記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話   作:ほがみ(Hogami)⛩

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これは風真いろはの記憶…長い記憶の中の嬉しい断片…


いろはの記憶:休日!でござる!

風真がここで働き初めて数日がたった

あの一件以来、あの迷惑人は一切顔も出していない

それか店のためになるし、あの子の心の安心にもなるだろう

そうそう。あの少女についてだが…

 

「風真ちゃん!早く!」

風真「ちょっと待つでござる〜!」

 

あの一件があって、二人の仲は急接近したようだ。歳も近い2人だから、意気投合できたのだろう

そして今は、休みの日に一緒に街を回ろうと現在進行形で歩いているところだ

ちなみに少女はただの店員ではなく、あの宿屋の娘だそうだ

 

朝早いが、既に行列ができている駄菓子屋に2人仲良く並ぶ

どうやらここの団子がとても美味しいらしい

待ち時間はとても長い。それまで2人でお話して待っていよう

 

 

―長い時間を制し、2人は無事に団子を手にすることができた!

その団子は、白い珠に粉雪が舞っているかのような美しいもの。パクっと一口風真は口に運んでじっくりと味わう

 

風真「いただきます!………ん!とても美味しいでござる〜!」

 

砂糖の甘みと中身の甘酸っぱい果物の酸味がとても良く合う。これなら人気になる理由がわかる

道端で二人仲良く食べる二人。するとそこに1人の男が話しかけてきた

人相の良さそうな男…よく見れば以前、風真が道端で助けたあの商人だった

 

風真「お久しぶりでござるな!商人殿」

「お久しぶりですね。風真さん」

風真「今日はどうして尋ねてきたでござるか?」

「以前のお礼がまだでしたので、その礼をと思いまして…お時間ありますか?」

 

風真はちらりと少女を見る

今日はこの子と街をぶらぶらする約束だったのに、破ってしまうのではないかと心配するも、少女はガチガチに震えて商人に一礼し、そして「お、お会いできて光栄です!」と大きな声で挨拶したのだ

 

話をよく聞くと、商人はこの街を仕切る長的な役割を担っており、なかなか会えないとても偉い立場の人のようだ

少女が風真にどういう経緯で知り合ったのかを聞くから、風真は人助けしただけだと答える

 

「立ち話もなんですし、私の屋敷に来ませんか?もちろん、貴女も連れて」

風真「えっと…」チラッ

 

少女は強く頷きまくる

 

風真「…では、おじゃまするでござる!」

「よかった。近くに馬車を手配してますので、そこまで」

 

商人に連れられて2人は馬車まで歩く

立派な馬に繋がれた質素な馬車。これは商人が自分は決してえらい立場では無いということを示している、いわば決意表明のようなものだ

そして馬車に揺られること数分…ようやく商人の屋敷に着いた

屋敷と言っても仕事場と兼任してる屋敷のため、出入りする人は偉い立場の人か、もしくは治安部隊の人のみ

 

商人に連れられて屋敷に入る

するとずらりと並んだ人の道が既に出来ており、みんな尊敬の目をしていた。それから見てわかるのが、商人は人々から信頼されており、誠実な人であること

長い廊下の先にあったのが、商人の部屋であった

 

「準備は整っております」

 

ピンク色の髪のメイドが部屋の扉の側に立って商人にそのように言うと、商人はありがとうと一言言って部屋に入った。そのあとでピンク髪の少女は興味を持つような目でジッと風真のことを見つめる

 

(可愛い女の子だな〜♡)

風真「?」

「あ、すみません」

 

 

 

 

「遠慮なく座ってくれ。今お茶を入れるから」

風真「ありがとうでござる」

 

商人は綺麗に整頓された棚から高級そうな茶葉とティーボトル、そして2人分のカップを取り出してテキパキとお茶をいれた

差し出される綺麗な緑色のお茶――それだけで分かる。これは良質なものだと

 

「こんなものしかなくてすまないね」

風真「いえいえ!こんな良質なお茶を…」

「こんなお茶では命に替えられないさ」

 

風真は少し恥ずかしくなってお茶を飲む

するとお茶の苦味と渋味。それは暖かく、風真の体を温めた

―しばらく沈黙が続き、商人が「さて…」と話を始める

 

「本題に入りますが風真さん、命を助けてくれたあなたに私は礼がしたいと私は思っています。私達で色々と考えたものの、命に変えられるようなものが思いつかなくてですね。そこで貴女にお聞きしたい。何がほしい?」

風真「風真がほしいもの…」

 

今ぱっとは出てこない

なにがほしいのか、望みは何かと言われても、簡単には浮かんでこないものだ

またチラッと少女のことを見る。ガチガチに固まって動かない。緊張しているのが目で見えるように

―お世話になったひとに恩返しがしたいなぁ…

そう思った時、一つの名案が風真の頭に浮かんだ

 

風真「えっと…それじゃあ…風真が働いている宿屋に品質の良いものを仕入れてくださるか?」

「風真ちゃん?!」

「ほう…それはまたどうして?」

 

驚く少女をとなりに風真は訳を説明する

お世話になった人々に感謝をしたい。そしてまた旅を始めるときに、良い想いで去りたいから

そのようなことを言うと、商人はフッと軽く鼻で笑った

 

「自己ではなく、他人のために―――貴女のような考えの人は嫌いじゃない。その願い承った」

 

風真は嬉しくなり少女の手を掴む

その少女を見ていると、頼まなければならないことがもう一つあることを思い出した

 

風真「その…ワガママになるかもでござるが…もう一つ願いを聞いてくださるか?」

「ワガママなんてとんでもない。なんでも言ってくれ」

風真「実は―――」

 

以前の事を商人に話す

すると商人はそんなことが…と言葉を口に漏らした

 

「…了解した。その周辺の警備を強化しましょう」

風真「ありがとうでござる!!!!」

 

風真は深々と一礼をするとコンコンと扉が叩かれ、少し焦った様子でしっかりとした服装の男性が落ち着いた口調で話し始めた

簡単にまとめると、近くの森で巨大なイノシシと見られる痕跡が発見され、被害者も多数報告されているとのことだ

この街の長としてその危険を無視することはできない。なにか対抗策を見つけなければ――と悩む商人に、風真は声を上げた

 

風真「可能なら風真が退治してくるでござるが―?」

「いえいえ!そんなお手を煩わせるわけには…」

風真「大丈夫でござる!風真、山生まれ山育ちでござるからな!」

 

自信満々に言い放つ風真に商人は折れ、風真に獣の退治を依頼することになった

商人は地図を取り出し、風真に情報を話す。周りの地形やイノシシの特徴など、重要なものを忘れないように頭に叩き込む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風真「せっかくの休日で一緒に街を回る約束だったのにごめんでござる…」

 

商人の屋敷を出て風真は少女に謝る

すると少女はめったに会えない人に会えただけでなく、お茶もごちそうになったし、店にも手を貸してくれる契約を結んでくれたからもう夢のようだと話す

 

風真「そうでござるか!でも風真はまだ街の事を完全に知れたわけではないから…今度の休日は一緒に回ろうでござる!」

 

少女はうんと元気に頷き、先に宿の方に戻っていった

風真はその足で森の方まで歩いていき、ひと目の付かないところで一度息を吐く

 

風真「もう出てきていいでござるよ」

 

もふっという白い煙を出して風真の頭に現れたぽこべぇ

街中ではぽこべぇにびっくりしてしまう人に配慮するため、風真の髪留めに隠れてもらってる

まっそんなことはどうでもいい。今は巨大イノシシをどうするかの問題だ

とにかく近くを歩いて痕跡がないか調べよう。どこが住処で、通り道なのかを

 

 

―調べた結果、案外すぐに見つかった

大きな足跡と抜け毛、そして糞。イノシシは縄張りというものを持たないが、お気に入りの場所はいくつかあり、その場所を転々として生活している

この糞や足跡はまだ新しい。戻ってくる可能性は少なくないだろう

 

風真「よし、ぽこべぇ!目標が帰ってくる前に作戦を考えるでござるよ!」

ぽこべぇ「―――」コクリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…随分と待っちまったなぁ…」

 

 

「だが復讐するにはいいじかんだ……」

 

 

「待ってろよ…あの小娘ぇぇ…」

 

暗い路地裏。大男は静かにその手に火を灯した

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