相変わらず難産。
毎日書こうとはしてたけど筆の進まないこと進まないこと。
掲示板形式のなんと書きやすかったことか。
あと前回の後書きの予告()に書いてない内容になってしまったのはわざとではないです。
“ピーちゃん”と聞いて人が思い浮かべることと言えば何だろうか。
圧倒的多数の答えは鳥につけるペットの名前として思い浮かぶに違いない。
しかし昨今、一部界隈、とりわけネット上では複数の不特定多数のそれではなく、とある個人(鳥)?を指すものとして認識されるようになっていた。
配信者ピーちゃん。
見た目だけで言えばちょっと目にしないレベルの可愛らしい純白のオカメインコ。
その愛らしい見た目だけでも十分に話題をさらえるポテンシャルを秘めているというのに、このオカメインコ、喋る。それはもう喋る。明らかに人並みかあるいはそれ以上の知性を持って。
とはいえ口にする言葉は大言壮語を超えて妄言としか思えない内容ばかり。しかし配信中の端々で見せる超常の片鱗のせいで全てを否定しきれないでいるのも事実。
芸風としてただ口にしているのだけなのか、あるいはもしかしてと思わせる不思議な魅力に溢れた存在として世間から受け入れられ始めていた。
そんなピーちゃんの配信が、今日もまた始まる。
○月✕日 21:00 配信開始
「ハイ!キョウモ ゲンキニ コンニチピーチャン!!」(めちゃ可愛ボイス)
:お、始まったな
:コンニチピーチャン!!
:コンニチピーチャン!!
:もう夜だけどな
:細かいことはええねん
:というかピーちゃんどこ?
開始時刻と同時に真っ黒な待機画面から一般的な一軒家に見られるようなキッチンの風景に切り替わる。
そこに本来映るべき主役の姿はない。しかし声がするということはちゃんと近くにはいるようだ。
「ピーチャン、サイキンキヅイチャッタ。
ピーチャンノ ハイシン、チョットシゲキテキ スギタナッテ!!」
:まぁ喋るオカメインコとか見たことないしな
:インパクトでかいのだけは認める。
:ゆーて、基本ぐだぐだしてるだけだし刺激強いかというと微妙なような
:しれっと非現実的なことちょいちょいやるけどそれのことか?
しかし姿を見せず続ける言葉は何か意味有りげなだけで要領を得ない。
視聴者たちの間に僅かながらに困惑したコメントが続くが次の瞬間それも吹き飛んだ。
「ピーチャン ノーパンデ ハイシンシテタ!!」
:wwwwwww
:ノーパンwwwwww
:ノーパンwwwwwwwww
:そりゃ鳥だしな
:ええ・・・(困惑
:ノーブラはええんか
:ただただ笑う
「ピーチャンガ ナニモイワナイカラッテ、
ズット エッチナメデ ミラレテタカト オモウト、
ピーチャン イキドオリヲ カクセナイ」(めちゃ可愛ボイス)
:ざけんなwww
:そんな奴はおらんw
:訴訟
:訴訟
:ピーチャンにも穴はあるんだよなぁ
:訴訟不可避
「ピーチャンガ オヨメサンニ イケナクナッタラ オマエラノセイ!!」
:どうせぇとw
:ひでぇ言いがかりw
:ほんとにピーチャンをエロい目で見てるやつの性癖はなんと呼べば良いんだ
:ケモナーでもないし、・・・と、トリナー?
:語感が悪い。
:ピーチャン結婚してくれ
「ダケド ピーチャンハ ヤサシイカラ、
エロタイサクト カワイサヲ リョウリツシタ
トクベツヲ ヨウイシタヨ」(めちゃ可愛ボイス)
:なんだなんだ?
:別にエロくはねーっつってんだろw
:もらえる物はもらう主義
:もう嫌な予感しかしない
:来る・・・
:来るぞ・・・
バサバサと羽音と共に今まで姿を隠していたピーちゃんが現れる。
しかしそれはいつも視聴者に見せる姿と随分と様変わりしてるそれで……。
「オカエリナシャーセェー! ゴシュジンサマー!」(めちゃ可愛ボイス)
黒と白を基調としたひらひらとしたエプロンドレスと頭部に装着されたカチューシャ。
そこにとある動物要素を付け加えたそれはまさしく、
:猫耳メイドwwwww
:情報過多w
:バケモンじゃねぇかw
:なんでそれいけると思ったんだwww
:ラーメン屋のノリ
:勢いだけでゴリ押すのやめてwww
:いかんツボったwwwww
:電車の中で鼻水飛び出した
:カワイイ+カワイイ=???
:何故足し算してしまったのか
「ゴメンニャ! ピーチャンカワイクッテ! ニャ!」(めちゃ可愛ボイス)
ただのオカメインコが器用に片目を瞑り猫のようなポーズまで決めるとなるときっと可愛らしいに違いない。しかし残念ながらここにいるのは猫耳メイドオカメインコ。異形である。
可愛いは可愛いにしても溢れ出るシュールさを前にして可愛さは敗北を喫していた。
:ニャwwww
:ニャwwwwwwwwwwwwwwww
:ニャってwww
:ニャwwwwwwwwwww
:可愛いけどさw
:これもう訳分かんねぇなw
:ピョンピョン跳ねるな
:見え・・・見え・・・
:見えた
:白!
:ちゃんとパンツ履いてるのでもう駄目だった
コメント流れるに任せてしばらく。
注目させるように羽をパタパタと動かすと早速本題を切り出した。
「ハイ! チュウモク!
キョウハ オリョウリハイシン!
メイドサントイエバ オムライス! オムライスヲツクルヨ! ニャ!」
:どうやって作るんだ
:まさか今日ずっとその姿でやるんか? www
:またニャwww
:もう既にお腹いっぱいなんだがw
:ニャで死にそうになるからマジでやめてくれwww
「デモ ヒトリジャ ムズカシイカラ 、
キョウハ ケンゾクト イッショニ ツクルニャ! カモン!」
ピーちゃんの呼び声とともに眷属と呼ばれた一人の少女が画面内に姿を現す。
メイド服は着ていない。芋っぽいジャージ姿である。
そして何よりも特徴的であるのが頭に被った紙袋、そして巨乳。
:うおおおおおお!眷属ちゃん!俺だああああああ
:眷属ちゃん結婚してくれ
:眷属ちゃああああああん
:正直ピーちゃんより可愛いと思う
:なんでこっちが猫耳メイドじゃないのか小一時間
眷属とは。目下ピーちゃんの飼い主と噂される存在である。(ピーちゃん曰く逆らしい)
いつぞやの配信でピーちゃんが協力者のことを眷属と呼んで以来いつの間にか定着してしまった。
もっぱら裏方に徹し、配信に映ることはあまりない、所謂レアキャラだ。
その腕の中には今回使うであろう野菜の数々。それをそのまま台の上に乗せると、一度カメラに向かってひらひらと手を振るとそのままキッチンに向き直った。
「…………」
配信で顔を出すこともなければ声すら発しない。
唯一映し出されたことのある口元から美少女ではないかと噂されているが真相は定かではない。
知っているのは一緒に暮らしているというピーちゃんのみである。
たまにピーちゃんと一緒に映し出される際の仲の良さから、一部界隈でこれを百合の内に含んで良いものか議論が為されているらしい。
閑話休題。
とはいえ仲が良いとはいえそれはそれこれはこれ。
ピーちゃんとしてはあまりおもしろくないらしい。
「オマエラ ケンゾクノホウガ ハンノウイイノナンナン?」
ジト目で視聴者を責めるピーちゃんがそこにいた。
:ごめんなさい
:だっておっぱい・・・
:おっぱい大きいのが悪い
:おっぱい大きいのが悪い
:せめて哺乳類がいいです
:眷属ちゃんを僕に下さい
「ケンゾクガ ホシイッテ? イイケド ジョウケンガ アルニャ」
カメラに背を向けてシンクの上をピョンピョンピョンと跳ねるピーちゃん。
:いいのか!
:欲しい!
:立候補します。
:だからニャやめてw
そしてぐるりと首だけをカメラに向けて90度回転させて絶叫した。
「ピーチャンヲ タオセルナラナァッ!!!」
:言うと思った
:知ってた
:知ってた
:そんな奴はおらん
:というかピーちゃんも料理の手伝いなんかしろ
そんな茶番をピーちゃんと視聴者で繰り広げている間、件の眷属ちゃんはある程度下準備を済ませていたらしい。
ちょいちょいとピーちゃんを手で呼び寄せるとおもむろにピーちゃんの身体を掴み、まな板上の皮の剥かれたニンジンとタマネギのそばに寄せるや否やすっと横にスライドさせる。
その瞬間、ピーちゃんの頭がブレた。
そして数拍もおかないうちにまるで思い出したかのように野菜は形を失いバラバラに崩壊した。
:!?
:!?
:え?え?
:見えんかった
:あまりにも早い手刀
:マジで今何が起こった?
:一家に一台欲しい
:・・・手刀?
そしてそのまま眷属の少女の手でフライパンの中に野菜を移すもコンロに火は付いていない。
なぜなら火はここにある。
フライパンの近くを飛ぶピーちゃん、その口から一瞬にも満たない溜めの後放たれた炎が野菜の表面を焼いた。
:!?!?!?
:!?
:!?!?
:ナチュラルに火を吐くな
:火を吐くネコミミメイドオカメインコwww
:やめろ文字にするな余計にカオスさが増す
:wwwwwww
それからは語ることはあまり多くない。
幾度かの火炎放射と具材の曲芸切り、ピーちゃんによるグリーンピース食い尽くしを経て無事にオムライスが完成した。
それは過程がそれなりにおかしかったことを除けば極めて一般的なオムライスに見えた。
皿に盛られ食卓の上でホカホカと湯気を上げる姿はそれなりに食欲をそそる。
そこにピーちゃんがケチャップで似顔絵を施し、
「ピーチャンノ テヅクリ オムライス カンセイ!!」
:美味しそう
:殆ど眷属ちゃんが作ってた
:これはピーちゃんの手作りと呼んでいいのか
:ちゃんとフードプロセッサーとコンロ役やったから・・・
:初めて見る料理への関わり方
「マサカ コレデ カンセイダトハ オモウマイナ!?
サイゴニ ダイジナ シアゲヲスルヨ!」
:完成って言ったやん
:お前が完成言ったんや
床に正座する眷属ちゃんの前に置かれたテーブル。
その上に鎮座するオムライスと眷属の少女の間に移動し、カメラに目線を向けるなりポーズを決めると高らかに叫びをあげた。
「オイシクナーレ! モエモエ キュン!!」(めちゃ可愛ボイス)
その瞬間、羽と羽の間から放たれたハート型の熱線がオムライスに突き刺さり皿とテーブルを貫通すると絨毯の表面に焦げ跡を作った。
:なんか出たw
:なんか出たwww
:気功砲www
:気功砲かな?
:世界一物騒なラブ注入
( ゚д゚)
( ゚д゚)
( ゚д゚)
( ゚д゚ )
:こっち見んな
:こっち見んな
:こっち見んな
「……ハイ! ブジニ カンセイ シタトコロデ キョウノ ハイシン オワリマス!
ミンナモ マネシテ オムライス ツクッテネ!ニャ!」
:無理
:無事とは
:まずは火を吐けるようにならんとな
:本人がほぼ忘れている猫耳設定
:何一つ真似できるところなかった
:・・・無事?
:テーブルは犠牲となったのだ。
──この配信は終了しました。
なお、オムライスは眷属ちゃんが美味しく頂いた模様。
後ピーちゃんは怒られた。
裏話
水星の魔女のミオリネの髪型ってオカメインコみたいだなから始まったので実質ガンダム二次
ぼざろ見ながら妄想膨らませてたので実質ぼざろ二次
話数がちょっと進んだら何時かぼざろ世界にピーちゃん投入したSS書いてみたい
後藤ひとり
後藤ふたり
後藤とり ⇐ NEW!!
みたいな。
次話は例のごとく全く用意してないのでまた遅くなります。ご容赦ください。
コメント欄の色のスクリプトを修正。これで「ここ好き」出来るはず……
行がズレて「ここすき:おかしくなってたら申し訳ない。(23/02/19)