アルまど様「干渉できない特殊な宇宙が増えてたので見てみたら自分が犯されてた」   作:夜月工房

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アルまどちゃんがまどかちゃんに会った話

 時系列的にはまどかちゃんがホテルフェントホープを残響ではなく残骸に変える少し前。

 普段使いすることを考えてホテル内部の構造を単純(シンプル)にしていたのが仇となり、憂さ晴らしでピンポイントに障害(兵隊グマ)を排除した久遠一行はそのまま隠し通路を通って地下へと進んで来ました。

 それを知りながらも、ういちゃんを失って自尊心が肥大化し慢心に磨きのかかった灯花ちゃんとねむちゃんはのんびりマギウスでお茶会を開いていました。二人は久遠の能力を知りませんし、配信も捏造だと信じて疑っていないため、仮に辿り着かれてもイブの穢れが蔓延する地下聖堂では満足に動けなくなり容易く捕縛できると考えていたのです。

 アリナはアリナで久遠を説得する材料を有しているため落ち着いたものでした。

 

 環いろはという、話題にする本人以外は誰も知らない――それも灯火とねむの親友だという――妹の存在を口にする魔法少女の存在を知ったことで、アリナはイブが環ういだった半魔女である可能性に辿り着いていました。これも変わり者の後輩(フールガール)から押し付けられたマジカルきりんにはまったおかげで他にも色んな漫画を読むようになった成果です。

 それが事実かどうかはさておき、環いろはの前でイブこそが環ういだと告げた上でイブを解放した場合どうなるでしょうか。妹を気遣う姉は攻撃できず、妹を守るためなら一緒にここまで来た仲間へ武器を向ける可能性すらあります。一方で妹は意識の有無に関係なく魔女の本能に抗えず姉とその仲間を蹂躙することでしょう。想像するだけで楽しさ満点、ワクワクが止まりません。

 魔法少女の真実が配信で暴露されている現状、柔軟な思考ができる魔法少女はソウルジェムが本体であり肉体は活動するための媒体でしかないと割り切った考え方を――少なくとも変身して魔女と戦う際には――しています。なので死亡率は真実を知らない場合に比べて低くなっており、魔法少女が本格的にピンチを迎えるまでなら因縁を優先させて久遠自身は見学に回る公算が高いとアリナは考えていました。

 

 そうしてやって来たマンション組でしたが、まぁ当然のようにイブの穢れが蔓延する環境でも動きに影響はありません。時間稼ぎを兼ねた会話をしていたのに全く問題なさそうな面々に灯花ちゃんが怒りをぶつけていますが、久遠はそんな灯花ちゃんな無言で近付いていき……

 

 アームロックを極めました。

 

 これには思わず灯花ちゃんもキャラを投げ捨てて「があああ」と悲鳴を上げ、見かねたねむちゃんが「それ以上いけない」と止めました。が、久遠の怒りは二人から一方的な縁切りをされたことが根幹にありますので、同罪なねむちゃんもそのまま流れるようにアームロック(天丼)()められたのです。灯花ちゃん同様キャラを崩壊させて叫ぶねむちゃんでしたが、今度は止める人間がいませんでした。アリナはマギレポ化し(キョキョキョと笑っ)ていたのは触れない方が良さげです。

 

 ねむちゃんが痛みに耐えかねて失神する頃には、場の空気はぐっだぐだでした。ですがここになって一人残ったマギウスであるアリナはマイペースなので気にせず口を開き、環いろはの話とイブの正体を絡めた話を久遠たちに聞かせます。

 アリナは傷つけ合い和解できないまま終わると予想しているようでしたが、久遠は人の心が見せる可能性の光を信じているので和解する方向で話が終わると予想しました。対立する意見。ならば実際に確かめてみようとなるのは必然でしました。

 

 しかしそうなると到着まで暇です。と、いうわけで魔女を戦い合わせる遊びに興じることになったのですが、ここで帆奈ちゃんから自分の育てた魔女を戦わせたいと自薦がありました。

 帆奈ちゃんとみことちゃんもそれぞれ暗示の魔法で人を襲わず指示を受け付ける魔女を所持しており、アリナの育てている魔女と戦わせたのも一度や二度ではありません。単純な強さであれば周囲に配慮して(面倒なので)魔女を狩る頻度が少ない帆奈ちゃんたちの魔女よりもアリナの魔女の方が強いのですが、代わりに人間の知恵を最大限活用できる強みにより勝利をつかみ取ってきました。戦績としてはちょうど勝率が五分五分なので、帆奈ちゃんとしては一歩先を行きたい狙いがあるようです。

 

 そんなわけで見学に回った久遠は自分の中の打ち倒したマギウス二名を安全な場所に運んだのですが、ついでに何故かねむちゃんの魂がめちゃくちゃ磨り減っているので善意から補給しておくことにしました。

 ねむちゃんとは既に――それも変身前の姿で――致した仲ですので、ためらいは一切ありません。強いて言うなら、他の人が致す場面を見たことのない黒江ちゃんや綺麗な体のままなアリナには刺激が強そうなので、繋がっている場所が見えないように姿勢(体位)や動きを配慮するくらいでしょうか。

 こうしてねむちゃんは本人の知らぬ間に寿命問題が解決したのでした。意識を取り戻したら体の調子が嘘のように良くて逆にワンチャン死後の世界だと勘違いするかもしれません。

 しかしそれでも帆奈ちゃんとアリナの対戦は終わらなかったため、独りぼっちは寂しいもんな……と灯花ちゃんにも手を出しておきました。意識を失っている間に大事なものも失っているとは本人も思ってもみなかったことでしょう。

 こちらは魂が削れはしていなかったものの別物に変異しかけている感があったので調整しておきました。目が覚めたら綺麗なガキ大将ならぬ綺麗なおガキ様になっていると推測されます。

 なんて思っていたら一回戦の終わりで気を失った状態から気をやった状態に移り意識を取り戻しました。自分の状況を把握して泣き叫びますが、間髪入れず二回戦目に突入したので段々と叫び声の質が変わってしまいます。

 その後もチラリズムの欠片も見られない鉄壁のガードを発揮されながらにゃんにゃん鳴かされた結果、すっかりしおらしく笑顔の似合う女の子になりました。意識は念願の宇宙旅行に出てしまって反応は薄くなっていますが一時的とはいえ性格が改善したので問題ありません。

 

 このときでも帆奈ちゃんたちの(魔女モン)バトルは続いていましたが、宴もたけなわ(クライマックス)でした。マギウスの処置も済んだので久遠も応援に回ると、このタイミングで女王グマのウワサが倒されたらしく地下聖堂にいた面々はイブも含めて嵐の森に投げ出されました。

 突然の事態にそれぞれが気を取られる中、その隙を突いた帆奈ちゃんの指示が飛びました。そうして帆奈ちゃんの魔女がアリナの魔女へ致命傷と呼んでもいいダメージを負わせ、盤面は一気に傾いたのです。これにはアリナも相手を称えずにはいられませんでした。アリナは結果が見えたと降参(サレンダー)を宣言し、傷ついた魔女は結界を経由してイブの餌にしてしまいます。

 中々にエグいイブの貴重な食事シーンを見学した一同が次の相手をどうするか選別を始めたところで、いろはちゃんたちが到着しました。そのタイミングでいろはちゃんが持っている枝が桜らしき花を咲かせたことで、いろはちゃんは万年桜のウワサ(ういを含む四人)条件を満たし(この場に揃っ)たのだと気づきました。

 が、それの意味を知るマギウス二名は幸福な魔法少女(ヘブン)状態なので無反応。そしてそんな二人の様子に気付いたいろはちゃんは何が起きたか即座に察知したので久遠(容疑者)を見て、私がやりました(自白を供述する)のプラカードを掲げつつサムズアップ(自慢気な反応)を返してきた犯人にどう反応すればいいのか迷っていました。周囲では幸福な魔女の使い魔がテンション高く何事かを告げていますが、残念ながら耳をすり抜けています。小さいキュゥべえもテンションを上げていますが、それにも反応を返せていません。

 

 そこへアリナが目的であるイブ=うい説を高らかに告げました。同じ結論に達していたのでいろはちゃんは驚きこそしませんでしたが、だからこそアリナの予想通りにイブと戦うことに躊躇してしまいます。狙い通りだと笑みを深めるアリナでしたが、このときアリナも予想していなかった事態が起きたのです。

 実はこのとき、いろはちゃんと一緒に小さいキュゥべえがやって来たことでイブは首ったけになっていました。いろはちゃんへ執着を見せたのだと判断したアリナは、イブの好きにさせる事を選びました。魂を失い自壊しそうな体を包み込み保護していた、アリナの固有魔法を応用した被膜はそのままに、拘束を解きます。

 指向性はあるものの余波で大きな被害を出しながら暴れるイブ。近づきたいけれども傷つけたくもないいろはちゃんたち。隠れて見守りながらもぶっちゃけ焦れったい久遠たち。そんな久遠の様子に気付いてイブを放置する理由であろうアリナとの仲を警戒して『お話』の機会を伺うまどかちゃん。一見するとイブの暴走が目立っていますが、実際の場は混沌としていました。

 

 そこに表れたのがアルまどちゃんでした。これには久遠もびっくり。というか、せっかく隠れていたのにあっさり探し当てられて真っ直ぐに向かって来たので微妙に困りものでした。やはりこやつも鹿目まどかか。

 そんなアルまどちゃんを見て最大級の危機感を抱いたのは、言うまでもなく……まどかちゃんです。

 自分と同じ顔。だけど自分とは違う自信と余裕を感じさせる表情。スタイルでも少し向こうの方が女性らしい気がします。まどかちゃんは久遠が見た目で判断するような人間ではないと確信していますが、方向性の似ている女性的魅力が上の相手というのは否応なしに警戒せずにはいられませんでした。

 

 一方のアルまどちゃんは久遠に魔女の救済を訴えましたが、姉妹の因縁を見届けるまでは動けないという久遠の意見に少しばかりの同情を覚えてつつ新しい希望の形を見出だしたので見に回ることに。

 そうしてできた隙間時間を使い、アルまどちゃん(別世界の鹿目まどか)この世界の自分(まどかちゃん)と言葉を交わし始めました。自然と冷たい態度を取ってしまうまどかちゃんに内心で首を捻りながらも、そんな態度は自己嫌悪に繋がると知っているアルまどちゃんは、努めて自然な声色で初めましての挨拶から入るのでした。そして会話の中で時系列的な意味では年上ですが、経験的な意味では一歩先を行かれた後発であるため尊敬していることを打ち明けたらあっさり和解しました。恋心の有無――久遠の関係しない部分は同一人物なので互いに頼れる仲間の認識です。なんならまどかちゃんは先輩として指導を買って出ていました。それで(独占しなくて)いいのかと問われれば、今更(見滝原組)だと返って来るでしょう。

 

 さて、イブとの戦闘も佳境に入り、動きを止めたところに小さいキュゥべえをシュート! した結果、イブのコアに閉じ込められていた環ういの肉体が解放され、実は小さいキュゥべえに仕舞われていたういちゃんの魂も戻って復活を遂げました。

 それにより世界から消えていた環ういの記憶や記録が舞い戻り、地味に復帰していた灯花ちゃんとねむちゃんも白旗を上げたというか寝返りました。

 そしてマギウスのよしみでアリナを説得したのですが、返事はだが断る(いーーーーやっ)でした。

 地味にマジカルきりんをきっかけとして触れていた色々な漫画・アニメ等の影響により好みの幅が広がっていたアリナは、久遠との賭けに負けたことも気にならないくらい、環姉妹の起こした奇跡にテンションが限界突破してきました。同時に、創作家としての血がここはラスボスを姉妹の協力技で倒す流れが必要だと騒ぎ立てるので自分が役目を引き受けるしかないと名乗り出た形です。

 なんなら待ちわびていたワルプルギスの夜がすぐそこに来ていることを考えて、大業を受けたら改心ムーブと捨て台詞を吐きながらワルプルギスの夜へ特攻かますプランまで立てました。そういうところだぞ

 

 そんなわけで出番を失った久遠はマンション組を引き連れてまどかちゃん率いる見滝原組と一緒にいたアルまどちゃんとに合流して対ワルプルギスの夜(二次会)に向けた打ち合わせをしました。

 別の宇宙(マギレコ)で起きた流れを知るアルまどちゃんの情報から、元◯玉の偉大さを思い知る面々でしたが、こちらでは期待できない女神の祝福(バフ)の代わりをどうするかという話になりました。すぐに日頃から久遠の強化を受け続けてきた面々がいるので上位陣の戦力的にはむしろ勝っているとアルまどちゃんに太鼓判を押されたので、各自でできることを精一杯やる方向で話がまとまったのですが。

 

 ここに来て、久遠はメッセージアプリを通じて強化済(お手つき)の魔法少女たちに連絡を入れました。内容的には久遠が知る範囲の固有魔法を用いた戦術案と、参加の是非。

 既に使い魔と戦っていた面々や、避難組から次々に参加の返答が届きます。絆の力と呼ぶには少々下世話な繋がりではありますが、久遠は人間関係のありがたみを噛み締めていました。

 

 なお、当のワルプルギスの夜は強化済モブ魔法少女の固有魔法でイザナミだ(精神世界でループを強要)されていることが分かって前提が破綻、難易度が爆下がりしたのはご愛嬌。

 後は使い魔を掻い潜るだけと言っても差し支えない状況です。アルまどちゃんが久遠の補助を受けながら救済するもよし、上手くいった例(マギレコ)を踏襲するもよしです。

 ワルプルギスの夜は一人の魔法少女が魔女となり他の魔女を糧にし続けた成れの果てという説がありましたので、久遠が端から削り取ってグリーフシードを浄化することでも決着はつけられます。が、基本的に魔女化していた頃の記憶はそのまま残るので絶望ループから抜け出すまでにどれだけの時間が長い必要か分かりません。

 中央区のマンションにはご同輩(元魔女)がたくさん在住してはいますが、抱えるものの規模が違うために多少の強化では睡眠中の夢でさえあっさり魔女化しそうな気配がビンビンです。対策なしに浄化しても完全に要介護ヒロインが爆誕してしまうため、簡単にはいきません。

 

 なんてことを言ってる間も荒れた天気が続き避難指示が出て経済活動が止まっている神浜市の状況に悪影響が出ていますので、とりまサクッとのノリで久遠により浄化されたのは、魔法少女史に残る何とも言えない結末だったと言えるでしょう。イブ? やっこさん強化いろはちゃんの元気玉クロスボウただし矢は小さいキュゥべえで希望の未来へレディ・ゴー!!(ストラーダ・フトゥーロ)されたよ。すっかり満足してキモチなんて残さずに自動浄化システムとなって見守る構え……なんじゃないかな。

 

 戦い終わった神浜市。自然と集まった魔法少女たちの元に、見知らぬ魔法少女らしき人物をお姫様抱っこして歩いてくる久遠の姿がありました。運んでいるのは恐らくワルプルギスの夜と呼ばれ語り継がれた舞台装置の魔女だった魔法少女なのでしょう。その正体は……!

 

ここで終わると虚無った感が出る気がするので一度切りますね。

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