CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE 作:wataru012
「今回は『コアアサルト』…またもや初耳なルールですが、
今度はそれらしいものがステージにあるおかげで
どのようなルールかは推測できますね」
「だねー」
リージョンカップも準決勝に進み、またもや泰葉達にとって
初めてとなるルール「コアアサルト」での戦いとなったが
フィールドに配置されている巨大な球状の物体の存在によって
ルールが推測出来た為過度に緊張せず落ち着いていた。
「『DEFEND TARGET』とありますが、この球状の物体を
破壊されないようにするのが目的という事でしょうか?」
「まぁそうなんだが、基本的には相手チーム機への
攻撃に専念してれば問題はない。但し、他のルールよりも
誰か1人で良いから生き残り続ける事が重要になって来るがな」
「それはどういう…」
「話の途中で済まないが、相手チームが来たようだ」
「だね、こっちでも確認出来てる」
「ま、やりながらになるが話してくから何とか聞いてくれ」
モニター上部に表示されたゲージに添えられた一文を見て、
そこからこのルールで必要な行動を予測しカドマツに尋ねる泰葉。
それへの返答にさらに言葉を続けようとした所で、モニターに
表示された相手チーム襲来のサインを確認したロボ太が声を上げる。
泉からもそれを確認した旨が告げられ、それに続く形で
カドマツが発言するとほぼ同時に相手チームの機体が現れた。
「黒い三連星専用ザクやドムのカラーリングのゲルググ改修機…
『黒い三連星専用ゲルググ』というテーマで揃えたようっスね」
「オーソドックスなゲルググタイプだけじゃなくてバックパックが
キャノン仕様で格闘武器が『ヒート・サーベル』のやつと、Ez-8の
パラシュートを背負った『大型ヒート・ホーク』持ちといった感じに
それぞれの特色が出てるね…あと腕がゲルググJだったり、
脚に『ミサイルポッド』や『シュツルムファウスト』を
増設してたりとか細かい所までしっかり手が入れられてるね」
「詳しい所まではわかりませんが、強い拘りが込められたものだと
いう事は理解出来ました…とはいえ、勝負である以上容赦はしません」
「うむ、迎え撃つぞ!」
現れた相手チームの機体を観察しての比奈の感想に続き、
ミサがパーツを詳しく確認しての各機の特色を述べる。
それを聞いた泰葉は詳細までは理解出来ずとも込められた
拘りは感じ取ったが戦う以上は手を抜かないと発言すると
ロボ太もそれに応えるように迎撃態勢を取った。
そうして始まったバトルでは、相手チームはコアへの攻撃を
メインにしつつ取り付かれた時には迎撃するというスタイルで
戦っており…ダメージ量は低いもののコア耐久力は削られていった。
「少しづつながらコアゲージが削られてますが…本当に良いんでしょうか」
「ああ、チーム全機の耐久力が0になってバリアが解除されない限りは
コアが攻撃されても受けるダメージは微々たるもんだ…しっかりと
攻撃力が強化された機体ならコアゲージが0になるより相手の機体が
先に落ちるだろうから、気にせず相手を攻撃し続けてくれ」
「わかりました、ですがメイン射撃武器もオプションもリチャージ中なので…
ここは1度、設置されている砲台を使ってみようかと思います」
コアゲージが削られている事がどうしても気になってしまい
カドマツに尋ねる泰葉だが、カドマツから返されたコアアサルトの
仕様の説明を聞いて相手チームへの攻撃を継続する。しかしながら
メイン・オプション共に射撃武器がリチャージ中となっていた泰葉は
フィールドに設置されている「スキウレ」を試してみようと近付き乗り込む。
「ロックは出来ませんし一方的に殴られていますが…そこっ!」
乗り込んではみたもののロックオンが出来ず、相手チームが
好機とばかりに寄って来てメッタ撃ちにされるも
何とか寄って来た相手チームの1機に照射ビームを浴びせる。
その威力自体は高く狙った機体の耐久力を大きく削り
パーツアウトも誘発したものの射撃後のリロード中に
さらに攻撃された事で「スキウレ」が破壊される結果となった。
「威力はありますが使いにくいですね…とはいえこの間に射撃武器や
オプションのリチャージは済みました、攻撃を再開しましょう」
そう零しながら泰葉は「ファンネル」を再度展開してからの
射撃攻撃やEXアクションとの同時攻撃を仕掛け、ミサやロボ太とも
息を合わせて攻撃を続けた結果無事に相手チームを撃破する。
「よし、次はフィールドを移動してこっちが攻撃側になる…
相手を全機落とした上でコアを攻撃してくれ」
「わかりました」
「了解!」
「心得た!」
~~~~~
フィールドが切り替わり、コアを背にした先程の状態とは真逆となる
コアと向き合う形で現れる泰葉達。それから少し遅れて、相手チームも
フィールドに降り立ち彩渡商店街チームが攻撃側の第2ラウンドが開始された。
「まずは相手チームを全機落とす…ですね?」
「ああ、その後にコアを攻撃してくれ」
「よーし、行くよ2人とも!」
「うむ、いざ参る!」
泰葉が確認の意味を込めてカドマツに尋ねると、
カドマツのその質問への肯定の意の返事に続いて
ミサとロボ太の気合に満ちた声が響き…それを合図代わりに
攻撃が開始される。そこからチームの定番戦術となった
「高火力機最優先撃破」に従いキャノンバックパック機を
最初に、続けてベーシックなゲルググと続けて落とし
最後に残ったパラシュートパック装備機が「狂化」を発動するも
頭数に加えて攻撃の手数も圧倒的と言える差を持った
泰葉達の集中攻撃の前にあえなく沈み、コアのバリアが解除される。
「なるほど、こうしてバリアが解除されるんですね」
「そういうこった」
その様子を観察した泉の感想にカドマツが返事をする傍らで、
泰葉達は無防備となったコア目掛けて一斉に攻撃を仕掛ける。
「確かにコア耐久力の減る速度が段違いですね」
「手数の多さと威力の高さもあるからねー」
「土台部分への格闘攻撃でもダメージが入っているのは
高く飛べず遠距離攻撃に乏しい私にとって有難いな」
コア耐久力の減少速度の著しさや土台部分への攻撃でも
ダメージが入る事等を話しながら攻撃を続けていると、
残り耐久力が半分となった所でバリアが再び展開される。
「ありゃ、1度全滅させれば終わりじゃないの?」
「ああ、基本的にはコアへの一定ダメージ毎にバリアの再展開から
防衛側チームの復帰が挟まれる。このルールによる復帰は
『狂化』使用可能に設定してるアセンブルシステムでも行われるぞ」
「なるほど、そういう事なら再度落としに行かねばな」
「そうですね…あれ?」
バリア再展開を見てのミサの発言に対し、カドマツがルールの
さらなる説明を行うとそれを聞いたロボ太と泰葉は復帰した
相手チームに目線を向ける…だがその視線の先に見えた
相手チームの機体数は「4機」と、明らかに増えていた。
「ちょ!? 相手チーム増えてないっスか!?」
「え、どういうこと!? 何が起こってるの?」
「あー落ち着け、あれもコアアサルトルールの時に
防衛側が全機落とされた後の復帰時に設定されてる増援だ。
防衛側から1機が選ばれて、CPUがその選ばれた機体の
コピーデータを使って防衛側に加わるんだよ」
「…ああ、確かに4機目は肩に『06』のマーキングをした
パラシュートを背負った機体そっくりそのままだな」
突如相手チーム機が増えた事に比奈は驚愕し、
ミサも慌てた様子で声を上げる。カドマツは
そんな2人を落ち着かせるように声をかけると、
その「増援」が現れた理由と機体選出や操作方法に
ついて説明し…画面を観察していた晶葉が、
「4機目」の正体を確認し泰葉達に伝える。
「他のルールじゃそんなの聞いた事ないけど…」
「ま、一方的に蹂躙されるんじゃ実際にやられる側も
運営もたまったもんじゃないと思って投入されたんだろうな」
「だが、通常CPU機と同等の強さと言うのであれば
経験を積んだ我々の敵ではない…迎え撃つぞ!」
「だね!」
「はい!」
カドマツからの説明を聞いた上でさらに疑問を投げかけた
ミサに対し、自分が考えた予測を回答として告げる。
そこから続く形でロボ太が通常敵機の操作を行っている
CPUが制御しているのならば怖い相手ではないと判断し
迎撃の意気込みを口にし、泰葉達もそれに応えて
迎撃態勢に移る。その言葉通りCPU機が1機増えた程度では
泰葉達の勢いは止まらず、ゲージが貯まっていた事で「覚醒」も
惜しまず投じた結果危なげなくCPU増援もろとも相手チームを
再度全機撃破し再びバリアが解除されたコアに攻撃していく。
「まだ『覚醒』が続いていますし、せっかくなので
コア目掛けてバーストアクションを撃ち込んでみますね」
「オッケー、一気にコア破壊と言っちゃおうか!」
「主殿、頼んだぞ!」
「覚醒」の残り時間を余裕を持って残した状態で相手チームを
全機撃破した事もあり、泰葉はコア目掛けて「フルバースト」を
発動させ一気にコア耐久力を大きく削り取る。それに加えての
ミサとロボ太の攻撃の積み重ねもあってコアは完全に破壊され、
彩渡商店街チームは決勝進出を決める結果となった。
~~~~~
『本日、全国20会場で同時開催中のリージョンカップですが…
横浜の関東第2大会を除く全大会で優勝チームが決まりました!
優勝チームの皆さんおめでとうございます! 惜しくも敗れた
チームの皆さんは来年の雪辱を目指して頑張りましょう!
…さて、予定より早いペースで進行した為に各地の会場の
利用時間がまだ余っているという状況。それに、参加チームの
皆さんや観客の皆さんもこの後の予定にはまだ時間があって
どうしようかと困っている方も多いと思われます! そこで、
突発的ではありますがこれから行われる関東第2大会の決勝戦の
様子を他大会会場全てにライブ中継する事になりました!』
「うおお、私達の決勝での戦いが全国に流されるとは…」
「確かに予想外ですが、どれだけの人に見られたとしても
私達のやる事は変わりません…普段通りに行きましょう」
「…だね、緊張しないと言ったら嘘になるけど…それ以上に
勝ちたいって思ってるから、全力でぶつかってくよ!」
泰葉達の準決勝終了後、オーロラビジョンに写るMCから告げられる
これから行われる決勝戦が全国のリージョンカップ会場に
ライブ中継されるという予想外の事態にミサは思わず動揺するも
泰葉が声をかけてくれた事で自分の中に生じている緊張以上の
「勝ちたい」気持ちを再認識し…それを現実とする為に気合を入れ直す。
『関東第2大会決勝戦ライブ中継は、私による実況に加えて
『世界初のプロガンプラファイター』ミスターガンプラによる
解説が行われます! それではミスター、よろしくお願いします!』
『ハッハッハ! よろしくぅ!』
それから続くMCの発言後、そこで紹介された解説役である…
アフロヘアーにサングラス、赤いアロハシャツといった
インパクトの強い外見の男性が笑い声と共に現れた。
「おおー! ミスターガンプラまで来るとはこれは嬉しいサプライズだよ!
…あー、そりゃあロボ太は知らないよねぇ」
その男性の登場に、先程までの緊張から一転して
テンション高く喜びの込められた驚きの声を上げるミサ。
そんな様子のミサを見て首をかしげるような動きを見せた
ロボ太に対し、ミサは仕方ないといった様子で言葉を返す。
「あー…すみません、私も初めて知った身でして…」
「ガンプラバトルに関する情報を仕入れてく過程で、
名前だけは何度か目にしてはいたっスけど…」
「私や泉は泰葉達よりもさらにガンプラバトルに
関わるのが遅かったからな…すまんが、全く知らん」
「私も皆に同じく…ですね」
「あー…そうだ、泰葉ちゃん達はガンプラバトルを知って
まだ長くてもせいぜい2か月ぐらいだったもんね…
そりゃあ知らないのも無理はないよね」
ミサの言葉に反応する形で、泰葉達もミスターの事を
ほとんど知らないと言うと…ミサは泰葉達がガンプラバトルを
始めてまだあまり時間が経ってない事を再認識して発言する。
「MCさんの紹介通り、世界初のプロのガンプラファイターだった人なんだ。
世界各国の大会に参加してその全部で優勝しちゃうレベルの腕前で、
8年前に現役を引退して今は解説やイベントの司会をやってるんだよ」
「ほほぅ、eスポーツの日本人プロプレイヤーの先駆者的な感じっスかね」
「そんな所だね、eスポーツという言葉自体はその前からあったけど
ミスターの強さとガンダムのネームバリューが重なった事で
実質的な先駆者と言っても過言じゃない立場になったって感じだね」
それを受けて、ミサがMCの紹介に付け加える形でミスターがどのような
人物かを語ると比奈がガンプラバトルに類似している部分のある
別の事柄に例えての認識を口にし…ミサも概ね同意していた。
『ミスター、今シーズンのリージョンカップを
ご覧になってどんな印象を受けましたか?』
『そうだねぇ…どのファイターのガンプラも素晴らしくて、
機体性能は私の現役時代とは比べ物にならない高さだ。けど…』
『けど?』
『ファイター達そのものは、大きくは変わってはいない印象だね』
『ガンプラの機体性能は大きく上がったが、ファイター自身の
腕前はそれほど上がっていない…という事でしょうか?』
『ん、ああいや…ファイター達は良い意味で昔と変わらずに
ガンプラバトルを楽しんでいるな、と言いたかったのだよ』
『なるほど、時代は進んでもガンプラバトルを楽しむ気持ちに
変わりはない…と言いたかったのですね!』
『うむ、素晴らしいコメント感謝するよ…今度食事でもどうかな?』
『それでは、間もなく行われる関東第2大会決勝戦を皆さんお楽しみに!』
「………」
「泰葉ちゃん、どうしたの?」
「あ、いえ…大した事ではありませんので」
「ミスターさんの最後の言葉が若干セクハラとも
受け取れる事が不快だった、ってとこっスかね?」
「…まぁ、そんな所です」
オーロラビジョンを眺めていた泰葉が困ったような
表情で思案している様子を見て、ミサが声を掛ける。
その言葉に対して若干取り繕うような返答を行うと
比奈が推測した理由を聞かされ、それに同意するような
返答こそしたものの実際には別の理由も混じっていた。
(最後の一言が若干セクハラ気味と感じたのは事実ですが、
それ以上にあの発言には余りにも取って付けた感がありましたし…
その前の「ガンプラの進化とファイターの変化」の話題の時の
発言でも反感を買いかねない言い方をしてたのが気になりますね)
「おう、そろそろ決勝始まるぞ」
ミスターの発言を聞いて生じた疑問について泰葉が思案していると、
カドマツがチーム全員に決勝戦が間もなく始まる事を告げる。
「あ…はい、ありがとうございます」
「…相手チームは、やっぱりあそこかカドマツさん?」
「ああ、あいつはエンジニアとしてもビルダーとしても
腕は確かだからあのチームは相当な強さを持ち合わせてる。
…とはいえ、出して来るガンプラの傾向が読み易いのが救いだな」
「そうなんですか…」
「それじゃあ、どんなガンプラが出て来るか分かるの?」
「ああ、断言は出来ないがおそらくは…」
カドマツの言葉に泰葉が返事をした後に、
晶葉が相手チームについて尋ねる。それを受けて
カドマツはその「相手チーム」の強さと同時に
こちら側の付け入る隙となりうる箇所について話し
泰葉とミサの反応に対して自分の予測を返す。
「…それが現実のものになれば、私とミサさんの
機体にとっては相性の良い相手とも言えますね」
「そうなったらロボ太にはちょっと辛い相手になるけど…
その分私達が頑張って勝ってみせようね、泰葉ちゃん」
「はい、もちろんです」
『間もなくリージョンカップ関東第2大会決勝戦を開始します、
決勝進出チームのファイターはポッドに入り準備を行って下さい』
「いよいよっスね…」
「言われずともそのつもりだろうが、皆頑張ってくれ」
「私達も全力でサポートしますから」
「ありがとうございます…では、行きましょう」
「うん!」
カドマツの予測を聞いて、それが実際に起こったならば
泰葉とミサの機体にとっては相性が良い形となる事を
互いに話すと同時にロボ太にとって辛い相手になる事も
認識し…その分自分達が頑張る事で勝とうと2人は決意する。
その直後に決勝開始寸前にアナウンスが会場に響き、
比奈・晶葉・泉からの言葉を背に泰葉達はポッドに入っていった。
P:さて、15話無事投稿出来ましたが前回の予告とは裏腹に
今回も会話シーンの比重が大きくなってしまった事をお詫びします
比奈:まぁ、今回はガンブレ3側の新しいネームドキャラが出て来た事で
アタシ達アイドル勢のその人に対するリアクションも書いた為に
どうしても比率が高くなっちゃうってのはわかりまスので…
それはそうとミスターさんに対する不快感というより疑問を
泰葉ちゃんに抱かせたのはどういう考えからっスかね?
P:ミサからミスターの経歴について簡単ながら聞いた事で、
司会・解説担当に変わってからの年数がそれなりにあると
推測した上で泰葉自身の芸歴の長さ故にそれなりの年数を
重ねた可能性が高いにも関わらずトークに拙い部分が
あった事が引っかかるんじゃないかなーと思ったものでな
比奈:なるほど…さて次回はリージョンカップ決勝、今度こそ
バトルに関する描写に対して期待しても良いっスかね?
P:どこまで応えられるかは断言出来ないが…相手耐久力を0にした後の
ムービーシーンを元に自分なりに「盛った」場面を書きたいと
思ってるので、それを中心にボリュームを出したいと思ってる…
最後になりますが、次話も楽しみに待って頂ければ幸いです