アルまど様「干渉できない特殊な宇宙が増えてたので見てみたら自分が犯されてた」 作:夜月工房
時は流れ、あっという間に来年度を迎えていました。
途中で
当然、女神たちは何がフラグになるか分からないのでしっかり追いかけてじっくり鑑賞しました。魂に干渉する能力を持ち、
その期待を裏切らず、予想通り
イろはちゃんは
突然ですが、久遠は亡き父の立ち上げた不動産会社を継いだ二代目社長さんから気をかけてもらっており、たまに会食して近況報告をし合う仲です。
今回、新年度を迎えた久遠は進級祝いでもある会食で、最近になって悪質な地上げ屋が活発に動いていることを伝えられました。中央区にマンションを持つ久遠にも気を付けるようにということですね。
これを聞いた久遠は、逆にチャンスだと思いました。
久遠は
早速、帰宅した久遠は帆奈ちゃんとみことちゃんに地上げ屋を乗っ取ろうぜと話を持ちかけました。が、反応はイマイチです。
どうやら二人としては余りに突然であったため事態が把握できていない感じで、ついでにどう乗っ取るのか、何より乗っ取る意味が分かっていないようでした。
というわけでまずは任務の説明です。地上げ屋の下っ端を捕まえて暗示の魔法をかけます。トップの居場所を聞き出して暗示の魔法をかけます。恐らくは繋がっている反社会的勢力にも暗示の魔法をかけます。以上です。
反社会的勢力は、他の土地に根を張る同業からの侵略に対する防波堤でもあるため、迂闊に潰すことはできません。暴力と権謀術数の世界に生きるからこそ堅気の人や義理人情を重く考える者も少なくないため、特に土地に愛着を持っているタイプは残しておいた方が得だったりするわけです。
とはいえ面子商売なので地上げ屋に手を引かせるよう説得するのは難しく、
なんてことを話した翌日から、久遠は情報を集め始めました。これでも不動産業者の跡継ぎ候補として
そしてやって来ました神浜市は参京区、孤児院『つつじの家』です。
事業家としての顔も持つ久遠は予約していた時間に
帆奈ちゃんは孤児院生活の経験があるため、横の繋がりで顔を覚えられている
久遠たちを迎え相手にしたのは副院長。つつじの家を売るつもり満々な裏切り者ですね。
しかし、国主導の政策で孤児を別々の新規施設に飛ばして教育してみるテスト……正直な感想を言えば、孤児が溢れていた過去に散々試されていたと考えられますが今はデータが残らない程度の価値しか見出だされなかった手法です。どこをどう切り取っても結果を出せず
まぁそんな国家規模の計画とは関係ないし知りもしない久遠は自分の目的を切り出します。
年齢にそぐわない成功を収めたので、両親を失った身の上として他人事ではないから、慈善事業に還元したい……という建前で資金またはカタログ品の寄付に関する申し込みですね。
こうして金をちらつかせたら悪人は奪えないかと調べるでしょうし、大人がそばにいない小学生なんておいしい環境がわかれば危機感の足りない無知な子供と侮って手を出して来るでしょう。後は食いつくのを待って釣り上げるだけ、簡単なお仕事です。
と、思っていたら微妙に困った顔の副院長。何しろ、本人的にはもうすぐ畳まれる施設です。このまま説明もなしに寄付を受け取るだけ受け取ってすぐに施設を閉鎖したとなれば、寄付金を持ち逃げしたと週刊紙にすっぱ抜かれることでしょう。
更には名刺と自己紹介から、相手はインターネット産業で実績を持っているとわかっています。SNS経由で注目を集めたり、万が一にも計画に辿り着かれたりしたら、身代わりの捨て駒にされる可能性が濃厚です。よって、下手に説明をして断ることも難しい提案でした。
国がバックについているなら寄付金の大半を貢いで国に圧力をかけさせるかと陰謀を巡らせましたが、副院長が迷っている内に久遠は
副院長との会話を終えてつつじの家を後にした久遠とみことちゃんを、帆奈ちゃんが迎えました。その傍らにはぐったりとして動かないスーツ姿の男性。どうやら獲物が網にかかったようですね。
というか、返事を待たずに席を立った理由がこれです。念話で帆奈ちゃんからみことちゃんへ連絡がいき、計画がポロリしたからなのでした。下っ端の地上げ屋かと思ったら神浜市の役人だった。な、何を言っているか以下略。
そしてつつじの家が本来の目的である地上げ屋とは無関係だと判明したので、久遠はちょっぴり恥ずかしく思いながら帰途についたのでした。
それはそれとして政治家の弱みを握れそうなので、神浜市転覆のために証拠を集める決意を固めたそうです。
数日後、返事もないし証拠隠滅に動いたのかと心配になり、つつじの家を襲撃しようかと考えていた久遠が、新聞のお悔やみ欄に院長先生の名前を見付けてお茶を吹き出す悲しい事件が起きました。
その日の夜は予定がなかったので、早速魔法少女二人と一緒にスニーキングミッションのお時間です。マンションにかけてあるのと同じ認識阻害で楽々進行で……つつじの家の庭で新しい魔法少女が三人生まれる瞬間に立ち会ってしまいました。とりあえずの精神で
相手目線では唐突な不法侵入からの契約の対価とはいえ願いを叶えてくれた存在を殺害という言い訳無用な不審者が出現したわけで、当然といえば当然ながら誕生したばかりの
しかし、
まず最初に、よくわからないけどなんとなく怖い話をしているな、と不安になった
色気のないうひゃあという悲鳴を上げて飛び上がった時に浮かべていたのは驚愕の表情でしたが、着地に失敗して放心したまま座り込む彼女の瞳の中には間違いなく悦びが混じっていました。
これは経験も知識も自覚さえも持たないまま性の目覚めを迎えたらしいと、女神たちは即座に
次に、溺愛する妹分に危害を加えられたと
残された葉月ちゃんは冷静ではいられませんでしたが、どうにか質問によって今起きた現象の説明を受けることに成功しました。そして頭を抱えました。
ただでさえ、一足飛びに
そこに
貞操観念を確立させなければ
いっそ自分も堕ちてしまえば楽になるのかと
こういうのもたまにはいいですねと珍しくはしゃいでいるイろはちゃんを、アルまど様が温かい目で見守っておりました。
さて、意識を失った
初めてが外かーと不満そうに漏らしながらも期待が隠せず、正座待機していたのにお預けを食らってしまったイろはちゃんが、もっと熱くなれよとエールを送っていますが、届きはしません。
すっかり染まった
マンションに無事到着した久遠一行でしたが、三姉妹は未だに意識を取り戻さないのでベッドにひとまとめにしておきました。そして話し合いのお時間です。
つつじの家での会話で判明した
それを帆奈ちゃんが元々予定にないイベントだったから損はしていないと正論で励まし、みことちゃんが新しい協力者を得られそうだしと希望的観測で慰めます。
このとき、二人はわざわざ変身して近付きながら言葉をかけていました。ご褒美を要求するんですねわかりますと女神たちは即座に体勢を整えました。いいものは、何回見ても、いいものだ。
そしてお約束ですが、こっそり意識を取り戻して様子を伺っていた葉月ちゃんが近くで繰り広げられる
一通り済ませて満足した帆奈ちゃんが
改めて
と、ここでみことちゃんから三姉妹の話し合いタイムも必要ではと提案が出たので、マンション組は
サッパリホカホカな風呂上がり組に対して、孤児院を出た三姉妹は出した結論を告げました。
このはさんはあやめちゃんの貞操を守るのと本当に行為の効果があるのかの確認という自己犠牲精神から、葉月ちゃんは二人を守る力を欲した上で行為そのものへの興味から、それぞれ
やることは決まったものの、順番争いが勃発しました。片や効果の確認のため、片や我慢の限界により、自分が先にと譲りません。
決めてなかったんかいと呟く帆奈ちゃんの呆れ顔、
結局、二人同時に
止められなかったら自分もあんな風になっていたのかと、二人に感謝しながら安堵のため息を吐いたのですが、その二人に誘われたものだからさあ
元々の興味と、目の前の反面教師との間で葛藤しましたが、素直にさせられているこのはさんの
気合を入れて変身してから
暗示なしのあやめちゃんは子供っぽくも初々しいしっかりした反応を見せていました。久遠も精神的に年下な印象が強すぎるあやめちゃんには思わず
施術が終わって、三姉妹の上二人は暗示にかかった最中の自分を振り返って悶え転がりました。末っ子だけはどこか嬉しそうにしており、悶える姉二人に抱き着いて尊い光景を作り上げています。
落ち着きを取り戻したところで今後についての話をしたのですが、長女が貯金を株で増やす計画をしたので、久遠が社長の顔になり自社への投資話を持ちかけました。ついでに口頭ですが近く募集予定のバイトについても説明。今ならマンション最大一人一部屋もちろん相部屋相談可に住み込みで家賃インフラ全部無料。即決でした。
憐れみや邪な心を見せないビジネスライクな態度がこのはさんの気を楽にしたようです。小学生社長とかいう非常識には呆気に取れればしていましたが。なんなら魔法少女の願いで若返ったんじゃないかと疑惑を向けられたくらいです。
こうして、魔女狩りのために神浜市を去るはずだった三名が市内に残留することになりました。久遠が
あ、つつじの家ですが、聞き出した願い事だけでは施設として残ってもクリーンな運営が確約されているわけではないので、後日ちゃんと
それにより、つつじの家から感謝状を貰いましたし、同じ学校に通う孤児院出身者からも感謝されて交流が始まり仲良くなりました。地味にモブ魔法少女が紛れていたので、施設内では浮いていたらしい三姉妹の許可を得てから捕獲して仲間に引きずり込みました。女神調べでは養子として引き取られて行った先の義兄から
ある朝、久遠と帆奈ちゃんは真っ青な顔色のみことちゃんから怖い夢を見たと告げられました。
内容としては、魔女化する直前の何もかもが憎悪の対象になる心境を更に酷くした状態で、たくさんの魔法少女の悲劇を延々と見せられるというもの。
ソウルジェムの強化が著しい現在のみことちゃんでさえ結構な穢れが溜まっていますので、情常人レベルの精神には相当な負担がかかっているでしょう。
考察や今後の対応といった詳細を詰める前に、まずは浄化を急ぐのでした。