前回――記念すべき第十話を五話も過ぎて逆にキリ自体は良くなった第十五話にて、アルまど様の物語は観測していた干渉できない宇宙が宇宙意思によって並行宇宙からパージされたので干渉どころか観測さえ不可能になってしまうという打ち切りエンドの煽りを受け最寄りの女神に走る結果となりました。
ですが、物語なんてものは切り取られた歴史の一部分でしかありません。歴史そのものはその後も続いていくものなのです。そう、マジンガーZからグレートマジンガーだったりガンダムからZガンダムだったりみたいに。
まぁ、円環の理って時間の流れが歪んでそうですし、女神なら切り離されて漂流している宇宙であっても、こう、周波数チャンネル的なサムシングを探し出すんじゃないでしょうか。知らんけど。
ところで、平行宇宙だとどうにも平らなので起伏を許さない感があるというか、平行の数学的な定義がハッスルして正史だとか分岐した歴史だとか気取った事を言っていられなくなるというか。なので、今後は並行宇宙の表記で進めようと思います。平行宇宙の表記は無限大いろはちゃんの勝利台詞とかなのでネタ扱いでしょうし。いやまぁ一部だけがループしている単一の歴史だったり円環の理だったりについて図式化して平行を考えるのも素敵ではあるのですが。
さてさて、ここで視点をパージされた宇宙からのものに変えてみましょう。
するとあら不思議、まるでS級クランだとかパーティーだとかから戦力不足を理由に追放される冒険者のようではありませんか。部下のミスで経営が悪化しているので部下諸共に責任を取れと解雇された方が近いだなんて言ってはなりません。
そうなると話は簡単です。この物語はアルまど様が制欲を持て余してどこでどう暴走するかのトトカルチョから一転して、オリ主であるパージされた宇宙……君? ちゃん? ここは普遍的かつ無難な敬称である『さん』を使うことにしましょうか。そのパージされたURな宇宙さん、略して……そう、パウチュウさんの成り上がりものへとシフトするのです。URな、の部分いらなくないですかこれ。
白っぽい毛を持ち二足直立するアシカ顔のネズミっぽいキメラティックなモンスターが浮かびましたが気のせいでしょう。今一つ面白味に欠ける見た目だったのでチュウ部分を進化系にしてみましたが、同じ系統だったので思わずチベスナ顔をしたのは内緒です。
こほん。そんなわけで、ここからは原作なんてそっちのけでパウチュウさんによる並行宇宙へのざまぁに向けたご都合展開ラッシュの始まりに違いありません。見とけよ見とけよ~。
なんてことを言っても、パージされた宇宙には意思なんて(残って)ないです。
少なくとも契約書に署名したおかげで力も資産も久遠に譲り渡してしまった後なので、あるかどうかも分からない指をくわえて眺めるくらいしかできません。そう考えたら既にざまぁ完了してますねこれ。何なら愉悦の域にまで届いてます。
実のところ、パージされてない数多の並行宇宙も宇宙の意思の資産扱いで現在は久遠の所有物になっているのですが、本人に自覚が全くないので一切管理されていないという地味に全宇宙のピンチだったりします。一応ですが、所詮は数ある多元宇宙の一つに含まれている並行宇宙の出来事に過ぎないので影響はとことん軽微なことは補足しておくべきでしょう。逆に言えばここからバッドエンドに突き進んでも大丈夫ってことです。次の瞬間には黒歴史を葬るべくアルまど様が次元を越えて襲撃して来て、ページは赤黒い液体で汚れており続きが読めない……なんてことも可能性としてないわけではないのです。ふふ、震えて来ました。先週の記憶が飛んでいるのは果たして無関係なのでせうか。縦書きとかで助けを求める練習でもしておいた方がいいのかと思う今日この頃なのです。
そんな宇宙のピンチに実質的に配下な獣が気づいて知らせようとしたのですが、久遠の在住している神浜市には浄化システムが機能しているためマギウスの展開している皮膜を越えて市内に入り込んだ個体は軒並み機能を停止してしまって不可能でした。幸い、週末に鹿目家へ訪問することは知られているので見滝原市に赴いたところをスナイプするという方法があります。
しかしながら、そもそも素質無しには不可視非可聴な存在と久遠の相性は壊滅的なまでに悪いため、望みは薄いという罠。下手を打てば、一気に本体まで消滅の危機まで起こり得るのです。
久遠からの認識については唯一の例外がいますが、色々あってやさぐれてしまい交渉が難しいでは済まない状況。世界の悪意が見えるような現実の厳しさが光ります。
かといって、やらなければ最悪は魔法少女の存在発覚からの迫害、魔女狩りならぬ魔法少女狩りへと発展して数を減らしていき、やがては資源の枯渇による宇宙が緩やかに寿命を迎える未来なので、成し遂げない訳にはいかないのですが。
そんな話はさておき、パウチュウさんの地球に存在している日本某所というか神浜市では、電波少女のウワサを調べるべく主人公一行がついに中央区までやって来ました。
ここまでの流れはいろはちゃんがパワフルなことと、見滝原勢が介入していないこと以外は結局のところ原作沿いです。マミさんは優雅にケーキと紅茶を嗜んでますし、杏子ちゃんはゲーセンに常駐しています。まどかちゃんとフレンズだって、マミさんが行方不明になっていないので慌てて捜索したりもしていません。その影響でマギウスの翼が原作と比べると地味に人材不足な面はありますが、元より市外の面子も多いので深刻さはないようです。
ミザリーウォーターのウワサ? 奴さんなら強化済いろはちゃんに単発でツモられたよ。
実を言うとこれ、表示は0%ですがこのお話では小数点以下を切り捨てているため実際は小数点以下の確率で……というねむちゃんの職人魂が仇となった結果です。元を正せば父親から言い伝えられたエルムドアッー!を嬉々として語って聞かせた久遠が原因なのですが。マギウスは泣いていいと思います。
というか、そろそろ怒りを通り越してボロボロ涙をこぼしながら弱音を吐く灯花ちゃんの姿が見られるのではないでしょうか。
ねむちゃんは自分たちが失敗しても間接的な妨害要因である久遠への屈折した好意を更に拗らせながら自分の見る目が正しいと確信を深めて興奮するようになっているので、その、手遅れです。ある意味、無敵ですね。
アリナはアリナでいつの間にかマンション組と魔女の飼育に関して意見を交換し合う仲になっており、育てた魔女同士を戦わせて成果を確認したりもしています。これに関しては趣味の範疇なので他の二人には伝えていない模様。
魔法少女界隈では世紀末もかくやな治安と噂の中央区では、黒ローブの魔法少女に賞金が掛けられ狩りの対象となっています。マギウスの翼を抜きに素で黒ローブな魔法少女たちはいい迷惑かもしれませんが、中央区で顔を知られていない黒ローブの魔法少女が活動している場面を発見される時点で問題なので問題ありません。
パッと思いつく例であろう黒江ちゃんは、久遠が潤さんを訪ねた際に魔女の結界の手前で尻込みしているところを見つかってしまい、結界に連行されるわ魔女と戦わされるわ助けられるわ浄化と強化をされるわで酷い目に遭っています。自己肯定感は低いままなのでマギウスの翼に加入している可能性があるのですが、強化済みなせいでどれだけ落ち込んでもソウルジェムがそこまで濁らない彼女がいじめの対象にならないことを祈るばかりです。
さて、ウワサは割と自由度の高い存在であるため、創造主がそのように決めたのならそのように生まれますし、そのようにあり続けます。なので魔境にもあっさり侵入というか、そこで生まれることができています。
ですが、ウワサを守るために派遣されるマギウスの翼は世紀末な中央区のモブ魔法少女によって追い回され、捕獲され、捧げられてしまうのでそのままでは活動できません。
なんなら宇宙の意思が仕事しないパウチュウさんでの出来事なので、魔法少女の存在に都合よく働くフィルターがかかりません。黒ローブの怪しい人物なんて、久遠の根回しが巡り巡って綺麗になった警察に職務質問されてしまいます。
マギウスの翼が補導されたのは一度や二度ではありませんし、身元を押さえられている魔法少女がたくさん現れました。
その際、身元保証人として呼ばれた大人の毒親率が高く、まともな警察官から教育委員会や児童相談所に連絡がいきました。そこをマスメディアにスッパ抜かれて市内に広まり、警察としても見回り強化や家庭訪問の実施を発表しました。機を見るに敏な政治家はスローガンに家庭環境の改善に関する内容を盛り込んだりもしたので、自然と同調圧力が働き大人達の振る舞いが多少はマシになったのだとか。
現在の神浜市は寿命の先延ばしに真摯な営業が活動していないため、因果が深まる要因の一つと推測される家庭環境や人間関係に問題を抱えている魔法少女候補の契約ができません。
そのため、タイミング悪く自殺してしまったり精神崩壊を起こして廃人化したりする少女が現れる可能性は非常に高く、そこに環境の変化が起きてストレスが軽減されたことは助けになったとかならなかったとか。
話を戻しましょう。
中央区のウワサを守るように言い付けられたマギウスの翼は、ローブを脱いで不審者感を拭い去れば良いと思い付きました。
が、中央区はオフィス街。制服姿の少女が徘徊するのは中々に悪目立ちします。今回の思いつきを実行した面々も見ない顔の集団ということで地元の魔法少女から尋問を受ける羽目になり、何とか電波塔の観光に来たと誤魔化してその場をしのぐことに成功しました。
しかし幸運はそう続くものではありません。電波塔付近までやって来たらそこには顔写真で注意喚起されている七海やちよ率いる団体様御一行の姿がありました。下手に近付くのは不味いと考えながらも、地元の魔法少女から尾行されている可能性を捨てきれないマギウスの翼は板挟みになってしましいます。そうこうしている内にストレスが高まってソウルジェムがみるみる濁っていき……ついにはドッペルが暴発してしまいました。悲しいね。
これにはそこそこ近くにいたチームみかづき荘の面々もびっくり。すぐさま制御を失い暴れるドッペルを抑えるために変身して向かいました。
羽根たちの予想通りに尾行していた地元の魔法少女はみやこ先輩に連絡した後、事態を静観していました。あ、この子自身は名前を隠してるとかじゃなくて、単なる有能モブ魔法少女です。
周囲の建物への被害もなく、事態は無事に鎮圧されました。とはいえ、チームみかづき荘からは黒羽根ちゃんの暴走が魔法少女同士の争いに見えた様子。つまりはお説教のお時間です。
やちよさんから中央区は中立地帯であると厳重注意された上で解放……の前に、電波少女のウワサについて何か知らないか確認されてしまいました。
いっぱいいっぱいな黒羽根一同は挙動不審になりながら一切知らないと否定しましたが、オカンの目は欺けそうにありません。ジト目で黒羽根たちを見つめます。
と、そこへ待ったが掛かりました。マギウスの翼謹製の白ローブを纏ったぴーひょろ姉妹の登場です。これにはやちよさんもやっぱり。黒羽根の皆さんは思わずドッペルをおかわりしてしまいそうでしたが、上司への無体はまずいと必死に耐えていました。
そんなわけでウワサが本物であることを確信されてしまうという大失態を披露した天音ェ…姉妹。“汚名挽回”とばかりにマギウスの翼とは無関係を装っていた魔法少女たちを巻き込んで戦闘を挑みました。既に疲労困憊なのに上司の尻拭いをさせられる黒羽根のみなさんが死亡フラグを乱立しているのは実に涙を誘う光景です。
結果は健闘むなしく敗北してしまいましたが、時間稼ぎが間に合い帰宅民がチラホラ現れ始めたので、人目を気にするみかづき荘メンバーを振り切って逃げることに成功しました。
まぁ、逃げた先では苦笑を浮かべて頬に手を当てるみことちゃんと笑顔で両手を広げた帆奈ちゃんとによる手厚い歓迎が待っていたわけですが。
その後、帆奈ちゃん主導の尋問が行われました。催眠状態になったマギウスの翼から色々な情報を引き出すことに成功したのでホクホクです。
特筆するべきなのはやはりドッペルではありますが、どう考えても副作用がありそうなので使用は控えるべきだと賢い帆奈ちゃんと魔女化の経験を持つみことちゃんとは考えました。そもそも自分達のソウルジェムが濁り切る場面を想像できないことからは全力で目を背けたのは言うまでもありません。
次点でマギウスの翼という集団の上位にマギウスと呼ばれる三名がいること。その名前を聞いて、聞き覚えのあった帆奈ちゃんは久遠を突撃させたい衝動に駆られましたが、みことちゃんに先回りされてしまったので思いとどまりました。
必要な情報を抜き取ったと認識した二名は、最後にちょっとした地雷を埋めました。そして、捕縛している面々の分布がバラバラだったので、東西それぞれの代表者へ送り付けて貸しにすることで中央区がイニチアシブを取れるようにと、みやこ先輩に押し付けて帰りました。
なお、帰ってからメッセージアプリを起動した帆奈ちゃんは、魔女モンリーグ運営委員会という名称のグループに亀甲縛りされた目に光のない少女集団の画像と、黒羽根一同から引き出した双子の失態に関するメッセージとを投稿したのでした。
それを見たアリナは少し前の失態を思い出してもんどりうった後でニアミスしていた事実に寒気を覚えつつ、画像を保存してからメッセージごとみふゆさんに転送したそうです。もちろんキッズには黙ってました。
原作とは違って魔女をイブの餌にするだけではなく、マンション組と戦わせる方向にも開眼していたアリナは、結界を複数展開できるようにして魔女も複数育成するようになっていました。直接の面会はなかったため、久遠による強化はありません。自力で新境地に到達する才能と努力を見せる彼女の強キャラ感はマシマシです。
で、ウワサの結界内にいた魔女は先日の対戦で負けたので二軍落ち予定であり、反省させる意味で配置していました。といっても、アリナは魔女を操作したり意思疎通ができたりするわけではないため、効果は見込めません。ぶっちゃけノリです。
そんなわけで思い入れもそこそこだったので、その魔女がフェリシアちゃんに倒されてしまった後の二度目のドッペル呼び出しはキャンセルされました。
一応、魔女とアリナの名誉のために言っておくと、育成の腕が原作より上がっているので魔女の強さも上がっており、フェリシアちゃんが冷静さを失いながらも魔女に対する恐怖を覚えるほどに追い詰めました。結果としてはそれが原因でドッペルを召喚されてしまい逆転負けしたのですが。
芸術に対するスタンスとして、作品を無理解無関係な有象無象に破壊される怒りは当然のように大きかったのですが、その前の出来事で気持ちが冷めていたので上手く気分が乗りませんでした。
何があったかと言いますと、ウワサの結界内に入り込んで来たいろはちゃんたちにドッペルを呼び出したものの、常にクライマックスな主人公にあっさり耐えられてしまったので闇マリク並に狼狽えてしまっていたのです。
なお、軽くパニックになって退き際を見誤ったヨネ、とは冷静になった彼女がマギウスのお茶会でこぼした台詞。これを聞いたねむちゃんと灯花ちゃんの環いろは像はむっちゃマッチョになったのだとか。
今回マギウスの翼はペアで動いていた帆奈ちゃんとみことちゃんに捕獲されたにも関わらず久遠の被害に遭わなかったわけですが、ここには魔法少女の政治問題以外にも理由がありました。
ウワサを巡る騒動で中央区がちょっぴり荒れていた頃、久遠はマンションの管理人室でソウルジェムを持たない魔法少女(?)たちの話を聞いていたのです。
彼女たちは、自らを時空管理局と名乗りました。