記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話 作:ほがみ(Hogami)⛩
敵を倒して息を整える沙花叉に向くは鋼鉄の銃。何千発も撃ち続けられるガトリング砲だった
それはもう既に沙花叉に照準を合わせており、沙花叉はそこから逃げることが出来ない。一緒にいるカリオペでさえガトリング砲の前に立つ前に連射が始まってしまうだろう
沙花叉「くっ…」
息を飲む沙花叉。彼女を助けられないことを悔やみ涙か滲む
その瞬間、鋼鉄の銃は火を吹いた
―轟音鳴り響く室内。蜂の巣どころかミンチにもなってしまうその銃が放たれているが、その部屋には新しい血は一切流れていない
なぜなら―
「よぉぉぉぉぉ!!!!」
沙花叉の前に立ち、ガトリング砲の弾丸を全て止めるのは紫咲シオンであった
シオン「テレポートで来た甲斐あったわ〜!大丈夫?沙花叉!」
沙花叉「シオン…先輩…!」
全ての弾薬を撃ち尽くし、為す術が無くなったガトリング砲はプシューという音を立てて停止する
シオンはお返しだぁ!という掛け声と共に受け止めた全ての弾丸をガトリング砲に向けて一斉に打ち出した
ガトリング砲は耐えることが出来ずに大破し、爆音を上げて燃え始めた
シオンは沙花叉に駆け寄り、大丈夫かと心配する声をかけると沙花叉は涙を流しながらシオンに抱きついた
その顔はもう泣きそうな顔で…来てくれたことがとても嬉しいようだ
沙花叉「シオン先輩…!死ぬかと思ったよぉ…」
シオン「泣くんじゃないよ。ほら、腕出して―傷が残ったら大変だからね。シオンが治してあげる」
朗らかな光とともに沙花叉の赤い傷跡が治っていく
そんな2人を襲おうと影から企むものがいた。こっそり機を伺うようにして、銃を構えていた
「へっへ…油断大敵ってんだ…――今だ!」
バッと飛び出した敵はシオンめがけて銃を撃った
綺麗に空を切りながら飛ぶ弾丸。それはそれることなくシオンへと向かった――はずだった
しかし弾丸はシオンに当たることは叶わず、弾かれて天井へと当たった
馬鹿なと敵は思う。銃弾の時速としては2000㎞/hを超えていたはず。それを弾くなんてことは考えられなかった。しかも不意打ちだ
―しかしそれを可能とした女性がいた。自身の自慢の武器である大鎌で数ミリの銃弾を弾いた
カリオペ「不意打ちって…私一番嫌いなんだよね…それに――今、彼女たちは癒しの時間だ。遊びたいってんなら―――私が引き受けるぞ?」
死神としての片鱗を見せるかのように冷たく赤い視線を敵に浴びせた
敵はその言葉や視線を受けて高揚し、高笑いする。それが生きがいとでも言うかのように
「いいぜ――その意気だ!俺は待って居たんだよ!お前みたいなのをな!」
そういって敵は銃を投げ捨て、被っていたヘルメットを捨てた
ヘルメットを捨てて初めて露わになる敵の姿。その姿は皮を剥がれたかのような筋肉がむき出しの顔だった。まるで人ではないかのようなその顔―――おぞましさすら感じる
スコーピオ「俺の名はスコーピオ!八人目の人類にして初の"心”を持つ人類!さぁ行くぞ!」
カリオペ「―っ!」
ヒトとは思えない速度で懐に入られたカリオペは驚く。今までの警備員とは違う。圧倒的な戦闘力――こいつはただ者じゃない
懐に入ったスコーピオはカリオペに強烈な一撃を放った
幸い鎌の柄で防ぐことはできたが、その衝撃を防ぐことはできず空中へと飛ばされる
くるりと身を翻して体勢を立て直すと、スコーピオはにやりと笑った
スコーピオ「驚いたか?この力に―!」
カリオペ「あぁ驚いたよ…お前本当に人なのか?」
スコーピオ「嬉しいねぇ~その言葉!俺は新たな人類だ。この世界の人間とは身も心も違うんだよッ」
容赦なく仕掛けてくるスコーピオの攻撃をカリオペは必死に避ける。死神としての力を使わなければ避けられないような攻撃を―反撃として鎌を振るっても軽々しく避けられる
只者では無いことは確実…新たなる人類とは一体
カリオペ「ふっ!」
スコーピオ「うぉっと…今のは危なかったな」
喉元を掠めたが、当たるに至らず避けられる始末
だがこれでいい―おおよそクロヱの回復は済んだだろう
ただ少しばかり時間稼ぎをしてあげようか
カリオペ「すごいな。新しい人類ってのは。私じゃ手に負えない」
スコーピオ「お褒めに預かり感謝するぜ。だがな、これからは"俺達"の時代なんだよ。旧人は安らかに眠りな」
カリオペ「残念ながら。私は死神なんでね。眠らせるのは得意なんだけど」
スコーピオ「へっ!言ってろ。今から――グハッ」
突然スコーピオの背中に激痛が走る
振り向けば背中には投げナイフのようなものが右肩甲骨辺りに刺さっていた
ちっ―と舌を鳴らしそのナイフを抜くと、次に襲ってきたのは無数のナイフ。それをステップで避けると、更に次は炎の弾のようなものが飛んできた
クロヱ「沙花叉達もいる事―」
シオン「―忘れてもらっちゃ〜困るんだよね〜」
背中合わせで得意げな顔をする2人。完全に治った沙花叉はいつもより万全だ。シオンに治してもらったから
攻撃を当てられたスコーピオは少し狼狽える
カリオペの元に集まった2人は、カリオペを真ん中に陣形を組む
カリオペ「私じゃ手に負えない―とは言ったが…」
3人「「私たち3人が手に負えないとは言っていない(んだよね〜)」」
―馬鹿な、俺があんなガキに―と少し悔やむ様子も見えたが、逆にその悔やみを高揚感に変え、また高笑いした
スコーピオ「おもしれぇ…やって見せろ!お前は俺に攻撃を与えられなかった!それは事実なんだよッ!」
足元の地面を割って距離を詰めてくるスコーピオだったが、目の前に突然現れた火の玉に驚く。その勢いを殺せないことを悟りながら突っ込んで殴りかかってきた
―がしかし、ダメージを受けたのはスコーピオ自身であった
右肋から足の付け根にかけての切り傷。その勢いを利用した沙花叉の攻撃だったのだ
しまったと思ってよろけたところにカリオペの鎌が迫る。それを間一髪のところで避けて、スコーピオは叫んだ
スコーピオ「グッ…なんなんだ…お前たちは!」
カリオペ「なんなのだ…か。ただの死神と魔法使いとシャチだ」
沙花叉「シャチじゃなくて暗殺者って言って欲しいんですけど!」
スコーピオ「笑わ…せるなっ!」
今まで見たことの無いような速度でスコーピオはカリオペに近づいた
そしてカリオペの大鎌の柄を掴んで離さない。やられた。これじゃ沙花叉もシオンも攻撃できない
近くにいるカリオペだってスコーピオの強い力で抑えられており動くことがままならないし、蹴りでもしようものならバランスが崩れて強い一撃を食らってしまうだろう
―だがカリオペには勝てる勝算があるかのように口元を緩ませた
スコーピオ「なぜ笑う――この状況で――!!!お前は少しでも緩めば死ぬかもしれないんだぞ―!」
カリオペ「――勝てるからだ」
その時、鈍い銃声が響き渡った
それと同時にスコーピオが後方へと吹き飛んでいったのだ
沙花叉が不思議に思ってカリオペの方を見れば、カリオペは銃から出る煙をふぅーと吹いていた
まさかぼたんからもらったそのリボルバーの威力がこれほどとは…
カリオペ「…ししろ印は伊達じゃないな」
コツコツ…とカリオペは倒れるスコーピオに歩いていく
スコーピオは立ち上がることもなく、ただ倒れているだけ――
そして足元にカリオペが立つと同時に静かにつぶやいた
スコーピオ「…やられたよ。銃を持ってるなんて考えもしなかった」
カリオペ「お前の弱点は想定外からの攻撃だ。だから私は勝算があるといったんだ」
そういうとスコーピオは鼻で笑った
まさかこの期に及んで自分の弱点を語ってくれるなんて思いもしなかったから
すこし微笑みがスコーピオの口に零れた
スコーピオ「…お前―名は」
カリオペ「…カリオペ」
スコーピオ「…そうか―――その名前――この心に刻んでおく。じゃあな、死神。お前の手で眠らせてくれ」
カリオペ「それじゃあな。新たな人類」
カリオペはスコーピオにリボルバーの照準を合わせ、こう言い放った
カリオペ『失礼します、R・I・P』
今回はカリオペさんを強く出してみました
???『ね''ぇ''ぇ''ぇ''!!シオンが活躍する感じだったじゃん!!!』