記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話   作:ほがみ(Hogami)⛩

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これは沙花叉の記憶。とてもとても長い記憶の一番狂った部分


沙花叉の記憶:クロヱ・ザ・リッパー

―それから数年経ったある日

その頃にはもうすでにすっかり街の雰囲気に馴染んだ沙花叉は、今日のご飯は何にしようかと買い出しに来ていた

だがそんな中起こった悲劇―オリビアが倒れたのだ

報を聞いた沙花叉は急いで医療所へと駆けつけ、オリビアへ会いに行った

 

沙花叉「オリビアッ!」

 

意気よい良く扉を開けた沙花叉は名を叫ぶ。するとナースの人が、オリビアさんの親族であるかと聞いてくるため、沙花叉は親族だと答えた。ナースはそのまま沙花叉を連れてオリビアが寝ているベッドまで連れて行ってくれた

そこにいたのは、やせ細ったオリビアの姿であった

 

沙花叉「オリビア…!」

オリビア「うるさいぞ…全く…誰に似たんだか―ごほっ」

 

咳き込むオリビア。その姿はまるで消えかける火のようで、か細かった

 

沙花叉「水をのんで…」

オリビア「ごほっ―悪いな。本当に…」

沙花叉「なに言ってるの!きっと大丈夫だから!」

 

だが、オリビアは首を縦には振らなかった

―自分のことは一番自分がわかっている。そう言っているかのようであった

 

オリビア「まさか私が―ごほっ…あいつから毒食らうとはな」

沙花叉「え…毒?」

オリビア「そうだ。―この体はもう潰える。それまでにお前に教えなければな」

 

オリビアは自分の太ももから一本のナイフを出す。それは普段オリビアが使っている自慢のナイフで、微かに赤く染まっていた

そのナイフを沙花叉に差し出し、持っていけと指示する

 

オリビア「私のナイフさ…もうこの体では振るうことも叶わないだろう。なら、お前に託すしかない」

沙花叉「そういえばオリビアの仕事って――」

オリビア「掃除屋――まぁ綺麗な方じゃないんだがな。それと…これもお前に返すか」

 

そう言ってオリビアは首にかけていたネックレスを分解すると中から一本の鍵が出てきた

その鍵に彫刻されているのは、シャチを正面からみたようなマーク。沙花叉はそのマークを知っている。オリビアの家の1角にそのマークがあしらわれ、鍵がかかった扉があったのを思いだす

―もともとその鍵は、オリビアと共に過ごしていた時に沙花叉の母が使っていた部屋なのだという。だからこれを返すということらしい

 

沙花叉「あの部屋になにがあるの?」

オリビア「知らん。私には理解が出来ないものだったとだけ言おう。だが、お前なら分かるはずだ――ごほっごほっ」

沙花叉「オリビア!」

 

激しく咳き込むオリビア。その姿はもう弱々しく、今にも灯った明かりが消えそうになっていた

苦しみながらオリビアは力を振り絞って声を出した

 

―オリビアは…沙花叉に最後の授業を――

 

オリビア「…私がいなくなって苦しくなったら、私の家から少し行ったところの霧の10番通りの20ー3にいけ。お前を助けてくれる人がかならずいるはずだ」

沙花叉「オリビア…」

 

弱々しくなっていくオリビアの手を必死に握る

―もし神がいるのであれば今助けてくれ。そう頼んでも返答はない。だが、オリビアは弱くなっていく

泣きそうになる沙花叉はオリビアの手を握りながら助けてくれと願う

そんな時、オリビアはもう片方の手で沙花叉の頭を撫でた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。オリビアは息を引き取った

 

 

 

 

 

沙花叉は彼女を失ったことを嘆き、オリビアの家で悲しんだ

そして沙花叉はオリビアが装備していたコートや仮面をつけて立ち上がる。オリビアを毒殺した犯人に復讐するために

―敵を見つけるために一日…二日…と彷徨い続け、ようやく情報がつかめた

 

どうやらオリビアに毒を盛ったのは"不夜のレギオン"と呼ばれる組織らしい。よく毒殺で標的を殺害しているらしく、この間も一件事件が起こったばかり。被害者の状態からみてもオリビアの状態とよく似ていたため、どうやら同じものを持っているのだと確信を得ることができた

そして…

 

「いやっ…やめて!」

「お前も可哀想だよなぁ~俺達"不夜のレギオン"の実験台にされt――」

 

裏路地にて襲われそうになっている女性の傍に謎の液体が入った注射器を女性に打ち込もうとする男性たちを見つけた沙花叉は、彼らの発言を聞いて衝動的にその注射器に向かって投擲武器を投げた

―パリンと割れた注射器。それを見て唖然とする男たちに沙花叉は奇襲を仕掛ける。今ここにいる敵の総数は2人。片付けるのは簡単

まず一人の何も持っていない男を一撃で失神させ、次に注射器を持っていた男と対峙する。ここで焦って戦いに向かってはならない。なぜなら武器は一つと限らないから

 

その予想は外れておらず、男は腰から注射器を取り出した

動作を見た沙花叉はすかさず駆け寄り、足で注射器を持った手を振り払うと、男は掴みかかって来る

―そんなに鈍い攻撃など当たるわけない。うまく攻撃を交わした沙花叉はうまく後ろに回り込み、腰からオリビアのナイフを取り出して男の首元に当てる

 

「なっ――女ぁ…うめぇじゃねぇか…」

沙花叉「…不夜のレギオンについて教えて。さもないと――」

 

首元に向けたナイフはギラリと光る

 

「な…なんにもしらねぇなぁ…」

沙花叉「本当に?」

 

ナイフが少し肉を断つ。首元に赤い筋が伝わり、熱い熱を帯びる

―恐怖。男が感じるのは沙花叉に対する恐怖のみ。今の沙花叉はまるで獲物を狩る捕食者。逃げられるなんて到底思えない程に恐怖がある

 

「ぐっ…悪かった!俺たちはなんにもしらねぇんだ!」

沙花叉「なんで?君たちは自分のことを不夜のレギオンって名乗ってたよね?」

「名乗ったが…本当に知らないんだ!俺たちはただ…薬を打ち込めって言われただけで――」

沙花叉「誰に?」

「本物の不夜のレギオンさ―!アイツら、裏路地で人雇ってんd―――」

 

必要な情報が集まったと思われる沙花叉は男を気絶させる

静かになった裏路地。怯える女性に沙花叉は「早く逃げたほうがいいっすよ」とだけ言い残してその場所を後にした

そして手に入れた情報を手掛かりに裏路地で怪しい人を探す。するとすぐに何かの取引をしている怪しい人物を発見、その人を影から尾行する。初めての尾行だが、オリビアからレクチャーされているため、かなり上手い。オリビアの教え方というのもあるだろうが、沙花叉自身の力もあるだろう

 

―そしてその人物は廃工場へと足を進めていった。その廃工場には警備がたくさんついている。外の窓から見ると、中では数多い研究員のような人物が何か怪しげな薬を作っている状態が見える。目を凝らして壁を見ると、そこには"不夜のレギオンに幸あれ"と赤い液体で描かれていた

 

沙花叉(…ここが――奴らの…)

 

意を決してこっそりと潜入し、沙花叉によく似ている研究員を襲って身ぐるみを剥いだ。そしてその研究員の服やメガネ。身に着けているものを沙花叉が貰い、組織の一員として潜入する

 

沙花叉「ねぇ、急ぎでボスに会いに行きたいんだけど、どこにいるかしってる?」

「あぁボスならいつもの部屋にいるさ」

沙花叉「いつもの部屋…?」

「なんだ忘れたのか?ほら、この先行って……のところにあるぞ」

沙花叉「ありがとう」

 

丁寧に教えてくれた研究員(おバカ)のおかげでボスの居場所が分かった

―潜入時にこっそり話を聞いていてよかったと思う。衝動的にツッコんだらこんなことできなかっただろう

 

なぜ沙花叉が怪しまれないのか――それは簡単な話である

沢山の研究員や警備が居て一人一人の名前や顔など覚えられるはずがないから

 

ボスの部屋と思われる場所に来た沙花叉はノックして適当な要件を繕って中に入る口実を作る。それが運よくことを運び、中に入ることができた

ボスと思われる人物は、中年くらいのおじさんで、いかにも胡散臭かった

 

沙花叉「この間毒を投与したこの女性覚えてますか?」

「あぁ、覚えているとも。それがどうかしたかね?」

 

―よかった。本当にあっていた。この人たちがオリビアを殺したのだ

確証がとれた沙花叉は、笑いがこみあげてくる。こんなに簡単に犯人にたどり着くことができるなんて

 

「君、どうしたのかね。早く出ていきたまえ。私も忙しいのでね」

沙花叉「へえ…忙しいんだぁ…」

 

ボスが後ろを向いた瞬間、沙花叉は服を脱いでオリビアとまったく同じ姿になると、素早く背後につき、ナイフを首に当てる

 

「な、なんのつもりだ!」

沙花叉「人殺してなんにも復讐が来ないとでも思ったの?不夜のレギオンって名前誰かにあげた方がいいんじゃない?」

「貴様何をやっているかわかっているのか?!私は不夜の王だz」

沙花叉「はいはいそうですか。でもね、殺す前に一つ教えてあげる。王ってその国では一番偉いかもしれないけど、世界から見たら一人の人間に過ぎないんだよ」

 

その瞬間。たけましいほどの警報が響き渡り、大勢の足音が今沙花叉たちの居る部屋へと集まってくる

―勢いよく開かれる扉、そして拳銃や自動小銃等の武装をした警備員が沙花叉に銃口を向けた

 

「大人しくボスを解放しろ」

 

その中の誰かが叫んだ

だが、沙花叉は解放しようとは考えない。逆に二人の空間を破壊されたと感じて嫌悪感が高まる

―仕方ない事と思ったのか、だれかが銃を発砲する。飛んだ弾は沙花叉の傍を通り抜け、背後にあるガラスに命中し、見事に割れた

 

沙花叉「撃ってくるってことは……敵でいいんだよね?」

「ひっ…」

 

沙花叉の獲物を狩るその目に警備員は怯える

しかし警備員も手馴れであるため、容赦なく沙花叉を打ち殺そうとするも、するりするりと銃弾を縫うように避け、1人。2人と敵を倒していく

―自分の大切なものを奪ったんだ。そのくらいしなければ割に合わない

光が消え、血のように赤く染った沙花叉クロヱの瞳には、もう憎しみしか残っていない。

敵は全て掃除する。それがオリビアの後を継ごうとする掃除屋の決意であった

 

沙花叉「あはは…アハハハハハハハハハハ!!!」

 

コートが赤く染まる。仮面が汚れる

その姿はもう掃除ではなく、殺戮そのものであった

――切り裂きジャック…という名は聞いたことがあるだろうか。昔の英国で起こった連続殺人事件の犯人とされている人物のことだ。別名、ジャック・ザ・リッパー。今の彼女はまさにそのジャック・ザ・リッパーのようだった

 

沙花叉「ふん…警備ったって大したことないね」

「き、貴様何者だ!」

 

警備員が全員やられて恐怖に落ちるレギオンのボス

そんなボスに向かって沙花叉は丁寧に答える

 

 

沙花叉「何者って言われてもね〜復讐に来た掃除屋ってところかな?」

「掃除屋だと…?」

沙花叉「遺言はそれだけ?じゃあ――」

 

沙花叉は憎しみを一心にナイフを振りかざしてボスの命を穿つ準備をする

―こいつのせいでオリビアは居なくなった。こいつは排除すべき敵だ

 

沙花叉「―――死んで?」

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