アルまど様「干渉できない特殊な宇宙が増えてたので見てみたら自分が犯されてた」 作:夜月工房
前回は……そう、尊い百合の花が咲いたのでしたね。今回はその二人が、こう、椿の花が落ちるような、ごにょごにょ。
それぞれの自宅から最低限の荷物を持ち出した後、久遠に案内されるがまま
今の二人は制服姿です。そのせいで、道中、大東学院の制服を着たみことちゃんを見た人からは厳しい目を向けられたり心無い陰口を聞かされたりしました。
水名女学院の制服を着た帆奈ちゃんもまた、水名に通ってるのに東の奴とつるむなんて……という
久遠は現在の自宅でもある管理人部屋から鍵を持って来て、二人にそれぞれ同じ形状の鍵を二本ずつ渡しました。
個室が与えられるとは思って居なかった二人は呆然としたままです。自分たちより小さな男の子がマンションの管理人室に出入り出来ている時点で住む世界が違うと本気で思っているらしい二人でありました。
久遠は気にした風もなく部屋の説明をしながらそれぞれの……と言っても隣り合った部屋へと案内します。
内装は一緒でしたが、ベッドやカーテンといった家具が、いかにも高価そうなものが備え付けられており、庶民な二人は逆に落ち着きません。
久遠は軽くその内慣れると言っていましたが、二人は揃って無理を連呼しながら首と手を横に振って否定しました。
あ、壁を壊して直通できるようにするか久遠が聞いてますね。バカなんでしょうか。二人は全力で首を横に振っています。このままだと勢いが付きすぎて首が捻り切れ、竹トンボのごとく空へ飛んでいってしまうかも知れません。飛頭蛮かな?
既に夕飯と呼ぶにはやや遅い時間帯でしたが、久遠は二人を奢るからと食事に誘っていました。きっとお酒を飲ませるんだね! 酔わせてどうするつもりなのかな? きゃー! と一人盛り上がる
帆奈ちゃんは色んなことがあって疲れているから早く寝たい、と遠回しに断ろうとしましたが、久遠はそのまま眠ったら悪夢を見るのではないか、と指摘しました。
魔法少女二人はその言葉を聞いて、恐怖からぶるりと体を震わせました。二人は賢いので、眠ったらそのまま悪夢を見てソウルジェムが濁っていき気付かない内に魔女化していた、なんて最悪の事態もよぎります。
久遠はそんな二人に、美味しい物を食べて、お風呂に入って、少しでも気を紛らわしておいた方がいいと言いました。二人は一応の納得をしましたが、最悪の可能性に気づかされてしまったので食事や入浴を楽しめるかは微妙なラインでした。彼は人の心が分からないのでは、とイろはちゃんは思いましたが、可能性を伝えることで逆に不安を煽ってしまう可能性に思い至れというのは小学生に対する要求として適正なのか、自分の過去を振り返ってから、無理無理と首を横に振りました。起業してる小学生が普通かどうかはさておき。
食事に連れて行かれたのは、まさかの飲み屋でした。アルまど様のテンションが動物園の猿みたいなことになっているのを横目に、イろはちゃんは三人の動向を見守ります。
まぁ、なんというか、一言にまとめると、労いとお祝いでした。月並みな内容ではありますが、今までの苦労にも意味はあったと慰め、これからは新しい人生を送るのだから今日を二つ目の誕生日にしよう、と気取った台詞で二人をじんわりさせています。いい台詞だ。感動的だ……だが無意味だ。いえ、二人はしっかり涙ぐんでいました。目の縁に溜まった涙を指で拭う動作ってどうしてこんなにセクシーなんでしょうね。イろはちゃんまで微妙にムラムラしてきました。アルまど様はさっきからふんすふんすと鼻息荒く、しかし一言も漏らさずモニターに釘付けなのでそっとしておきましょう。地味に帆奈ちゃんの計画が先取りされていますが、気付けるのは帆奈ちゃん本人だけです。今は感極まって気づいていないようですが。
食事を終えると、今度こそ解散です。今日は疲れているので早く休みたいと話す帆奈ちゃんに、色々あったもんねと同意するみことちゃん。どうやら疲れからぐっすり眠ってしまうだろうとの予想により、個別に休むことにしたようです。色々ありすぎて眠れない経験を持たない若者には予想も難しいのでしょう。もし悪夢を見て飛び起きたときに一人だと恐怖もひとしおなのですが……久遠は渋りましたが、強制はしませんでした。お風呂は部屋に備え付けられたものとは別に大浴場があることを教えていましたが、二人からすると一緒に入れるメリットことよりも、見知らぬ人が入ってくるデメリットの方が勝ったようです。
さて、
対する帆奈ちゃんですが、目を閉じてはいますが……なんかベッドの上でもぞもぞしていますね。これはまさか……イろはちゃんは視線をモニターから隣のアルまど様に移しました。プラトーンのポーズを決めていました。あれは戦場で散った兵士の最期であってガッツポーズじゃないんだぞ。
アルまど様の反応から分かるように、どうやら帆奈ちゃんはがっつり
そんなことより帆奈ちゃんです。夜更けに一人で異性を訪ねるとなれば、アルまど様の期待もわかってしまうというものです。
そんな帆奈ちゃんですが、用件を尋ねられると改めてお礼を言っておこうと思ったとのこと。根は真面目と称される帆奈ちゃんらしい気遣いです。その後で言葉だけじゃなく何か別の形で返せないか聞きていますが、久遠は暗示の魔法を使わせること十分だと返します。アルまど様がすっかり
どうやら望む答えを得られなかった帆奈ちゃんは、自分がもう
思い切り
時間を忘れるくらい集中していた二柱は実況解説する余裕がなかったわけですが、いつの間にかたんこぶが三段重ねになっているアルまど様がホクホクとえびす顔を浮かべ、イろはちゃんは凄いものを見てしまったとばかりに腰が引けていますので、内容は
イろはちゃんの感想ですが、帆奈ちゃんは借りてきた猫のように大人しく、それでいて敏感で、途中からは子猫のように甘えん坊でした。最後の方は色々な感情がない交ぜになって自分で何を言っているのかわかっていない様子でしたが、誰かに受け入れてほしい、愛してほしい、離さないでほしいといった内容を駄々甘くした感じのおねだり大放出。その際に
また、今まで見てきた行為が全て魔法少女に変身した後の姿であった理由もわかって大満足です。理屈は納得出来ませんでしたが。
アルまど様は一度ぶるりと体を震わせると、一言てぇてぇ……と呟いたきり名伯楽のような鋭い目付きで情事を見届けていました。或いは
仲を深める狙いを達成した安堵や、そこに至るまでの工程による疲労から、帆奈ちゃんは眠りに就きました。その表情は穏やかで、晴れやかでもありました。これには円環の理もニッコリ。
ですが、一つだけ問題点がありました。帆奈ちゃんは部屋を出ようとしているところを引き留められました。そう
扉が開いたまま
そして管理人室のレイアウトは扉を開けるとベッドが見えるという風通しの良さを誇ります……恐らくは皆さんも想像ができたことでしょう。
開いた扉の隙間からみことちゃんが
何の因果か、夢見が悪く目を覚ましてしまったみことちゃんは、クッションの感覚が気にならないほど孤独感を解消したくなり、帆奈ちゃんの部屋を夜風に訪ねたのでした。が、帆奈ちゃんの部屋は鍵が掛かっておらず、中にも姿が見えません。
マンションに来たばかりの帆奈ちゃんには知り合いらしい知り合いは居ません。自分のところに来ていないのなら、あとは久遠だけです。真面目な帆奈ちゃんのことですから、きっと改めてお礼を言いに行っているのでしょう。そう考えたみことちゃんは相乗りして、ついでにココアでも淹れてもらおうと考えながら管理人室に向かい……
みことちゃんの瞳に映るのは、飼い主にじゃれつく
それはもうイチャイチャラブラブしており、自分の入り込む余地が無いのではと恐怖に駆られるには充分でした。
寝汗とは別の理由で体が冷えていくのを感じて、震えが止まらなくなります。体から力が抜けて座り込み、心まで立ち上がれなくなりそうになった、まさにその時でした。
帆奈ちゃんは
冷えた体とは裏腹に、心が温まるのを感じました。いえ、体も熱くなっていくのを感じました。瀬奈みこと、性の目覚めに御座候。
そこからはもう隙間から見える光景と漏れる声とを肴に宴の時間です。乱入したい気持ちを抑えて慣れない
ところで、世の中には『深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』という言葉があります。二人の行為を燃料にして
みことちゃんは
さて、予期せぬ
帆奈ちゃんが目を覚ましました。
みことちゃんは
そんな二人を微笑ましく眺めると、後は若い二人に任せて
一人では勝てなくても、二人でならきっと……そんな王道的展開にアルまど様はもちろん、イろはちゃんも中止を撤回するほどに期待を高めます。たまにはちゃんとショタに主導権を取られないオネショタも見たかったのです。百合の間に挟まる男なんかいらんと言っていたあの頃の二人は
王道の展開を迎えたラストバトルは終始
迸る熱の全てを体の一部で受け止め続けた帆奈ちゃんがすっかりにゃんにゃにゃんになってしまいましたが、みことちゃんが最後まで立っていたので問題ありません。微妙に乗り遅れた感を覚えてさびしくなったのはみことちゃんだけの秘密です。とりあえずぐったりしている二人とお揃いになるべく自分に暗示を掛けて達しておいたのは、本人と二柱、そしてお月様だけが知っています。
ちなみに