CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE   作:wataru012

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突き付けられた挑戦状

優勝を果たし世界大会への切符を得たと同時に

泰葉達当人を含めた誰もが予想出来なかった

衝撃的な結末となったジャパンカップから数日後。

 

ミサから世界大会の招待状が届いたという報告を

受け取った泰葉達「ガンプラバトルプロジェクト」の

メンバーとプロデューサーは五月野模型店を訪れていた。

 

「よっ」

 

「ああ、こんにちはカドマツさん…こうして

 訪れるタイミングが重なるのは珍しいですね」

 

「だな、まぁミサの嬢ちゃんを待たせるのも何だし

 まずはとっとと店の中に入っちまおうか」

 

「そうですね、お邪魔しますミサさん」

 

「いらっしゃい! …って聞こえてたけど確かに

 こうして同じタイミングで来るなんて珍しいね」

 

泰葉達が五月野模型店に辿り着いたタイミングで

カドマツも来ていた事に軽く驚きながらも挨拶を交わし

店内に入るとミサも真っ先に同様の感想を口にする。

 

「そうだね…と、まずは世界大会の招待状を見せてもらえるかな?」

 

「はい!」

 

プロデューサーがミサのその言葉に返事をし、

その流れで招待状を見せて欲しいと伝えると

元気よく返事をして駆け足で自分の部屋に向かい

あっという間の勢いで封筒を手にして戻って来た。

 

「どれどれ…なるほど、準決勝までは軌道エレベーターの搭乗口として

 作られた人工島のメガフロートでバトルが行われて決勝に進出した

 2チームが軌道エレベーターで静止軌道ステーションに移動して

 そこに用意されたシミュレーターを使ってバトルするって事か」

 

「最初から最後までステーションで、って訳じゃないんスね」

 

「まぁまだ安全性に対する議論が続いている状態だからな、

 それを確認する為にまずは少人数で…といった所だろう」

 

「なるほどね」

 

その招待状を目にしたカドマツ・比奈・晶葉・泉が

内容確認や浮かんだ疑問とそうなった予測を口にする中、

プロデューサーは再びミサと向き合い真剣な表情で確認を取る。

 

「答えは予想出来てるけど、念の為の確認で…

 ミサさんは世界大会に出場する、という事で良いかな?」

 

「もっちろん! ジャパンカップがああいう終わり方に

 なっちゃったからこそ世界大会であの光景を

 忘れさせるくらいの活躍をしたいって思ってますから!」

 

「…ありがとうございます、ミサさん」

 

「…それは良かった」

 

プロデューサーからの確認の質問に対し、

力強い声で世界大会への参加を宣言する

ミサの姿に泰葉が感謝の言葉を返した直後…

この場に集まった誰のものでもない声が聞こえて来る。

それを聞いて泰葉達が声のした方向に振り向くと…

泰葉やミサと年齢が近いと思われる金髪碧瞳の青年と

黒髪ロングヘアのクラシカルメイドスタイルの女性が

五月野模型店に入店し泰葉達と向き合う形で立っていた。

 

「あ…すみません、お客さんでしたか?」

 

「すまないが、客という訳じゃない。

 …率直に言うと君達の『商売敵』だね」

 

「商売敵…?」

 

その青年らを来客と受け取ったミサが詫びを口にすると、

青年はミサの予想を否定する返答を行いその返答に

ミサが困惑している横でカドマツは青年に視線を向け…

 

「…タイムズユニバースCEOの『ウィリアム・タイムズ』か」

 

「ええっ!?」

 

「ご名答…ああ、名前が呼ぶのに長いというなら

 僕の事は『ウィル』と呼んでもらって構わないよ」

 

「え!? も、もしかして…」

 

続けて口にされた青年の名前を聞いたミサが驚きの声を

上げる傍らで、青年はカドマツに対し言葉を返す。

その返事の中で伝えられた青年の愛称を聞いて

ミサが驚く中、泰葉は青年を見据えながら思案していた。

 

(その愛称にこの声…もしかして)

 

泰葉からの視線を感じ取ったウィルが、

真剣な表情となって泰葉と向き合い…

少しの沈黙の後、意を決して発言する。

 

「…おそらく君達の予想している通り、

 ジャパンカップのエキシビジョンの時に

 クラッキングの形で乱入したのはこの僕だ。

 …遅くなってしまったが、あの時は済まなかった」

 

泰葉達にとって予想外の事態と言える、

余りにもあっさりとあの時の乱入者だと

白状した事に加え深々と頭を下げるその姿に

どう反応すれば良いのか迷っている間に…

ウィルは再び頭を上げて言葉を続ける。

 

「もちろんこれで許してもらおうなんて

 虫のいい事は思っていない、この謝罪は

 僕自身の気持ちの整理の為のもので…

 そこから続く形で、君達に挑戦したい」

 

「挑戦…ですか?」

 

警戒心は持ち続けながらも、まずは話を聞こうと

ウィルの言葉に対して返答する泰葉。

その様子に、ウィルは安堵した様子で言葉を続けた。

 

「あの時に君が振るった一撃を僕は完全に見切って

 回避したつもりだったが、君の機体が倒れた後に

 モニターを確認したらかすり傷レベルではあったが

 ダメージを受けていた。それに驚いて固まってしまって…」

 

そこまで言うと、ウィルは泰葉を真っ直ぐに

見据えていた視線をミサに移して言葉を続ける。

 

「その様子を目の当たりにした君が僕の機体を押し倒そうと

 背後から突撃して来たが、あと少しでも僕が気付くのが

 遅れたかそっちのコンディションが万全だったなら…

 君の目論見通り、地面に押し倒されてたろう」

 

「…その言い方からすると、そっちの乱入の影響で

 こちらのアセンブルシステムがエラーを起こして

 いた事はそっちも把握していたという事なのか?」

 

「ああ…とは言っても、僕の方はログアウト後に

 クラッキング実行者からの報告で知った形だけどね」

 

ミサへの発言を聞いて、泰葉達のアセンブルシステムの

乱入によって発生したエラーを把握していたかをウィルに

尋ねる晶葉。それへの返答から、ウィルはさらに言葉を続ける。

 

「…アセンブルシステムのエラーを始めとした

 各種の悪条件が重なった上でなお、かすり傷ながら

 攻撃を当てられたり出来る君達の腕前を目の当たりにして

『万全の状態の、全力の君達と戦いたい』という気持ちが

 芽生えてね…僕も世界大会に出場する事にしたんだ」

 

「世界大会って…タイムズユニバースは本社だけじゃなくて

 各国の支社のどれにもガンプラバトルチームはないはずでしょ!?」

 

「それはその通りだが、うちの企業の宇宙開発事業部門が

 静止軌道ステーションと軌道エレベーターへの出資をしていてね…

 そこを利用する形で、世界大会の出場権を確保させてもらった。

 …不正と言われれば全くもってその通りだし、それに対して

 言い訳は一切しない。だが、そうまでしてでも戦いたいと

 思わせる強さだと感じたのに加え…君達の宣伝活動によって

 うちの百貨店の売り上げに影響が出ている事もあって、

 君達をこれ以上放置する訳にも行かなくなったものでね」

 

ウィルからの予想外の言葉に、ミサが驚きの声と共に

反論を口にするもウィルはそれを現実のものにする為の

手立てとその手立てを使おうと決意した理由を返す。

 

「世界大会で、僕が君達のチームとの直接対決で勝利するか

 君達が途中敗北して僕より下の結果に終わった時には

 この商店街の土地全てを買い上げさせてもらう。

 逆に君達のチームが僕との直接対決で勝利するか僕が途中で

 敗北し君達より下の結果に終わったならば、うちの百貨店の

 彩渡駅前店とこの商店街が共存共栄出来るように対等な条件で

 業務提携を結ばせてもらう…という条件で戦ってもらえるかな?」

 

「そ、そんな一方的な…!」

 

「無論首を縦に振れと強制するつもりはない、但し断ると

 言うのならばこの商店街の土地全てを即金で買い上げる為の

 現金は準備してあるから実行に移させてもらうけどね…

 とはいえ土地代だけ渡して追い払うというつもりはない、

 引っ越し先の土地や住居や引っ越しにかかる費用…それに、

 必要であれば商売の為の店舗も個人店舗かうちの企業のいずれかの

 小売グループのテナントのどちらか希望の形で用意はするし土地代も

 相場からいくらか上乗せした額を渡せるだけの現金は準備している」

 

「…本気でこの商店街の土地を手に入れたい、という事なんですね」

 

「ああ、格好の立地故に相場の倍近くの金額を投じたとしても数年あれば

 金額の回収は見込めるからね…さて、この挑戦…受けてもらえるかな?」

 

理由の説明から続けて、ウィルは泰葉達に「挑戦」の条件を告げ

ミサからの反論に対し返事代わりに断った場合の行動の予告を告げる。

その内容に、泰葉はウィルの「本気」を感じての一言を零し…

ウィルはその一言に反応すると泰葉を真正面から見据え返答を促す。

 

「…返答の前に、こちらからも一言良いですか?」

 

「ああ、一言と言わず好きなだけ言ってくれ」

 

「そちらが言われた条件ですが、そちらの勝利の時と比較して

 私達の勝利の時の報酬が若干具体性に欠けていると感じます。

 より具体的にこちらにとって得となる条件を追加してもらえますか?」

 

「ちょ、ちょっと泰葉ちゃん!?」

 

「なるほど…言われてみれば、確かに君の言う通り具体性に欠けてたか。

 …よし、それじゃあ追加条件として『君達が直接対決で勝利するか

 僕より高い順位となった場合、商店街の土地買い上げの為に用意した

 現金全額を商店街への寄付と言う形で渡す』というのはどうかな?

 無論その金の返済要求や使い道に対する説明要求等は一切行わない」

 

それに対して泰葉もウィルを見据えながら、出された条件の中で

具体性に欠けている部分を突く形でさらなる報酬を要求し…

その発言にミサは焦りを見せるも、ウィルは泰葉の言葉に対し

素直に自分の発言の不備を認めた上で追加の報酬を提示する。

 

「…どう、ですか?」

 

「…この挑戦は泰葉ちゃんに対して突き付けられたのものだ、

 だから受けるかどうかは泰葉ちゃんの判断に任せる」

 

「…ありがとうございます、プロデューサーはどうですか?」

 

「こっちもユウイチさんと同意見だ、

 泰葉の思うがままに返答してくれて構わない」

 

「…わかりました、では…その挑戦、受けて立ちます」

 

「…ありがとう、感謝するよ」

 

ウィルからの追加報酬に関する発言を受けて、

泰葉はユウイチに視線を向けこれまでの発言に対しての

反応を促す。その泰葉の一言を受けてユウイチは

「挑戦を突き付けられたのは泰葉なので判断を委ねる」と

返答し、そこからプロデューサーに対し最終確認を行い

それに対する返答を聞くと…泰葉は挑戦を受けるとウィルに告げる。

それを聞いたウィルが安堵した表情で礼を述べた所に…

 

「ウィル坊ちゃまの我儘へのお付き合い、誠に感謝致します。

 正直な所ここまで漕ぎ付けるのにそれ相応の出費を強いられた上

 大分強引な手段も用いたもので…それらが無駄にならず安堵しています」

 

「ドロシー…」

 

「さて、用事は済みましたしここからは私の希望を叶えてもらいますよ」

 

ウィルの隣でここまで口を挟まずにじっとしていたドロシーが、

ここまで漕ぎ付ける為の手立てに対する愚痴を零すと共に

ウィルに対する若干の皮肉混じりの泰葉達への感謝の言葉を告げる。

それに対しウィルは困った顔で抗議の意を込めてドロシーの名を呼ぶが、

ドロシーはそれを意に介さずウィルの手を取って五月野模型店からの

退店を促しつつ自分の希望を叶えるようにと返答代わりに発言する。

 

「わかったわかった…と、慌ただしくなって申し訳ないが

 今日はここで失礼するよ。次はメガフロートで会おう」

 

ウィルはそんなドロシーの行動に苦笑いをしつつも、最後に泰葉達と

向き合うように顔を向け慌ただしく去っていく事を詫びつつ退店していった。

 

~~~~~

 

「…ま、商店街の宣伝の仕事を受けてる身で

 ノーと言ったら商店街が消滅すると言われりゃ

 首を縦に振らざるを得ない…か」

 

「そうですね…事を大きくしてしまって申し訳ないです」

 

「いやいや、そもそも向こうから吹っ掛けて来たんだし

 泰葉ちゃんが罪悪感を持つ必要なんてないよ」

 

「ありがとうございます、ミサさん」

 

「…それはそうと、多分あいつがジャパンカップ後の打ち上げの時に

 ミスターが名前を出した子でもあると思うんだけど…

 その時の話をしなかったのは、確信がなかったから?」

 

「それもありますが…状況がどうあれ彼に『敗北』した状態の

 現状で話しても聞く耳を持ってもらえないと思うので」

 

ウィル達が五月野模型店から退店した後に

カドマツの口からついて出た一言を聞いて、

泰葉が事態を大きくしてしまった事への

詫びを口にする。それを聞いたミサは

泰葉が罪悪感を抱く必要はないと返し…

泰葉はその言葉に対して感謝を告げる。

そこから続けて打ち上げの時のミスターの発言を

伝えなかった理由を尋ねるミサの質問に対し、

泰葉は現状で話しても聞き入れられないという

自分の予測を返答としてミサに伝えた。

 

「予想外の事態が起こったとは言え、世界大会で

 1つでも上の結果を目指す事には変わりない。

 当初の予定通り、ワールドツアーに参加して

 世界大会までの1か月の間腕を磨く事にしよう」

 

「よーし、それじゃあ泰葉ちゃんとロボ太と一緒に…」

 

「あー、すまんがロボ太は世界大会までバトルは出来ないんだわ」

 

「ええっ!?」

 

そこから続く形でプロデューサーが、予定外の事態に

なった事への率直な驚きと共にそれでも当初の予定通りに

「ワールドツアー」に参加すると告げ…それを聞いた

ミサはそこでも3人で頑張ろうと気合を入れるが、

割って入ったカドマツがそれが不可能である事を告げる。

 

「結構な期間連続で稼働し続けてたからな、

 世界大会でトラブって動かなくなるなんて

 事態にならない為のオーバーホールと

 必要に応じての内部パーツの交換…それに加えて

 世界大会用の新ガンプラも作ってもらうもんでな」

 

「なるほどねぇ…そうなるとタウンカップ以来の

 泰葉ちゃんとのタッグチームになるって訳かぁ」

 

「…ああ、ミサさんには申し訳ないが『予定通り』とは

 言ったけど『どのような形でワールドツアーに参加するか』

 という点は当初の想定から変更する形になった」

 

「どういう事ですか?」

 

ミサの驚きへの返答としてカドマツがそうなった理由を告げると、

ミサは納得した様子で久々の2人でのバトルになる事を口にする。

だが、それに割って入る形でプロデューサーは「行動方針は当初の

予定通りではあるがその内容が変更になった事」をミサに告げた。

 

「…あのエキシビジョンでの乱入事件がきっかけとなって、

 今まではまだ小規模に留まっていた彩渡商店街チーム…

 と言うよりは主に泰葉に対しての不満が爆発してしまって、

 SNSを中心にネット上で罵詈雑言が沢山目に付くように

 なってしまったのに加えて…ハイム社や佐成メカニクス、

 トヨサキモーターズにOATSや鹿児島ロケットを始めとした

 これまで戦って来たチームやそれらのチームの所属および

 スポンサー企業にも罵声が浴びせられてるし…うちの事務所にも

 連日『世界大会への出場を辞退しろ』という内容の電話が

 ひっきりなしにかかって来るという事態になってしまってる」

 

「…そういった批判者の層も、今まではガンプラバトル界隈や

 泰葉ちゃんやアタシに晶葉ちゃんと泉ちゃんのファンやアンチ…

 それらとは無関係ながら『炎上案件に飛び付いてさらに燃やす層』や

『誰かを叩きたくて仕方ない層』といった所に留まってたんスが…

 今はそれに加えてリージョンカップまでの時点で敗北した他事務所が

 結成したガンプラバトルチームへの参加アイドルのファンや、

 宇宙開発に対して否定的な層まで広がってしまってる状態に加えて

 アタシ達『ガンプラバトルプロジェクト』の関係者以外にも

 マンガやゲームといったいわゆるサブカル分野の趣味を持つ

 アイドルにもバッシングが飛び火してしまって…加えて泰葉ちゃんの

 活躍をきっかけに他アイドルが作ったガンプラの写真の投稿や

 ガンプラを話題にした発言の投稿も、作り方とか写真の写り方とか

 ガンプラの登場作品とかありとあらゆる方面でケチをつけて

 批判的な発言や罵詈雑言を添えて拡散されて無理やり炎上させられ…

 やむを得ず謝罪や該当投稿の削除をせざるを得ない状況にまで

 追い込まれたアイドルも少なからず出て来てしまってるっス」

 

「愉快犯的な層以外は、それぞれの層の中では少数派止まりの

 人数ではあるんだけど…層の幅が広がった影響で、割合としては

 低くても実数としては無視できない人数に膨れ上がってて…

 諫めようとしたり注意したりした相手に対して逆上して

 その人物の過去発言を掘り返す等の行為で自らの炎上の

 巻き添えにして被害を被らせるという事態にも発展して、

 炎上規模がとてつもないレベルで拡大してしまってるんです」

 

「そ、そんな大事になってたなんて…」

 

「…こういう状況で当初の予定通りにチームメンバー全員で

『ジャパンツアー』に参加した場合、アンチ勢の集結が比較的

 容易である為に集団心理やイベントの非日常感による高揚感が

 共鳴を起こした結果最悪の事態の可能性を否定し切れないという

 事務所の上層部の危惧もあって…泰葉とミサさん、それぞれに

 別の国で開催される海外ツアーに参加してもらう形になった」

 

そこからプロデューサーのみならず、比奈と泉も加わって

エキシビジョンマッチでのウィルの乱入事件をきっかけに

爆発してしまったアンチ勢の影響で泰葉達のみならず

サブカル分野の趣味を持つアイドルや彼女達を含むアイドルによる

ガンプラ関連の投稿が片っ端からバッシングからの炎上状態に

させられている状況やバッシング勢に注意した人物も巻き込まれ

炎上規模が桁外れになってしまっている事を説明され…

それを聞いたミサはただただ驚くしかなかった。その上でプロデューサーは、

現状での日本で開催されるイベントへの参加をリスキーと見て

海外イベントへの参加に方針を変更した事をミサに告げた。

 

「そうなると、それぞれどの国のツアーに参加する事になったんですか?」

 

「まずミサさんは比奈と泉、それに晶葉と共にアメリカツアーに…

 泰葉は香港で開催されるアジアツアーに参加してもらう事になる。

 泰葉には以前に話したけどかつて行われた海外で行われたライブや

 舞台公演イベントの開催地を旅するという事務所の企画に同行する形でな」

 

「二手に分かれるって事になると、エンジニアはどうするんですか?」

 

「ミサさん達アメリカツアー組は晶葉と泉の2人に担当して

 もらう事になる。ここまでの学習や経験で2人がかりなら

 システム調整は出来るレベルの知識と技術は身に付いたと

 カドマツさんからのお墨付きをもらったからね」

 

「となると…泰葉ちゃんの方はどうなるの? カドマツがロボ太に

 掛かりっきりとなると…ハイム社の誰かがピンチヒッターで?」

 

「ああ、そいつに関しちゃ俺のツテで引っ張って来る。

 腕は確かな奴を選ぶから心配はいらないぞ」

 

「ありがとうございます…そう言えば、私の方の同行者は

 プロデューサー以外は誰になるんでしょうか?」

 

「有香に亜季、それに清良さんといつきさんだな。

 こっちは過去に香港で開催された公演ツアーの面々による

 トークショーもセットで、泰葉は有香といつきさんとの

 共演経験からのゲストという形で参加する事になる」

 

「なるほど…」

 

それを聞いた泰葉からの質問をきっかけに、泰葉とミサそれぞれの

参加イベントについてや同行者についての説明がなされ…

 

「…よし、これからの方針が決まったって言うんなら

 早速ツアーに向けてのガンプラを考えなくっちゃね!」

 

「そうですね、私はどう組み上げるか決まってますので

 ベースキットを購入してまずは塗装に取り掛かりますね」

 

「…とんでもない事態になったにも関わらずというか、

 むしろそんな事態になったからか…気合入ってんなぁ」

 

「エキシビジョンの時のミスターからの言葉で

 2人ともやる気が増したから、って所かな?」

 

「…何にせよ、こういう事態になっても心折れずにいられる

 皆の心の強さには感心すると同時に感謝あるのみですよ」

 

それらを聞いたミサは改めて気合を入れ直して

ツアーに向けての新機体アイデアの思案に…

泰葉はまとまったアイデアの具現化の為に

必要なキットと塗料を購入し、それらを手に

制作ブースに移動して作業に取り掛かり始める。

そんな様子を見たカドマツとユウイチ、そして

プロデューサーは2人の「強さ」への感嘆と共に

感謝の意を口にしながら2人を見守っていた。

 

「…泰葉ちゃん」

 

「何ですか、ミサさん?」

 

泰葉が新たなる自機の為のベースキットや塗料を購入し、

制作ブースで説明書を見ながら塗装の為にパーツを

切り出している泰葉にタイミングを見計らって声をかける。

 

「エキシビジョンの時のミスターからの言葉に対しての

 泰葉ちゃんの返答、正直あの時ロボ太ともども

 泰葉ちゃんとミスターとの力の差を見せ付けられて

 凹んでいた私達にとって…本当に有難かったんだ。

 …だからこそ、泰葉ちゃんの期待に応えられるような

 存在になりたいって思ってるし今回のこの事態を

 絶好のチャンスにする為に最大限努力してみせるからね!」

 

「はい、待っていますね」

 

そこからエキシビジョンマッチの時の泰葉の言葉に対しての

感謝の意を告げると、そこから続く形で泰葉のその想いに

答えられるようにこの機会を最大限に活かす事を誓う。

それを聞いた泰葉は、ミサを期待の眼差しで見据えながら

その努力が実る事を信じて笑顔で「待っている」と返した。




比奈:いやぁ…まさか、だったっスね…

P:全くもって、そうだな…こちらも正直
 絶望視してた「ナンバリング新作」が来るとは。
 無論こちらも買うつもりだ、「3」から追加された
 ガンプラも使ってアイドル用ガンプラを作りたいからな

比奈:余りにも気が早いっスが…「4」と「シンデレラガールズ」の
   クロスオーバーSSを執筆する予定はありまスか?

P:現状は「4」のストーリー次第といった所だな…
 「NEW」の時のように一つの場所だけで完結してしまうような
 物語だと、アイドルを混ぜ込むのが難しいからな…
 ストーリーの良し悪しと言うより、構造的な意味でな

比奈:なるほど…

P:仮に執筆するとしたら、この話を完結させてからになるし
 この話とはパラレルワールド的な扱いで絡ませはしない。
 そしておそらく主役アイドルも泰葉以外になると思う

比奈:ま、「原作」すらまだ市場に出ていない状況での
   皮算用はここまでにして…今回は、元ネタシーンから
   色々な意味でガッツリ別物レベルに変更してるっスねぇ。
   ウィル君は前回から引き続いて小馬鹿にしたり見下してる感を
   抜いて真剣さを代わりに入れつつ、この時点でミサちゃんも
   泰葉ちゃんには劣るものの一定の実力はあると見ていて…
   勝負の条件に大きく具体性を織り込んでまスし。そして
   ウィル君達の退店後はほぼオリ設定に変更してまスねぇ

P:ウィルに関しては前回触れたので省略するけど、
 ミサに関しては高校生の身で単身でアメリカに
 行くという点が色々な意味で無理があると感じたのと
 エキシビジョンの時の泰葉の言葉に応えた上で
 決意するって描写を入れたいと思ったもんでな

比奈:なるほど、話は変わりまスが前回の後書きで
   触れられていた泰葉ちゃんや彩渡商店街への
   バッシング関係の描写は抑え目な感じだったっスね

P:アイデア時点ではもっと事が大きくなってたんだが、
 余りに事を大きくし過ぎると色々な面でコントロールが
 難しいと思ってな…その為に予定より抑える事にしたんだ。
 …さて、来月からはアジアツアー編を開始します。
 これからの各章の話数はこれまでより少なくなりますが、
 内容は薄まらないように最大限努力しますので
 見守って頂ければ幸いです…それでは、また次話で
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