アルまど様「干渉できない特殊な宇宙が増えてたので見てみたら自分が犯されてた」   作:夜月工房

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アルまど様とイろはちゃんが何かする話

 何やら剣呑な空気を発しながら乗馬鞭をペシペシしている白軍服の魔法少女(和泉十七夜)の登場に、せいかちゃんの表情が強ばります。

 これは上がり症とお悩みが同時に来ていますね。さっきまでの(致していた)自分の姿を見られていた可能性にも気づいて混乱もしているようでした。

 パッと見はものすごく不機嫌そうですが、本人は軽くパニックになっているだけです。割と損をしがちな癖だと思われます。だがそこがいい。

 

 対して、十七夜さんの言う小僧(久遠)はというと、魔法少女(十七夜さん)の姿を見て厳しそうで教官っぽいとの感想を抱きました。

 続いてバイトのリーダー役を任せた場合をシミュレーションしていました。フルメタルなジャケットのワンシーンが再現されました。もちろん軍曹役です。モブ魔法少女が怒鳴られながらも大きな声で返事をしていました。

 並行して給料の概算も出しましたが、管理を任せる以上は手当てを乗せる必要がありますので、時給は2000円近い額になりました。正社員の条件で単純計算しますと月額32万円、役員からキレられてもおかしくない額です。役職なしとはいえ学部卒の正社員で25万いってませんからね。

 ですが、基本的に癖の強い魔法少女たちを管理して貰う上に、各々の魔法を最大活用する予定を考えたら、一般人の社員を上に置くわけにもいきません。苦学生応援制度みたいな感じで社会貢献をアッピルしてイメージアップさせる方向で役員を無理矢理納得させようと久遠は考えました。

 

 と、ここで十七夜さんが咳込んで膝を突きました。馬鹿な、時給2000円だと……と恐れおののいています。

 そう、彼女の固有魔法は読心。そして時期的にまだメイド(なぎたん)として覚醒しておらず、スーパーの惣菜コーナーなどを掛け持ちするバイト戦士の十七夜さんに金銭の話は特効でした。バイトというかパートナー社員でも時給は高くて1000円前後ですから、業務内容にもよりますが、魅力的すぎました。

 

 唐突に調子を崩した十七夜さんの姿に、帆奈ちゃんとみことちゃんが疑問を漏らしました。

 久遠が心を読まれたみたいだと推測を返すと、帆奈ちゃんは他人を信じられなかった当時の自分が暗示の魔法を掛けたことは正しかったと確信しました。同時に、本心から神浜市の前向きな破壊に協力するつもりの今なら別に大丈夫だとも思いました。

 みことちゃんは強くて格好よくて魔法もすごい十七夜さんに劣等感を刺激されながらも、素直な称賛する気持ちも抱きました。

 せいかちゃんは新人なので、状況が把握できていません。混乱からは立ち直りましたが、今度はお腹が空いてきたので帰りたい気持ちでいっぱいです。

 女神二柱はやるのかやらないのか微妙な流れだったので、ちょっとやらしい雰囲気にしたくて仕方ありません。下手に干渉して世界を壊してしまうわけにもいかず、悶々とするはめになってしまいました。ダメだこの女神ども、早くなんとかしないと。

 

 久遠は心を読まれる前提で、バイトの勧誘から会社……というかお金の力を利用した神浜市の改革に関する計画について、決意した当時を振り返っていたので魔法少女関連を省いてですが、思ったままを声に出して説明しました。

 十七夜さんは魔法を使い続けていたので、久遠の言葉が本心からのものだと理解できてしまいます。実現する可能性については微妙に検討できるラインを越えているので半信半疑でしたが。

 説明が終わり、そのまま協力を呼び掛けられた十七夜さんは、立ち上がりながら考える時間が欲しいと保留しました。

 久遠は了承して、十七夜さんに連絡先を渡すと屋上から去り……そうでしたが、帆奈ちゃんから引き留められて魔法少女の真実を知ったかの確認をするよう言われました。

 すっかり忘れていた久遠は気まずそうに十七夜さんへ質問の許可を求めました。が、心の中で魔法少女の真実について思い浮かべていたので、読み取ってしまった十七夜さんは力が抜けてその場に片膝を突いてしまいました。

 久遠の思い浮かべた場面がみことちゃんの魔女化からの復帰と、帆奈ちゃんのソウルジェム浄化(副作用で絶頂する姿)だったため、当時を振り返る久遠の感想を読み取ってしまった十七夜さんは顔を赤くしながら何かを言おうとするものの、混乱して言葉が纏まらず口をぱくぱくさせるという、普段のクールな様子からかけ離れた態度になってしまいます。そう、十七夜さんは魔女化の運命なら魔法少女に自ら望んでなったので代償として受け止めることができたのですが、他の(性的な)部分が衝撃的過ぎたのです。

 この時点で、二人の名前や断片的な外見等の情報を知った事により、十七夜さんはかつてこの屋上で出会った記憶を思い出したので、暗示の魔法が効果を失いました。つまり、十七夜さん視点では唐突な本人登場です。その後の(百合百合しい)シーンについても妙に細部まで詳しく振り返っていた心も読み取ってしまったため、短い悲鳴を上げてしまいました。完全なキャラ崩壊です。

 目が合った帆奈ちゃんは魔法が解けたのだと把握し、みことちゃんは分かっていないので首を傾げて帆奈ちゃんに問いかけてました。

 女神二柱は女の子としての属性を強めて行為に持ち込む前準備なのだなと理解して腕捲りをします。どっちも長袖ではなく裾の広い半袖とロンググローブなので滑稽さが目立ちます。こちらも手遅れなくらいのキャラ崩壊どすえ。

 

 十七夜さんが大変なことになっていますが、久遠はマイペースにソウルジェムの浄化と魔女化しても戻す手段があることを改めて口に出して、ついでにソウルジェムの強化も方法があることを伝えました。読心発動中の十七夜さんはその手段(少女卒業)のシーンまで読んでしまったので片膝立ちから割座にシフト、若干腿を擦り合わせてもじもじしてしまいます。

 気にした風もなくメリットデメリットのプレゼンテーションを終え、続いてお試し体験するか尋ねる久遠でしたが、十七夜さんは断りました。その様子は気まずいというか、どこか後ろ髪を引かれる思いが見受けられました。

 十七夜さんは断る理由として、年下相手にそういった経験をしてしまうと実弟をそういった目で見てしまい襲ってしまいそうだからという、性欲に対する自制心を心配するものでした。

 なんでも十七夜さん、今まで性欲をもて余したことはなく、自慰の経験もないそうです。女子の相談事で男子をオナニー覚えたての猿みたいに盛って云々と言っていたのを覚えていたため、女性らしくない性格を自覚する十七夜さんは自分が性欲を自覚したら男子の様に制御が甘い危険物になる可能性を懸念したのです。ピュアっピュアでした。

 説得しようにも、暗示の魔法は警戒されていると思われるので使えません。こんなとき頼りになるのが純粋かつ天然(みことちゃん)です。十七夜さんの性格は性別とは無関係な優しさや格好良さで、体つきや仕草はちゃんと女性らしいことを伝えました。

 言われた十七夜さんも勢いに圧されたのか納得し(丸め込まれ)ました。試してみないことには分からないと自分を納得させています。どことなく期待しているように見えたのは気のせいではないのでしょう。

 

 しかし、無情にもここでタイムアップ。十七夜さんのバイトの時間が迫っていたのです。一気に現実に引き戻された十七夜さんは謝りながら都合の良い日に神浜市の是正計画やバイトについて話を聞きたいと言い残して去っていきました。

 これには女神も大荒れ、どこからともなく召喚された馬券のような紙片が辺りを舞います。座布団だって宙を舞ってます。まどか先輩声で物を投げないように注意喚起をするアナウンスが流れましたが、現象は一向に収まる気配を見せません。円環の理は今日も平和です。

 

 久遠としては会えるかどうか賭けだったので、顔繋ぎが出来た時点で目的の半分は達成できたといっても差し支えありません。連絡先の交換も出来たので十分な成果でした。

 なので、巻き込まれて拘束されたせいかちゃんを労って、ついでにバイトの募集要項を渡してその日は帰宅する流れとなりました。

 が、ここで帆奈ちゃんから魔女との戦いを経験しておいた方が良いと提案が。これにはみことちゃんも同意をしました。

 固有魔法は魔法少女になる対価として叶えた願いや、心の底にある本当の願いが反映されると言われています。それを把握しないと、魔力で作った武器を使って戦うしかなくなってしまいます。プライバシーに関わるので詮索はできませんが。

 武器についても魔法少女のイメージに左右されるため、個性が出ます。せいかちゃんの場合は……鞭、ですね。微妙に扱いが難しい。これは訓練が必要だと思いが一つになりました。今ならゲッターだって合体できそうです。

 と、いうわけで帆奈ちゃんが先ほど確保した外れのグリーフシードを久遠に渡して、久遠が普段しているソウルジェムから穢れを吸い取る逆の動き――つまり穢れを吹き込んで、一気に魔女を孵化させました。これには女神も吹き出さずにはいられません。

 今まで時間を遡って別チャンネルを観ることはあっても、久遠に関して見逃している過去はありません。つまり帆奈ちゃんが久遠の見せた能力から推測して、出来るのだろうと振ったら出来そうなので応じた形です。純粋な学力や頭の回転については平凡なアルまど様とイろはちゃんでは思い付きませんでした。見滝原中学校の数学……いえ、何でもありません。あれは恐らくきっとほむら女史のループによる因果の影響だと信じたいところです。

 

 さて、孵化した魔女の結界に捕らわれたマンション組とせいかちゃん。早速わらわらと集まってきた使い魔を相手にせいかちゃんの鞭がどこまで通じるか試してみます。予め魔女には魔法少女が変じたものと使い魔が成長したものがあることをせいかちゃんに教えてありますので、後者であった今回の魔女(元使い魔)に対して躊躇いはありません。

 そして空気を切り裂く独特の音を立てながら鞭が飛び……久遠の顔面を強かに打ち据えました。これは痛い。身構えていなかったので死神がこんにちは(来ちゃった)したようです。ついでに帆奈ちゃんの腹筋にも大ダメージ。

 気を取り直して再挑戦。今度は久遠の脛にクリーンヒット。久遠は転げ回って悶えます。これには使い魔も困惑しているらしく、一行を取り囲んだまま動きません。初回は心配していたみことちゃんも今回は笑いを漏らしてしまいました。

 三度目の正直か、二度あることは三度あるか、運命の再々挑戦。使い魔が一撃で消し飛びました。無事攻撃命中です。せいかちゃん自身もコツを掴めたらしく自信ありげな様子でした。お約束ですが、四度目は久遠の足の小指の先に音速超えの威力を思い知らせる事に成功しました。靴の上からとはいえ、ダメージは計り知れません。油断大敵!

 

 その後、何だかんだで鞭の扱いを物にしたせいかちゃんは、先輩方の手を借りずに魔女を倒しました。固有魔法は判明しなかったので、課題が残る結果と言えるでしょう。戦闘評価があるなら参考元は想像にお任せしますがCランクです。

 今回は経緯が経緯(不正な処理)だったからか、グリーフシードを落とさなかったため、濁ったソウルジェムの浄化は久遠(犠牲)お世話になりました(犠牲になったのだ)。もちろん副作用(ムラムラ)の発散もセットです。女神の機嫌は辛うじて持ち直したと言えるでしょう。

 

 

 

 週末がやって来たので、久遠は鹿目家に帰省してまどかちゃん(見滝原一の性豪)精神安定用ルーチン(ベッドの上の戦争)に従事していましたが、世間話(ピロートーク)でまどかちゃんから驚きの内容を知らされました。

 なんとまどかちゃん、地球史上最多契約数記録保持者(キュゥべえ)から勧誘されていたのです。現時点ではまだほむループ(因果稼ぎ周回)が足りませんので熱心な営業(キュゥべえ)からそこまで注目されているわけではありません。ですが、久遠(謎の存在)に近い存在として認識はされているため、間接的な要因としては十分機能すると考えられます。営業手腕が光りますね。

 久遠が関係する内容に関してはバフが掛かる(人間の限界を超越する)まどかちゃんは、人語を喋る不審な獣(キュゥべえ)第一声(僕と契約以下略)を受けて、久遠から説明されていた特別な病気の正体に勘付きました。

 故に、手段選ばない系営業(キュゥべえ)の言った願いについて考えたまどかちゃんは、即座かつ無意識に『全ての魔法少女(特別な病気)を生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔法少女(間女候補)を、この手で』という願いを浮かべました。

 どこかで聞いた気もしますが、アルまど様は口笛を吹くのに忙しくて答えられません。イろはちゃんは元ネタ(まどマギ)を把握していないので発想のスケールが違うや、と感心していました。

 魔女(発症者)どころか魔法少女(保菌者)から根絶やしにする姿勢はまさに覇王。自らの手で屠ることにより見逃しがないことの確信を得ようとする慎重さも高ポイントです。

 ですが、ここでまどかちゃんは気付いてしまいます。久遠や自分の祖先に魔法少女がいて、契約後に出産している可能性があることを。

 この願いの結果、タイムパラドックス的な(なんかこう上手くいった)感じで久遠が消えて(正史に戻って)しまうなんてまどかちゃんには耐えられません。アカシックレコード的なものが書き換わっても執念(ヤンデレ力)で覚えている可能性がある以上、迂闊な真似は出来ませんでした。

 むしろ今後の人生に関係する重要な事なので、一人で決めず久遠(伴侶)に確認と相談をするべきだという考えもあったため、その場は考える時間が欲しいと保留を宣言してまどかちゃんは撤退しました。悪質地上げ屋系営業(キュゥべえ)その気になったら呼んでね(とりま事件に巻き込むわ)と言って去りました。

 

 そして今に至ります。話を聞いた久遠は、十中八九まどかちゃんの家族が魔女に狙われると考えました。恐らくまどかちゃんの契約は時間の問題(不可避な未来)でしょう。

 実のところ、久遠はまどかちゃんが魔法少女になること自体には反対するつもりはありません。かつて家族を失い失意の底に沈んでいた自分を救ってくれたのはお姉(まどか)ちゃんです。もしまどかちゃんが魔法少女になっても、今度は助ける側になればいいと考えていました。

 幸か不幸か、久遠には魂に干渉する能力があります。魔法少女になることで魂を物質化(低次元に落と)されても、久遠にとっては干渉しやすくなるだけです。高次元のままでは触れられないので傷付くことも少ないですが、手軽に強化もできません。それだったら、むしろ魔法少女になってもらいガンガン強化して脅威が脅威ではなくなる(もう何も恐くない)と思えるまで仕上げた方がよっぽど安心できるというものです。

 現在は人間なまどかちゃん、実は久遠とのアレコレ(裸のお突き愛)により相当な貯金(ポイント)があります。魔法少女の場合はソウルジェム(必要ポイント少)の強化に回せばそのまま身体能力も上がってお得なのですが、人間が相手だとその辺が少々敷居が高いので、保留し続けた結果です。一応、まどかちゃんの話を聞いたので、契約した場合はポイントを使って自動強化されるように仕込んでおきました。例えるならガチャで引いたら最初から完凸してカンストした状態で排出されて来るようなものです。因果とは別の領域なので性獣戦隊因果マン(キュゥべえ)は気付く事が出来ないようです。

 

 と、いうわけでまどかちゃんには家族が危険にさらされる可能性と、契約しても助かるわけではなくそのままぶっつけ本番で魔女と戦闘しなければならなそうなことを伝え、願い事はまどかちゃんだけの権利なのでじっくり考えることをオススメしておきました。

 まどかちゃんは突き放されたと思ったのか、少しだけ悲しそうな顔をしながら頷きました。察した久遠はそっと抱き締めて人は悩んで成長するものだと諭し、優しいまどかちゃんは他人の意見を優先してしまうとの指摘も追加しました。まどかちゃんは指摘を否定できなかったので、久遠を黙らせつつ憂さを晴らすべく実力行使(押し倒)しました。

 

 そのまま日を跨ぐまで戦闘が継続(ギシアン)したため、怒れるママから部屋に凸され説教されました。悲しみに暮れるパパの用意していたご飯は、ラップを被って冷たくなっていました。

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