記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話 作:ほがみ(Hogami)⛩
Holox基地にて
紗「♪〜♪〜」
いろはが歌っていた歌をごきげんに鼻歌で奏でながらキッチンに立つ
今日はこのHolox基地に珍しく客人が来る。客人が来ることはない話ではないが、基本的にはない。ホロライブ事務所ではあるまいし、用事がないのに来る必要もないからまぁ妥当ではある
―そんな基地に今日は客人が来るのだ。少しウキウキしながら準備をしている紗は、その客人が来るのを楽しみにしながら待っている
紗「そういえばあやめちゃんって…
電話では「余が行く世〜」って言っていたが、基地の位置が分かるかどうかわからない。なにせ一回も来たことがない(紗調べ)から、確証もないし、もしかしたら今頃…
あやめ『どこーーー?!!!あれぇーーー?!』
などと露頭に迷っている可能性すらありえる
大丈夫かなと紗が心配して連絡しようとした時、ガチャリと扉が開く。そしてそこから現れたのは元気に挨拶するあやめが飛び出してきた!
紗「あやめちゃん、ようこそ〜!」
あやめ「おー!余が来たよ〜!」
紗「大丈夫だった?迷わなかった?」
紗がそういうとあやめはムッと顔を膨らまし、「余が迷うと思うのか!」と可愛らしく怒ると、そんなあやめの後ろからちょっと呆れ気味のスバルが出てきて苦言を呈する
―迷っていたからスバルが保護してやったとのこと。スバルは近くに用があり、偶然迷っていたあやめを見つけて送り届けたというのが事の顛末だ
紗「やっぱり迷ってたか…ごめんなさい。ちゃんと教えればよかったね…」
あやめ「いやいや!もし教えてもらってても多分聞いとらん状態になるから結果オーライだ!」
スバル「オーライじゃないが?!スバル来なかったらあやめどうしてたんだよ!」
その時はどうにかするとあやめが一言
本当にどうにかできるのだろうか。ものすごく不安ではあるが、その目は自信満々だった
―と、スバルがキッチンの方から届くとてつもなくいい匂いに気づき、鼻でクンクンと匂いをかぐ
スバル「なにめっちゃいい匂いするんだけど!」
あやめ「ふっふっふ――気づいてしまったかスバル!今日、ここでドーナツパーティーが開かれるんだぞ!」
スバル「な―なんだってーーー」
ものすごくわざとらしいスバルの発言に、紗は少し微笑む
紗「スバル姉さんも食べていきます?」
スバル「うぅ…食べたいけど、もう少ししたらすばちょこるなたんでオフコラボあるんだよなぁ…」
あやめ「まだ時間はあるだろ?ちょっとだけでも食べて行こうよ」
ちらっとスマホで時間を確認すると、スバルはこくりと頷いてすこし食べていく旨を伝えた
紗は二人を奥に通し、ソファーに座っていて待っていてくれと一度キッチンに戻る。そして、材料の入ったボウルを適切な手順を踏んでかき混ぜ、それを一つ一つ形を作って、海のように波々に注がれた油の中に入れる
―入れられたドーナツはいい音を立てて油の中で色づく。いいきつね色になったら油から引き上げ、適切に油を切る
紗「次は〜♪デコレーションしよう〜♪」
予め溶かしておいたチョコたちにドーナツの半分を付けたり、いちごのフレーバーをかけたりして彩りをつけた
―見た目よし!味もたくさん練習したから大丈夫!そんな気持ちを持って皿に綺麗に盛り付けたドーナツたちをあやめたちが待つソファーに運んでいく…前に、少し気になる事が…
紗「そういやみこさんたち遅いな…迷ってなければいいんだけど」
そう。実は呼んでいるのはあやめだけでは無い
配信や仕事の都合が合った人もお呼びしているのだ!残念ながら都合が合わなかった方もいる。その方には丁寧にラッピングして事務所経由で送って貰う話になっているのだ
ーそれは置いておいて。心配は遅れている人達の事だ
ある人は、少し遅れていくと連絡あったものの、連絡が少ないと少し心配になる
紗「大丈夫かな…」
心配している紗の元に朗報が鳴る。もう少しで着くようだ
安心した紗は2人の元に戻る
紗「おまちどうさま!」
あやめ「ここまでいい匂いが届いていたぞ!」
スバル「すげぇ…めっちゃ綺麗じゃん…」
二人は皿から一つ手にとって口に運ぶ
その瞬間、チョコレートでコーティングされたドーナツの風味がブワッと口いっぱいに広がり、その次にチョコレートの甘みがそのドーナツの風味をうまく包み込む
―こんなドーナツ食べたことない。かのミス・ドーナッツをも凌駕するかのような美味しさ
…とその感動に入れてほしいというかのように玄関のチャイムが鳴り響く
紗は二人に待っていてと言い残し、一人玄関に向かう
紗「はーい」
元気に出迎えると、そこに立っていたのはAZKiと星街、そしてみこだった
AZKi「やっほー来たよー!」
紗「どうぞどうぞ!上がってくださいな!」
みこ「お邪魔しまーす」
紗は元気に出迎え、二人をスバルたちが居る部屋に通す。出会った3人はスバル達に簡単な挨拶を交わし、着席した
あやめ「遅かったな!余たち先に食べちゃったぞ。もしかして迷ってたのか?」
みこ「Σ( ˙w˙ ;)ギクッ」
みこはわかりやすい反応であやめの質問に回答する
だが、どの答えもなんだか取ってつけたような感じの理由でホントの理由ではなさそうだった
すると、突然星街がみこの肩に軽く手を乗せ、「みこち、嘘は良くない」と一言言って事の経緯を説明し始めた
〜回想〜〜〜
すいせい「私Holoxの事務所知らないんだけど」
みこ「このエリートみこに任せな!」
すいせい「心配だなぁ」
ホロライブ事務所から歩みを始めるMicometことさくらみこと星街すいせい
エリート(自称)の道案内を受けて二人は順調に進んでいる…と思いきや、もうすでに迷い始めている。右に行ったり…左に行ったり…途中でチャラい変な人に話しかけられたが、星街の威嚇(?)で事なきを得た
―だが状況は変わらない。ここはどこなのだろうか
すいせい「みこち迷ったね」
みこ「…迷ってない」
すいせい「じゃあここどこ?」
みこ「…迷った」
しょんぼりしたように白状したみこは申し訳無さそうに下を向く
星街は仕方ないなとつぶやき、スマホを手にして一度今の場所を確認する。…よくわからない場所だった。「はぁ」と一言つぶやく星街。これからどうしようか
―と、悩んでいるとそこに現れたのは女神とも言えそうなAZKiだった
AZKi「あれ?みこちにすいちゃん、ここで何してるの?」
みこ「あ”あ”あ”あ”〜あ”ずち”ゃん”〜〜〜!!!!!」
涙を流し、抱きつくみこにすこし困惑するAZKi。だが、すぐにその意味がわかったようで、慰めに入った
なぜここにAZKiが居るのかというと、収録から直でHolox基地に向かうときだったらしい。運はみこ達に味方したようだ
AZKiは任せて!と言ってスマホで地図を開くと、よしっと一言。
AZKi「紗ちゃんのお家までゼロゲッサー♪」
〜〜〜
というのが事の経緯らしい。慢心はイケナイね慢心は
そして目の前にあるドーナツを目にして目を輝かせた。まるでそのドーナツが宝石であるかのように
除菌シートで3人は手を洗い、ドーナツを手にする
ーパクっと1口。その瞬間、3人は蕩けるような顔を見せた
みこ「うめぇ〜」
AZKi「お店に負けない味がするぅ…」
紗「喜んでもらえてよかった!まだまだ作るから、待ってて!」
AZKi「あ!紗ちゃん!」
再びキッチンに行こうとする紗を呼び止め、AZKiは紗に駆け寄った
そしてこのドーナツの作り方を教えてほしいというと、紗は快く引き受ける。そして、たくさんのドーナツが出来上がり、その場にいる人達の家族や事務所に届けることにしたのであった
ロボ子「このドーナツなに〜?」
Aちゃん「あ、それ紗さんからの差し入れです。たくさん作ったので皆さんで食べてくださいとのことでした」
ロボ子「そーなの?じゃあいただきまーす……いい香りするねぇ〜」
Aちゃん「そらも食べなーまだ温かいうちに食べたほうがいいよ」
「はーい――もぐもぐ…ん!おいひいね!」
スバル「ここに来る前にHoloxのところ寄ったんだけど、そこでドーナツもらってさ〜結構な数あるわけ」
ちょこ「みんなで食べようってことね」
スバル「そ。作りすぎたからみんなで食べて―ってもらってきた」
「え?!これ手作りなのら?!」
スバル「うん。スバルも実際に見たから間違いないよ」
「めっちゃいい匂いするのら…」
ちょこ「できたてほやほやみたいだから早速頂こうかしら」
「ん!!!めっちゃ美味しいのらぁぁぁぁぁ!!!ほら、ぼたんちゃんも食べよ?」
「あ、ルーナ先輩ありがとうございます。頂きます――ん?!これふぉんとにてじゅくり?!めっちゃいい味するわ!」
紗+AZKi作のドーナツたちは非常に大好評で即完売してしまいましたとさ