記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話 作:ほがみ(Hogami)⛩
スバル「うぉ―!」
力いっぱいスバルは別人になってしまった紗の行動を抑制しようと羽交い締めにしている。これ以上紗が傷つけまいと全身全霊をかけて紗を護っている
―戻ってこい紗!こんなことやめよう!と叫ぶスバルをカリオペを初めとするほかの人たちは不思議そうな顔で見ている
なぜそんな不思議そうな顔をしてるんだとスバルが問うと、ルイが答えた
ルイ「スバル先輩は気づいてないかもしれないけど…ほら」
スバル「ん?」
気づけば紗は脱力しており、気張っているのはスバルだけだった
拘束をスバルは解くと、紗はだらんとして地面に膝をつき、はぁはぁと息を切らしている声を漏らした
スバルが恐る恐る紗の顔を見ると、紗は苦笑いしながらスバルにこう言った
紗「…苦しいよ。スバルねぇさん…」
それを聞いたスバルは驚いた表情で紗のことを抱きしめる
紗が戻ってきた。私達の紗が―!と感極まるスバルは涙を流しながら紗の頭をスバルの胸に押し付けている
それを見てホッとするホロメンたち。ラプラスも嬉しくなって涙が溢れてしまいそうになるのを、必死に隠す
―本当に紗なのかと改めて聞くと、紗はそうだと笑顔で答えた
紗「少し記憶が飛んじゃってますけど…私です」
ロボ子さん「わぁ〜紗ちゃんだ〜!」
いろは「嬉しいでござる…!風真てっきりもう戻らないかと…」
喜ばしい声で盛る一方、アルヴィース・へレシーもそれを見て素晴らしいと声を上げた
アルヴィース「記憶が失っても蘇る―!これぞ新たなる人間!素晴らしい…素晴らしいぞ!Eveよ!」
紗「…私はEveじゃない」
アルヴィースの声に紗は反応する
もう紗はEveではなく、紗である。紗の中のEveは消えた。唯一の博士との縁、Eveというホムンクルスの縁は消えた。それ即ち博士から縛られる軛が断ち消えたということ
紗「―私は私!もうあなたに縛られる人形じゃない!」
アルヴィース「な――…」
紗からの声を聞いて絶句する
またもや消えてしまうのか。私の前からと、ブツブツ怨恨を連ねるアルヴィースの背中から何やら黒い影が見え隠れしている
なんだあれはと気づいたカリオペ。いいものでは無いことは確定しているのだが、なんなのか死神のカリオペですら正体が掴めない
するとシオンがみんなの前に立って「やっと出てきたか」と呟いた
そしてシオンは、みんなは下がっててと言って、みんなを護るように手を出した
アルヴィース「ユルサナイ…ニンゲン…」
シオン「…これが彼女が言ってた【世界の歪】か。ホロキャス外に出ちゃったコラブザー…ねぇ〜」
ラミィ「シオン先輩、こりゃ相当巣食ってますよ…」
シオンとラミィはよく分からない話をしている
ぼたんが加勢しようと立ち上がろうとすると、ラミィがそれを阻止した。なんでも、コラブザーはホロの力じゃないと祓えないらしく、この世界じゃ持ってる人はいないらしい…
ラミィ「さぁーて!やっちゃいましょうか!シオン先輩!」
シオン「うん、とっととやっちゃおっか――」
そういう2人の手のひらに、香水のボトルのような容器が現れる
それは妙にキラキラしていて、なんだか心が暖かくなるような気がする
2人「「ホロウィッチボトル!インフューズ!」」
掛け声と共に2人の容姿が変化する。この世では珍しい変身というものナノだろうか、その光景が目に焼き付いて離れない
○○キュアのような姿になったシオンはバッチリとポーズを決めた
それを見た沙花叉は目をハートにしてきゃー!シオン先輩〜!と黄色い声援を上げた
一方のラミィは姿が変わっていないような…?
ぼたん「ラミィちゃん…姿変わってなくない?」
ラミィ「まだ実装されてないんだよ!でもほら!アホ毛の角度が変わってるでしょ★」
そう言ってポーズを決めるが分からない
コホンと一息。ラミィはぼたんに背を向ける
ラミィ「いつもの作戦で行きますか?」
シオン「それでいいっしょ!それじゃいくよ!」
ばっと駆け出し、2人はアルヴィースの元へと行く
2人が近づくのと同時に、アルヴィースの黒い影は2人に襲いかかってきた。それをいとも簡単に避け、2人は空中で踊っているように見える
ラミィはアルヴィースの近くへと着地すると、地面に手を触れる。するとそこから氷が発生し、アルヴィースの足元を凍らせてしまった
ラミィ「シオン先輩!」
シオン「OK〜!これでもくらえ!」
空中で放たれた5色の魔法が鮮やかにアルヴィースへと向かっていく。その全てがアルヴィースに当たるが、無傷のようだ
シオンはやっぱ強いな〜とあたかも他人事のように言っている
シオン「―っま、シオンの敵じゃないけどね」
地面に降り立ったシオンがパチンと指を鳴らすと、アルヴィース近くの地面が爆発した
土煙が漂い、視界が遮られる。しかし突然その煙の中からアルヴィースは飛び出してきた
うそ!と驚くシオン―だが、それも作戦のひとつだったみたい
ゾンビのように掴みかかってくるアルヴィースをステップで避けると、アルヴィースは足を取られてこけかける。その足元は泥のように波打っており、その場所だけが穴が空いているみたいになっていた
ラミィ「終わらせましょう!」
シオン「やっちゃうか!」
2人「「ウィッチグラム――
眩い光がアルヴィースを包み込む
黒い影は蒸発するかのように消えていった。力無くしたようにアルヴィースは地面に倒れた
―1件落着だ。と息を吐いたみんな。色々聞きたいことが山ほどある
スバルはまず気になっているシオンに話を聞いた
スバル「し、シオン、どしたのそれ…」
シオン「シオンの特別衣装――っていうのは嘘。詳しくは話せないけど…」
言葉を言い終わる前にシオンは自分の体が光っていることに気付いた
それはもうこの現実から消えてしまうかのように、光の粒子がシオンとラミィの体から出ていた
シオン「あー残念だけど、お別れだわ」
スバル「お別れって?」
シオン「シオンたちはこの世界のシオンじゃない。だから長居はできない」
沙花叉「そんな!シオン先輩〜」
涙を流す沙花叉はそのままシオンに抱きつく。そんな沙花叉にシオンは泣くなよと頭を撫でた
その態度を見ていると、やっぱりこの世界のシオンではないことがわかる。なぜなら――沙花叉を撫でるその顔は、すこし寂しそうだったから
ラミィはぼたんに向かって、「
シオン「スバル―――シオンをよろしく―……」
そういうとラミィと同じように消えていってしまった
その後、アルヴィースは大空警察が身柄を確保し、正式に逮捕状が出されることになった
ココの行方不明になっていた人も、無事に施設内から見つかり、アルヴィースには、誘拐・違法建築・その他もろもろの罪で起訴されることになった
紗は記憶を取り戻したとはいえ、欠落している記憶や体の調子を見るために、ちょこ先生の友人がいる病院で検査することになった
まぁ面会とかできないから、みんなは待つしかないのだが…
と、ある時突然ホロメンがホロライブ事務所に集められた
大きな部屋のような場所に待機していて―と指示されたからそこで何だろうとみんな不思議そうに思っていると、YAGOOが現れ、伝えたいことがあると言った後、YAGOOの後を誰かがついてきた
―凛とした艶のある黒い髪。柔らかそうなその頬―ーその首元にはホロライブのマークみたいなペンダントが飾ってあった
YAGOO「本日から新人スタッフとして配属される【絹織
紹介された女性は一歩前に出て挨拶をする
紗「今日から配属される絹織すずです――皆さん――ただいま帰りました」
そういってにこっと笑う彼女のもとに、みんな集まった
少女が記憶を失った話はこれにて終了。
記録は――――もう必要ない。
一人の人間として旅立ったのなら、もう私が記録する必要はなくなった。
さらば、共に過ごした私。
――シャットダウン
これにて記憶を失った少女の話は終了しました。
みなさん、ここまでご覧頂きありがとうございました
なお、物語はまだ続きます
日常編やホロぐらみたいな話、そして一年くらい前に告知していたこの物語の続きの物語を書いていきたいと思います。
これからも見て頂けると嬉しい限りです。
それでは―――記録終了