それといつも言い忘れてしまってますが誤字脱字チェック助かってます。
ピーちゃんから魔法についてTw○tterで見解が示されて程なく。
ある程度魔法という漠然としたものの輪郭が見えてくるそれとはいえ、具体性については二の次。まだまだ不明なことの方が多い。
けしてその解消のためにというわけではなかったが、それも兼ねたものとして行われたピーちゃんの雑談配信。
いくつか追加された情報もあったが、魔法や魔力を認識出来ない相手に説明出来るものなんてほとんどない。
結局は今出来ることは心の筋トレあるのみというものだった。
そんな雑談配信がもうすぐ終わろうかというそんな折、では次はどんな事をしようかという話題になった時のことだった。
「ピーチャン、ハイシンジコシテミタイ!」(めちゃ可愛ボイス)
:は?配信事故?
:毎回では?
:毎回
:毎回だろ
:毎回ですね
:毎回配信事故なんだが
:毎回定期
:毎回なんだわ
世界が一体となった瞬間である。この一体感があればちょっとした魔法を行使することも出来たかもしれない。
まぁ、それはさておき。つい先日も魔法の存在を明らかにして世界の常識を塗り替えたばかりでこれだ。
この物言いから今までのそれが事故でもなんでもないと言うのなら、これ以上のやらかしは確実。
しかも明確な意志を持って行われるとなればそれこそ世界滅亡だってありうる。
徐々にただの冗談では済まなそうな気配に密かに戦慄し始める視聴者たちだったが、蓋を開けてみればなんてことのない普通の配信者でもありがちなそれ。
「ナニッテ、ホラ! キリワスレトカ、アルジャン?」(めちゃ可愛ボイス)
聞けば、ピーちゃんはデビューの際もうちょっとインパクトを与えるやり方があったのではないかと言う。
ピーちゃんの初配信はそのままのピーちゃんが姿を表してただ喋っているだけというもので、それが話題になったからこそ今があるのだが、インパクトのある登場だったかというとやや首を傾げざるを得ない。
本来ピーちゃんのポテンシャルを持ってすればもっと鮮烈なデビューを飾ることも出来たはず。そんなもしもを実現する手段として配信事故をしてみたい──らしい。
──要するに茶番のお誘いである。
今度そういった事故をわざと起こすから、初見の体でノリを合わせて欲しいということだった。
そこで残る問題はどんな配信事故をするかである。内容を知らないままアドリブで意図した反応をしろというのはさすがに無理がある以上、この場で決めておく必要がある。
「ソンナワケデ。キリワスレデ、オサケデモ、ノンデミル?」(めちゃ可愛ボイス)
清楚キャラに定評のあるピーちゃんがV○uberデビューしてお酒飲むだけ! しかもその正体がオカメインコとなればウケること間違いなし! ……らしい。
:清楚?
:俺の知ってる清楚と違いますね
:清楚な人はビームしない
:全裸全裸言いまくってたのに??????
:↑そんなアイドルはおしっこしないみたいな
:てかどっかで見たな
:ス○ゼロっすね
:ス○ゼロ???
:ス○ゼロかぁ
:パクリやんけ!
:というかピーちゃんお酒飲んでいいの?
:ピーちゃんおいくつでちゅかー
今まで公開されることのなかった超生物ピーちゃんの年齢。
それがこの世に降り立った日からカウントするものなのであれば……。
「ピーチャンノネンレイ? イッチャイ!」(めちゃ可愛ボイス)
:いっちゃい!?
:一歳wwwww
:赤ちゃんじゃん!
:いや嘘wwww
:これはアウト
:俺はこんな幼い子に欲情してたのか・・・・
:ピーチャンは幼女だった?
:↑欲情????
:同年代かと
:おっさんじゃないんかwww
:んー、これはお酒は駄目っすね!
自己申告一歳。ピーちゃんを人間の法律から見ても動物愛護的な観点から見ても、ピーちゃんにそれらを当てはめて良いかは議論の余地が大いにある。
こいつにアルコールなんて効くわけないだろうというのが共通認識とはいえ、真似して一般オカメインコにお酒を飲ませようとする阿呆が湧いて出てきそうというか、絶対に出る。それに一応ピーちゃんの視聴者の中には子供も多く含まれる以上、下手にお酒に興味を持たれても困る。
教育に悪影響のありそうなことは止めようという結論に至った。(既に手遅れ)ビックリスルホドユートピア
只人とは些か以上に違う理由でピーちゃんにとってはアルコールはデリケートな問題なのだ。
ちなみに1歳というワードから、そもそも誕生日っていつだ?と当然言及されたがそれについては具体的な日にちは伏せられた。
下手するとピーちゃんという存在を重く見た国から特別な扱いをされそうで、ピーちゃんとしてはそれはちょっと嫌。
アルコールとはまた異なる理由でデリケートな問題なのであった。
……というわけで。
「ハイ! デハ! ハイシンジコハ、ハイシンチュウノ、カオバレニナリマシタ~!」(めちゃ可愛ボイス)
紆余曲折の末、そういうことになった。
まれによくあるVの者の顔バレ。やはり中の人(?)が鳥であることを最大限活かすには下手な要素を盛り込むのは下策。事はシンプルであるべきだ。
だがそうなると必要となるのはピーちゃんが使用するモデルとなるのだが、立場上誰かに依頼するということは難しい。
じゃぁどうするかとなれば、頼れる人間はごくごく僅かに限られる。この後、当然のように(この段階に至るまで何も知らなかった)下僕は「オマエガママニナルンダヨォ!」(訳:お前がモデルを作れ)された。
突然の無茶ぶりに嫌がるどころか泣いて喜ぶ有り様だったので改めてピーちゃんはこいつやべーなと思ったとかなんとか。
…………………………
…………………………
──そしてそれから早いものであっという間に一週間。
モデリングだけでなくデザインも下僕にさせようとしたところ、ピーちゃん様を自身のイメージに落とし込むとか恐れ多すぎて無理ぃ!となった結果、結局デザインだけは眷属ちゃんが担当することになるというトラブルも発生したものの何とかしたし何とかなった。
◎月24日 20:00 配信開始
「コンバンピー! レイノジュンビ、デキタヨー!」(めちゃ可愛ボイス)
:コンバンピー!
:コンバンピー!
:ついにこの日が来たな
:はじめっからVの状態じゃないのね
:眷属ちゃんやっほー
:コンバンピー
:さてどうなることやら
:今日が地球最後の日
いつもの部屋でいつもの二人。現時点において例の仕込みとなるようなものは見られない。
茶番とはいえいきなりドッキリを始めて視聴者達が困惑するかもしれないという気遣いだろうか。
当然そんなわけはない。
「ジャァ、イマカラ、ドウサカクニンスルヨ~」(めちゃ可愛ボイス)
:動作確認て
:そこは済ませとけ
:配信中にやることじゃないっつー
:準備できてねーじゃんw
:さすがに一週間じゃなぁ
:準備出来てねぇ!
:裏でやるもの晒したら駄目やろw
:そんな出たとこ勝負で大丈夫か?
:普通に延期すればいいのに
:大丈夫だ問題しかない
「マァ、ナントカナルヤロ」(無駄に高まる下僕へのハードル)
コメント欄が流れていくのを余所目に眷属ちゃんがパソコンをパパっと操作。
カチッと最後の操作を終えた途端、画面の中心にいたピーちゃんの姿が人型のそれへと変わ──らない。
「アレ?」(めちゃ可愛ボイス)
眷属ちゃんと同じ向き同じタイミングで首を傾げるピーちゃん。
:あれ?
:アレ?
:あれ?じゃないのよ
:何も変わってませんね
:やっぱ準備不足じゃーんw
:変わってないよー
:動きシンクロ可愛すぎるからなんでもいいや
:てぇてぇ
:二人のいちゃいちゃ配信増やしてもろて
:あまりにも当然過ぎた結果
本来であれば画像認識であれこれしてピーちゃんの姿が人型のアバターに切り替わる予定だったらしい。
それがまさか(でもない)の初手から躓いていた。
「ン? チャントシタ、ヒトジャナイト、ニンシキデキナカッタッテ? ……ッテ、オワアアアアアアア!」(めちゃ可愛ボイス)
翼を頭に当てて何やら受信をしているかと思いきや突然の叫び。尋常ではない。
:おわああああああ
:どうした急に
:びっくりした
:急に叫ぶでないよ
:俺「オワアアアアアア!」
:思いっきりテーブル蹴ってオレンジジュースこぼしそうになった
:ピーチャンが叫ぶなんて何が起きてるんだよ
:今日が俺の人生最後か。悔いしかない
「ゲボクガ、ハラキッテワビヨウトシテタ」(めちゃ可愛ボイス)
ステンレス包丁(税込み14980円)で。
:腹切ってw
:ガチの放送事故じゃん
:お前の求めてた事故だぞ、喜べよ
:映ってないからセーフ。・・・セーフ?
:おい下僕w
:覚悟ガンギマリ過ぎる
:見せられないよ!
:今どき切腹たぁやるじゃねぇか
:グロはあかん
「チョットマッテテ!」(めちゃ可愛ボイス)
言うや否やコメント機能だけを残し暗転する画面。ちょっと説得に向かったようだった。
:あらま真っ黒
:行っちゃった
:下僕説得にいったか
:分身に行かせればいいのに
:ちょっと飲み物取ってくるか
:本体で行くのがピーちゃんなりの誠意なんだろう、たぶん
:トイレいってこよ
:ちょっとってどれくらいなんだろ
:ちょっとはちょっとや。
ピーちゃんが姿を消してから約十分と少々。そろそろ暗黒を眺め続ける作業に視聴者達が飽き始めた頃、前触れ無く再び室内を映し出す画面。
──その中心に少女はいた。
まず一目見た印象は白。次いでその少女がオカメインコの羽や頭の
そんな少女がニコニコと満面の笑みを浮かべながら、いつもはピーちゃんあるいは眷属ちゃんがいる場所にちょこんと大人しく正座していた。
「コンバンピー」(めちゃ可愛ボイス)
:コンバンピー
:ついにきたか!
:前触れ無く始めんな
:やだ可愛い
:これは清楚
:ライブ2Dじゃなくて3Dだと・・・
:ようこんなん下僕作ったもんだわ
:はえええ、しゅっごい
:下僕まじで有能過ぎるんだよなぁ
:一週間で作れるもんなんか
「皆とお話シタクテ神様に人にしてモラったオカメインコ、ピーちゃんだヨ!」(めちゃ可愛ボイス)
羽のついた腕をパタパタと元気よく振り回す様は思わず笑みを誘う可愛らしさ。
:可愛い
:声はいつものピーちゃんなんだよなぁ
:↑いつもはもっとカタコトだろ
:お前カタコトじゃなくても喋れたんかい
:おいお前らもう始まってんぞ!合わせろ
:俺はじめっからこれだったら騙されてたかもしれない
:悔しいけどピーちゃん声だけはすんごい可愛いんよ
:ちょっとカタコト残ってるの一生懸命感出てて好き
:わかる
:中身ピーちゃんと知っててもこれは可愛い
:ずっとニッコニコなの可愛すぎか
:なんで始めっからこれで始めなかったんだ
「ピーチャンまだミンナのコトよく知らないカラ、イッパイ教えてネ!」(めちゃ可愛ボイス)
パチンとあざとくウィンク。それは所詮作り物と分かっていたとしても十分に可愛らしい。
:はーい
:可愛い
:おじさんなんでも教えちゃう
:まじで騙されそう
:これは清楚
:いい匂いしそう
:抱きしめたい
:ずっと清楚でいて
:罠でもいい!罠でもいいんだッ!
「デモまずハ、ピーチャンのコトをミンナに知って欲しいナ」(めちゃ可愛ボイス)
だからナンでも聞いテ~、と羽のついた両手を画面の前でひらひらさせるピーちゃん。
:スリーサイズ教えて下さい。
:趣味は?
:どんな男が好みだ?女でもいいぞ
:身長体重
:どんな食べ物が好き?
:自身の長所を教えて下さい。
:あなたは周囲からどんな人であるとよく言われますか?
:料理する?料理するなら得意料理は?
:体はどこから洗う?
:一部面接みたいなコメントあるの笑う
:俺なら面接するまでもなく一発採用だわ
「趣味は~、下手ダケド、ゲームたくさんするヨー」(めちゃ可愛ボイス)
「好みのタイプハ……ヒミツ!」(めちゃ可愛ボイス)
「スリーサイズも、体重も、女の子ニ、そんなコト聞いチャ駄目!」(めちゃ可愛ボイス)
「食べ物ハ、豆! 豆が好きダヨ! 美味しい豆があったラ、教エテ!」(めちゃ可愛ボイス)
「長所? エ、笑顔ジャ、駄目かな?」(めちゃ可愛ボイス)
「ア、エッチなのハ、駄目!」(めちゃ可愛ボイス)
「アトハ……──」(めちゃ可愛ボイス)
和気あいあいと視聴者達との掛け合いが続き終始和やかな様子で進む配信。
このままの様子でずっと続けられたとしてもこれはこれで問題ないかのように思える。
しかし忘れてはならない。この配信の当初の目的を。
:そういえば眷属ちゃんおらんな
:いかん。なんか普通に見入ってた
:俺も見入ってた
:眷属ちゃんおらんの当然なんだよなあ
:↑なんで?
:知っているのか、雷電・・・・!?
:10分程度でシステムは変えられないけど『ちゃんとした人』は用意出来る、つまり・・・
:ピーちゃんまさかの人化
:ピーちゃん状態異常もデバフも効かないから人化出来んぞ
:そんな理由だったんか?
:人化はデバフだった?
:あ、声だけ当ててるのか
:!?!?!???
:ここまで来れば俺にも分かった
:そうか、紙袋被ったままで反応してなかったもんな
:つまりここにいるのは紙袋脱いだ眷属ちゃん!?
「眷属ッテ、ピーちゃん、ワカらないナー?」(めちゃ可愛ボイス)
まるで何のことを話しているのかわからない様子で首を傾げるピーちゃん。
本来の姿を知らなければすんなりと信じられる程度には自然な様子。
:またまたぁとぼけちゃって
:ピーちゃん可愛い
:言いたくなるのは分かるけど抑えろ
:つまり始めの準備も含めて仕込みだったと。はえーーーー
:勝手にネタバラシする流れに持っていくなよ。マナー違反だぞ
:ピーちゃんのタイミングに合わせろよ
:そうだそうだ
視聴者達が来たるネタバレのボルテージがあがり始め、やや流れが変わり始めたそんな折、背後の扉が開く。
現れたのはジャージ姿に紙袋。両方の小脇に
:え?眷属ちゃん?
:????
:眷属ちゃんも分身したの?
:あれ?なんでここにいるの?
:どゆこと?
:流れ変わってきたな
「わあ!?」
その様子はまるで何か見てはいけないモノを見てしまった時のそれ。
部屋に一歩踏み入れた瞬間何を思ったかその手の中のそれをピーちゃんに向かってスロー。
一つはピーちゃんに当たり、もう一方は大きく狙いをそれてパソコンへと直撃。当たってはならない場所にあたってしまったのか、一瞬ノイズの走る画面。
ホラーゲーム程度ではほとんど動揺を見せない眷属ちゃんから飛び出す悲鳴。
普段から全く声を発さないこともあって視聴者達がこぞって反応をし始めるその直前。視聴者達は知ることになる。
ピーちゃんの口にした、“ちゃんとした人”。その真相を。
昨今の画像加工技術というものは目覚ましいものがある。
肌の荒れやシミを隠しより綺麗に見せることは容易く、目の大きさや輪郭すら加工することで可能で、原形が無くなってしまっているというのもよくある話。
ピーちゃんの行った方法はまさにそれだった。
オカメインコの本来の姿を引き伸ばし、目も鼻もクチバシもその形を残さない程に歪めに歪めて無理やり人の形だけを取り繕ったナニカ。
突如心構えの許されない状態で名状しがたい異形を目の当たりにした視聴者達は1/1D6。SANチェックです。
:きっっっっっっも
:泣いた
:キモすぎワロタw
:さすがにピーちゃんやり過ぎだわw
:ひえっ
:失望しました。ピーちゃんのファン辞めます。
一部コメントを残せるような強者も存在していたが、小さな子どもは夜泣きが再発。大人でも失神者まで出る程の大荒れ。ピーちゃんの登録者数は過去一減った。
二度とやるなと念を押しつつも、でもそれはそれとしてモデルは可愛かったので今後機会を設けて使っていくこととなった。
──この配信は終了しました。
Tips. 魔法の追加情報
・ピーちゃんから言わせれば人間の精神は薄い。もっと濃くしろ。精神を鍛えれ。魔法の何たるかを説明するにはまずそこからだ。
効率の良い鍛え方は知らない。全能に近くても全知ではない。ただ最強なだけなので。
・物質にも魔法の相性というものがある。基本的に貴金属とは親和性が高い。逆に遮断するような物質もある。
世界中を探せば魔力を閉じ込められた遺物みたいなのあるかもね。
・精神から魔法が生まれると聞くと魔法や魔力というものがひどく人間本位に聞こえるが、ピーちゃんからすればむしろ逆。
確証はないが先に魔力があったからこそ、そこに精神が……以下略。
・ちなみにピーちゃんは魔法以外の超常の法則いくらでも扱えるのでヨロシクゥ!
モデルのモデル
・変身後の眷属ちゃんほぼそのまま
ピーちゃんボイス
・ぶっちゃけ声を変えるのは楽勝。魔法で声を変えているというよりその都度音波に干渉してるだけ
ヒトガタのピーちゃん
・ピーちゃん自身が歪んでいるわけではない。世界というフィルターを歪め、歪めたフィルター越しにピーちゃんを投影しているような形。