記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話   作:ほがみ(Hogami)⛩

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記録:ただ、眺めていたいだけ

カチカチと丁寧にパソコンに来月の予定を打ち込む紗。ふぅ…と一息ついて机の上にあるお茶を少し口に入れる

そしてまたパソコンとにらめっこを始める。これがいつも…なのだが、今日は少し違っていた

 

「………」

紗「…あの?」

「しっ…まつりは今国家機密に相当する任務を遂行してるから」

紗「そうは言っても…机から私を見ているだけじゃないですか!」

 

今日は違うその原因。それはその主犯格(?)夏色まつりが紗のことをじっと見つめていることだ

集中出来ない訳では無いが、たまにチラチラと視界に入る。しかも興味深々な顔つきで

 

まつり「可愛い子をただ見ていたいだけ!(◦`꒳´◦)ᵎᵎ」

 

むんっとまつりは頬を膨らます

その顔の可愛さと言ったら計り知れないものがそこにはあった

―ただ見ていたいだけ。その言葉で胸撃たれたまつりすは何人いるだろう。彼女にはその魅力がある。何せ清楚担当だから

 

まつり「で…なんでメルメルもいるの?」

 

隣を見て不思議な顔をするまつり

なぜならその隣には魔界のBANパイアこと夜空メルがこれまたかわいい顔で紗の事を見つめていた

―つぶらなひとみ。そしてピョコっと揺れるアホ毛がチャームポイントとなっている

 

メル「うーん…なんで?」

まつり「いやまつりに聞いてもわからないよ!」

 

さらにうーんと考えるメル。そしてピコーンとひらめきが見えるかのような仕草をした

 

メル「流行りに乗っかった!」

まつり「流行り?」

紗「え、流行ってるんですか?」

メル「―え?そうじゃないの?」

 

三人の頭に”?”が浮かび上がる

メルはまつりの机から覗く行動が流行っているのだと思っており、まつりは何が流行っているのかわかっていない。つまりみんな考えているものが違うということだ

―さすが天才(メル)。流行りを自分で作り出してしまう

 

メル「まつりちゃんの机から覗く行動が流行っているんだと思ったんだけど…」

まつり「流行ってないよ!」

メル「え〜?でもルーナちゃんもあくあちゃんもやってたよ?」

まつり「流行ってる!?」

 

流行ってるようでした

 

メル「話変わるけど、この間紗ちゃんが作ってくれたドーナツ美味しかったよ!」

紗「お口に合いました?」

メル「うん!いちごのいい味がドーナツにあってたよ!これ、お礼なんだけど…」

 

そう言ってメルは足元から紙袋を取り出して紗に手渡す

紗はお礼なんかいいよと一時は断るが、メルはお礼を返したくなるほど美味しかったからもらってくれと。紗はメルのその可愛らしい笑顔に負け、大人しく受け取る

…とそのやり取りを見ていたまつりは、メルはお礼を渡しているのに自分は渡さなくていいのかと。そして一つ渡せるものを思い出す

 

紗「…まつりさん?」

まつり「ちょっとまってて!まつりもお礼のもの持ってくるから!!」

 

そう言って駆け出していくまつり。待っての声も届かかずに先へ先へ進んで行ってしまった

―その行動は元気いっぱいで他の人に元気を分け与える事のできる

 

メル「行っちゃったね」

紗「元気いっぱいですね」

メル「うん。まつりちゃんと居ると元気がもらえるんだよね〜」

紗「まつりさんとは長いんですか?」

 

紗がそう聞くと、メルは静かに頷く

もう五年近く一緒に仕事しているとのこと。昔はもっと………だったようだが、今はちゃんと清楚として頑張っている。まぁ清楚…というよりは元気いっぱいの子供みたいな感じがするが

 

メル「紗ちゃん、まつりちゃんと話して緊張感感じなかったでしょ?」

紗「言われてみれば確かに…」

 

紗は初めての人と会話するときは、あまりグイグイ来ないでほしいなと思うタイプである

いきなり友達感覚で来られると若干困惑してしまい、どうしたらいいか分からなくなってしまう可能性がある。人見知りのあやめみたいな感じに

でもまつりに対してはあまりその感情を抱かなかった。逆に話しやすいという感情すらある

 

メル「そこもまつりちゃんのすごいところでね。結構誰とでも仲良くなれる体質…って言ったらいいのかなぁ?まぁまつりちゃんはメルと違って可愛いからね」

紗「メルさんも可愛いですよ」

 

突然の褒められにメルは照れる

 

紗「皆さんから話を聞くと天然って良く聞きますが、実際にあってみるとちゃんと人のこと見ているし、笑顔も素敵です」

メル「は、恥ずかしいよ///」

「―――ただい…」

 

メルが照れたその瞬間に扉は勢いよく開き、何やら袋を持ってきたまつりが立っていた

しかしまつりは2人のその仲睦まじい様子を見て、少し目のハイライトが薄くなる

 

まつり「あ…お取り込み中だった?ごめん、すぐに出てくから…」

メル「ちょ、ちょっとまって!」

まつり「なかよく話してたのに邪魔してごめん…」

紗「私たちはまつりさんの話をしていたんですよ。まつりさんはすっごく話しやすいし、かわいいって話をしてたんですよ」

 

するとまつりは少しずづ顔を赤らめてえへへぇ///と声を漏らす

徐々にまつりの目のハイライトが戻ってきて、いつものまつり―よりなんか積極的な感じがする。「照れるなぁ///」とモジモジしながら手に持った袋を紗に手渡した

袋の中には容器に何かが入っているものだった

 

まつり「な、中身はこの間、撮影のときに取れたさんまを煮付けにしたやつ!味は保証できないけど…Holoxみんなで食べて!」

紗「ありがとうございます。みんなでいただきますね」

 

きれいな笑顔で答える紗にまつりは少し胸を打たれる。こんなに可愛い子がこの世にいて良いのかと

紗に対するまつりの好感度が上がった今日なのでした―――




この世界のまつりちゃんは清楚担当を遂行しています―――多分。
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