記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話 作:ほがみ(Hogami)⛩
ガタンゴトンと鳴る電車と無数の車が行き交う都会
紗は1人とあるマンションの前で立ち尽くしていた
紗「ここで…いいのかな…?」
本当にここであっているのか心配になる紗
なぜここにいるのかは昨日まで遡ることとなる…
昨日
紗はいつもと変わらずHoloxの基地を掃除をしていた
周年で使ったラプラスの変身道具とか、沙花叉のグッズであるアイマスクとか…その他諸々がそこら辺に散らかっているため、今日は念入りにしなければならない
紗「この変身道具気に入ってる―ってラプちゃん言ってたけど、机の上に放置するのはどうかねぇ…」
まぁ、そこら辺に放置されてないだけまだマシなのかもしれない
彼女なりの道具を大切にするものなのだろう
沙花叉のアイマスクについては、なぜここにあるのかよく分からない
よしっ―と覚悟を決めて掃除し始めようとした時。玄関のチャイムが鳴った
紗は宅急便でも来たのかと想いながら玄関へ向かうと、そこにいたのは私服姿で紙袋をもったスバルの姿だった
スバル「紗おはよー」
紗「おはよースバル姉さん。今日はどんな用事で?」
スバル「この間利用したUBER GOZARUの容器をもってきたんだ」
そう言ってスバルは紙袋を差し出す
中身は殻になった保存容器と、お礼の品と見られるお菓子が入っていた
するとスバルは足元をみた。その視線の先にあったのは1足の靴。それは紗のものであり、それが表している事柄は―今この家には、紗一人しかいないということ
スバル「もしかして誰もいない系?」
紗「うん。みんな収録に行っちゃった」
スバル「で、紗は一人掃除を任されたって訳か」
紗「なんでわk……あ――」
紗は体に纏った服装を確認する。頭に被った三角巾に掃除用のエプロン、そして後ろには少し散らかった部屋が見える。これは誰がなんと言おうと掃除しますよって言ってるみたいなものだ
スバルは少し空を見上げて考える。そして紗に向かって手伝うよと言った。二人でやれば早く終わるからということで、二人は一緒に掃除をはじめた
――まぁ二人だったからか、掃除はものすごく早く終了した
紗の手際の良さに惹かれたのか、スバルは紗に掃除は得意なのかと聞くと、そこそこ得意であると答えた紗はスバルに手を握ってキラキラした目で見つめられた
スバル「今度の休日、スバルの家に来て掃除してくれない?!!!」
というわけで今ここにいるわけだ
スマホには、スバルの住所と写真が写っている。間違いなく目の前の建物であるが、初めての場所はすこし不安が集う。そう思いつつスバルに到着したとの報を知らせると、今から迎えに行くと返信が来た
少し外で待っていると、手を挙げて紗に挨拶をする上下ジャージ姿のスバルが現れた
スバル「よっ!」
紗「スバル姉さん」
スバル「来てくれてありがとね、中まで案内するわ」
そういって先を行くスバルの背を紗は追い、スバルの部屋に入った
玄関から見た中の景色は少し散らかっている程度で、沙花叉やラプラスほど散らかっているようには見えない。だがとある部屋に入ると一変――数多いダンボールの高い壁が現れたのだった
配信者として色々なものを注文して使うため、このようにダンボールが溜まってしまうのは仕方ないこと。でも忙しくて掃除する暇もなかったそうだ
スバル「この山のように積み重なったダンボールを消したいんだよね」
紗「なるほど…このダンボールってあとで使う予定は?」
スバル「うーん…でっかいダンボールなら使うかもだけど、ちっこいのは使わないからバンバン片付けてもろて」
紗「了解です。それじゃ、始めましょうか!スバル姉さんは、ダンボールを私にパスしてください。そしたら私がいい感じに潰してまとめますから」
スバルは二つ返事で早速作業に取り掛かった
……作業開始して数時間が経った時、ようやくダンボールの壁が崩壊して、奥の真なる壁が見えてきた
ここまでいろんなことがあった。もういらないと思っていたダンボールの中から、Pモンのぬいぐるみが出てきたり、好きな作品のフィギュア(未開封)が出てきたりと色々スバル的にも良い収穫になったのではないだろうか
―するとピンポーンとインターホンがなる音がした。スバルは一度掃除から離れて玄関へと向かった
玄関からはスバルの楽しそうな声と同時に、お淑やかな女性の声が聞こえてくる。そしてスバルは帰ってきたのだが…なんだか足音が多い気が…
スバル「紗、ちょっとこっちに来てもらえる〜?」
紗「はい?なんですか?」
紗はスバルの声がした方に行くと、そこにいたのはスバルとスバルより小さめの可愛らしい女性がいた
その女性は金髪で赤い帽子を被っており、白いボンボンで髪を束ねている。服装は制服のような格好――学生なのだろうか
スバルはその女性のことを話し始めた
スバル「紹介するね紗。こちら、イラストレーターでスバルのかあちゃんのしぐれういです」
うい「はじめまして紗ちゃん、しぐれういです。紗ちゃんのことはスバルから色々聞いてて、会いたかったです!」
紗「スバル姉さんのお母さん―!いつもスバル姉さんにお世話になってます」
スバル「あの…紗、一応補足しておくけど…」
スバルはしぐれういについて補足する
簡潔にまとめると、ういはスバルの実母ではなく、配信衣装やアクセサリーなどの洋服を考えたりするコーディネーター的な立場の人。配信者にとって服装などはその人のアイデンティティである(個人的な考え)であるから、ママと呼ぶ人が多いのだとか
本当は色々準備してから合わせたかったらしい。今日来ることは想定になかった――のではなく、スバルがただ単に忘れていただけである
うい「スバルすぐに忘れるからなぁ」
スバル「ガチで記憶から消えてたわ。良かった今日紗と掃除してて」
うい「ホントだよ。せっかく外出用の洋服もってきたのに」
紗「外出用…?」
少しわからなそうに聞いた紗にういは説明した
うい「スバルって…ほら、こんなんでしょ?」(σゝ∀・)σ
スバル「かあちゃん?!こんなんってなに!?常時ジャージはかの有名なスティーブン・ジョブもやってたんだよ!」
うい「でもねぇ…あ、そうだ!」
ういは何かを思いついたように顔を見上げる
そして足元にあった紙袋から、灰色のニットのカーディガンと首元に明るい青のリボンが付いた白い服。それに黒と灰色のチェック柄のロングスカートと暗めの色のベレー帽みたいな帽子を取り出した
―それを取り出してニヤニヤと紗の事を見つめるうい。もしかして…
紗「わ、私に着てほしいってことですか…?」
うい「よくわかったね!これ、スバル用のやつだけど、紗ちゃんはスバルと同じくらいの身長だし、可愛いし、似合うのではないかなって!」
スバル「かあちゃんに紗の話したら、いろんな服を着てほしいってさ。紗、着てやってくんないかな?」
そう言われると断るに断れない――断る気など元々ないのだが
紗は快く引き受け、服をもって空いている一室で着替えた。シュババババッ――!と着替えて、ゆっくり二人の元へと照れながら歩いていくと、二人は感嘆の声を上げた
その声すら紗は恥ずかしく感じる。このような場面はあまり経験がないから
うい「やっぱり似合うねぇ」
スバル「ホントよく似合う―――ってよく見ればこの柄…」
スバルは何かを思い出したのか、一度自室へと戻り、そして服を1セットもってきてそこに広げた
そしたらなんと、紗の着ている服とスバルのもっている服の柄や構成が一致したのだ!
これはどういうことなのかとスバルはういに聞くと…
うい「配信用の私服、もう一枚あったほうがいいかなって」
スバル「ホント?…なーんか隠してないかあちゃん」
うい「か、隠してないよー(´ヘ`;)」
怪しそうにジッと見続けるスバルに折れたのか、ういは本当の事を話し始めた
本当はこの服はスバル経由で紗にプレゼントするものだったのだが、本人がいるとは思ってもおらず、プレゼント計画通りに行かなくなってしまったから、いっそスバルに体で紗に着てもらって、サイズ感を確認してから新しいのをあげようというプレゼント計画に変更したとのこと
なんで素直に紗にあげるものといえなかったのかというと、初対面なのにこれあげるというのは気持ち悪いかなと思ったからだそう
スバル「なるほどね〜紗へのプレゼントだったのか」
紗「私のために―嬉しいですういさん!」
うい「いえいえ゛(σω`o)テレッ」
照れたういにスバルはかあちゃん照れてる〜と照れるういをいじりはじめた。紗はその光景をみて考える。
スバルの母がういなら、スバルを慕って姉と言うなら、紗はういの娘になるのだろうか
そして服装はその人のアイデンティティであり、服をプレゼントしてくれた人はママと呼ばれる
もし良いのであれば、しぐれういを母と呼びたいと
紗「――ういさん!」
うい「ん?どうしたんですか?」
紗「ういさんが良ければ、その…お母さんって呼んでもいいですか…?」
うい「―!!!」
ういは「いいよぉ〜」と嬉しそうな声を上げながら紗を撫でる。続いて紗もういに対してお母さんと言って抱きつく
おーよしよしと完全にお母さんムーブに入ったうい。スバルがママ〜と言いながら紗みたいに抱きつこうとすると、「スバル、強く生きろ」とういは言い放った
スバル「ねぇスバルも娘ムーブしたいよぉ”ぉ”ぉ”!!!!」
スバルの悲痛な110dB波の叫び声がスバルの部屋に響き渡った
スバルの私服とういママの私服ってペアルックらしいので、紗もペアルックにしてみました
ファッションセンスない私なので、よくわからない配色なので、良さげな配色があれば、教えてくれると嬉しいです