記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話 作:ほがみ(Hogami)⛩
フブキ「おはようございまーす」
ガチャリと事務所の扉が開き、ホロ一期生の白上フブキが元気に入出してくる
いつもと変わらない。そう…いつも通りの事務所が広がっていると思っていた…
―がしかし、目の前に広がっているのは蜘蛛の巣が張り、赤い液体がまき散らされていて荒れ果てている事務所の姿であった
フブキ「なんじゃこりゃ…」
その様はまさに
昼間であるのになぜか窓の外は真っ暗で、若干よくない空気が漂っている
フブキは慣れないその雰囲気に、かの幽霊調査のゲームを思い出す。近くにあった懐中電灯をとり、電気のスイッチを探してパチッと押すも反応がない
―これはブレーカーを探さなければならないか?とゲームのことを思い出しつつ、ブレーカーを探しに歩みを始めると…
「ばぁっ!!!」
フブキ「ギャァァァ!!!!」
突如聞こえたその声にフブキは可愛らしい叫び声とともに腰を抜かして驚く
さすがにホラーゲームが得意なフブキでもこのようにリアルで攻撃されては悲鳴を上げないわけにはいかない。悲鳴とともにバッと懐中電灯をその声が聞こえた方に向けると、そこにいたのは赤いナニカが付いた金髪のロリ巨乳の女の子であった
「あははw!ごめんねフブキちゃん!」
フブキ「ほんとに…怖いよ…はあとちゃん…」
はあとは手を差し伸べてフブキが立ち上がるのを手伝う
なぜ事務所がこんなことになっているのか、そして電気はつかないのかとはあとに聞くと、はあとは話を始めた
―はあとが来たときはこんなふうになっておらず、何気なく「なんかホラー的展開にならないかなー」と思ったところ突然このようになったそうだ
フブキ「じゃあ思ったことがこの部屋に反映されるってこと?」
はあと「恐らくそうね」
フブキ「じゃあ…"いつもの事務所に―――"」
「――"カブトムシがいっぱい"!!!」
フブキの声はいきなり飛び出してきた謎の声にかき消され、その声通りの世界となってしまった
先ほどとはうって変わって、いつもの事務所の雰囲気に様々なカブトムシが縦横無尽に飛び交う嫌な人には嫌な世界になってしまった
一方、声の主はその世界は憧れの世界になったと子供の様にはしゃいでいる
「あー!あれはコーカサスオオカブト!あっちにはニジイロクワガタもー!!!」
きらきらと目を輝かせるのはホロライブ五期生、ねぽらぼのね担当兼オレンジ担当の桃鈴ねね
彼女はどこから取り出したのかわからないが、大きな虫取り網を持ってカブトムシの大群に突撃していく。その姿はまるで夏休みで山に来ている小学生男児のよう
はあとはカブトムシは苦手ではない。タランチュラだろうがサソリだろうが食べていたし
―これは誰か入ってきたときにまずいことになると思ったフブキはまた事務所をいつもの事務所にしようと戻す努力をするも…
「…、ガチでさ、一回”FPSの世界”に行ってみたいんだよね。どう思うラミちゃん」
「どうって…ラミィはししろんと一緒にいられれば満足だよ?」
――ポンッ
また事務所は変化した
今度は荒廃した戦場。壁は崩れ落ち、中に入っている鉄骨がその身を見せているほど激しい戦いが行われていると思われる世界
その世界になった瞬間に、ねねは「あぁ…ねねのカブトムシ…」とチリのように消えていく虫網とともに白くなった
事務所がすごいことになっていることに気づいたこの世界を作った本人、獅白ぼたんは笑い雪花ラミィは唖然とする
ぼたん「あれ、なんか事務所すごいことになってるんだけどw」
ラミィ「ししろんが望んでたFPSの世界になったんじゃ…ない?」
ぼたん「まじかwそれじゃ…」
ぼたんの足元が秘密基地によくあるような感じでスライドして開き、そこから買い物カートが出てきた
それにぼたんはひょいッとカートに乗り込み、ねねを確保して「ラミちゃん、乗っていくかい?」とかっこよく決める
ラミィは嬉しいような顔になったもの束の間、ラミィが乗った(乗せられた)のはカートの中…ではなく、運転席となるカートの持つところであった
ラミィ「ってラミィが運転するんかい!」
ぼたん「行くぜラミちゃん!守ってあげるから安心しな!」
ラミィ「ししろん守られててもラミィは丸裸なんだが?!?!」
そう言って壊れている壁の方に走り去っていくししらみ
フブキは謎に思ってはあとの方を向くと、はあともはあとでその両手にチェンソーを持ってすこし楽しそうにしている…
はあと「フブキちゃん、ちょっと頼むね!」
フブキ「ちょ…!はあとちゃん?!」
はあと「敵はどこからしらぁぁぁぁぁ?!?!」
そういいながら駆け出して行ったはあとを止めることはかなわず、フブキは一人取り残される
これからどうしようか。また事務所を戻そうか…だが、外に行った人はどうなるのだろうか…そんな葛藤ともいえる問題がフブキの頭を駆ける
―そう考えていると、また新たなる人が現れ、その現れた人が自らの願いを口に出した旅に変わっていく…
この事務所はどうなってしまったのか
そして外に出た者はどうなってしまったのか
フブキ「なにも考えない方がいいのかな…?」
「フブキ、どうかしたの?」
そう言って近づいてくるのはホロゲーマーズの大神ミオだった
その仕草や声質からはどこか母性の様なものが感じられる。本当にフブキのことを心配しているのだろうとその声からわかる。反対にそれほどフブキは悩んでいることを周りがわかるくらいいつもとは違う雰囲気ということ
フブキ「ミオ…実はさ」
フブキは自分の身にあったことをミオに伝える
するとミオは親身になって話を聞いてくれる
ミオ「うんうん。大変なことがあったんだねぇ。なら、"今日この事務所で起こったことが、嘘だったらなー"」
ミオの声で事務所が変化した
そしてその変化は、今日最後の変化であった
今までの変化の中で外に出て行ってしまったホロメンはどさっと床に落ち、すやすやと寝息を立てて戻ってきた
フブキはミオに最大の感謝をしながらミオに抱きつく
フブキ「ミオありがとぉぉぉ!どうなることかと思ってたよぉぉぉ…」
ミオ「あはは。フブキが元気になってよかったよ。でもこれが続くのは"今日"だけだからね」
フブキ「え…?」
突然のミオの告白にフブキは驚きを隠せない
―これが続くのは今日だけ?それはミオの願いが続くのは今日だけということだろうか?
でももしミオのじゃなかったとしたら…
フブキ「な、なんで…?」
ミオ「だってほら、今日はエイプリルフールじゃん?明日になったら―――」
―エイプリルフールじゃん…エイプリルフールじゃん…ミオの言葉がトンネルの中で響くようにフブキの頭の中で響く。今日が終わったらどうなる?また朝みたいなことが起こる?
ぐるぐるぐるぐると螺旋階段のように回り続け、やがてフブキはきゅうーとショートして倒れてしまった
倒れる前にミオはすぐに抱きかかえ、ソファーに寝かせてミオもそばに座る
そして額を優しくなでて、一言呟く
ミオ「フブキ、起きたらもう大丈夫だからね。ゆっくり休んでね」
勢いとノリで書いたエイプリルフールのホロぐら風ストーリーです
フブキでさえ困ってしまうこの事務所…自分の願いが具現されるこの事務所で…あなたは何を願いますか?