 

だいぶ打ち解けてみた凰さんに泣いていた理由を聞いてみることにした。その内容を聞くと、同返答すればいいのか困った。要約すると…

 

① 一夏君の訓練の後に珍しく2人っきりになり、小学校時代の話しをしていた。

② 凰さんは転校する時にある約束をした。それは、「大きくなったら毎日酢豚を作ってあげる(・・・・・・)」と言った。それは、凰さん曰く「毎日味噌汁作ってあげる」と同じ意味だったらしい…

③ しかし、一夏君は「大きくなったら毎日酢豚を奢る(・・)」と勘違いしていた。

④ それに怒った凰さんは「馬鹿!」と言って逃げてきた←イマココ

 

そりゃあ怒るよ。僕でもそんな事をされたら、生きていく自信がないね。けど、根本的な解決をする為にはもう少しだけ時間が必要かもしれないなぁ

 

「えっと…凰さんはこれから、どうしたいの?」

「ぐす…一夏とやり直したいわ」

「そうなんだ。一夏君とは幼馴染だって言ったけど」

「うん。実はね…」

 

そこからは凰さんは話し始めた。箒さんが重要保護プログラムを受けてから、転校したのを機会に、凰さんは日本にやってきた。

当時は、小学生だったから上手く日本語が喋れなかったらしい。そんな時一夏君が日本語が喋れるように手助けをしたらしい。その頃からヒーローだったんだね。

 

「そうなん事があったんだね」

「うん。だから、アタシは一夏に感謝している。だから、中学に中国に帰る前に言ったのよ」

 

“大きくなったらアタシが毎日酢豚作ってあげる!”

 

きっと凰さんなりの精一杯の気持ちを伝え方だったのだろうなぁ。そう思った僕は…

 

「凰さんは…偉いよ」

「ふぁ!///ど、どういう意味よ!?」

「そのままの意味だよ。僕は素直に気持ちを伝えることが下手だからね。だから、肝心の場面で、ちゃんと答えが出ないんだ」

「アンタ……不器用なのね」

「うん。そうかもしれないね」

「……よし!」

 

そう言って凰さんはいきなり立ち上がり何か宣言をしていた。

 

「いつまでもうじうじしてられないわ!そうと決まれば、早速特訓よ!」

「それでこそ凰さんだよ。僕も陰ながら応援しているよ」

「……鈴」

「え?」

「アタシの事は鈴って呼んでちょうだい。その代わりにアンタの事は歩って呼ぶわ」

「うん。よろしく鈴さん」

「鈴でいいのに……まぁいいわ。よろしくね歩♪」

 

こうして、凰さん改め鈴さんの恋が成就する様に応援するのであった。そう言えば、箒さんもよく一夏君と一緒に居るところを見るけど……

 

その後は鈴さんと別れて、テントに戻ろうとしていたら不意に後ろから何かをかがされた。

 

「うー!うー!う……」

 

あれ?…僕は…どうしたんだっけ?確か…凰さんの…話しを聞いて…テントに…戻ろうとしたら…何かをかがされて…

 

「おい、いつまで寝てんのよ」

「う、うん…ここは?」

「第三アリーナだよ。馬鹿野郎」

「あ、あれ?」

 

そこに居たのは、ISスーツを着て【ラファール・リバイブ】を纏っていたあの3人組が空中に居た。ニヤニヤとしながら僕を見下ろしていた。

 

「どうして、こんな事するんですか!」

「アタシ達の忠告を無視して、千冬様にくっ付いているんじゃないわよ!」

「そうよ。それに、あのセシリア・オルコットと仲がいいじゃない」

「セシリアさんとは、クラスメイトですから「お黙りなさい!」ひっ!」

「セシリア・オルコットは、そんな軟弱な男とつるむわけにはいかないのよ」

「だから、アタシ達が直接罰を与えに来たのよ!」

 

そう言って、3人組の1人はアサルトカノンの「ガルム」の銃口を僕に向けてきた。僕は瞬間的に【打鉄】を纏って、空中に逃げ込んだ。

 

「危ないなぁ…どうしよう」

 

空中に逃げ込んだのはいいけど、相手は3人。僕は1人しかいない。絶対的にマズイ状況だけど、逃げられそうにないぁ

 

「逃げようたってそうはいかないわよ。ここのゲートには内部からロックされているから、私達を倒さないと出られないわ」

「おっと、外部に助けを呼ぶつもりでしょ。それも無理よ。運悪く(・・・)通信機能が遮断されているから、外部との連絡も付かないわよ」

 

そんな事を知っているのはおかしい。恐らく意図的に遮断させているんだろうな。そんな事を考えながら、僕はどうすればいいのか考えていた。

 

「い、いいんですか!こんな事が織斑先生にバレたら、ただじゃあすみませんよ!」

「ハン!そんな事を鼻から考えていないよ」

「お前がここで死んで誰にもチクらなきゃいいんだよ!」

 

一応説得してみたけどダメだった。そんな3人が、それぞれ役割分担をして僕を攻撃して来た。

僕が近づくと、1人がブレット・スレイサーを使って牽制し、他の2人がガルムを使って攻撃して来る。逆に僕が離れると、2人がかりでブレット・スレイサーで襲ってくる。そんな事を繰り返すこと30分。

 

「ハァハァ…」

「あら~随分とお疲れのようね」

「無理もないわ。私達3人の攻撃をかいくぐっているのだからね」

「けど、そろそろ終わりにしましょうかね」

 

そう言って、3人は一斉にガルムの銃口を向けてきた。正直言ってこれを喰らったら、絶対防御が働くか微妙な感じだ。最悪の場合…よそう。そんな事を思ってしまったら、本当になってしまいそうだ。

 

「それじゃあ、引導を渡してあげましょう。…さようなら」

3人のガルムが一斉に火を吹いた。僕はここで終わるのか…セシリアさん。織斑先生。一夏君。クラスメイト達…ごめんなさい。

 

『いや、謝るのはまだ早いぜ』

 

君は…あの時の声だ。どうして?

 

『なに、相棒のピンチに駆けつけたって…というのは建前でな。今お前に死なれちゃあ困るからな。力を貸そうと思ってな』

 

力を貸すって言っても。この前の様に意識を君に預けるのはごめんだよ。

 

『あの時は悪いと思っているよ~それよりも、いいのか?このままだとお前…死ぬぜ』

 

死。その単語を聞いただけで、僕はブルと身がちじんでしまった。そうだ。ここで死んでしまったら、これまでお世話になった人達に申し訳が立たない。

背に腹は代えられないか…そう思った僕はコイツの賭けにのることにした。

 

 

わかったよ…一次的ではあるが、君の提案を受け入れるよ。

 

『そうでなくちゃな!それじゃあ、その身体借りるぜ』

 

 

そこから僕の意識はプツンと切れたようになくなった…

 

~3人組side~

 

最近調子にのっている2人目の男性操縦者を叩きのめす為に、私達ウォルマート姉妹は立ち上がった。私ウォルマート・マリアがアイツに薬品を嗅がせて眠らせる。次女のウォルマート・シンシアが、アリーナのゲートに細工をして外部から遮断させた。そして、三女のウォルマート・ナタリーが通信機器の妨害電波を流して、ここは陸の孤島と化した。

 

「おい、いつまで寝てんのよ」

「う、うん…ここは?」

「第三アリーナだよ。馬鹿野郎」

「あ、あれ?」

 

薬品の効果が切れると、アイツは起き上がった。そして、キョロキョロとするのであった。こんな優男のどこがいいのか、千冬様の考えはわからない。

 

まぁいいわ。二度とISに乗れない身体にしてあげるわ。私達3人の連携は完璧だった。アイツが近づくとシンシアがブレット・スレイサーで切りつける。その間に私とナタリーがガルムで攻撃する。

 

それを繰り返す30分。肩で息をするアイツを見ながら思った。男のくせによくここまでやると…だけど、もう終わりにしようと思った。

 

「ハァハァ…」

「あら~随分とお疲れのようね」

「無理もないわ。私達3人の攻撃をかいくぐっているのだからね」

「けど、そろそろ終わりにしましょうかね」

 

「それじゃあ、引導を渡してあげましょう。…さようなら」

 

そして、私達は勝利を確信した。3人の攻撃をまともに受けて、無事なはずがない。千冬様には悪いが、適当に誤魔化せば大丈夫だろう。

 

だが、一向に砂煙が晴れない。私はナタリーにアイツがどうなったか聞いてみると、何と無事だと言って来たのだ。

 

「ナタリー。アイツの生体反応は?」

「えっと……へ?」

「どうしたのナタリー?」

「…嘘。生きている…」

「え?」

 

私は確認しようとしたら、無傷のアイツが立っていた。しかも【打鉄】には傷が1つも付いていない状態でこちらを睨んでいるように見える。

 

「……」

「っく…化け物なの」

「どうする?」

「どうも、こうもないわ。もう一度同じ攻撃をするわよ」

 

私がシンシアとナタリーに指示を出そうとした瞬間、アイツが消えた。そして、次の瞬間私の目の前にいたわ。

 

~3人組side out~

 

 

~??side~

 

『あ~やっとこの身体にも慣れて来たぜ。…さて、反撃開始と行きますか!』

 

無傷の状態で立っていた事に驚いたウォルマート姉妹は動くことが出来ずにいた。そこに、歩は瞬時加速(イグニッションブースト)でマリアに近づき、素手で殴りだした。

 

『でりゃあ!』

「っく!」

 

当然それだけではSEが大幅に減る事はなく、数パーセントにしか減らなかった。だが、残りの2人は反応しきれず、その後も何度も殴りだした。

 

『オラオラ!さっきまでの威勢はどうしたんだい~!』

「くっそ!おちょくるのもいい加減にしなさい!ナタリー!シンシア!例のアレ行くわよ」

『了解』

 

そう言って、ウォルマート姉妹は、歩から距離を取った。

 

そして、3人は縦一列になり前衛のシンシアがブレット・スレイサー。中衛のナタリーがガルム。最後にマリアが両手にブレット・スレイサーを持っていた。

 

「行くわよ!ジェットストリーム・アタック!」

『了解』

 

その状態になった3人は一気に加速し、歩へと襲い掛かるのであった。だが、歩は予想もしないことをしでかしたのだ。

 

『ふ~ん…なら、いっちょやってみっか!』

 

そう言って、歩は向かって来るウォルマート姉妹へと突っ込んだ。意表を付かれた姉妹だったが、スピードを緩める事なく歩へと向かって行った。

 

「どうするの!?」

「構わないわ。このまま突っ込むわよ」

『了解』

 

それを見ていた歩はタイミングを見計らってジャンプした。すると、前衛にいたシンシアを踏み台にして、中衛にいたナタリーへ予めコールしたブレット・スレイサーで切り裂いた。

 

『いくぜ~!…よっと!』

「わ、私を踏み台にしたの!?」

『でりゃあ~!』

「きゃぁぁぁ!」

 

完全に油断していたナタリーの【ラファール・リバイブ】は急所を捉えておりSEが半分以上持っていかれた。歩はその勢いを殺す事なく、素早くマリアへと襲い掛かる。

 

しかし、両手のブレット・スレイサーで受け止めダメージは通らなかった。

 

『チィ!流石にそう上手くは行かなかったか…』

「お生憎様。私達ウォルマート姉妹を舐めないでもらいたいわね」

「お姉ちゃん…」

「姉さん…」

 

ナタリーに肩を貸しながら歩いてきたシンシア。そして、歩はマリアと対峙していた。そして、両者同時に飛び出しブレット・スレイサーで鍔迫り合いをするのであった。

 

『行くぜ!』

「私が勝つ!」

『…どうしてそこまで男を目の仇にするんだ』

「そ、それは…」

『まさか、女尊男卑って言う馬鹿げた思想に染まっている訳じゃないだろ』

「……」

『それじゃあ…もしかして嫉妬か?』

「は、ハァ!///ど、どうしてそうなるのよ!///」

 

その一言で、緊張が崩れたのかマリアが離れた。それを見ていたシンシアとナタリーは「お姉ちゃん(姉さん)バレバレだよ…」と思っていた。

 

『なるほどな…どうせ俺が織斑千冬に近いているのが気に食わないんだろう』

「…そ、そうよ。文句ある?」

『はぁ~くっそくだらねぇ』

「な、何よ!?」

『あのなぁ、俺はていうかもう1人の俺だけどな、そいつは織斑千冬から離れたかったんだぞ』

「…どういうことよ?」

コイツ(表の歩)はな、生まれつき不幸体質何だよ。だから、誰も巻き込みたく一心で離れて行ったんだ。しかし、織斑千冬ともう1人はそんな事を気にせずに構って来た』

「……」

 

『だから、コイツ(表の歩)は受け入れようと思った。こんなにも構って来る2人を…それをお前らは変な目で見やがって…』

「それは…その…」

『まぁコイツ(表の歩)がちゃんと言えば良かったんだけどな。コイツ(表の歩)はお前たちの嫌がらせも、自分の不幸体質が招いた結果だと思っていたがな』

「……」

『とにかくだ。これ以上コイツ(表の歩)に変な事をするなら、俺も黙っちゃ居ねえぞ。今回はこのくらいにしておくが、次は…ないと思え』

 

ゾクっと辺り一帯に殺気を放ちそれ以上は言わない歩。その一言で察したウォルマート姉妹はただただ黙り込んでしまった。

 

『それじゃあ、また合わない事を祈っているぜ』

 

そう言って、歩はその場に倒れ込んでしまった。その30分後、アリーナのロックが解除され、異変に気が付いた織斑先生、山田先生、箒、セシリア、鈴、一夏が雪崩れ込んで来るのであった。

 

~?side out~

 

 

~歩side~

目を覚めると一度見慣れていた天井だった。そうだ、ここは保健室だ。白一色の天井にカーテン。薬品の匂い。窓から差し込む光はオレンジ色になって、そろそろ夕陽が差し込んで来る。

 

僕はベットから降りて行こうとしたけど、動かない。どうしてかと思って動けない方を見てみると…何とセシリアさんが寝ていた。

 

え?どういう状況?何でセシリアさんが、ここに居るの?軽くパニック状態になっていた。

そんな事を気にしない様子で現れたのは、ダボダボの白衣を着崩し、瓶底ほどの大きさのメガネをかけていた女の人小鳥遊女医が僕の顔を覗いていた。

 

「おや、やっとお目覚めかい?」

「はい。どれくらい眠っていましたか?」

「そんなに長くなかったよ。2時間くらいかね」

「そうですか…あの、これはどう状況何ですか?」

「う~ん…そうだねぇ~君がここに運ばれた時に、ずっと傍に彼女がいたんだよ」

「ずっと…ですか?」

「そうさ。それで「いつ目覚めるかわからないよ」って言ったら…『構いませんわ。ここに、歩さんの傍に居させてくださいな』って言ったからね」

「…」

 

その一言に驚いた。そこまで僕の事を思っていたなんて…ちょっと、いやかなり嬉しかった。

今までは必要以上に他人と接したくないと思っていたが、ここまで来るとは思っていなかった。

 

そんな風に思っていたら、急にセシリアさんが起き出した。

 

「うみゅ…あれ…(わたくし)…どうしてここに?」

「おはようございます。セシリアさん」

 

寝起きのセシリアさんは、可愛いと思ってしまったが、状況が状況なので説明しようとしたら、急に暴れ出した。

 

「あれ…歩さん……うひゃぁぁぁ!」

「おっと!あ、危ないよセシリアさん!」

「あ、あ、あ、歩さん!?」

「は、はい!」

 

突然名前を呼ばれて驚いてしまった。けど、セシリアさんはそんな事お構いなしに聞いてきた。

 

「その…(わたくし)の寝顔とか見ましたか///?」

「えっと…」

 

この質問はダメだろう。仮に見たと言ったら…

 

『え…そうですか…変態』

 

とか絶対零度の目で言われそうだし、見てないと言ったら…

 

『何で見なかったんですか!』

 

と言われそうだし…どうしようか悩んでいると、小鳥遊女医がとんでもない事を言い出した。

 

「あ~少年なら、直ぐに目を覚めて、隣で寝ていた君を発見して驚いていたよ」

「……小鳥遊さん!?」

「?事実だろ」

「いや、そうですけど。もっと違う言い方がるでしょ!」

 

その一言でセシリアさんがどう思っているか怖くて彼女を見れないよ!けど、恐る恐る見てみると…

 

「や、やだ。恥ずかしいですわ///(わたくし)変な顔をしていませんでしたか?」

「えっと…」

何と、まんざらでもない様子でした。普通であれば罵詈雑言を言われてもおかしくないのにセシリアさんはそれを言わない。

 

そんな風に思っていると、小鳥遊さんが早く帰るように促していた。

「ほら、イチャイチャするのは分かるが、少年が無事ならもう出て行ってくれ。早く鍵を閉めたいんだよ」

『い、イチャイチャとかしていません(わ)///!』

「そういうところだよ…」

 

げんなりする小鳥遊さんを尻目に僕とセシリアさんは帰る準備をしていた。そう言えば、あの三姉妹はどうなったのか気になる…

 

~歩side out~

 

その頃ウォルマート三姉妹は自室で待機するよう千冬から言いつけられていた。生徒同士の模擬戦なら、そこまで教師が介入する必要ないが、今回は違う。

 

まずは、両者の合意ではなく一方的にウォルマート三姉妹からの難癖から始まったのだ。しかも、薬品等で眠らせると言う用意周到ぶりである。

更に言えば、一対一での模擬戦ではなく一対三と言う不利な状況からスタートさせたのである。

 

結果的に歩が勝利したものの、一歩間違えれば大切な男性操縦者を失う事になっていた。そのことに頭を抱えているのは、千冬であった。自分の担当している学年から問題ばっかり起きており頭を抱えていた。

 

今回のウォルマート三姉妹に対しての罰則について考えていると、職員室に歩が現れた。

 

 

~歩side~

 

セシリアさんと別れて、自分のテントに戻ってもあの三姉妹の事が気になってしょうがない。多分織斑先生が何らかの形で解決すると思った。

職員室に着くと、何故か頭を抱えている織斑先生がいた。僕は意を決して織斑先生に聞いてみた。

 

「織斑先生。今大丈夫ですか?」

「あ、ああ天道か。どうした?」

「えっと…間違っていたらごめんなさい。…なんか悩んでいる風に見えたので…」

「まぁあながち間違っていないな。…ウォルマート三姉妹についてだ」

「…」

「今回のような模擬戦まがいな行為は、学園側も重く受け止めていてな。何らかの形で罰則を出さなければならないと判断している」

「…そうですか」

「ああ、仮にも世界に2人しかいない男性操縦者を危険にさらしたのだ。それ相応の罰を与えなければならない」

「……」

 

その内容を聞いた途端、僕は何故か…助けたいと思ってしまった。確かに酷いことをされたと思えばいい気味だ!と思ってしまう。

 

けど、僕が攻撃対象になるには、何らかの理由があるに違いない。それを聞いてからでも遅くはないと思った。

 

「あの、ウォルマート三姉妹への罰則なんですけど、少し待ってもらいませんか?」

「…何かあるのか?」

「はい。ちょっと三姉妹と話しをしたいのです。…ダメですか?」

「……」

 

正直言ってこれは賭けだったと思う。果たして織斑先生は乗ってくれるだろうか…

 

「…わかった。但し、私が同伴する。それでいいか?」

「はい。ありがとうございます」

 

そう言って、僕と織斑先生はウォルマート三姉妹がいる部屋へと向かうのであった。

 

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