アルまど様「干渉できない特殊な宇宙が増えてたので見てみたら自分が犯されてた」   作:夜月工房

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アルまど様とイろはちゃんが大人しく観賞を続ける話

 ある日、久遠は仕事の息抜きにコンビニまで買い物に行きました。そしてその帰り、マンションの敷地内で倒れている珍妙な……お洒落な格好のお姉さんを発見しました。観察してみると、右肩に十字架のようなシンボルのソウルジェムを発見。魔法少女ですね。

 ですが何故こんな……というのは失礼ですが、行き倒れるにしても不自然な場所で倒れているのでしょう。

 と、ここでイろはちゃんが気付きました。というか、思い出しました。このマンション、地味に久遠が異界化して身内以外への認識阻害効果があるのです。

 恐らくは建物の屋根や屋上を伝って移動していたところ、何もないと認識していた場所に見えないマンションの壁があり激突したのでしょう。透明な窓ガラスに気が付かずぶつかる雀の様なものです。それでいいのか魔法少女。

 

 久遠は倒れている魔法少女のソウルジェムに穢れがあることを確認したので、早速吸引(ちゅーちゅー)を開始。少女は余りの刺激にあられもない声を発しながら体を痙攣させつつお目覚めです。

 目覚めた(性的な意味ではない)魔法少女は目力に定評がありそうな顔立ちをしていました。更には無口かつ口下手な様子で、一見するととても不機嫌そうで怖い感じです。

 ですが久遠は気にせず話を聞いています。不動産屋の父親は性質の悪い地上げ屋とバチバチにやり合っていた武闘派な側面もあり、神浜市の裏家業な方々とも顔見知り程度には付き合いがありました。

 将来有望な久遠も父に連れられて市内全域の夏祭りなんかを通して顔繋ぎはしていましたので、強面な相手にも慣れているのです。

 アウトローはマイノリティーだからこそ面子に拘りますが身内を大事にする性質も強く、分別の育っていない子供には判定が甘くなって優しかったりするんですよね。

 幼かった久遠も綿飴を作る機械を使わせてもらい、はしゃいでいたのを女神たちは知っています。巨大な棒つき○んこ(ソフトクリーム)の形を再現して、とてもドクタースランプでした。

 

 魔法少女の名前は雪野かなえ。確認したところ、別の宇宙では魔女との戦いでソウルジェムが破壊され亡くなる運命にありました。

 イろはちゃんとしては三日月荘の先輩であり、やちよさんに希望を託していった一人です。思うところがあるのは否定できません。

 

 そんなかなえちゃんですが、久遠はどう見ても魔法少女ではない一般人の子供ですから、魔法少女の事情は伏せて説明をしています。

 道を歩いていたら目眩がして、最寄りの建物に助けを求めようとしたが間に合わなかった、と。そして時計を確認すると簡潔な感謝と謝罪、後日改めてお礼に来るとの言葉を告げて去って行きました。

 てっきりこのまま介抱のため多少強引に部屋へ連れ込み助けてくれたお礼(なし崩しにベッドイン)をするとばかり思っていたアルまど様は肩透かしを食らってしまいノスタル爺化しています。予告詐欺だと宇宙の意思も呆然自失の勢いなはずです。

 見送った久遠は認識阻害効果を強化して無意識にその場を避ける内容を足して、バードストライクの再発防止に努めました。

 

 また別の日ですが、久遠が小学校の同級生達と交流を深めるために参京区の駄菓子屋に来ていると、年上のお姉さんがやって来ました。

 将来ネオ・マギウスに所属する飾利潤です。ポロリと謎の光でお馴染みの飾利潤です。自他共に認める駄菓子ジャンキーの、あの飾利潤です。三度名前を出しましたが特に深い意味はありません。ホントだよ? メガミウソツカナイ。

 他の小学生が大御所の来訪にはしゃぐ中、初対面の久遠はベンチに座って酢イカをしゃぶしゃぶしながらぼんやりとその光景を見ていました。

 ガキ大将気質の潤さんは目ざとく新入りに気づき、取り巻きと化したちびっ子たちを掻き分けながら久遠の前に立つと名乗りを上げました。

 目付きの悪さを活かした悪役……むしろ三下のチンピラっぽい雰囲気での紹介を受けた久遠は、串を噛みながら引いて刺さっていた酢イカを食べ切ると、お控えなすってぇから始まる任侠ムーブで名乗りを上げるのでした。

 潤さんは軽く引きましたが、すぐに気を取り直して快活に笑い飛ばしながら受け入れました。周囲からは感心の溜め息と新たに交わされた杯を祝う声で歓迎されています。あした屋の店主もニコニコと見守っていました。

 おっと、ここで久遠が気付いた模様。お洒落な眼鏡ですね、との褒め言葉。潤さんは一瞬だけ真顔になって目を細め、すぐにニッカリ笑ってさっぱりした礼を口にしました。

 

 その後、場が解散されるより先に、久遠は家の手伝いを理由にして、あした屋を後にしました。

 実情はもちろん……スーパーマーケットのタイムセールです。今日は卵とお惣菜バイキングが安い。さらっとやちよさんとの遭遇フラグを立てていく久遠に、イろはちゃんは恐ろしい子……と戦慄するのを止められません。

 そしてのほほんと寄り道せずに帰宅する久遠を、背後から潤さんがこっそり尾行します。

 これはオネショタの気配とアルまど様が期待を高めていますが、イろはちゃんは普通に怪しんで探ってるだけなのではと首を傾げました。

 久遠はマンションまで到着しましたが、潤さんの姿はありませんでした……あぁ、どうやらこれはセコムというかポリスメン(帆奈ちゃんとみことちゃん)によるちょっと署までご同行願います(お話聞かせてくれるかな)が発動していた様です。これには潤さんも困惑。残念ながらショタを追跡するお姉さん、アウトです。

 どうやら久遠の発言が原因らしいとわかり、潤さんの疑惑(ストーカー)は解けました。同時に帆奈ちゃんの子供は何にでも興味を示すという発言により、久遠と魔法少女との関係については有耶無耶にできたようです。

 

 まぁ、その後すぐに戦場(タイムセール)へ向かった久遠が魔女の結界に捕らわれて、魔女の反応を察知した三人が向かい、セールに間に合わなくなると困る久遠によって魔女が撃破される(グリーフシードを引っこ抜かれる)現場に遭遇してしまったので努力が水の泡になったわけですが。

 

 グリーフシードを『当たり』だと告げて帆奈ちゃんに放り投げると、他の全てを後回しにしてスーパーマーケットに走る久遠。

 グリーフシードをキャッチしてしまい込むと頭を掻きむしり叫び始めた帆奈ちゃん。それを苦笑しながらみことちゃんが宥めます。

 帆奈ちゃんが落ち着いてからも呆然としたままの潤さんは、顔を合わせて頷き合った二人によってマンションの管理人室まで任意同行(お持ち帰り)させられてしまいました。

 

 買い物を済ませて帰って来た久遠は、帆奈ちゃんによって正座で説教されていました。みことちゃんに背後から肩を押さえられているので、久遠は逃げることができません。粛々とかつて自分が二人に語った情報漏洩の危険性について言い聞かされるばかりです。

 ですが久遠は仕方がなかったと反論します。それほどまでに、10個入りパックのたまご88円は魅力的過ぎた、とも。説教の時間が延びました。みことちゃんの手が握りこぶしとなって久遠のこめかみを押さえつけながらグリグリしてきます。

 数十分後、放置されたままポロポロ漏れてくる色々とやべー情報(久遠の能力)を聞かされてしまい非常に居心地の悪い気分を味わい続けていた潤さんは、説教の終わりを感じ取って、いい加減帰りたい旨を打ち明けました。

 当然、そうは問屋が卸しません(魔法少女からは逃げられない)。そんなこと言ってソウルジェムが濁ってるじゃないか、と帆奈ちゃん。あらあらいけないわ浄化しなきゃ、とみことちゃん。ひえっ、と恐怖に震える潤さん。久遠は説教を受けてけだるげな表情で、見る者に妙な色気を感じさせたのでした。

 そう、二人はわざと色々聞かせた上でそれを理由に言うことを聞かせる(弱みを握り内側に引き込む)つもり満々だったのです。この神浜市で単独行動する無用心な魔法少女が悪いのです。察したアルまど様は三度目の正直とばかりに正座待機。イろはちゃんもティッシュを用意しました。

 

 そして潤さんは大人の階段をのぼらされました(ジェム姦からのにゃんにゃんコース)

 わざわざ暗示の魔法でドレスコード(致す際は変身後の姿)夜会のマナー(初めてでも気持ち良い)まで信じ込ませた上での犯行です。写真も動画も撮られてしまい、もう潤さんは逆らえないでしょう。

 ちなみに、行為の途中で解けるかと思われていましたが、どうにも駄菓子好きからレトロ趣味を経由して男女の交わりを原始的な遊びと解釈したらしく、実にノリノリで、暗示は最後の最後(子作りと認識する瞬間)まで効いたままでした。その後は一発したら何発も関係ないかの精神だった様で受け入れました。

 その様子に思わず漏らしたピンクは淫乱というみことちゃんの台詞が、モニター前の女神をダブルノックアウト(言葉責めによる最後の一押し)しました。仲良く同時に達した女神はとろけるような笑顔だったそうです。

 用意したティッシュは涙と涎を拭くのに使われました。上は大火事(あたまがフットー)下は大洪水(希望の名を持つ川)なので床(?)はティッシュじゃ足りません。タオルや雑巾が必要です。

 

 一方的に秘密を明かされたり弱みを握られてしまったりした潤さんでしたが、義理人情溢れる姉御肌な性格のおかげかあっさりと協力を承諾。ただし親が転勤族なので市外に引っ越す可能性がある事を伝えました。

 

 これには宛てが外れた気持ちになった二人でしたが、釣った魚には餌をやるのを忘れないタイプの久遠は定期的に外れのグリーフシードを提供するので引っ越しの度に連絡をくれるように言いました。

 ここで言う当たり外れは、魔法少女の成れの果てなのか、成長した使い魔なのか、という意味です。ついでで魔法少女の真実(魔女はどうやって生まれるのか)を教えられた潤さんはソウルジェムを濁らせましたが、即座に穢れを吸い出(やる気スイッチオン)されてファイト一発(慰めと激励ックス)に持ち込まれたため無事……無事でした(断言)。

 そういえば、久遠は軽度の副作用(その気にさせる効果)有りでソウルジェムから穢れを吸い取る事ができますが、実はその後のステータス異常を回復する行為(火照った体を燃やし尽ックス)には別の理由もあります。

 

 ソウルジェムの強化です。

 

 ソウルジェムの、強化です。

 

 ソウルジェムの、強化、なんです。

 

 頑丈になって砕けにくくなります。濁る速度も抑えられます。魔力や身体能力だって上がります。

 調整屋が息をしていない気もしますが、必要経費(精神的な純潔)がお高いと言えばお高いので必要な存在には違いないと思われます。

 現状最高回数(誘ったり襲ったりした)を誇る帆奈ちゃんおよび次点のみことちゃん、二人のソウルジェムは既に地球上のあらゆる物質よりも固く(形を変えず)硬く(衝撃に強く)堅い(安定した)、夢のような特性を持っています。隕石が直撃しようが王水のプールに沈もうが雷に打たれようが全く問題ありません。肉体が無事とは言いませんが。

 なぜこんなことになるかですが、ここで保健体育の授業を思い出して下さい。

 健常な人間の男性が起こす一度の射精に関して、わずか数mlの精液に含まれる精子の数は実に億単位です。

 つまり一億人以上の命がそこに詰まっているわけです。卵子を欠いていると考えて半分に(いや、その理屈はおかしい)しても四捨五入すれば億単位です(どうしてこうなった)。一人一人が平凡な人間だったとしても、億単位の人が集まって一つの目的のために動いたらどれほどの事ができるでしょうか。なお本来の目的はマラソンの模様。

 そんな可能性を丸ごと生け贄に捧げた儀式と見なしてソウルジェムを強化しています。できるわけが……と言われても、できているのでどうにもなりません。すればするほど色を覚えて……ヒッヒッヒッ、というわけです。

 久遠の謎は深まりますが、難しいことは後々に――お約束通りなら取り返しの付かない段階の一歩手前くらいで明かされるでしょう。既に手遅れな(ドはまりしている)気もしますが。

 

 話し合いは続き、マンションに住めば転校せずに済むとの提案に揺らぐも、潤さんは最近知り合った引きこもり少女(三輪みつね)のためにも親の転勤について行く決心を告げます。

 潤さんのタフな精神は瀬奈&帆奈(陰キャ同盟)には眩しかったですが、転勤族かつ駄菓子中毒者(ジャンキー)という事情から同世代の友人はいなかったと告げる潤さんの言葉に二人も友情(百合)かと納得をしました。

 他の心残りはあした屋とそこに集まる子供たちだと言う潤さんに、久遠は買収を視野に入れました。察した帆奈ちゃんの無言ハリセンツッコミが光ります。首を傾げる潤さんは、久遠の身分(少年社長)を聞かされて大層驚きました。

 説明を受けた潤さんは、みつねちゃんの引きこもりが加速しそうな事業に思うところはありましたが、これが成功しているのなら類似の形態で産業が発展していく未来が見えるので諦めたようです。

 むしろみつねちゃんの就職先が見つかったのでは、と前向きな姉御(潤さん)です。魔法少女ではないみつねちゃんへの会社の紹介について許可をもらいましたが、魔法少女になる未来に近づくような遠ざかるような微妙なラインです。話は変わりますが潤さんって巡査と響きが似てますよね(同調圧力)。

 

 こうして話は進み、潤さんには引っ越し先で条件に合う魔法少女(三人未満、孤立気味、戦闘が弱い)を見つけたら紹介してくれるようにお願いする事になりました。

 その地方から魔女=グリーフシードの生まれる数が減ってしまいますが、需要も減るので釣り合いは取れるはず……魔女の存在が人口の調整に一役買っている可能性からは全力で目を背けます。

 潤さんの帰り際、これからもよろしくという挨拶に顔を赤くしていたのは、同世代かつ魔法少女の仲間が出来た喜びによるものでしょう。決して穢れの除去(一瞬だけど超凄いやつ)とかその後の鎮魂の儀式(長く続く凄いやつ)とかに対するものではないはずです。

 しかし、潤さんは引っ越しした後の処理はどうするつもりなのでしょう。一度知ってしまったばかりに満たされないからと色々試す内に変な性癖を開拓しないことを祈るばかりです。

 そんなフラグをアルまど様が立ててしまったので、すぐさまイろはちゃんが折りにかかりましたが、ものすごく柔軟性に富んだフラグの棒だったので、そういう玩具で遊んでいるように見えました。アルまど様はごくりと唾を飲み、イろはちゃんは上り棒ちゃうわとツッコミを入れました。もうすっかり染まっていることにイろはちゃんは気付いていない模様。

 

 

 

 そして数日後、久遠は道端でギターを抱えた少女の入っている段ボールを見付けました。少女は服装こそ学校の制服姿でしたが、先日会ったかなえちゃんに間違いありませんでした。段ボールには拾ってくださいと書かれていましたので、久遠は気合と根性で持ち上げて持って帰りました。

 当たり前のように管理人室にいた帆奈ちゃんからは元の場所に戻して来なさいとすげなく扱われ、みことちゃんからは命を預かる責任の重さを説かれました。

 久遠はお小遣いの増減をちらつかせて二人を沈黙させ、かなえちゃんの養育権を獲得したのでありました。ただの誘拐であり、れっきとした犯罪行為に該当しますので、現実では決して真似しないで下さいね。

 この一連の流れの間、かなえちゃんは終始無言でした。それでいいのか魔法少女。

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