アサルトリリィ×仮面ライダー episode of 御台場女学校 作:黒破リンク
本編更新です。
倫夜「純さんはどうだった?」
初「先程、少し訓練を覗いてみましたが、とても上手くいっていましたわ。」
倫夜「そう。」
初「純は…わたくしがいなくても大丈夫ですわね。」
そう少し弱気になる初。
倫夜は、そんな初に声をかける。
倫夜「純さんは、紅さんとは昔から親しかったんでしょう?」
初「えぇ。」
倫夜「お友達が困っているのを助けたくて、一生懸命なだけじゃないかしら。」
そう聞いて、初は歩き始める。
そんな初を見ながら、倫夜が話を続けると初は歩みを止める。
倫夜「一生懸命にしか私には見えなかったわ、って言ってるの。」
初「え?」
倫夜「紅さんも、所謂特異点のルナティックトランサー持ち。共感現象に似たような感覚はあったかもしれない。それによって紅さんはきっと、戦いやすくなったと思うし、自信を取り戻したと思う。」
初「……わたくし以外でも、出来るなんて…。」
倫夜「だけど、あなたとの共感現象と比べたら雲泥の差よ?
はっきり言って、紅さんは純さんのお荷物でしかないと思うわよ。」
初「先生──」
倫夜「純さんを純さんらしく戦わせることが出来るのは、あなたしかいないでしょう?
早く傷を治して、あなたの居場所に戻らないと。」
初「……わたくしの、居場所…。」
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お茶会──
紫「──って言うわけなんだよね。」
桂「ロネスネス、大変ですね。」
カブキ「ほんとに思ってんのかァ?」
桂「思っていますよ。」
薺「桂は今、どうしたらいいか考えてるんだよねぇ〜?」
桂「え?…はい。」
央「つい最近まで、純様派と槿様派で二分していた感じだったのが、やっと纏まった感あったにねぇ?」
睦「(今のロネスネスは…船田予備隊の時みたいに…纏まってくるのかな。)」
英「そうなんだぁ。」
央「ほんとに自由だね。」
梢「間に挟まれる私たちの気持ちにも、なって欲しいよ〜!」
紫「梢ちゃん、間に挟まれてる意識あったの!?」
梢「それどういう意味!?」
紫「いやだって、一貫して槿様派って感じだったから……。」
梢「それはそうなんだけど…。」
廉「平和な方がいいに決まってるよね!」
英「うんうん!平和が1番!」
カブキ「まぁなぁ。でも俺としてはあの空気ちょっと楽しかったけどなぁ?」
梢「カブキはちょっと感性可笑しくない!?」
カブキ「前からこんなんだけどなぁ?」
ヒロト「初様が復帰すれば、元通りになるんじゃないか?」
薺「うん、それしかないよね。」
桂「しかし…。」
睦「しかし?」
桂「紅様はセインツに戻って来られるでしょうか。」
ヒロト「え?」
桂「もし、セインツよりも、ロネスネスを選ぶようなことがあったら──」
梢「それじゃあ元通り…じゃあないねぇ。」
燈「心配ご無用。」
突如黙った話を聞いていた燈が喋りだし、持っていたハーブティーを一気に飲み干してカップをテーブルに置いていく。
燈「そうはさせませんわ。」
睦「燈?」
薺「ねぇ〜!!燈は何をしに行ったの〜!?」
桂「紅様に、セインツに戻るようお願いをしに行ったのではないかと。」
薺「でも、燈が誰かにお願いしてる姿、想像できないよねぇ。」
ヒロト「あいつの性格的に、お願いと言うか脅しに行くだろ…。」
すると、英と酔っぱらいの薺を除いた全員が立ち上がって握り拳を作って手を前に突き出し始める。
梢「ぶん殴りに行ったぁ!?」
2人を除いた全員が焦り始める。
カブキ「いや、ねぇだろ!?」
ヒロト「って言いたいけどあいつの性格だとやりかねないぞ!?」
桂「今日は、お開きと言うことで!!」
薺「え〜!?もっと飲みたかったー!!」
睦「薺、わがまま言わないで。
ほら、また今度やろう。」
薺「今度っていつ〜!!」
一方……
檀「そう!それじゃあまた、元通り戦えそうね!」
紅「えぇ!元通り以上です!共感現象というのは、あんなにも安定して戦える物なんですね!私、今までで1番自分らしく戦えてる気がしますわ!」
檀「純さんに感謝ね!」
紅「えぇ!純はいつも私を気遣ってくれますし、とってもいいパートナーを見つけられました!」
檀「うっふふ、あなたがそんな風に笑うのはいつぶりかしら。」
紅「先生のおかげですっ。」
檀「そんなことないわっ、あなた本来の資質が引き出されたのよ!これならきっと、実践でも力を発揮できるわ!」
紅「えぇ!ケイブよ、早くこーい!
あっ、これは不謹慎ですわね…。」
檀「あっはは、やる気が出たようで先生も嬉しいわ。
……でも…。」
紅「どうか…しましたの?」
檀「こんなにいい状態なのに、初さんが戻ってきたらって思うとね。」
紅「あっ…。」
檀「ほら、ロネスネスには純さんも、ラプラス持ちの燈さんもいる。あなたの力を発揮するには、1番いい環境なのに。」
紅「1番……いい環境…。」
檀「あぁ、ごめんなさいね、紅さんが嬉しそうで、つい…。」
紅「あっ、いえ!
…じゃあ、また来ますわ。」
檀「えぇ。」
そう言って紅は出ていった。
すれ違うように燈が檀の所へと向かっていく。
檀「あら、珍しいお客様。」
燈「先生が紅様をロネスネスに入れる様提案したんですって?」
檀「えぇ!おかげで紅さん、調子を取り戻したようね!」
燈「G.E.H.E.N.A.の指示?
……初様の怪我も、G.E.H.E.N.A.によるものですの?」
檀「紅さんの力になりたいと思って、私が考えたことよ。」
燈「あなた、何故このガーデンに?」
檀「うーん…。
ここ、御台場女学校は多くの強化リリィを受け入れている。その子達のメンタルケアをして欲しいと、ガーデンから依頼されたの。」
燈「強化リリィ。」
すると、檀の声色が低くなっていき……
檀「そうよ。私たちにあらゆる可能性を提示してくれる強化リリィ。その力になりたいの。
……あなたも強化リリィ。それも、『ヒュージの姫』と呼ばれる存在でしょ?
……力になりたいわ。あの頃のように。」
燈「あの頃?」
檀「私は以前、鞍馬の研究施設にいたのよ。」
燈「鞍馬……!?」
檀「私たちは人類の為に正しい事をしてきた。それなのにある日、大切な実験体が脱走したの。
たった1人の、裏切り者のせいで。」
燈「裏切り者……!?」
『燈、逃げなさい!!』
檀「勿論始末されたわ!!!」
『逃げてぇぇぇぇぇっ!!!』
燈の脳裏によぎる、鞍馬の研究所にいた記憶。
自分を助けてくれた研究者が、始末されるその瞬間の記憶。
燈「はぁっ……!はぁっ……!!」
檀「大事な研究材料を逃がそうとするなんて許せないもの!!!
でも、その事に逆上した実験体リリィは、残りの研究員を皆殺しにして逃げた!!」
燈「どうしてそれを……!!!」
檀「鞍馬の目天狗、司馬燈。
我が研究施設の誇りであり……汚点だわ。」
燈「あなたは誰?あの時、いなかったはずですわ!!」
檀「全員殺したはずなのにどうして知っているのかって?
おかしいわねぇー?あーははは!!」
狂ったような声を出しながら燈を煽る檀。
檀「馬鹿な女!!あんたに同情して逃がそうとした女も。あんたに殺された女たちも!アハハハ!!アーハハハハ!!」
『燈。あなたはもう、自由になっていいわ。』
燈「ただ1人、あたくしを人間として扱ってくれた人だった…。」
『脱走しなさい。』
燈「あの人のおかげで、あたくしは自由になれた…!!
だけど……そのせいで……!!!」
『逃げてぇぇぇぇぇっ!!!』
燈「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
泣き叫びながら地面に蹲る燈。
泣きながらも、自分の思いを話す。
燈「自分のせいで誰かを喪ったりしない!!」
檀「もし私がなにかしたら、また殺す?
アーハハハハ!!!」
狂ったような笑いをした後、淡々と話しはじめる檀。
檀「紅はルナティックトランサー持ちでありながら強化に耐えた特異点。ヒュージの姫になれるかもしれないわ。」
燈「あたくしは……!!人間ですわっ……!!!」
檀「燈と対の存在になれるかもしれないわね。」
燈「誰の思惑通りにもならない……!!!あたくしも……!!あたくしの、大切な方も……!!!」
燈はそう言い残してその場を去って行く。
檀「若しくは……ヒュージの姫の頂点として君臨する白井咲朱。自分と同じヒュージの姫になりうる存在として白井夢結を狙っていたわ。
今彼女に最も近い存在の特異点は……船田姉妹。これは面白いわねぇ。
どちらにしても、新たなヒュージの姫が生まれるかもしれない!!ハハハハハハハ!!アハハハ!!」
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紅「純!ここにいたのっ!」
純「紅…。」
紅「さっきの訓練でも、また精度が上がった気がしますわ!私、こんなにCHARMを持つのが楽しかったことないわ!あなたのおかげよ!」
純「あなたが元気を取り戻して嬉しいですわ。」
紅「ありがとう、純!
……でも、1人になると、不安なの…。」
純「紅?
もうすぐ檀先生のカウンセリングの時間でしょ?そこまで一緒に行きますわ。」
紅「ありがとっ。」
そう言って紅が先に行った後、純は呟いた。
純「紅はわたくしに依存していますわ。私が、姉様がいないと不安でたまらなかった…!!あの頃と同じように……。」
一方──
初「小さい頃から、2人だけで生きてきましたわ。本当に信じられるのは、純だけ。
……純を失うのは、怖い…。」
倫夜「初さん……。
強化リリィの紅さんが、初さんの代わりになんてなれるはずがないわ。純粋な人間だからこその苦悩を乗り越えて来た2人よ?初さんと純さん、あなたたちでなければ共感現象本来の力を発揮出来ないわ。」
初「先生、でも……!!」
倫夜「邪魔なら…『消しちゃいましょう?』」
初「え?」
倫夜「『尊い犠牲を払う度に、人間は正覚の時に近づいていくのである。』」
そう言い残し、倫夜は去っていく──
その頃、残されたロネスネスのメンバーは、雪に招集されていた。
蛍「雪様、どうしたんですか?」
雪「少し、皆と話をしようと思って。」
響「話…ですか?」
蛍「蛍が聞いてあげよう──」
雪「いいから座って?」
蛍「はーい…。」
ロネスネスのメンバーが雪の圧力に負けて座ってすぐ、燈が合流してくる。
燈「あら?純お姉様は?」
翔太郎「紅と2人仲良く訓練中。」
燈「またですの!?」
雪「紅が純を離さないのよ。」
フィリップ「一緒にいないと不安なんだって。
僕には、少し分からない感情だがね…。」
昴「依存、し過ぎだと思います。」
響「純の不安になってないか、心配だね。」
ザンキ「なってると思うな。
槿「今の純は、紅に付きっきりでロネスネス全体を見れていないと思う。」
梢「槿様がいなかったら、隊はバラバラだよねー。」
槿「違う!!初がいないから!!
初が復帰するまで活動中止にしようよ!!」
翔太郎「んな事したら初が気にすんだろ!!!ただでさえ責任感じてんだから!!!」
響「翔太郎落ち着いて!!」
翔太郎は怒りのまま、槿に強い言葉をぶつけてしまう。
翔太郎「……わりぃ。」
椛「私たちのお願いのせいで、そのようなことになっていたのですね…。」
昴「椛…!?」
雪「私が呼んだの。私たちの気持ちを、知っておいて欲しいと思って。」
槿「椛が、紅のことを思って考えてくれてしたことだし、こっちも初がいなくて困ってたから、そこは仕方ないとは思ってるよ?」
椛「槿…。」
楪「おかげで紅はすっごく前向きになってるみたいだ。」
槿「でもなぁ…。」
梢「ひとついいですか?」
映司「どうしたの?梢ちゃん。」
梢「紅様が…このままずっとロネスネスにいるってことはないですよね?」
周「それは…それだと困るってこと?」
梢「あぁ、困るって言うか──」
槿「困ります。」
蛍「あさちゃん……。」
トドロキ「槿先輩…!?」
槿「初が戻ってきたら、また紅が苦しむよ?」
椛「紅は、ヘオロットセインツのメンバーです。元通り戦えるようになれば、戻ってきてもらうつもりです。」
響「それが、いつになるか…だよね。」
ザンキ「あのドミネーターを倒せれば…って言っても、負のマギに影響を及ぼす特型は他にもいるでしょ?」
映司「そこへの恐怖感を取り除かないと…ですね。」
椛「因さんのラプラスも安定してきていますし、こちらも、紅が安心して力を発揮できる環境を整えていきますわ。だから──」
トドロキ「先輩が戻ってくるまで……っすね?」
椛「よろしくお願いいたします。」
4人はロネスネスに礼をした。
檀「そう…。初さんが復帰することが不安なのね。」
紅「だって……初がいたら純は私と一緒に戦ってくれないでしょう?」
檀「それはまぁ…そうだけど、あなたはセインツに戻るんじゃないの?」
紅「セインツに、居場所があるんでしょうか……。」
檀「どうして?」
紅「セインツは、元々メンバーは足りてるし…私がいなくても大丈夫だから…ロネスネスに預けたんです…。
実際今のセインツでも、充分機能していますわ。このままだと私、居場所がなくなってしまいますわ…。」
檀「紅さん。」
紅「はい。」
檀「『邪魔なのは、誰?』」
紅「え?」
檀「『あなたが居たいのは、どこ?』」
紅「それは……。」
檀は紅を気絶させ──
ケイブが発生した。
……To be continued
次回、「ギガント級と触手と暴走のメダル」