CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE   作:wataru012

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リージョンカップ決勝・雪山のモビルアーマー

「今回も私達が先んじる形になりましたね」

 

「だねー、とはいえCPU機が湧かない以上

 相手チームもすぐに来るだろうけどね」

 

「…どうやら、その通りのようだ」

 

「相手チームのログインを確認…え!?

 何これ、初めて見る反応なんだけど…!」

 

「ちょっと見せてくれ…こいつぁ、予想の範疇では

 あるが嬢ちゃん達には初めての相手になる代物か…

 気を付けろ、これまで以上のデカブツが来るぞ!」

 

「え、どういうこと!?」

 

「!? これは!?」

 

「何という代物だ…!」

 

リージョンカップ関東第2大会決勝戦。

その舞台となる雪原に先んじて降り立った泰葉達が

ミサ達と会話をしている間に相手チームもログインし、

泉が相手チームの構成を確認しようとした所

初見となる反応が現れた事に困惑の声を上げ…

それを聞いたカドマツが確認すると、自分の予測の

範囲内ではあるが泰葉達にとっては初めて対峙する

相手となるものであると判断しとっさに警告する。

ミサがそれに驚きの反応を示すとほぼ同時に、

相手チームの機体が姿を現し…それを目の当たりにした

泰葉とロボ太は驚きの声を上げながらそれを見据える。

 

「アプサラスⅡとは、これまたフィールドに

 ピッタリな代物を出して来たっスねぇ…」

 

「通常MSでもMGを積極的に使ったり背が高くなるようにミキシングしたり、

 PGを出す事も他チームより多かったが…ついにMAまで来たか」

 

現れた相手チーム機を見て比奈とカドマツが感想を口にした直後、

相手チームのエンジニアであるモチヅキとアプサラスⅡを操る

ファイターであるウルチの会話が泰葉達の耳にも届く。

 

「負けんじゃねーぞ、ウルチ!」

 

「姐さんの作る機体の出来は信じてますから、

 あたしの腕も信じて下さいっすよ」

 

「これがモビルアーマー…PGとはまた違った迫力ですね」

 

「とはいえカドマツの予想が当たった事で、私や泰葉ちゃんの

 機体にとっては相手しやすいのが幸いだね…その分ロボ太には

 辛い相手だけど、上手い事攻撃を掻い潜ってもらえるかな?」

 

「承知した!」

 

3人の会話が終わったのを合図代わりにアプサラスⅡからの

攻撃も始まり、戦いの火ぶたが切って落とされる事となる。

 

『さぁ、いよいよ始まりましたリージョンカップ関東第2大会決勝戦!

 アイドルとロボットがチームメンバーという事で注目される

 彩渡商店街チームと対峙する事となった佐成メカニクスチーム、

 何とモビルアーマーを投入して来ました! 機体の大きさのみならず

 火力面でも圧倒的と言える相手を前に、彩渡商店街チームは

 どのように対抗していくのでしょうか!? ミスター、解説をお願いします!』

 

『了解! モビルアーマーは高めの耐久力に加えて高い威力の攻撃手段を

 多数持てる事が多いが、その代わりに回避面に難がある事もまた多い…

 通常機体で対抗する際は機動力を活かすのが定石と言えるね!』

 

『なるほど!』

 

MCとミスターがそう会話を交わした直後に、アプサラスⅡの腹部から

通常機体のEXアクションどころかバーストアクションさえも

上回る太さのビームが照射される。泰葉達は無事に回避したが、

その様子を見た比奈・晶葉・泉は驚きの声を上げていた。

 

「実際に目にすると迫力が段違いっスねぇ…」

 

「一目で喰らったらタダじゃ済まないとわかってしまうな…」

 

「バリアがあったとしても良くて気休め、最悪無意味な可能性があるね…」

 

その驚きの声を見計らったかのように、モチヅキからの自信満々な声が響く。

 

「どうだカドマツ! ウチの機体の凄さは!」

 

「相変わらずだなぁ…デカけりゃ良いとは限らないってのによ」

 

「デカいからこそ一撃必殺級の威力の武器を沢山詰めるんだぞ!」

 

「『当たらなければどうという事はない』ってガンダム作中でも言われてんだぞ?」

 

「だからこそどれか1つが1発当たれば致命傷になる武器で固めてるんだよ!」

 

「だったら全部避け切りゃ良いだけの事だ!」

 

「見てるだけの身で偉そうに言うなっての!」

 

「すんません姐さん、ちょっと静かにして欲しいっす」

 

「…とはいえ、カドマツさんの言う通りに全ての攻撃を

 回避するつもりで行かないと厳しいのは事実ですね」

 

「だ、だね」

 

カドマツとモチヅキの言い合いにミサとウルチが

ツッコミを入れるが、泰葉はそれを聞きながらも

カドマツの発言を現実にする勢いで行動する必要が

あると感じ取りミサもその発言に同意を示す。

 

~~~~~

 

「攻撃手段は照射だけじゃないっすよ!」

 

「これは威力こそ標準レベルだが、着弾までの時間の短さと

 広範囲への拡散が合わさって回避が難しいな…」

 

「ですが、高威力の攻撃の回避がそこまで難しくないのが

 幸いですね…この威力ならこまめな回復で補えますから」

 

「だったら、こいつはどうっすか!?」

 

アプサラスⅡが移動しながら放たれる拡散ビームの

回避の難しさを零すロボ太に、威力が他の攻撃よりは低い事で

回復を欠かさなければ対応は難しくないと泰葉が返した直後に

ウルチの言葉と共に腹部から照射しながらその場で回転するという

泰葉達の度肝を抜くような予想外の攻撃を繰り出して来た。

 

「わわっ!?」

 

「ミサさんはブーストを吹かして上昇を! ロボ太さんは

 地上を全力で走って何とかビームを掻い潜って下さい!」

 

「う、うん!」

 

「承知した!」

 

回転照射ビームに驚くミサを見て、とっさに泰葉は2人に

指示を出す。それを聞いたロボ太は地上を全速力で走り

姿勢を僅かでも低くする事で照射ビームをギリギリで避け、

泰葉とミサは上昇してアプサラスⅡの上を取った後に

泰葉がオプションの「メガ粒子砲」を照射する事で

高度を維持し回避と攻撃を同時に行う。

 

「なるほど、それじゃあ私も!」

 

それを見たミサも泰葉と同様にビルダーズパーツで

胸部に増設した「メガ粒子砲」の照射を行い、

2機同時照射でダメージが蓄積した影響か回転と

照射が終わるとほぼ同時にアプサラスⅡは動きを止める。

 

「喰らい過ぎた…!?」

 

「今だ! 一気に仕掛けるぞ!」

 

「オッケー!」

 

「了解です!」

 

動きが止まった事へのウルチの驚きの声を聞き、

その様子を見たロボ太の言葉を合図代わりに泰葉達は

一斉にアプサラスⅡに取り付き格闘攻撃を叩き込む。

しばらくして再び動き出したのを見て3人は間合いを取るが…

 

「射撃しか出来ないと思ったら大間違いっすよ!」

 

「なっ…!」

 

ウルチの声と同時に上昇したアプサラスⅡが、回転しながら

泰葉機を標的に定め追尾しながら突進していく様子を

目の当たりにした泰葉は驚きながらもその追跡を振り切ろうと

ブーストを最大に吹かしながら後退や横への移動を試みる。

 

「主殿っ!」

 

「こんのぉ…!」

 

それを見たミサとロボ太が泰葉機目掛けて回転しながら突進する

アプサラスⅡに攻撃を繰り出すが、それらの命中も厭わず

一目散に泰葉機を追いかけ続ける。しかしながら機体性能の

強化もあってギリギリながら自機との衝突前にアプサラスⅡが

動きを止めた様子を見て安堵の気持ちが込められた息を吐き出す。

 

「ふぅ…」

 

「まだまだ!」

 

ウルチが再び声を上げると同時にアプサラスⅡは

再度上昇し、地表に向けてメガ粒子砲を

照射しながら機体をグルグルと回転させていく。

 

「それならもっぺん飛びながら照射で…!」

 

「待て! 飛んでの回避は危険だ、真下に潜り込め!」

 

「ええっ!? う、うわっ!」

 

序盤に行われた回転しながらの照射の時のように

こちらも飛んで上を取っての照射を試みようとするミサに、

晶葉がとっさに警告を出す。それを聞いた直後に照射ビームが

少しづつ上昇していくのを目の当たりにし、驚きの声を上げながら

何とかギリギリで回避して着地しアプサラスⅡの真下に潜り込む。

 

「死角に潜り込めましたね…今のうちに!」

 

「オッケー!」

 

「承知した!」

 

「そう来たなら、こいつで!」

 

泰葉の言葉と共に3人がありったけの攻撃をアプサラスⅡに叩き込む。

それを見たウルチは照射と回転が終わった直後に新たな行動に移る。

 

「機体下部が赤く発光しながら展開…?」

 

「嫌な予感がするっス、全機散開を!」

 

アプサラスⅡの様子の変化を見て疑問の声を上げる泉に続き、

それを見て悪い予感を感じ取りとっさに声を上げる比奈。

その声を聞いて3人がアプサラスⅡの真下から離れると、

その直後に先程まで3人が居た場所目掛けて落下攻撃がされていた。

 

「あっぶなー…」

 

「警告がなければ我々全員潰されていたな」

 

「比奈さん、ありがとうございます」

 

「いえいえ、役に立てたなら幸いっス」

 

「やるっすね…」

 

安堵の言葉と比奈への礼に続き、ウルチも感心した声を

上げながらアプサラスⅡを再び上昇させる。

 

(真下に潜り込んだ時の攻撃でちょうどゲージが貯まりましたし、

 向こうの残り耐久力も後僅か…ここで決めに行きます!)

 

その直後、ゲージが貯まった泰葉が勝負所と見て「覚醒」を発動させる。

 

『あれは…まさか!』

 

『ミスター? どうかしましたか?』

 

その様子を見たミスターが驚きの声を上げ、

MCからの言葉も耳に届いてない様子で画面に釘付けになる。

 

「何すか、あれは!?」

 

「まさか…噂で言われていた『覚醒』って奴か!?

 真偽はともかく放っておくのは明らかにマズい、

 奴に火力を集中させて一気に落とせ!」

 

「言われなくてもっ!」

 

同時にモチヅキとウルチもその様子を目の当たりにし、

驚きながらも真っ先に泰葉を落とそうと判断し

上空から泰葉機目掛けてメガ粒子砲の照射を行う。

 

「はあああぁっ…!」

 

だが、泰葉はそのメガ粒子砲を見事に回避しながら自機を

地面を蹴って飛び上がらせて一気にアプサラスⅡに肉薄すると

両手に持った「GNビームサーベル」で打ち上げるように

斬り付けた後にその勢いのまま上昇を続ける。

 

「くっ…!」

 

そうしてアプサラスⅡの上を取った所で

バーストアクションの「フルバースト」を発動させ

「メガ粒子砲」「ファンネル」「ビーム・ガン」

「バスターライフル」の一斉射撃を叩き込む。

 

「ううっ、ダメージが…!」

 

そのダメージに耐えきれなかったか、アプサラスⅡは

徐々に地面へと落下して行き…「フルバースト」を終えた

泰葉機は両手に再び「GNビームサーベル」を持ち

落下していくアプサラスⅡを追って降下していく。

 

『間違いない…やはり、あの機体の輝きは…!』

 

ミスターが驚嘆の言葉を口にし終えた直後、

地面に落下したアプサラスⅡのコクピット部付近に

泰葉機は2本の「GNビームサーベル」を突き立て…

 

「ごめん、姐さん…負けちまったっす」

 

ウルチのその言葉とほぼ同時にアプサラスⅡの各部から

光が漏れ出し、それを見た泰葉が自機をアプラサスⅡから

飛び退かせた直後に大爆発を起こし消滅した。

 

『き、決まったぁーっ! リージョンカップ最後の戦いとなった

 関東第2大会を制したのは、彩渡商店街チームになりましたっ!』

 

「やったぁー! ありがとう、泰葉ちゃんっ!」

 

「主殿、実に見事な止めであった!」

 

「ありがとうございます、ですが私だけの手柄ではありません…

 皆さんの助力あってこそのこの結果です、こちらこそ感謝します」

 

派手な結末にMCも興奮した様子で彩渡商店街チームの

勝利を告げると、嬉しさを爆発させた様子のミサと

落ち着きながらも称賛の声を上げるロボ太の言葉に対し

泰葉は皆への感謝の言葉を返す。こうして、彩渡商店街チームは

さらに先の戦い…ジャパンカップへの切符を手にしたのであった。




比奈:今回は何とか予告通りにバトル全振りで書けたっスね

P:ああ…自分でも書きたい描写が出来たのとゲーム中での
 アプサラスⅡの攻撃手段をほぼ全て書けたので満足してる

比奈:トドメシーンがゲームでのムービーの「アプサラスⅡ落下→
   覚醒発動→アプサラスⅡに接近後上昇から降下してコクピットに
   突き刺し」から「アプサラスⅡ攻撃→ブーストで回避しつつ接近からの
   上昇斬り付け→フルバースト発動→アプサラスⅡダメージ蓄積で落下→
   それを追って急降下の後にコクピット部に突き刺し」…とは、
   確かに素材を元に盛って派手にした形になりましたね

P:バーストアクションが射撃系だったからこそあの構図にしたんだ、
 仮に格闘系バーストアクションだったら「上昇切り上げの後に体当たり→
 落下による土煙が晴れるとコクピット部に格闘武器が突き立てられる」
 といった構図になってただろうなと思ってる

比奈:なるほど…でもそうなるとバーストアクションの動きに一定の
   速度がないと不自然になりそうっスね、「月光蝶」とかだと
   ゆっくりとした動きになっちゃいまスから

P:だな…さて、今回でリージョンカップの大会そのものは終わりましたが
「リージョンカップ編」の最終話は次回に移します…試合終了後の
 ゲーム内で描かれた各所の動きに加えてこの作品独自の描写も
 追加しますので、バトルはありませんがボリュームは大きくなる予定です…
 楽しみに待って頂ければ幸いです、それでは次の話で
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