アサルトリリィ×仮面ライダー episode of 御台場女学校 作:黒破リンク
保健室──
allvision
初「先生、あとどれ位で戦えますか?」
初は倫夜にそう聞いた。倫夜は──
倫夜「今まで通り、となるとまだまだかかりそうよ。」
と答える。
初「そうですか…。」
倫夜「ずっと危険なところにいて戦い詰めだったでしょう?いい機会だと思って、しばらく休みなさい。」
初「しばらくって──」
倫夜「負担がかかるようなことは一切しないこと。そうして過ごしても、1ヶ月は必要だわ。」
初「1ヶ月…。そんなに…!?それじゃあ純は…!!」
倫夜「んー、ロネスネスは9名ちょうどのレギオンだから、しばらくはセインツやコーストガードに頼ることにはなるけど…。出撃できないわけじゃないんだから、落ち込まないで。早く治すことを考えましょう?」
初「はい。」
倫夜「『我慢は、力よりも気高く、忍耐は美しさに勝る。』ちゃんと明日も来るのよ?」
初「はい、ありがとうございました。」
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廊下──
雪「周から見て、純のフィニッシュショットはどう見えた?」
周「何も?正確だったと思うよ?」
雪「そう…だよね。」
周「ノインヴェルト戦術は失敗することだって多い。撤退させたんだから成功だよ!」
雪「でも、特型だからさ!」
周「特型だから、余計難しい。」
雪「……それでも、必ず撃破するようにと言われている。」
周「面倒になる、可能性が高いからね。」
雪「最近では撃破できないことの方が少なかったから。」
周「たしかに。」
雪「2人とも責任感の強い子だから……自分を責めすぎないかどうか……心配…。」
周「…早く、いつも通りの2人に、戻るといいね。」
雪「うん。」
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保健室前──
初「純、竜!」
純「姉様!」
竜「怪我の具合は、大丈夫か?」
初「えぇ、しばらく安静にしなければですけど。
……訓練は?」
純「昴に任せましたわ。」
初「…わたくしのことは気にしなくていいのよ。」
初は純にそう言う。しかし、純は──
純「……姉様がいないと、調子が出ませんわ。」
と、少し弱気になっていた。
初「そんなことではいけませんわ?しばらくは、1人で隊を率いなければならないのですから。」
純「姉様……。」
楪「お、いたいたー!
映司、椛ー!こっちこっちー!」
竜「楪…?映司…?なんでここに…?」
映司「ゆずさん、どうしました?」
楪「もーみーじー!!」
楪は叫んで、椛を呼ぶ。
純「うるさい!!なんですの!?」
映司「椛姉が、2人に相談があるらしくて…。時間、大丈夫ですか?」
初「えぇ、構いませんけど。」
椛「実は……しばらくの間、紅をロネスネスに入れていただくことはできませんか?」
純「はぁっ…?」
竜「それはどうしてだ?」
楪「あの戦いのことを気にしていて、紅は今、訓練にも参加できない状態なんだ。」
竜「深刻だな。」
椛「ああ見えて、仲間に人一倍迷惑をかけたくない方ですからね。」
映司「カウンセリングしてくれてる檀先生が、『このままだと、戦場に戻れなくなる』と。」
純「戻れなくなる…。」
椛「えぇ。それで檀先生が──」
檀『紅さんはルナティックトランサー持ちで強化に耐えた特異点。同じルナティックトランサーを持つ特異点リリィと戦えば、共感現象が起きて、安定して戦えるかもしれないわ。』
楪「って、言ってて…。」
初「ルナティックトランサー持ちの特異点リリィ…。」
映司「初さんか、純さんしかいないですよね?」
檀『初さんが復帰するまででも紅さんと純さんを共に戦わせることは出来ないかしら。そうすればきっと、精神も安定して戦えるわ。』
映司「と言ってて…。」
楪「紅も、『初と純が納得してくれるならそうしたい』って言ってるんだ!」
純「そんなこと、急に言われても──」
初「その申し出、お受けいたしますわ。」
純の言葉を遮り、初は承諾をする。
純「姉様!?」
竜「いいんじゃないか?初が満足に戦えない今、申し出を受けた方が、ロネスネスも助かるだろう。」
初「そうでしょう?純。」
純「姉様が、納得したのなら……。」
と、純は引き下がる。
竜「それに、紅とは昔から仲がいいだろ?」
初「きっと、お互いの為になりますわ。」
純「えぇ……。」
楪「良かったー!!
あ、まずは紅に伝えてくる!!」
映司「ちょ、ゆずさん!?」
そのまま、楪は走って行ってしまう。
椛「紅を、よろしくお願いいたします。」
映司「お願いします!!」
2人は、頭を下げる。そしてそのまま去っていった。
初「わたくしたちも、ロネスネスのみんなに伝えましょう。」
純「えぇ。姉様。」
竜「あぁ。」
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訓練場──
昴「さてと。基礎訓練の成果、見せましょうか。」
紫「はい、昴様に、着いていきます!」
昴はCHARMを振るい、模擬ヒュージを攻撃。紫は、CHARMの狙撃で模擬ヒュージに攻撃していく。
昴「紫、あなたは実力のあるリリィです。自覚をして訓練するべきですよ。」
紫「はい!
─大丈夫…私はやれる!!」
紫は地面を転がりながら、模擬ヒュージに狙撃して倒していく。
紫「わー!!やりましたー!!もーっと出てこい、ヒュージ!」
紫は模擬ヒュージを倒していって、テンションが上がっている様子。
一方──
槿「あれ、ヒュージ多くない?」
梢「しかも、私の方向に向いている気が…。」
模擬ヒュージが、梢に攻撃を仕掛ける。
梢はダッシュで避けていく。
梢「やっぱりー!?!?うわぁぁぁっ!!うおぉッ!!うぁっ、うわぁぁぁぁ!
─隙あり!
なんつって?」
梢は歌舞伎のようなステップを踏みながら、ヒュージに攻撃をしていく。
梢「メーン!!」
梢は模擬ヒュージを突き刺し撃破。その後も迫り来る模擬ヒュージ達を自分の異能を使って撃った弾を誘導させて撃ち抜いていく。
梢「あらよっと!」
謙也「やるやないか梢!撃ち漏らしゼロやん!」
梢「うぁぁ!槿様、いくらなんでも多すぎます!明日香様も手伝ってください!」
槿「梢が昴の反省会に来なかったからでしょ!!」
明日香「自業自得よ!!」
梢「そんなぁ…!!基礎訓練もメニューも2倍だったのに、模擬ヒュージの数まで!?」
明日香「私達だって、とばっちりなのよ!!」
明日香と槿は、CHARMによる斬撃で模擬ヒュージの数を減らしていく。
謙也「けど、身を結ぶんやったらええやろ!!ごちゃごちゃ言わんと、やったらどうなんや、コシマエ!槿!」
明日香「誰がコシマエよ!!!そう言うあんたは寝てたでしょうよ!!」
そう言って、明日香は謙也の頭を叩く。
謙也「イデッ!?何すんねん!!」
明日香「反省会で寝てた罰よ。」
謙也「なんでや!?
だいたい昴の反省会はつまらんのや!いっつも長ったらしいやろがい!」
明日香「だからって寝ない!!」
そんな2人を他所に、槿は模擬ヒュージを撃破していた。
梢「さっすが、槿様!結局手伝ってくれるんだから!かっわいいー!」
槿「もう!!」
槿はそのまま走り去っていく。
梢「あっ!待ってくださいよー!!」
謙也「おぉい!待たんかい!!ワイらを置いてかんといてや!!」
明日香「はぁ……。」
そのまま3人は追いかけていく。
蛍「梢ったら、またあさちゃんをからかって…。」
響「でも、あれがいつもの光景だからねー!」
蛍と響は伸びをして、気合いを入れる。
雪「訓練とはいえ、集中なさい。」
蛍「はーい、雪様!さっさと終わらせて、おやつ食べよー!!ね、響!」
響「うん!終わらせちゃおっか!!」
3人は射撃や斬撃、打撃を駆使して模擬ヒュージを倒していく。
響「蛍!!」
響はジャンプして、模擬ヒュージの頭部に蹴りを放つ。
そのままヒュージを蛍のいる方向へ吹き飛ばしていく。
蛍「ほっ!ほいほいほいほいほい!」
蛍は落ちてきたヒュージに射撃を放ち、撃破していく。
空中から着地した響は再び助走をつけて飛び上がり、今度は雪の方向へとヒュージを蹴って行く。
響「雪様!!」
雪「ふっ!!はぁっ!!」
雪は打撃を放ち、蛍は援護に入って、そのまま倒して行く。
雪「これで終わり?」
蛍「はい!」
響「ささ、いこ!」
別の場所では、燈が1人嘆いていた。
燈「もう!今日は純お姉様とペアで訓練かと思いましたのに、まさかの1人ぃ!?」
嘆く燈の周りに、大量の模擬ヒュージが集まっていく。
燈「うっふふふ、基礎訓練も4倍でしたものねぇ!面白いじゃあありませんかぁ!」
燈は嬉しそうに模擬ヒュージ達を蹴散らしていく。
燈「これが実践だったなら……もっともーっと楽しいのにィ!アハァッ!!」
近くで見ていた翔太郎、フィリップ、紫、梢、槿、雪、昴、明日香、謙也、蛍は、楽しみながら訓練をこなす燈を見ていた。
フィリップ「……僕は言ったはずだよ?燈には逆効果だと。」
昴「そうですね…。喜ばせてしまった。」
翔太郎「訓練をあんな楽しそうにやってんのあいつだけだろ…。」
謙也「なんや、あいつは…。狂人やなぁ…。」
翔太郎と謙也は、燈を見て若干引いていた。
明日香「…謙也に言われたくはないでしょうね。」
謙也「なんやて!?」
燈「さぁ、次は純お姉様の登場ですわよォ〜?アタクシと一緒では無いのが、残念ですが!!」
蛍「燈、邪魔邪魔ー。」
燈「ふん!!」
純「紅、やれそう?」
紅「えぇ!やるわ!」
純と紅は模擬ヒュージを倒していく。
純「紅!!」
紅「ルナティックトランサー、発動しますわ!!」
2人はルナティックトランサーを発動、そして連携しながら模擬ラージ級ヒュージにダメージを与える。
しかし、時間切れで終わってしまう。
紅「ごめんなさい、純!」
純「いいえ、呼吸を合わせましょう。」
紅「えぇ!」
純「もう一度、ラージ級をお願いします!」
模擬ヒュージを呼び出し、再びルナティックトランサーを使って連携攻撃していく。
そして、模擬ヒュージを撃破していく。
紅「やったー!純!」
純「えぇ。」
紅「なんだか、掴んだ気がしますわ!」
純「そう、良かったですわ。」
紅「もう一度やってもいいかしら。」
もう一度やりたいという紅に、純は戸惑う。
純「え、えぇ…でも…。」
紅「お願い!このままでは、実践なんてできませんわ。それでは純にも、ロネスネスの皆さんにも迷惑をかけてしまいますでしょう?」
純「えぇ…。」
紅「お願い、純!」
純「紅……。」
少し考え、純は承諾する。
純「わかりました。
皆さんもう一度訓練を。」
翔太郎「はぁっ!?今!?」
純「休憩はおしまいですわ!」
槿「今日は巡回もあるし、もう──」
純「そんなことでは、レギオンとしていつまで経っても向上できませんことよ。」
槿「えっ。」
純「最近、訓練を怠っていたと思いましたの。姉様が戻ってきた時に、レギオンとして成長していられるように、これからは訓練の強度をあげたいと思います。」
梢「マジか!?」
響「ちょっと、純!それじゃあ──」
純「昴、フィリップ、メニューを組んでくださる?」
昴「それはいいですけど……」
フィリップ「しかし、これ以上の訓練のしすぎは、身体に影響を及ぼす危険が──」
純「よろしく。
さぁ、紅、訓練を続けましょう。」
紅「えぇ!!」
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椛「ヘオロットセインツ、訓練開始!」
椛の合図と共に、パス回しが始まる。
椛「もっと速く、正確にお願いします。」
桂「はい、椛様。」
そしてまたパスを回していく。
楪「ナイス!」
廉「因ー!」
廉は因にパスを回す。
央「焦らなくていいからね!」
因「うん!ありがとう!」
因はマギを込め、薺にパスを回す。
因「薺、パース!」
薺「えー、また私?」
周「でも、いい軌道だったよ。」
因「わー!薺、パースっ!」
薺「もーう、わかったよっ!」
薺は因にパスを回す。
央「なっちゃん!これもレギオンのためだよ!頑張って!」
映司「因ちゃん、安定してきてるね。」
映司は因を褒めて、因は決意を話す。
因「紅様が安心してルナティックトランサーを発動できるようにしないと!」
廉「そんなこと考えすぎなくていいんだよ?因は、因のペースでいいの。」
因「廉…!!」
椛「廉さんの言う通り、ラプラス持ちだからといって、責任を感じすぎては、出せる力も出せませんわ。」
楪「因らしく、のびのびやんな!」
因「はい!ありがとうございます!
なーんかやる気が漲ってきたぞー!!1、2、3、4!」
天奈「因!」
天奈は因にパスを回し、因は再び薺にパスを回す。
因「薺、パース!」
薺「もーーう!!」
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翔太郎vision
蛍「うぇぇん、あさちゃん……!」
昴「皆さん、大丈夫ですか。」
翔太郎「昴お前、これが、大丈夫に見えるか…?」
竜「流石にやりすぎだな。これは。」
昴「あのくらいの訓練で、情けないですよ。」
謙也「ゲッホゲッホ…きんもちわりぃ…。」
梢「あのくらいって…どう思う、紫!!」
紫「えぇっと……。疲れた…ね?」
カブキ「ここでケイブなんか来たら終わっちまうぜ!?」
槿「……初がいないから、また純のやりたい放題になってない?」
蛍「外征経験で少しは丸くなったと思ってたのになぁ…。」
昴「訓練は必要だと思いますよ。」
翔太郎「必要な訓練はやってるだろ!?」
雪「純も、不安なんだと思う。初が居なくて、自分の本来の力が出せていないと…。」
カブキ「だったら、出撃しなきゃいいじゃねぇか。御台場には、セインツもコーストガードも居るんだし、わざわざセインツからメンバー借りて出る必要なんか無くねぇか?」
竜「隊長同士の話し合いで決まったことだ。」
響「初も賛成してるしね。」
槿「私は、初が戻ってくるまで、訓練も出撃もしたくない!!」
フィリップ「なっ…、槿、正気かい!?」
槿「…もちろん、我慢はするけど、でも、これ以上酷くなるなら──」
雪「初も純も、初めてのことで混乱してるんだと思う。もう少し、見守ってあげよう。」
槿「……っ!!」
そのまま槿は走り去ってしまう。
梢「あ、槿様!?」
フィリップ「槿!!」
フィリップは槿を追って去ってしまう。
昴「そんなに大変でしたか?訓練メニュー。」
翔太郎「昴、気にする所そこじゃねえから。」
昴「反省します。」
蛍「どうしよう、初に言った方がいいのかな…!!」
竜「いや、初は自分の事に集中させてあげよう。」
蛍「もー!!今が1番団結しなきゃ行けない時なのになー。」
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フィリップvision──
フィリップ「待ってくれ、槿!!」
僕は槿の手を掴んだ。
槿「フィリップ、お願い!!離して!!」
フィリップ「嫌だ、僕は離すつもりはない。」
槿「なんで…!!」
フィリップ「ここで…こんな状況で言う事じゃ無いかもしれない……。
槿、聞いてくれないか?」
槿「えっ…何──」
僕は槿の手を引き寄せ、抱きしめる。
フィリップ「僕は、君が好きだ。船田予備隊が分裂する直前、君は翔太郎やみんなと一緒に、僕を助けようとしてくれた。」
槿「それは……。仲間が消えちゃうなんて、嫌だったから…!!」
フィリップ「消える寸前、僕を助けようと翔太郎と一緒に手を伸ばしてくれた。」
槿「でも……届かなかった…っ!!」
フィリップ「復活してから僕は、事ある毎に恋愛とは何かを、ずっと調べてた。君に、この想いを伝えたくて…!!」
槿「フィリップ…!!」
フィリップ「答えは、今じゃなくていい──」
槿「私も、フィリップが好き!!」
槿は僕の言葉を遮り、想いを伝えてくれた。
槿「フィリップが消えちゃった時、永遠にフィリップに会えないんじゃないかって思った…!!だから、この思いはずっと封じ込めておかないとって思ってた!!」
フィリップ「槿…。」
槿「進級して、フィリップが戻ってきてくれて、また一緒に戦えて私は嬉しかった!!私、ずっとずっと、伝えたかった…!!!」
槿は泣きながら、僕に想いを伝えてくれる。
槿「フィリップも、同じなんだよね……?」
フィリップ「あぁ。」
僕は、相棒に言った言葉を、槿に投げかける。
フィリップ「槿、悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」
槿「あるっ…!!私、翔太郎に負けないくらいの相棒になってあげる!!」
フィリップ「あぁ、楽しみにしてるよ。槿。」
……To be continued
焦る純と初、互いの想いを伝えたフィリップと槿。
段々と魔の手が迫っていることを知らずに……
次回、「焦りと魔の手と分裂の危機」