エンドコンテンツやるか!って時に壊れたら新しいの届いたら反動来るよねっていう言い訳。
日曜一日書いてたけど書き終わらず月曜火曜水曜と過ぎてもうこんな日。
なぜか文字数が増えて時間が二乗倍かかるという不思議。
□月○日 20:00 配信開始
「ベツノヒ ダト オモッタ!? ザンネン! キョウデシタ!」(めちゃ可愛ボイス)
昼間の配信から数時間。まだ肌寒さを感じさせるとはいえ、もう冬というにはやや過ぎた季節。
日が沈む時間も晩くなったものの、既に日が暮れるには十分な時間帯である。
既に頭上には都会では見ることの出来ない星明りが明るく夜を照らしていた。
とはいえ、星明りだけでは当然撮影に十分な光源足り得ない。下から照らす焚き火の灯りがなければピーちゃんの姿をカメラが捉えることは叶わなかったであろう。
もしこれが昼間であれば節分動画で使われた場所と分かる者もいたかもしれない。
:あぶねー!普通に見逃すところだった。
:なんか今日はあれで終わりみたいな雰囲気やったやん
:普通に予定にあったしファンなら忘れるわけないよなぁ?!
:今日ってあったけどやっぱ別の日かと思ったんじゃい!
:寝泊まりは云々言ってたからやるならまぁ今日の続きよな
:暗くてよくわからんけど昼間の川じゃないね。節分動画のところ?
訂正。分かるやつもいた。
まぁ、それはそれとして。
「ヒルマハ オサカナ ダッタケド、ヨルハ オニク メインヨ!」(めちゃ可愛ボイス)
:っぱ、キャンプで肉焼かないと嘘だよな
:肉も魚もどっちも食いてぇ
:こういうの見てるとキャンプしたくなる
:実際行けないめんどくさいから見るだけで満足する派
「デモソノマエニ、タコヤキヤクヨーーーー!!」(めちゃ可愛ボイス)
カメラが回り、昼間に見たようなものと同じような石かまどが映し出される。
そこにセットされている網とその上に載せられているたこ焼きプレートは既に火で十分に熱せられ、後は材料を流し込むのを待つばかりである。
:たこ焼き!
:夜空の下でやるタコパも乙なものよね
:たこ焼きもいいね!
:テーマとか決めずとりあえずやりたいことだけやるスタイル嫌いじゃないわ
カメラ側から紙袋を被った少女眷属ちゃんが現れ、ピーちゃんを肩に乗せるとそのまま手にしてたボウルの中の生地をプレートの中に流し込んでいく。
そして一つ一つ生地の入った穴の中へタコ、タコ、タコ、グリーンピース、タコ、タコ、グリーンピース。
:なんでグリーンピース?
:いや不味くはないだろうけどさw
:普通に美味しいだろうけど初めて見るアレンジだわ
:絶対に不味くはないのは分かる。
:まぁ大体理由は察するけどさw
「ピーチャンノリクエスト!」(めちゃ可愛ボイス)
:でしょうねw
:知ってた
:知ってた
:逆にそうじゃなかったら驚きなんだが
:シューマイの上に乗ってるグリーンピース根こそぎ奪いそう
:俺グリーンピース嫌いだからピーチャンにあげるわ
:ピーちゃん本当にグリーンピース好きねぇw
普段ピーちゃんは自身が可愛いという言動を繰り返しておきながら素直に可愛らしい姿を見せることはほぼ無い、というより皆無。カメラの前で見せる姿は巫山戯ているか罵ってくるかのどちらかだ。
可愛さを全面に推しだすことに照れがある、そんな可愛らしい理由であろう筈もなく、ノリだけで生きているだけというのが口に出さずとも一致する視聴者達の見解である。
故に、ピーちゃんの次の一言は呑気に雑談に興じる視聴者達にとってまさに不意を突く一撃となった。
「スキ♡」(めちゃ可愛ボイス)
:ぐあああああ!
:ぐあああああああああああ
:スキ!可愛すぎか
:油断してた可愛い
:俺もピーちゃん好きいいいいいい!
:そうだよピーちゃんはこうしてりゃ可愛いんだよ
:わりぃ俺死んだ
表情こそ人のように豊かなそれではないし、好意も自分達に向けられているものでもない。
ただ純粋に好物に対する思いを口にしただけ。
しかしそれでも普段発したことのない甘い声音のめちゃ可愛ボイスはそれなり以上の破壊力を有していた。
視聴者達の中に犠牲者(死んでない)が出る中、肝心のピーちゃんはといえば、
「アレ? ピーチャン ナニカ ヤッチャイマシタ?」(めちゃ可愛ボイス)
知れば確実に調子に乗るであろうに、こういう時に限って気づいていなかった。
:なんでも無いよ
:そのままの君でいて
:ピーちゃん可愛いよピーちゃん。
:切り抜き確定だな
:無限ループで毎日キメるわ
「フーン? ヨクワカンナイヤ」(めちゃ可愛ボイス)
首を傾げる仕草に再び犠牲者(生きてる)が出つつも、そんなこんなでたこ焼き生地が熱で固まり始めるには十分の時間が過ぎていた。
後はこれをどれだけ上手くひっくり返すことが出来るかでたこ焼きの出来が決まるといったところで、パタパタと羽音を立てながら一瞬画面の外に姿を消すピーちゃん。
程なくして画面内に戻ってきたその小さなクチバシには竹串が一本咥えられ、あろうことか熱せられた鉄板の上にそのまま飛び乗った。
:ヒエッ
:びっくりした
:熱くないんかそれ?
:!?
:見てて怖いのヤメテ
:心臓ヒュンとした
「キカネェ! ムテキダカラ!」(めちゃ可愛ボイス)
自己申告の通りなら地球上の兵器では傷つかない以上、たかだが鉄板の熱だけでどうにかなるわけはないのだがそれはそれ。心臓に悪い瞬間であったのは間違いない。
:なんやかんやでピーちゃんの防御面見たの初めてかもしれん
:普通にたこ焼き作るだけかと思ったらだめでしたねぇ!
:ほんとに無敵なんだなって
:可愛らしい小動物が鉄板の上に乗ってるの本気で心臓に悪い
:また虐待てうるさくなるぞ
にわかに騒がしくなるコメント欄を横目にしながらそのままプレートの上をよちよちと移動すると、竹串を突き刺し器用にひっくり返した。
そしてカメラに向き直り、
(σº∀º)σドヤ
二つ、三つとひっくり返し、
(σº∀º)σドヤァ
四つ、五つ、
(σº∀º)σドヤヤァ
:どやぁ可愛いかよ
:マキマさん助けて!俺ピーちゃん好きになっちまう!
:今日のピーちゃんずっと可愛い
:いちいちドヤッってくるの可愛すぎる
:もしや偽物・・・?
:こんなんたくさんおって堪るかいな
あとは焼色をつけるために何度かひっくり返し青のりをかければ、
「タコヤキ! カンセイ!」(めちゃ可愛ボイス)
:美味しそう
:出来立て良き
:やけどしそう
:外はカリッ、中はとろふわ?
そしてテーブルの上の笹舟に盛られたたこ焼きにいそいそと近寄り、
「アトハ、シアゲニ モエモエキュ──」
と、羽を持ちあげようとしたところピーちゃんに向けて人差し指でバッテンを作る眷属ちゃん。
「カ~↑ラ~↓ノ~↑?」(体を揺らしながら)
今度は腕をクロスして力強くバッテン。
「ア、ダメッスカ。ハイ」(諦め)
阻止した。
:萌え萌えキュン阻止
:萌えキャン
:そりゃ阻止するわw
:阻止www
:萌えキャンは草なんだw
:萌えキャンwwww
「ジャァ、シカタナイカラ、サメナイウチニ タベチャイマショウネェ~」
そして、無事(?)に星空の下で二人+賑やかし多数によるたこ焼きパーティが始まるのだった。
眷属ちゃんファインプレーである。
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「ミテミテ~、ダイシャリン~」(めちゃ可愛ボイス)
お腹が膨れたことで襲ってきた眠気の中、視線の先でたった一人の小さな家族が大きな肉の刺さった肉焼き機の柄に止まり回転する姿が目に入る。
ハンドルが回っているのではない、身じろぎ一つしていないというのにその柄を中心としてその場でくるくるくるくるくるくる、と。
その回る様子を見ているとつい眠気に身を任せそうになる。
:なんだその動きwww
:どうやって回ってんだそれw
:うーーーーん、大車輪かなぁ?
:大車輪じゃねーってw
「エ?」
静止。↙
:止まんなw
:止まったwwww
:止まるなww
:ぜってー大車輪じゃねーw
「エ~? ダイシャリンダッテ~」
と、口にしながら再び回転。
:大車輪かなぁ?????
:大車輪ではねーよw
:ローディング画面で見そうな動きw
:勢い皆無の大車輪www
「エ?」
そして静止。↖
「ダイシャリンダッテ~。ネー、ケンゾクモソウオモウヨネ? ッテ、アレ?」
私を呼ぶ声が聞こえる。しかし既に眠気が限界だった。
:眷属ちゃん寝た?
:めっちゃ首カックンカックンしてる
:眠そう
:なんかの拍子に紙袋外れんかな
「ツレヲ オコサナイデヤッテクレ。シヌホドツカレテル」
:それ寝てるんちゃう死んでるやつや
:めっちゃ首カックンカックンしてる
:眠そう
:なんかの拍子に紙袋外れんかな
:なぁそういえばこの肉ってまさか昼間の・・・
:え、やだ怖い
「マァ、オニク ヤケタラ、オコシマショウネ~」
(……相変わらず変なことばかりしてるなぁ)
そんな思いを最後に、優しい声音とハンドルの回る動きに誘われるようにして意識は夢の中へと旅立っていた。
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昔からいつもよく同じ夢を見ていた。
それは知らない誰かの人生の記憶。
記憶といってもひどく断片的で見る夢の内容はいつもばらばら。仕事をしていたり遊びに出かけたりと様々で連続性は見られない。
なぜ自分がそのような夢を見るのかとんと検討はつかないけれど、何となくもうその人はこの世にはいないのだという確信があって。
記憶の中のその人はいつも笑っていて、周りの人達もいつも笑っている。
この人と一緒にいることが出来たらきっと毎日が楽しい、そう思わせるその夢は、人生を変えたその日を最後に二度と見ることはなかった。
「ボクト ケイヤクシテ マホウショウジョニ ナッテヨ!」
出会って一番初めにかけられた言葉は、そんなどこかで聞いたことある言葉だった。
夜闇の中で浮かび上がるかのように真っ白で可愛らしいオカメインコ。
たまに人の言葉を真似て喋る鳥は見かけるものの、果たしてオカメインコはこのように人間の言葉を真似出来る鳥だっただろうか。
そんな当然の疑問が思い浮かぶも、その直前、それがただ喋る鳥といった枠に収まる存在ではないということを私はこの目で見ていた。
私を路地裏に引き込み襲おうとした暴漢二人を一瞬にしてその鳥が強かに打ちのめす様を。
意識を失いながらも僅かにうめき声を漏らす様子を見るとどうやら生きてはいるらしい。
「アンシンセイ! ミネウチジャ!」
けして心配というほどではないものの、一瞬そちらに視線を向けたのを見やってか、そんな言葉が向けられる。
(……峰ってどこだろう)
そんなことを現実逃避気味に考える一方で、何故か初めてあった気がしない。それどころか懐かしさすら覚えていた。
それはこちらを見つめる小さな存在も同じなようで。
「ドコカデ アッタコト アッタッケ?」
「ないと思う、よ?」
一緒になって首を傾げることたっぷり十秒。
アー、と一度前置きし、先に口を開くのは向こうが先だった。
「チョット オカシナコト イッテイイ?」
「うん、いいよ」
どこか言いづらそうな姿に一瞬身構えそうになるものの、不思議と悪い予感はしなくて。
「カゾクニ ナロウヨ~」(精一杯のねっとりしたイケボ風めちゃ可愛ボイス)
「ふふっ」
思わず笑ってしまった。両親が亡くなってしばらくずっと人目を避けるように一人暮らしを続けていた。
ただ漫然と生きるだけとなっていた人生、それが今日変わる。
白馬の王子様だなんて期待するような趣味はなかったけれど、自分にとってのそれが白いオカメインコの姿であることが無性に可笑しかった。
「わたしの名前は
「
「そっか、よろしくね。ピーちゃん」
宙に浮いたまま差し出してくる羽の先をちょこんとつまむ。
「アッ、ピーチャンガ オネーチャン ダカラネ!」
「うん、お姉ちゃん」
喋る鳥がお姉ちゃんになるなんて正気を疑われるような出来事で間違いない。
しかし不思議と収まるところに収まったかのような安心感があって、そこで、あ、と一つ思い出した。
「ところでさっきの契約って何か私が変身出来たりするようになるの?」
握手をしたくらいで他に何か特別なことはしていないし何か変わったという感覚もない。
とはいえ魔法少女、その非日常な響きには惹かれる部分があるわけで。
「アー、ピーチャン ソウイウ チカラナイ。イッテミタダケ」
「そっかぁ。残念」
とはいえその答えは期待したものではなかった。
聞けばすごい力はあるらしいものの、個で完結したもので分け与えるような力はないのだとか。
「ア、デモ、オネーチャンハ ヘンシン デキルンダヨ」
「おー、見てみたい」
本音を言えば少し残念なのは間違いない。
でもそれはそれとして目の前の存在が更に姿を変える姿も見てみたいのも事実。
「ジャ、ミセテアゲルネ」
期待する声に応えて眼の前の新しい家族の姿が突如白い輝きに包まれ、その白い光が収まった後には元の姿を残しつつも確実にその姿を異なるものとしていた。
背中に炎の円環を背負い、顔に赤い隈取りと紋様が現れる。尾羽根の先に七色の光を引き連れ、薄っすらと全身が輝くその姿。
可愛らしい印象を残したまま神々しさを覚えるその様子に一瞬呆けたように見つめ……、突如私の服が
「は?」
「ハ?」
見下ろした自分の体は一部が純白の羽毛に覆われ腕には袖のように伸びる羽。手足のその先からはまるで鳥のような鉤爪が生えていた。
自身の顔の様子をこの場で確認することこそ出来ないものの、顔を含めた全身が変化しているということだけは分かった。
そしてそれがつい先程から家族となったオカメインコの変身が原因ということも。
「あれ? そういう力はないってさっき……」
「エ、ナニソレ シラン。コワ……」
「えええええええ?」
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いつの間にか眠っていたらしい。懐かしい夢を見た。一年と少ししか経っていないというのに随分と昔に感じる出会いの記憶。
その余韻に浸るにしても、やけに周囲の様子が騒がしい。
「ウオオオオ! ヤマダ ヨクヤッタ!」(めちゃ可愛ボイス)
:感動した!
:よく子供をまもった!
:ヤマダよくやったーーー!!!
:クソオスザマァアアアアアアアア!www
:手に汗握るバトルだったな
:ピーちゃんもよく手を出さなかった
:クマのぶつかりあいコエエエ
:・・・なんで俺たちクマのバトル見てるんだろ
両脚で立ち上がり雄叫びを上げるクマ(ヤマダ)とその足元に倒れ伏す知らないクマ。そしてその周りを狂ったように周り続けるお姉ちゃんの姿。それとちょろちょろと走り回る子熊の姿。
懐かしい夢を見たことと、起きた時の状況のわけの分からなさにカメラが回っていることをついうっかり忘れていて……、
「あれ? お姉ちゃん、何が起こって──」
思わず声が口をついた瞬間、まるで今まで騒いでいたことが嘘のように静まりかえり、クマの親子までもが動きを止めてこちらを見ていた。
「ア、コレアカンヤツヤ」(真剣)
:お姉ちゃん!?
:え、声可愛いっ!
:眷属ちゃんは妹だった!?
:え?!眷属ちゃん今喋って・・・!
:うおおおおおお!祭りじゃああああ!
:ピーちゃんはお姉ちゃんだった!?
眷属ちゃんの旦那予定:¥50000
眷属ちゃん結婚してくれえええええええ
ピーチャンの義弟:¥50000
ピーチャン!お義姉さんと呼ばせてください!
眷属ちゃんの婚約者:¥50000
どけどけー!俺が眷属ちゃんの婚約者だから!
ピーちゃんの奴隷:¥50000
ペット枠!ペット枠は空いてますでしょうか!?
眷属ちゃんの結婚相手:¥50000
お前らご祝儀ありがとな!俺お前らの分まで幸せになるから!
以下、超長文のスパチャの嵐が続き、この日スパチャが過去最高額を記録した。
そんな配信の主役を忘れた様子にピーちゃんはわなわなと体を震わせ、
「コレ ピーチャンノ ハイシンダカラーーーー!!」(めちゃ可愛ボイス)
口から上空に向けて見えない何かが放たれ、上空を覆い始めていた雲を吹き飛ばし、ついでに大気圏を超えた遥か先の侵略目的で太陽系に送られていた宇宙人の無人偵察機も消し飛ばした。
天気予報。明日の天気は晴れだ。
──この配信は終了しました。
無敵、最強、可愛い。前二つが宇宙スケールとかいう馬鹿な調整がされてたのに3つ目だけあんな控えめだったのは何故か的な話。
書ききれてないだけだけどなんか匂わせるみたいな感じになってしまった。
ピーちゃん:転生事故食らって魂の一部が剥げた。ぶっちゃけ配信で本気で怒ってない。普段の言動は半分演技と言うかノリ。
クーちゃん:もらい事故食らった現地人。良い子。APP20くらい。可愛すぎて人生ハードモードになってる。ピーちゃんが変身すると強制的に変身させられる。ただし変わるのは見た目だけ。羽生えたけど飛べないし特殊能力も何もない。耐寒性能+2。
焼いてた肉は猪ではない。牛肉ブロック。