記憶を失った少女が、ホロライブに関わって変わる話 作:ほがみ(Hogami)⛩
紗「おつかれさまでした~」
本日の業務を終えて会社から出る紗。そのまま自宅に帰るかと思いきや今日はどこかに寄る予定があるみたいだ
会社から出て少し歩いたところにある公園のような場所―そこには一人の少女が紗のことを待って居た。その少女はデニムの短パンに白いTシャツ。その特徴的な赤い髪を黒いつば付きの帽子を深くかぶって壁に背を預けてスマホを見ている
その少女が紗に気が付くと、にこやかな顔で手を振って出迎えてくれた
紗「お待たせ、べーちゃん」
べー「お仕事お疲れ様~お腹すいてる?」
紗「もうぺこぺこだよ~…」
そういって二人は仲良く歩いていく
目的地はべー曰く知る人ぞ知る場所らしい…
ネオンが光り輝く都市から少し離れた人気が少ない地域へ向かって行った。やがて商業ビルの目の前で足を止めた。そこはいくつかのお店がテナントとして入っているらしく、上下様々なお店が並んでいた
べー「たしかこの三階だったはず――ついてきて」
そういうべーに手を引かれてビルのエレベーターに乗り込み三階まで一気に行く
でも外に在った看板では三階には何も書かれていなかったような…
そんな考えがありながらもエレベーターは律儀に改装を教えてくれる。扉が開くと、そこにあったのは木造で造られたお店があった
紗「BAR【ROBEL】?」
べー「そう。この店、知る人ぞ知る隠れ家的名店なの。だから表の看板にも名前は書いてない」
「そして俺がここの店主――」
男性の声と同時にチリーンと扉の音が鳴って中から男性が出てきた
高身長のオレンジ色の髪、落ち着いた色のシャツやベストを着用している男性にべーは久しぶりですね!先輩!と元気に声をかけた
それに対応するように男性も話を膨らませる
「それで?この子はお友達かな?」
ベー「あ、そうそう!紹介しますよ。この子は絹織紗ちゃん。ホロの新人スタッフですよ」
紗「初めまして。絹織紗です」
ロベル「ご丁寧にどうも。俺は夕刻ロベル。この店の店主であり、君と同じホロの…と言っても関りは少ないだろうど、ホロスターズってところに所属してる。よろしく」
ロベルは立ち話もなんだから入ってと2人を店内のカウンター席へと促した。店内は洒落たロッジみたいな空間になっており、カウンターの中には様々なお酒のビンが並んでいた
時間が早い為か、人気はまだ無いようにみえる
すると紗のお腹がぐーっと鳴ってしまい、紗は少し赤面した
ロベル「お腹空く時間だもんね〜これメニューだから、言ってくれれば作るよ」
そう言ってロベルは2人にメニューを渡す
そのメニューには色々料理名が書かれており、それと同時に写真も添付してあってどれも美味しそうだった
紗とべーはその中から1品づつ選び、ロベルへとメニューを返した
ロベルはOKと一言言って作ってくるから、話に花を咲かせておいてね〜と言って裏へと行ってしまう
べー「ロベル先輩が作る料理はお酒と合うんだよね〜そういや紗ちゃんってお酒もう飲んだ?」
紗「まだ飲んだことない。年齢的には飲んでも大丈夫だと思うけど…」
ホムンクルスとして生まれた紗の実験データから見て、紗は20ぐらいの女性として生まれたそうだから多分飲める。違法では無いはずとの事
まぁ、17歳(?)の船長が呑んでるからセーフよセーフ。
そんなこと言う紗にべーはにこにこした顔で紗に言葉を放つ
べー「じゃあ今日初めて飲んでみよっか!」
あまりのキラキラ加減に紗も断れない。お酒を飲むことは興味があったし、以前べーと一緒にお酒飲もうって約束してたから結果オーライかも
そんな話をしてると、ロベルが料理を持って裏から戻ってきた
ロベル「なんやら楽しそうな話が聞こえてきたわ〜ほい、お待ちどうさま」
べー「お〜美味しそう〜」
目の前に置かれる料理はキラキラと輝いて見える
べーは鶏皮チップスを、紗はパスタを目の前にお腹が鳴り響いていた
べー「Hey先輩。例のものはありますか?」
ロベル「あぁ、あるよ。べーちゃん用に特別に仕入れたからね」
べー「やったぁ〜!」
喜ぶべーにロベルはカウンター先でジョッキにビールを注ぐ
それをべーの目の前に渡すと、べーは頂きます!と言って鶏皮チップスを口に放り込み、その後ビールで喉の奥に流し込むとべーは満足そうな顔を浮かべる
そのビールの名はア〇ヒスーパードライ。べーが大好きなビールであり、それしかビールは呑まないらしい
ロベル「ここ一応オシャレなバーなんだけどねえ。カクテルとか呑まない?」
べー「今は―アッ…ビールの味を楽しんでるんですよ」
紗「…?」
紗はべーの声が気になるも、その音の正体はべーのゲップ(*´3`)-зであることが分かり、可愛いなぁとべーを見つめた
するとべーはロベルに対して先程の話をする。初めて紗が飲むお酒について、いいものはないかと
ロベル「初心者向けのお酒か。カルーアミルクとか色々あるけど…そうだ!紗ちゃん、誕生日いつ?」
紗「私は――1月25日です」
ロベル「それならちょうどいい!初心者向けで度数もあまりないお酒あるよ。飲んでみる?」
紗「じゃあそれをお願いします」
紗がそういうと任された!と言わんばかりにロベルは着々と準備を進め、グラスを氷で冷やしながらシェイカーに氷、ブランデー、アップルジュース・なんとかシロップというのを2種類入れて、シャカシャカとシェイクする
ロベルが奏でる心地よいリズムは、やがてピタッと止まり、中の飲み物を冷えたグラスに注いだ。その色は綺麗な赤色で染まっており、さらにそこにソーダが注がれ、シュワシュワといい音を立てていた
ロベル「ビッグ・アップル・クーラーの出来上がり!度数は大体10%弱くらいかな?」
紗「林檎のいい香り…いただきます」
グラスを片手に紗はその器に入っている液体を口に含んだ
すると舌の上に広がるのは、林檎の香りと甘さ。そしてソーダの爽快感が鼻を駆け抜けた
お酒というより、ジュースに近いような?でもすこしほんわかするような感覚が…
紗「おいしいです、ロベルさん」
ロベル「そりゃよかった!合わなかったらどうしようかなーって思ってたんよ。いきなり度数強いの飲んでも壊すだけだしね」
べー「紗ちゃん、ちょっとビールも飲んでみてよ」
言われるがまま紗はべーのビールを少し口に含む
すると紗はべぇ~と舌を出して苦いと一言。どうやらビールはまだ紗には早かったようだ
それを見たべーはにこやかに笑う。友人の初めての姿を見れてなんだか嬉しくなったから
ロベルの巧みな話術を肴に食事を楽しみ、今日はお開きとなる
ロベル「送ってく?夜道は危険だよ」
紗「大丈夫ですよ。タクシー乗り場までそう遠くないですから」
ロベル「そうか。今日はありがとうね。ここに来てくれて」
紗「それはこっちのセリフですよ。ご馳走様でした、ロベルさん」
そうにこにこしながら言った紗はベロベロによったべーを背負いながらエレベーターを下る
1人になったロベルはやはり2人が心配に思い、店の立て札をひっくり返して2人を後から追う
『店主不在につき一時閉店。数十分で戻ってきます』
ロベル「これでよし。さ、行きますか」
べー「うへぇ〜紗の髪、サラサララップみたいにさらさらぁ〜」
紗「べーちゃんの髪もさらさらですよ」
べー「ほんとにぃ?ありがとうぉ〜」
ベロベロに酔ったべーはよく分からない言葉を口にしながら紗の背中で揺られる
そんな2人の背に黒い影が…
何かを企むような2人組の男。そろり…そろりと近づいて行くその2人の肩に、ポンっと手が置かれた
バッと男たちは後ろを振り向くと、そこに居たのは怖い顔でにこにこしたロベルがいた
ロベル「お二人さん。それはダメやで―」
ロベル兄さんわからん…べーちゃんとの飲酒雑談と、オリーとべーちゃんとロベルの件のチャーライの話しか見たことないからかな?
ロベルさんはこんな感じに裏から守ってやる(表には出さない)みたいなイメージがなんかあるんすよ。