ただしオカメインコである。   作:タラレバ蟹

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間違って別作品のほうに投稿しててすぐ気づいて消したけど冷や汗出そうになった。

いつかやりたかった小話。目撃証言的な話2人分。
配信回じゃないんだ、申し訳ない。


ピーちゃんを見た!な小話1

『とある喫茶店アルバイト女性の場合』

 

 この喫茶店は、メニューの値段を多少ばかりお高めに設定していることもあって、騒いだり店員に絡むようなトラブルを起こす変な客はあまりいない。

 それはそのまま客の少なさにも繋がってはいるものの、それでも席の一つも埋まっていないということは珍しい。

 

 今日に限ってそんな珍しいタイミング、それをまるで推し量ったかのようにその客はやってきた。

 

 ──カランコロン。

 

 来客を告げるベルの音。

 

「ジャマスルデー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 普段この喫茶店の訪れるのは主に時と金を持て余した年配の方々。

 こんな元気な子供(?)は珍しい。ジャマスルデーなんて何に影響されたのやらと入口に向かい、そして固まった。

 

「いらっしゃいま──せ?」

 

 ジャージ姿の女の子。それも150cmにも届かないであろう小さな女の子。長い前髪に隠されて目元を窺うことは出来ない。

 可愛らしさとは無縁の服装とその半分が隠された素顔。だというのに僅かに覗かせる鼻立ちや口元だけでとんでもない美少女だと何故か確信出来た。

 

「ニメイデオネガイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 しかしその肩に止まる違和感の塊が見とれることを許されない。

 やってきたと同じ声、わずかたりとも開いていない少女の口元に対して、その肩の上で軽快な動きと共に口を開くオカメインコ。

 どちらが喋っているかなんて火を見るよりも明らか。というより対面してしまえばさすがに声の出どころくらい分かる。

 

「お、お客様、当店では店内にペットをお連れすることはお断りしております」

 

「ナ、ナニィーー!?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 とはいえ、不意打ち気味に現れた謎の美少女と喋るオカメインコに言及することなんて不可能。あくまで常識的な対応することしか出来なかった。

 

(喋る鳥が来るなんて思わないよーーーー!)

 

 さもありなん。

 

「……ジャァ、シカタナイ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 目線の行き来だけで言葉を交わすことはなかったが、両者の間で何かしら合意に至ったらしい。

 

「ピーチャン、チョットタベテクルカラ! クーチャンハ、ソトデマッテテ!」

 

「そっちがペットなんですか!?」

 

 頷き、そのまま背を向ける二人(?)に思わずあげた叫び声。くるりと再びこちらを向き、その視線が突き刺さる。

 止めようと思ったわけではない。思わず声が出てしまっただけ。

 とはいえ二人(?)のその様子からこちらから何か言わなければずっとその視線が刺さったままだ。

 

 しかし一体なんて声をかけたものかまるで分からない。

 

「お、叔父さーん……」

 

 なので素直に助けを求めることにした。

 

 あまり広くない店内。カウンターにいた店主(叔父)からも先のやり取りは丸見えのはず。

 

「いいよ、二人(?)とも案内しちゃって」

 

「いいの!?」

 

 もともとこのお店はバイト店員として雇われている彼女の叔父が道楽で始めたものだった。

 紆余曲折あって値段を倍にしたり客層を選んだりするようなこともあった。

 ペット禁止というのも飲食店だからというより店の雰囲気に合わないからといったもの。

 そういった有り様であるからして、客足もかなり遠のいた。(むしろ減らした)

 しかし道楽なのだから利益なんて関係ない。

 要するにそれは店主が良ければなんでもあり。喋るオカメインコ。面白いじゃない。

 

「テーブル席とカウンター席がございますが……?」

 

「テーブルセキデ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

(それにしても声めっちゃ可愛いな)

 

 あとめっちゃぐいぐい来る。

 

「ご、ご案内しま~す」

 

 

 

 

 

 

 

 ──その後。

 

「ン? コーヒーセットト? ローストビーフノサンドイッチ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 逆猿回しのような奇妙な方法で注文し普通に食事をし、

 

「テイクアウトモヤッテルッテ? ジャァ、コレトコレト──」(めちゃ可愛ボイス)

 

「ア、ソレト、カミブクロ、ヨブンニモラッテイイ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 テイクアウトでどう考えてもその日の内に食べきれない量を頼んだ後、

 

「コンド、ハイシンシャデビュースルカラ、ミテネ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 何やら宣伝を残してそのまま去っていた。

 

 

 

 

 ──そして更にその後。

 

「「うちの紙袋だこれぇ!?」」

 

 配信でやべー超生物と判明してさすがにこんな喫茶店にはもう来ないと思っていたものの、なんか普通に来店した。

 

 

 

 

 

 

『ピーちゃん公認下僕男性の場合』

 

 昔から何をするにしても上手くいかないことはなかった。

 運動にせよ勉強にせよ努力すればするだけ身に付いたし、自分の人生に疑いなんてただの一度も抱かなかった。

 

 学生のうちに起業した会社の経営も上々。これからの人生もきっと上手くいくはずだった。

 

 それが変わったのは、学生時代から住み続けていた貸部屋からより都内へ近い場所へ引っ越した後から。

 やや古めの案件とはいえ立地は良く、多少ボロくはあっても風呂トイレも完備。

 

 今は会社を大きくするのが何よりも楽しく家に帰らず会社に寝泊まりすることも多い。

 私物の置き場所にするのとたまに寝泊まりするくらいであればその程度でも上等だ。

 

 そんな軽い気持ちで契約に暮らし始めてから一週間。

 はじめは何だか疲れが取れづらいなと感じる程度であった。

 

 しかしそこから一ヶ月。やけに眠れない日が続く。

 

 そして再び一ヶ月の時が過ぎ、最早言い逃れが出来ないほどの体調不良に見舞われていた。

 頬はこけ、体重も明らかに減り、知り合いどころか道をすれ違う人にもぎょっとされる程。

 体が重い。しんどい。苦しい。そして何よりも精神面におかしくなっていた。

 

 なぜか死にたいとばかり願うようになり、それを不思議に思うこともない日々。

 

 そんな中、唯一の楽しみといえるものが最強オカメインコピーちゃんの配信。

 その発言から存在全てに至る何もかもが荒唐無稽。

 本人の口にする最強っぷりで無双でもするのかと思いきや、どう考えてもその能力の無駄遣いでくだらないものばかり。

 配信を見ている間は以前と同じように笑えていたし、不思議と体も軽くなった。

 きっかけは話題性によるものであったが、ピーちゃんの虜となるのにそう時間はかからなかった。

 

 そのピーちゃんがバレンタイン配信にて行った突然の告知。

 

「シチョウシャプレゼントヲスルヨー!!!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 言葉を聞いた瞬間に何故か確信した。この企画を絶対に逃してはいけないと。

 ファンであるからというのもそうであるし、後から考えればきっとそれは生存本能からの強い訴えが命を繋ぐために僅かな糸を手繰り寄せたもの。

 

『リン! ビョウ! トウ! シャ! カイ! ジン! レツ! ザイ! ゼン!』

 

 当選を告げるメールに添付されていた音声ファイル。

 再生したその瞬間の変化は歴然。急に部屋が明るくなった。

 

 自分は今死にそうだった。このままだと確実に死んでいた。それを今この瞬間に救われたのだ。

 湧き上がる生への実感と。溢れ出る圧倒的な感謝。

 

 この感謝の気持ちを伝えるには何をしたら良いだろうか。

 

 かの存在は何をしたら喜んでくれるだろうか。

 

 お金? 困っている様子はない。

 

 手紙を送る? この溢れ出る思いを全て綴った手紙は一枚や二枚では留まらない。

 大量に送りつけて(わずら)わせるようなことがあってはいけない。

 

 ならば考えられるのは一つしかない。

 

 我が神ピーちゃんを祀る神社を作るのだ。(発想の飛躍)

 

 頭がおかしくなったと知り合いには言われた。

 それ以前もおかしくなっていたが、また別の方向に変わっただけだと。

 

 その通りだ。ピーちゃん様の輝きに脳を魂を灼かれてしまってどうして今までの自分でいることが出来ようか。

 

 一度強烈に死を間近に感じて拾うことの出来た命。まさに生まれ変わった心地。最早何も怖くない。

 

 神社を作るなんて途方もない計画もはじめの内は誰も相手にしないものだったが、湧き上がるバイタリティで勢いのまま押し進めた。

 

「待っていてください。ピーちゃん様。きっと満足いくものを作り上げてみせます」

 

 

 

 

 ──その後。

 

「ピ"、ピ"ーチ"ャン"サ"マ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!」

 

「ソレドウヤッテハツオンシテルン?www」(めちゃ可愛ボイス)

 

 まさか本人(?)とお会い出来るとは思わずにひどい醜態を晒すことになった。

 

「ピーチャン、グッズツクリタイナ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

「お"ま"か"せ"く"だ"さ"い"!!」

 

「クサハエル」(めちゃ可愛ボイス)

 

 なお、ピーちゃんとしてはちょっと力貸して欲しいレベルだったのに勝手にその100倍働いたのでちょっと引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【人物】

 

『ピーちゃん』

 転生事故起こしてる転生者。

 無敵⇒無敵の防御性能+無限を内包出来る器として機能。

 最強⇒無限大に等しいエネルギーの塊。無敵が先じゃなかったら収まりきらず多元宇宙やら並行世界やらなんやら巻き込んで何もかんも吹き飛ばしてた。

 かわいい⇒無敵の器が最強でほぼ一杯一杯だったため入り切らんかった。

 色々影響考えてる疑惑のあるオカメインコ。

 

 

『眷属ちゃん(片羽空)』

 可愛すぎて昔からやたら苦労してた。両親は他界。可愛い見た目に反して中身は結構強か。

 可愛いチートが自分にも影響してることもあって自己肯定感強めで自分大好き。見知らぬ他人のために命かけたりとかは絶対にしない。

 ピーちゃんがこの世界に降り立つまでは可愛いチートはオフの状態で見た目に影響するのみだったが、ピーちゃんが来た瞬間にスイッチオン。暴漢ホイホイと化した。

 暴漢たちはある意味というよりほぼほぼ被害者。

 外食に憧れていたがとてもじゃないが一人では外食出来ない。しかし最強過ぎるボディーガードも湧いたので外食しにいった。移動手段はワープ。

 

 

「喫茶店店主」

 脱サラして昔からの夢であったなんか雰囲気の良い喫茶店店主になる。

 利益は完全に度外視の趣味。資金に関しては投資やら何やらで儲けてるし不労所得もあるので問題ない。

 開店当初、メニューも趣味の一環で凝って凝って凝りまくったら人気が出すぎた。

 店内で子供走り回らせる子連れや騒ぐ学生他単純に人多すぎて雰囲気のある喫茶店じゃなくなったのでやけくそ気味にメニュー料金を倍にした。

 また人が増えたら嫌なのでピーちゃんのことは周りには秘密。実はピーちゃんうちの常連なんやでと世間の反応見ながらほくそ笑んでる。

 

 

「喫茶店アルバイト女性」

 喫茶店店主の姪っ子。大学生。バイト探してたのと人手が足りなくなっていた喫茶店店主と利害一致。

 昔から交流もあったので両親からも安心して預けられている。

 人手が足りなかった当時はともかく今はかなり暇。空き時間は勉強してて良いし給料も減らさないと言われてるので最高の職場だと思っている。

 眷属ちゃんとは知り合い以上友達未満になった。

 

 

『ピーちゃん公認下僕男性の場合』

 ピーちゃん公認下僕。能力自体も高いしなんもかんも振り切れてるので行動力もバケモン。

 毎回会う度に号泣してるのでピーちゃん大爆笑されているけど、ピーチャン様に笑ってもらえて喜んでいる。

 眷属ちゃんと直接会ってもリスペクトはあっても魅了されない異常者。

 一切惚れてこないやつ珍しいと思われてる一方でそれはそれとして面白くないと思われている。割合としては後者が多め。

 




まだ第三者目線ネタはあるけど(残り4人)なんか長くなりそうだったので切りました。
省エネな話続いて申し訳ない。
連休中に3回くらい更新いけるやろって思ってたのにおかしいね?
次どうしよ。第三者目線の小話全部吐き出しておきたいし季節はもう外れてるけどクリスマスと正月だけはやってから普通の話進めたい感。
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