記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話   作:ほがみ(Hogami)⛩

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記録:迷子のグリムリーパー

「Humm………」

 

公園のベンチで黒い帽子を被って悩み声を上げるのは、グリムリーパーの第一弟子【森カリオペ】

なんでこんな悩み声を上げているのかと言うと…

 

カリオペ(I never thought I'd get lost(まさか迷うなんて)...)

 

すこし気晴らしに散歩しようと外にでた結果、見事迷子になってしまったのである

財布・スマホ共に自宅にあり、帰る手段が無い。あるのは少しばかりの小銭(セント)。これではタクシーに乗ることも、公衆電話で事務所に電話をかけることもかなわない

困ったカリオペはたどり着いたベンチに座ってどうすればいいか考える

 

カリオペ(Would you like to ask someone for directions?(誰かに道を訪ねてみるか?)

no! It would be bad if they found out it was Calliope(いや!もし私だってバレたらマズイ!)But I have to go home somehow.(でも、どうにかして帰らなくちゃ…)

 

カリオペはキレイでかっこいい特徴的な声だ。歌声とは違うものの、分かる人には一瞬でわかるだろう

バレてしまったら…

 

『おい!あそこにカリオペがいるぞ!』ドドド!

『握手してくださぁぁぁいぃ!!!!』ドドド!!

『そっちに逃げたぞ!』ドドド!!!

『Nooooooooo!!!』

 

熱狂的なファンたちに追いかけられて捕まる想像をしたカリオペ

近隣住民の迷惑になるし、なにより事務所にも迷惑がかかる。それだけは避けなかればならない。なにか口止め料を…と思っても、手元の小銭では何も買えない。ましてや海外のお金だ。使えないのは明らかだろう

――うわぁと頭を抱えるカリオペ。まさに今崖っぷち。どうにかして崖から落ちないようにしなければならないのに

 

すると突然、頭を抱えるカリオペに誰かが声をかけてきた

心配してか、もしくは輩か。その正体を確かめるために、カリオペは顔を上げた

そこにいたのは、輩でもなんでも無い可愛らしい女の子だった

白っぽい可愛らしい洋服を着用しており、日本人らしいツヤツヤしたキレイな黒髪がカリオペの目を引く

 

「あの…大丈夫ですか?」

カリオペ「Huh()?」

「随分困っている様子だったので…なにかあったんですか?」

 

女の子は心配そうにカリオペに聞いてくるが、カリオペは少し警戒する。もしかしたら自分を知ってる可能性があることと、悪意を隠して近づいてきている可能性。どちらも0とは言えないが、100とも言えない。警戒しつつ話をしてみることにした

 

カリオペ「実は…道に迷っちゃいまして。スマホも財布もないし困っちゃってたんですよ」

「そうなんですか?!それは大変ですね…どこに行きたいんですか?」

カリオペ「ん?」

「行きたい場所ですよ。私が連れていきますよ」

 

そういわれたカリオペは考える。これは罠なのではないかと――油断させておいてとっ捕まえるのかもしれない!と考えていると女の子は自らの名を名乗った

 

紗「私、紗って言います」

カリオペ「え?あ、私は……私はキャリーです」

紗「キャリーさん!可愛らしい名前ですね!」

カリオペ(I feel sorry for this girl..(この子には申し訳ないけど) use a false name(名前を偽らせてもらおう))

 

この人がもし自分のファンだったらと考えると…仕方ないことになるが、こうするしか無い

 

紗「それで…キャリーさんはどこにいきたいんですか?」

カリオペ「えっとね…◯◯の〇〇に行ければ道はわかるから――」

紗「〇〇の〇〇っていうと……ホロライブ事務所?」

カリオペ「?!」

 

突如紗の口からホロライブの名前が出てきたカリオペは驚いて目を丸くする

熱狂的なファンかそれとも社員の一人か。ホロライブに属してはいるものの、社員すべてを知っているわけではない。「私もそこに属しているんだよ」と答えてしまったら最後―――熱狂的なファンの場合、なんかよくわからないが、大変なことになりそうだ

ここはすこしはぐらかそう

 

カリオペ「ま、まぁそんなところ」

紗「へ〜それじゃあ私の先輩ですね!私も一応関係者ですし。それじゃ行きましょうか、えっとここからだと――」

 

そう言って歩みを始める紗についていくカリオペ。身長差はかなりあるが、その背中は実に頼もしいものだった

片手にスマホで地図を広げながら歩いていく紗。この間オフのAZKiとゼロゲッサーで遊んでいたときの経験が功をなしたのか、今自分は何処にいてどの向きに歩いているのかなど手を取るようにわかる。AZKiの教えからがうまいのもあるのだろうが、紗の飲み込みスピードも計り知れないものがあるのかも知れない

 

紗「キャリーさんは事務所でどんな仕事してるんですか?」

カリオペ「WHAT?ん〜……ミュージックに関することかな。レコーディング(歌う方)とかそういう系の仕事」

紗「レコーディング(機材調整の方)ですか?すごいですね!私はそっちの方には疎いので、尊敬します」

カリオペ「そう?慣れれば(歌うのは)簡単ですよ」

紗「私でもできますかね?」

 

そういう紗にカリオペは「no problem!(問題ない!)」と一言返した

カリオペから見た紗の印象は、とても優しい子で自分を騙してやろう!なんて魂胆は全く見えない。死神の力を使って魂の色を見たとしても、ものすごく透き通っている。まるで氷のようだ

こんないい子に嘘をついている自分が恥ずかしく感じる

 

カリオペ「その…紗ちゃん?」

紗「はい?なんでしょうか」

カリオペ「どうして私に親切にしてくれるの?」

 

そう聞かれた紗はうーんと唸り声を上げながら答える

 

紗「困っている人がいたらほっとけないじゃないですか。困っている人をそのままにして行っても後味が悪いですし、できることならどっちもいい気持ちで終わりたい――その考えはおかしいですかね?」

カリオペ「…いや、全くおかしくないよ」

紗「肯定してくれてありがとうございます」

カリオペ「でも、もし私がが悪い人だったら?嘘をついていたら?」

紗「――キャリーさんは悪い人じゃないので大丈夫ですよ」

 

カリオペの言葉は紗の言葉によって止められる

どうしてそこまで確証をもって言えるのだろうか。不思議に思うカリオペに紗は答えた

それは些細なこと。でもカリオペ自信は気づけない彼女の魅力だった

 

紗「だってキャリーさんの顔は、何処か申し訳ないような顔してますから」

カリオペ「…え?」

紗「悪い人はそんな顔しないですし、もし自分が悪い人だったらなんて話は絶対にしませんよ?」

カリオペ「……あははwそれもそうだねw」

 

愉快な顔を浮かべるカリオペは『この子を守ろう』と決意した

同じホロライブの関係者であるのならばなおさら守らなくてはならない。あのような綺麗な心では、いつか悪意のある人に利用される可能性があるから、私は彼女の魂を守ろう――他の死神になんか取らせない

 

そんな話をしているうちに、ホロライブの事務所までたどり着いた

 

紗「着きましたよ」

カリオペ「―ありがとうね」

紗「いえいえ!困ったときはお互い様ですよ!それでは、私はこれで」

カリオペ「あぁ。本当にありがとう」

 

そのまま事務所の中に入っていく紗を見送るカリオペ

今日の出来事をだれかに話したい。そう思いながら帰路を辿っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「あれ紗さん、どうしてカリオペさんと一緒にいたんですか?」

紗「道に迷っちゃったらしいんですけど―――カリオペさん?」

 

Aちゃんは紗の彼女の事を説明する

彼女はホロライブENに属するMori calliopeであるというと、紗は「そうだったんですか?!」と素直に驚く。そして、カリオペから聞いた職業の事をAちゃんに話すと、Aちゃんはすれ違いなのに話が噛み合っていることに気づいて、笑う

 

Aちゃん「あ〜面白いw――そういえば…いろはさんは?」

紗「あ」

 

―ピロンッと紗のスマホに通知が来る。そこに書かれていた文章は…

『師匠:紗ちゃん助けてぇぇぇぇぇここどこだかわかんないよぉぉぉ!!!(画像添付)』

 

紗「い、今すぐ探してきます!」

Aちゃん「はーい気をつけていってらっしゃ~い!」

 

来たばっかりなのに、駆け出していく紗を見送る

迷子になったいろはを探しに出かけたのに、何故かカリオペと帰ってきた。そして今また駆け出していく

本当に彼女は面白い子だ。料理もできるし事務的な作業も完璧に近い

ただの助っ人においておくには惜しい―ファンの人気も公式非公式キャラなのにそれなりに高い

 

Aちゃん「そろそろ紗さんには上の段階に上がってもらおうかな?」

 

でもまだ彼女が何者なのかもわかっていない

そんな状況で上の段階に上がってしまえば……良くないことも起きるかも知れない

 

Aちゃん「まだその時ではないかも知れません…でもいつかは私達と一緒に働いてもらいますよ?」

 

そう言い残してAちゃんはオフィスへと向かったのであった




今の現代でスマホとお金が無い状態で迷子は絶望ですね
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