アサルトリリィ×仮面ライダー episode of 御台場女学校   作:黒破リンク

31 / 35
ギガフロートから椛と楪を助け出したロネスネスとヘオロットセインツ。討伐すべくノインヴェルト戦術を再開する。

その頃、暴走した初を止めるべく、戦っていた竜と純、紅の3人。
純は特型ラージを紅と竜に託し、暴走する姉を止めるべく奮闘する───



「激突と決着と仲直り」

初「うぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ッ!!!」

 

純「ッ!!」

 

初は純に飛びかかりながらCHARMを振り、純は初の攻撃を必死に受け流していた。

 

純「姉様、不安にさせてごめんなさい!!私は姉様と離れません!!」

 

純は初の攻撃を受け止めながら初を正気に戻すために叫んでいた。

しかし、正気を失っている初は聞く耳を持たず、純のフルンティングの刃を弾き攻撃してきた。

 

初「嘘ですわ!!私がいなくても、純は上手く戦える!!」

 

純「いいえ!!!いつも傍で守ってくれた姉様と離れて生きるなんて考えられません……!!」

 

初「守ってくれた……?

……いいえ、私はあなたを失いたくない、ただそれだけ……それだけのために戦ってきたんですわ!!」

 

初は再び攻撃を仕掛け、純は攻撃を弾くのに必死だった。

 

純「それは私も同じですわ!!誰も信じられないこんな世界でも、姉様のおかげで自分の力を呪わずに済みました!!これからも2人で歩む誓いを守っていきたい……!!守らせてください!!!」

 

初「その誓いで、あなたを縛っていたのかもしれません……」

 

純「違います!!」

 

初「じゃあどうして!!!!

どうして私よりも紅を助けるの……?」

 

純「姉様は優しい方ですわ、人を傷つけるなんてできません……!!」

 

初「じゃあ、あなたが紅を殺しなさい。」

 

初の一言に、純は思わず息を飲んだ。

 

初「できないの?私は純を失うくらいなら人を傷つけることくらい……殺すことくらいできますわ……!!!」

 

そう言って再び襲いかかり、純は受け流しながら後退していく。

 

初「純ッ!!」

 

純「姉様ッ!!!」

 

初「どうして……どうしてそこまでッ!!!」

 

初は純をはじき飛ばし、純は大きく後ろへ下がっていく。

 

初「それなら、私を斬りなさい?あなたを失うくらいなら、あなたに殺された方がマシよ!!」

 

純は止まらない初の攻撃を避け、刃を向けた。

 

初「そうよ、私が要らないのならあなたが私を殺しなさい。」

 

純「姉様ッ!!!」

 

初は純のCHARMであるフルンティングの刃を掴む。

 

初「殺せないのなら……私があなたを……あなたをッッ!!!」

 

初は激昂したままCHARMを振るい、純はそれを避けるも、一撃が当たりCHARMを取り落としてしまう。

 

初「うぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ッ!!!」

 

初は純に斬りかかろうとするも、寸前で手を止めた。

すると頭を抑えて苦しみ出す。

 

純「姉様……?」

 

初「うぁぁぁぁッ!!!」

 

純は初を抱きしめ、初に思いを打ち明ける。

 

純「殺せるはずないじゃないですか……!!いらないわけないじゃないですか……!!!姉様のいない世界なんて、守れませんわ……!!

姉様……!!」

 

純は涙を流しながら、思いを話すと、初は正気を取り戻した。

 

初「私……っ。」

 

泣いている純を見た初はCHARMを落とし、純と向き合った。

 

初「心配……かけましたわね……!!」

 

純「ぅ…。ぅぅ……!!うぁぁぁんっ!!姉様ぁぁっ…!一緒に生きてくださいませっ…!!誓ったじゃないですか……!!『一緒に世界を護る』と!!!

姉様がいなくなってしまったら私、何のために、何を護ると仰るのぉ…!!」

 

純は泣きながら初に話し、初は純の思いを聞き立ち尽くす。

 

純「姉様……1人にしないで……!!」

 

そう言って純は初の手を握り、再び泣く。

その姿はまるで幼子のようで、初はかつての記憶を思い出し──

 

初「あの頃と、何も変わらないのね……。姉様、姉様と追いかけて来たあの頃と……。」

 

初は純と同じ目線までしゃがみ、泣き続ける純の肩を抑え、目を見て言った。

 

初「ごめんね。お姉ちゃん、あなたを失いたくなかったの。」

 

初はそのまま純を抱きしめ、涙を流す。

 

初「ごめんね…!純…!」

 

純「姉様ぁ…!!」

 

2人の思いに呼応するかのように、共感現象が発動していた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

一方その頃、ロネスネスとヘオロットセインツはギガフロートを討伐すべく、攻撃を仕掛けていた。

 

昴「パワー、スピード、テクニック。どれをとっても湊は完璧ですね。」

 

背中を合わせ、昴は湊を賞賛していた。

 

湊「防衛隊隊長に褒められて光栄よ?」

 

昴「ふっ……いつの話をしてるんですかっ!」

 

昴は嬉しそうに笑い、湊と同時攻撃を仕掛けていた。

別の場所では、桂、薺、椿の3人同時の連携攻撃が行われていた。

 

龍玄「薺、良い調子よ。」

 

薺「この戦いに勝って、皆にいっぱい褒められちゃお!」

 

桂「薺、集中。」

 

薺「集中、集中!」

 

また別の場所では治、紫が攻撃していた。

 

治「紫、その調子だよ!」

 

紫「治様……!お姉ちゃんの分も、頑張らないと!!」

 

また別の場所では、周りを取り巻くヒュージを響と豹馬が片付けていた。

 

スカル「豹馬、あなたやっぱなかなかやるじゃん?」

 

武神鎧武「元イルマ生としての意地があるしな!!

今度スピード勝負でもやるか?」

 

スカル「上等!どっちが速いか、勝負してあげようじゃん!」

 

椛と楪、アンク、響也、映司の5人も連携攻撃で追い詰めていた。

 

楪「椛、さっきは助けてくれてサンキューな!

映司も響也も、アンクもありがとな!」

 

バース「当たり前のことをしたまでだ。」

 

映司「椛姉とゆずさんが無事で良かったよ!!」

 

アンク「別に。俺はこのバカの目を覚まさせるために来ただけだっつーの。」

 

椛「ゆず、皆、今は目の前の敵に集中ですよ。」

 

楪「OK!!」

 

2人「「あぁ!!(うん!!)」」

 

アンク「しゃーねぇな!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

竜と紅の2人は特型ラージを追って市街地へ来ていた。

 

紅「何とか軌道を逸らしてはいるけど……もう時間が……!!」

 

するとそこへ、船田姉妹が合流してきた。

 

初「紅、竜、ここまでありがとう!!」

 

紅「えっ…!!」

 

純「あとは、この船田姉妹にお任せなさい!!」

 

アクセル「ふっ……やっと元の2人に戻ったか。」

 

船田姉妹は共感現象を用いて、特型ラージの動きを見切っていた。

 

紅「消えた…!!」

 

純「大丈夫。動きは既に見切っていますわ!!!」

 

初「……ここですわ。」

 

背後に迫る特型ラージへ初は射撃を放ちダメージを与え、攻撃を受けた特型ラージは再び消える。

それすらも見切り、船田姉妹は特型ラージを斬り伏せ撃破した。

 

アクセル「間一髪……だな。」

 

初「間に合いましたわね。」

 

紅「光壁システムを越えなくて良かった!!」

 

純「船田姉妹がいる限り、犠牲者は出させませんわ。

ね?姉様!」

 

初「えぇ!」

 

紅「共感現象が起これば、その中にいるヒュージの動きを読めるはず……これが本物の……!!」

 

初「紅、私……」

 

紅「完全復帰ね、初!」

 

初「迷惑かけた上に、自分を見失って貴方を……」

 

紅「それは私も同じですわ?

あ〜あ?ルナティックトランサー持ちって大変ね?」

 

初は襲いかかったことを謝罪しようとするも、紅はお互い様だと謝っていた。

 

初「紅……。」

 

紅「純と一緒に戦って、貴方達の共感現象を見て、なんだか吹っ切れましたわ?

……私は、初には敵わない。純の隣ではね!」

 

純「紅……?」

 

紅「でも、自分に合ったパートナーは見つけられるかもしれないわ?目指せ、船田姉妹!

貴方達のおかげで、新たな目標ができましたわ!純、そして初、ありがとう!!

竜も、手伝ってくれてありがとね!」

 

アクセル「共に戦う仲間を、失う訳にはいかないからな。

それに、セインツには花音も星も、ヒロトもいる。いずれパートナーは見つかるはずさ。」

 

純「友人として、当たり前のことをしただけですわ?」

 

初「紅、あの特型ラージ級は、4人で倒したと思っていますわ。あなたに素敵なパートナーが見つかることを、祈っていますわ。」

 

紅「えぇ!!」

 

初と紅はそう言って握手を交わす。

 

アクセル「紅、初。ギガント級がまだ倒せてないと連絡が来た。

行くぞ。」

 

初「急ぎましょう。」

 

純「えぇ。」

 

4人はロネスネスとセインツへ合流すべく、駆け出していった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

その頃、セインツでギガフロートへ攻撃するためのマギスフィアにパス回しをしていた。

 

治「雨が止んだね。」

 

楪「気温も元に戻ったみたいだ。」

 

周「これで、マギの消耗も少しは抑えられる!!」

 

椛「ラストスパート、頑張りましょう!!」

 

そこへ、船田姉妹、紅、竜の4人が合流してきた。

 

純「お待たせしましたわね〜。」

 

梢「純様!」

 

薺「紅様!」

 

響「初、おかえり!」

 

竜「特型ラージ……」

 

紅「討伐完了っ。」

 

オーズ「流石ですね!」

 

武神鎧武「すごい4人組だな。」

 

楪「待ってたよ、ルナトラ三人衆。」

 

椛「紅、ヘオロットセインツにおかえりなさいっ。」

 

紅「ただいまーってね!」

 

竜は翔太郎の元へ赴き、少し話していた。

 

ダブル(翔太郎)「白金、そっちに居たのか。」

 

アクセル「あぁ。少し事情があってな。」

 

ダブル(フィリップ)「その事情は、この戦いが終わってから聞こう。」

 

アクセル「あぁ。そうしてくれ。」

 

純「まぁ皆さん、ヘロヘロですこと〜!」

 

槿「ちょっと!!

純達が帰ってくるまで必死に頑張ったんだからね!!」

 

純「はいはい。」

 

純が話している横で、治は初へマギスフィアを託していた。

 

純「……流石、ロネスネスの司令塔ね。」

 

槿「……どういたしまして///」

 

梢「あ〜〜!!照れてる!!」

 

紫「純様も、ね?」

 

純に駆け寄った燈に対し、純は少し呆れながらも賞賛の言葉を送った。

 

純「貴方も、よくやりましたわ。」

 

燈「んぁ〜〜っ!これからもずーっと、純お姉様について行きますわ〜!!」

 

純「ご自由になされば?」

 

燈「ん〜〜っ!」

 

抱きつく燈を振り払い距離をとる純。

 

純「燈ッ!!」

 

燈「くぅん……。」

 

ダブル(翔太郎)「犬と飼い主かよ。」

 

燈「なんですって?!」

 

翔太郎は燈へ手であっち行けとサインを送る。

 

純「紅はセインツに戻ったのですから、そこのラプラス持ちさんにお任せしますわ。」

 

因「はい!!頑張ります!!!」

 

純「燈はそのサポートをなさい。」

 

燈「サポートぉ!?

……純お姉様がそう仰るなら……。仕方ありませんわね!」

 

初「皆さんのおかげで、マギはほとんど溜まっていますわね。」

 

湊「あとは、貴方達にお願いしても?」

 

初「もちろん。

いいわよね。」

 

純「えぇ。雪姉はまだ戦えますの?」

 

雪「貴方達が帰ってくると思って、力は残してあるわ。」

 

純「お願いしますわ。」

 

廉「あの!!私もいいですか?」

 

椛「えぇ、よろしく。」

 

響鬼「俺もブレイブ持ちだ、手助けするぜ。」

 

楪「じゃ、あとは任せたよ、ルナトラ三人衆。」

 

アクセル「俺も少し、暴れ足りなくてな。助太刀する。」

 

純「皆さ〜ん?下がってくださいませ。」

 

船田姉妹、ヒビキ、廉、雪、竜の6人を残して他のメンバーは一時下がる。

 

因「あと少し、頑張らないと!」

 

雪「廉、大丈夫?」

 

廉「はい、雪様!!」

 

アクセル「ギガフロート……絶望がお前のゴールだ。」

 

燈「行きますわよ〜!!」

 

全員がレアスキルを発動、竜はレアスキルを発動させながらアクセルメモリをドライバーから抜き、強化アダプターを装着する。

 

アクセル!アップグレード!

 

そのままドライバーに装填し、グリップを捻る。

 

ブースター!!

 

アクセル「奴は俺が引きつける。皆はその間にパス回しを。」

 

竜は飛び上がり、ギガフロートの胴体目掛けて飛び上がる。

その間にパス回しをする5人。

 

紅「こんなにも仲間が支えてくれるんですもの、私は1人じゃない!!」

 

因「いっけえー!!」

 

アクセル「フッッ!!」

 

紅目掛けて飛んできた攻撃は直前で竜が弾き飛ばし、竜はそのまま再び飛び上がる。

 

アクセルブ「パス回しの邪魔はさせんっ!!!!」

 

紅「純ッ!!」

 

紅は純へマギスフィアをパスし──

 

純「姉様がいれば、怖いものなんてありませんわ!

姉様ッ!」

 

純は初へパスを回し──

 

初「これまでも、これからも、私達は引き離されたりしませんわ!」

 

パス回しをしている間に、竜はギガフロートへダメージを与えていく。

 

アクセル「フッ!!ハァッ!!!」

 

純「船田姉妹は最強ってこと……」

 

船田姉妹「「思い知るがいいわ!!!」」

 

パスが回り、純へマギスフィアが渡る。

上空で竜はエンジンメモリをエンジンブレードに装填し、エンジンブレードのトリガーを4回押した。

 

アクセル「これで終わりだ。」

 

エレクトリック!スチーム!ジェット!

エンジン!ブースター!マキシマムドライブ!

 

そしてそのままフィニッシュショットが放たれる。

それと同時に、エンジンブレードの刃先に電撃・蒸気・噴炎をドリル状に纏わせて突撃していく。

 

アクセル「絶望がお前の、ゴールだぁぁぁぁッ!!!」

 

フィニッシュショットと同時に放たれたアクセルブースター最強の一撃、『ブーストスラッシャー』を受け、特型ギガント級『ギガフロート』を撃破し、竜は上空から純達のいる地上へ降りてきた。

 

純「特型ギガント級、撃破。」

 

紅「流石船田姉妹ですわね!」

 

初は紅に向けて、賞賛の言葉を送る。

 

初「貴方も、いい動きをしていましたわ。

竜も、トドメの一撃、ありがとう。」

 

竜「ふっ、俺はただやることを果たしただけだ。」

 

紅「純隊長!!お世話になりました!」

 

紅は純に向けてそう言いながら、頭を下げた。

 

純「紅……?」

 

紅「椛隊長!これからまた、よろしくお願いします!」

 

椛「えぇ!」

 

英「めでたしめでたし、だね。」

 

湊「ここは御台場女学校だもの。そう簡単にやられはしませんわ。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

後日、船田姉妹が保健室に向かうと、そこには檀がいた。

 

初「失礼します。

……檀先生…!」

 

檀「あぁ、今日から校医を兼ねることになったの。」

 

初「え、じゃあ倫夜先生は……?」

 

檀「他のガーデンに移ったわ。

今日からは私が、ここ御台場女学校の保健室の先生よ。」

 

初「何も聞いていませんわ…。」

 

檀「急に決まったことだから……。倫夜先生に何か?

あ、もしかしておかしなこと吹き込まれたりした?」

 

初「え?」

 

檀「ほら、倫夜先生って偉い人の言葉を引用したりしてたまに訳分からないでしょ?アハハハッ。」

 

初「いえ、倫夜先生には感謝しがありません。ここまで元通りにしてくださって。

正直、怪我をしていた時の記憶があまりなくて。」

 

檀「記憶が無いの……。流石ね。」

 

そんな話をしていると、紅と竜が扉の近くに背中を寄りかからせながら立っていた。

 

紅「あ、先生!」

 

檀「あら、紅さん!」

 

紅「純、初!」

 

檀「倫夜先生に会いに来たんですって。もういないんだけど。」

 

紅「檀先生、お世話になりました!

先生のおかげで、元通り戦えるようになりましたわ!」

 

檀「良かったわ。」

 

紅「純とずっと戦うことは出来ないけど……。」

 

純「紅…。」

 

紅「確かに、純と一緒に戦いやすい。でも初と純のような共感現象を起こすことは純とでは多分ずっと叶わない。ふふっ、他探すわっ。」

 

純「強化リリィの方がいいかもしれませんわね。」

 

竜「だが、ルナティックトランサー持ちの強化リリィなどそういないぞ?

ここだと花音や紅くらいじゃないのか?」

 

初「あら?確かエレンスゲ女学園のちっちゃい子……ほら、『きいたん』とか言ってた…」

 

純「姉様!!」

 

竜「『佐々木藍』……だったか。

そうか、あの子も強化リリィで、ルナティックトランサー持ちか。

だが、あの子と紅とでは、戦闘スタイルが違うんじゃないか?」

 

紅「そうだ、燈は!?強化リリィだし、ラプラス持ちだし!」

 

檀「相性はいいかもしれないわねっ。」

 

純「先生っ。

そしたらまたロネスネスが1人欠けてしまいますわ。」

 

初「大事なレギオンメンバーですものね。」

 

純「えっ、えぇ…。」

 

紅「あら?初と純からそんな言葉が出るなんて。ふふっ。」

 

純「どういう意味〜??」

 

紅「いいえ?燈が喜ぶな〜と思って。

直接言ってあげればいいのに。」

 

檀「でも、ヘオロットセインツは人数足りているんですもの。紅さんがロネスネスに入るのも悪くないんじゃないの?」

 

竜「まぁ、ありだとは思うが。」

 

純「どう思います?姉様っ。」

 

初「もぅ、意地悪ですわね。」

 

紅「ふふっ、私はもう2人の邪魔はしませんわ。

それに、セインツは私にとって、大切な場所です。」

 

檀「そうね。先生、これからも貴方が安心して力を発揮出来るように、サポートするわねっ。」

 

紅「ありがとうございます!」

 

檀「2人も、いつでも保健室に来てね。

竜くんも……ね?」

 

竜「えぇ、タイミングがあれば、ですがね。」

 

そのまま3人は保健室を後にし、竜は扉の向こうへと身を隠す。

 

その頃、何かを手に御台場女学校を出ていく倫夜を、燈と響が追いかけていた。

 

倫夜「あら、燈さん、響さんも。」

 

燈「御台場での用は済んだってこと?」

 

倫夜「ひとまずね。」

 

響「……竜から少し聞きました。

先日の戦闘の際、初の暴走を引き起こしたのは倫夜先生だと。」

 

倫夜「あら、流石御台場が誇る探偵さん。仕事が早いわね。

……でも、人聞きが悪いわ?私はただ、初さんに助言をしただけ。私はそれだけしかしてないわ?」

 

燈「今回の実験でも異常気象が起こった。

……やっぱり先生は、『原初の開闢』を目指しているんですわね。」

 

倫夜「さぁ?

……原初の開闢を起こし、負の連鎖を断ち切る。って言うのは、どの研究者も考えている事よ。」

 

響「……倫夜先生はそれを、リリィの力を使って引き起こそうとしている。

もし仮に、それが新たな戦いの火種になるとしたら、どうするんですか。」

 

倫夜「人間の感情や記憶の為す力は、ヒュージには無い物よ。

ヒュージの力など一つも借りない純粋なリリィによってこの世界は救われる。そう信じているわ。」

 

燈「純粋なリリィ?」

 

倫夜「船田姉妹は、純粋な異能持ち!素晴らしいわ!!」

 

響「……前の治の暴走も、今回の初の暴走も、全部先生が仕組んだって事ですか!!」

 

倫夜「えぇ?そうよ。」

 

響「それで、あの異常気象が巻き起こった……。

……先生は敵なんですか?それとも味方?」

 

倫夜「さぁ?どちらでしょう。」

 

倫夜はそっと響の肩に手を置きそのまま歩き出す。

 

燈「純お姉様には手を出させませんわよ。

……何度来ても。」

 

倫夜「……しばらくここには来ないわ。

私の実験は、限りなく成功に近かった。だけど……もう少し研究が必要だわ。ヒュージ細胞を持つ紛い物の貴方には、関係の無い話よ。

……じゃあ、お元気で。」

 

響「それなら、どうして紅を……?」

 

倫夜「紅さんも紛い物。私は興味ないわ。」

 

燈「じゃあ……」

 

倫夜「これからは、貴方自身も気をつけた方がいいかもしれないわね。」

 

燈「稲葉檀は貴方が連れてきたんですの?」

 

倫夜「いいえ。

あの人は、昔はライバルって言われていたけど、鞍馬での実験が評価されず、今はG.E.H.E.N.A.の駒でしかないわ。そもそも私とはやり方が合わないの。一緒にいる気はないわ。」

 

燈「……やっぱり、鞍馬にいたんですわね。」

 

倫夜「覚えてないのも無理はないけど……。」

 

倫夜は燈の背後に立ち、こう言った。

 

倫夜「貴方が一度、殺した女よ。」

 

燈「……!?」

 

そのまま倫夜は去っていった。

 

燈「一度……殺した……?」

 

響「えっ……?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

楪「どうした?話があるって。」

 

紅「この度は、紅のためにお集まり頂き……」

 

治「ちょっと、ちょっと、紅!?」

 

紅「これまで、本当にごめんなさい!!」

 

そう言って、紅は頭を下げた。

 

紅「すごく心配をかけて、たくさん…迷惑をかけてしまいましたわ……。」

 

椛「それでも、セインツに戻ってきたんでしょ?」

 

紅「だって……。紅がいないと、みんな調子狂っちゃうでしょ?」

 

イブキ「あなたねぇ……。」

 

椛「そうねっ。」

 

楪「うっわ〜!椛優しい〜!」

 

椛「戻ってきてくれて嬉しいもの。」

 

紅「でしょ〜?これからもセインツは、紅が引っ張っていきますわ!!」

 

豹馬「どの口が言ってんだよ、どの口が!」

 

そう笑いながら、豹馬は紅を小突く。

 

治「元の紅に戻ったね!」

 

因「ほんとに良かったです!」

 

そう言いながら、治の右肩を叩く因。

 

治「いった…!?」

 

睦「治様、大丈夫ですか?」

 

薺「因ちゃん、待ってたもんね!」

 

央「おかげでラプラスの精度も上がったんじゃない!?」

 

因「上がった上がった!えっへん!」

 

周「皆、今回の一件で成長したよね。」

 

桂「一時はそのままロネスネスに行ってしまわれるのではないかと、肝を冷やしましたよ。」

 

紅「ないないない!」

 

楪「やっぱりさぁ、純と合うやつなんて居ないよね〜?」

 

と言っている後ろに、船田姉妹がやってきていた。

 

初「難しい方ですからね。」

 

映司「あっ……。」

 

楪「そうそう。あんなのずっと隣にいたら疲れて戦闘どころじゃねぇよ。」

 

純「はぁぁぁぁぁぁ?」

 

楪「純!?」

 

驚いて、楪はそのまま椛の元へ駆け寄っていく。

 

純「『セインツのためにお願いします』って言ってきたのはどこのおチビさんだったかしら?」

 

楪「椛わかってたなら教えてよ…!!」

 

椛「ふふっ、ごめんなさいっ。」

 

楪「なんでいんだよ…。」

 

初「お礼を言いに来たんですわ。」

 

楪「お礼?」

 

初「私が不在の間、紅がロネスネスの穴を埋めてくれて助かりましたわ。

……セインツの皆さん、ありがとうございました。」

 

そう言って頭を下げる初とロネスネスメンバー。

 

椛「こちらこそ、ありがとうございました。」

 

初「そして、私の不甲斐なさから、紅を危険に晒してしまったこと、反省していますわ。」

 

純「姉様、それは私が──」

 

初「ですが、もうこのようなことはございません。」

 

椛「えぇ。」

 

楪「んで?」

 

初「で…?」

 

楪「お礼も謝罪も、隊長からってのが普通じゃないかな〜?」

 

純「はぁぁぁぁ?」

 

楪「だってこっちは隊長の椛がしてんだから。」

 

椛「それを言うなら、あなたは副隊長なんだから──」

 

純「椛!」

 

いつの間にか純が椛の後ろにおり──

 

椛「はい……?」

 

純「色々と、ありがとう。

迷惑かけましたわね。」

 

椛「純…。」

 

楪「wwww」

 

純「今のは椛に言ったんですのよ!隊長の椛に!!」

 

そう言って純は椛の後ろで笑う楪を突き飛ばす。

 

椛「えぇ。あなたの気持ち、しっかりと受け取りましたわ。」

 

楪「へぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜????」

 

椛「ゆず。

あんまりしつこいと、大人気ないですわよ?」

 

楪「えっ?なんで私が怒られるの!?」

 

映司「今のはゆずさんが悪いよ。」

 

純「副隊長さんはいっつも、大人気なくて困っちゃいますわ〜〜???」

 

楪「それを言うなら!!!」

 

純「あぁ?」

 

楪「……なんで私が悪いみたいになってんの〜〜!!」

 

治「隊長達には叶わないね、ゆず。」

 

楪「ん〜〜!なんでだよぉ〜!」

 

湊「楽しそうですね、皆さん。」

 

そんな話をしていると、湊と英が入ってくる。

 

豹馬「おぉ、湊、英。」

 

英「いましたね、セインツとロネスネスの隊長さん。」

 

ヒビキ「コーストガードが来たってことは、またケイブか?」

 

湊「いえ、伝えておきたいことがありまして。」

 

桂「伝えておきたいこと…?」

 

湊「ケイブの頻発に加え、特型の相次ぐ出現。ここ御台場女学校が実験対象になってしまっていることは否定できません。」

 

椛「えぇ。」

 

純「そうみたいですわね。」

 

湊「ですが御台場には、コーストガード。」

 

椛「ヘオロットセインツ。」

 

純「ロネスネス。」

 

湊「この3隊がいます。」

 

蛍「御台場は強い!」

 

翔太郎「だな。」

 

湊「3隊協力して、この危機を乗り越えましょう。」

 

一同「「えぇ。」」

 

椛「行きましょう。」

 

セインツ「「「はい!!(あぁ!!)」」」

 

純「行きますわよ!!」

 

ロネスネス「「「はい!(あぁ!!)」」」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

檀「アハッ……アハハハハッ!!

やーーっと邪魔者が去ったわ……うふっ……。今日からここ御台場は……私の実験場……アハハハッ!!

……あの女天狗のせいで止まったままの研究も…また再開できるわ〜!!アハハハッ!!!楽しみだわ。」

 

狂気に満ちた笑いをする檀のはるか後方で、忍は1人呟いた。

 

忍「こいつもまた、監視対象だな………。」

 

そう言って、鍔をかえしていった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ケイブ発生のアラートが鳴り響く。

 

純「ここ御台場は、私達が守りますわ!!」

 

椛「ガーデン全てのリリィを信じて。」

 

湊「東京地区最強ガーデンの名に恥じぬ戦いを。」

 

初「行きましょう、純。」

 

純「えぇ、姉様!!」

 

The Empathy Phenomenon-編完結───

 




そして物語は、The Paradise Lost編、ラスバレへと続いていく───
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。