記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話   作:ほがみ(Hogami)⛩

86 / 94
日記:初お披露目会

――名もなきホロリス

そのホロリスは誰のリスナーというわけでもない

つまりは箱推しと呼ばれるやつだ

そのホロリスは今、なにも考えずに公式から配信されている番組のアーカイブをたのしんでいた

 

「―肉じゃが作ってるのにジャガイモないのかよw」

 

出演するタレントたちの言葉をみて微笑むホロリス

その傍らにある携帯に一通の通知が届いた

公式から出るには珍しい時間帯の珍しい通知。いつもの予告ツイや出演予告ツイではない通知

ホロリスはその通知に目をやると、そこに書かれていたのはあまり見慣れない文面だった

 

『―ー新スタッフ入社!』

「…へ?」

 

思わず変な声が出てしまった

スタッフがまた増える?つまりはのどかちゃんに後輩ができるということ?

困惑はいまだ止まず、意味も変わらないまま携帯の通知を開いた

たしかに公式から出た情報は、確かに新スタッフ入社!と書かれている。そしてイラストも。黒く長いツインテ―ルの始まりに飾られている二本かんざしの一方には可愛らしい青い花。もう一方には葉先が紫がかっている白い花が装飾されていた

彼女の綺麗な赤い目は、優しそうな瞳をしており、ものすごく輝いていた

服装は上司二人のようにビジネスカジュアル風な服で、黒を基調としている

 

『新しく入社した【絹織 すず】をよろしくお願いいたします』

「また可愛らしい子が入ってきたなぁ…」

 

その思いはこのホロリスだけではなかった

とらとも、ろぼさー、星詠み、35P、開拓者――と幅広いリスナーが思ったことだろう

早くその姿が見えるときが待ち遠しい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うい「うんうん。今日も可愛いねぇ」

 

ホロライブ事務所

その控室にてしぐれういは自分がメイクや、仕立てた服を着た紗に対して言う

物凄く似合っている。そんな言葉に紗はすこし照れる

いつもは質素な感じで仕事をしていたが、今度からは表に立つ裏方としての役割が与えられ得た今。以前のようにはいられないだろう

 

紗「仕立ててくれてありがとう。お母さん」

うい「今後とも可愛い衣装を着てくれよ?」

 

にこにこ笑うしぐれういは、ホロライブのメイク師にこのような感じでメイクしてくれと伝えに一度退出する

えーちゃんは紗に近づいてきて、緊張してるかと話しかけてくれた

 

紗「緊張します…いつも私が見えるわけじゃなかったので…」

えーちゃん「確かにね〜その気持ち分かる。私も裏方から表に出てきたから、何かあったら遠慮なく言って欲しい。できるだけ解決する」

紗「じ、じゃあ!ひとつ聞いてもいいですか!」

 

前のめりになる紗にえーちゃんは少し驚く

自分を知ってからの彼女はなんだか隠さずに素直な気持ちを見せるようになった。今の反応だって以前の紗であれば、もっと緊張しながら聞いてきたはずだ

なんだか裏表が無くなったかのようになった

 

紗「えーちゃんなりの緊張の解し方って…ありますか?」

えーちゃん「よく言われてるのが手のひらに人を書いて飲み込むとかあるけど、私なりのかぁ〜なんだろなぁ〜」

 

よく考えてみればあまり考えたことの無いその問いに悩むえーちゃん

もう慣れてしまった―というのは参考にならないし、以前はどうしてたっけ?確か―――

その時えーちゃんの頭に閃くものがあった

 

えーちゃん「…変なことするけど、ちょっとこっちに来てくれないかな」

紗「?分かりました―ー?!」

 

近づいた紗はそのままえーちゃんに抱きしめられた

抱きしめられながら背中をトントンと優しく叩かれると緊張が解れて行くのが分かる

その体勢のままえーちゃんは紗に話しかけた

 

えーちゃん「これ、よくそらにせがまれてやってたんだけど―どう?緊張ほぐれた?」

紗「はい…だいぶ楽になりました」

えーちゃん「そっか。よかった――」

 

えーちゃんから離れる紗

その心はもう安定しており、さっきの緊張が嘘みたいに無くなった

話を深く聞くと、まだ走りたての頃。緊張でビクビクしてたそらに対してえーちゃんが大丈夫だよーと抱きしめたのが始まりだそうだ

それからことある事に、緊張すると抱きしめて〜とせがんで来るんだとか

 

えーちゃん「今は慣れちゃってそんなこともう無いんだけどね〜紗ちゃんが良かったらいくらでも抱きしめるよ」

紗「ありがとうございます。助かります!」

 

元気そうに言う紗にえーちゃんは微笑む

えーちゃんにとって2人目の大切な後輩。しかも素を見せてくれているからさらに愛おしくなる

でも大丈夫。紗はたくさんの場を乗り越えてきたから心配はいらない

そう思い、微笑みながら紗のことを見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗「ふぅぅ……」

 

紗はスタジオにて、震えた声を出す

もうすぐ本番。今まで配信には裏方で出たことがあったが、このように自分が映ったことは未だない。だからこそ不安が募る

そんなガチガチに震える紗に、新人スタッフだが先輩である春先のどかが声をかけてくれる

 

のどか「緊張しますよね…」

紗「上手く話せるでしょうか…」

のどか「大丈夫ですよ。誰だって最初は緊張します。私達も出演するので柔らかく行きましょう!」

 

宥めるのどかの傍からえーちゃんがやってくる

そして震える紗は、もう一度えーちゃんに不安を払うあの事をお願いすると、えーちゃんは快くそれを引き受けてくれた

えーちゃんに抱きつく紗―その光景を見ているのどかの頭の上には?が広がっていた

―知らぬ間に関係が深まっている!いや、それ以前にどういう関係?!

とのどかの頭はパンク寸前だ

 

のどか「あ、あああの!おふたりはどういう…」

えーちゃん「あーこれはね―」

 

えーちゃんは事情を詳しく説明した

するとのどかはなるほど〜と言って納得したような表情を見せる

 

のどか「てっきりそういう仲なのかと― 」

えーちゃん「あはは!違うよ!そういう訳があったの」

紗「誤解させてごめんなさい〜」

 

さて緊張も解れたところで!公式番組開始と行きますか!

と3人はスタジオへと自信を持って足を踏み出して行った




えーちゃんとそらのこんなエピソードあったらいいなっていう妄想です
良き友人であり頼れるパートナーでもある。そして良い上司であるスタッフがえーちゃんです

次回からいつも通りの日常回、はじまります

この先の未来

  • 日常編を
  • 今すぐ次の話を
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。