CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE 作:wataru012
「お前、この辺じゃ見ないヤツだな!」
「は、はい…」
突然の出来事に戸惑っている身に、気持ちを落ち着ける間もなく
眼前の機体を操るファイターと思しき人物からのボイスチャットが
耳に飛び込んできた事で気圧され気味に返事をする泰葉。
「俺はタイガーってんだ…この辺でガンプラやるならよ、
まず俺に挨拶してもらわねーとなぁ!」
「え、ええと…よろしくお願いします…?」
冷静に考えれば理不尽な因縁に過ぎないタイガーの発言だが、
未知の舞台で立て続けに襲い掛かる予想外の出来事の前に
一種のパニック状態の泰葉は戸惑い気味に挨拶を返していた。
「や、泰葉ちゃん素直過ぎっスよ…」
「ゴメン、ちょっとマイク貸して!
あー…あいつの言う事聞く必要ないよ?」
その様子を見てた全員にとって予想外の行動だった為か、
要求を出したタイガー自身も驚きからか機体の動きが止まり…
ポッド外で観戦していた比奈は崩れ落ち気味に
床に膝をつきながら言葉を零す中で、タイガーの後に来店し
泰葉のプレイを観戦していた女性客が泰葉の入っている
ポッドに近付きマイク越しに泰葉に声をかける。
「そ、そうなんですか?」
「聞こえてるみたいだね…いきなりゴメンね?
今乱入してきたのは、この辺で初心者狩りしてる
タチ悪いヤツなの…でもそんなに強くないから、落ち着いて?」
「お前! 外から邪魔すんなよ!」
「いい加減、初心者カモるのやめなよ…私が相手になるよ?」
「俺ぁ女には手を出さねぇ! 俺より強い女にはな!」
「ヘタレだなぁ…」
「…同意っス、とはいえ経験者相手じゃ
初心者にはキツい戦いになるのは
間違いないので…ここは逃げるという
選択もありっスよ、泰葉ちゃん」
タイガーの言葉に女性客共々呆れながら、比奈は
泰葉に戦うか逃げるかどちらを選ぶかの確認を取る。
だが、タイガーと女性客の会話の間に落ち着きを取り戻した
泰葉はタイガー機を見据えながら決意を込めた言葉を返す。
「…いえ、このまま戦います」
「あぁ!? 戦るってのかてめぇ!?」
「これからガンプラバトルを続けていく上で、
私より相手が経験豊富な事が大半を占めるのは
明らかです…ならば、今からそれを経験しておきます!」
「…だったら遠慮なくズタボロにしてやるぞコラぁ!」
泰葉の決意の言葉で火が付いたのか、タイガーも
恫喝気味な返答をしながら腕の「110mm機関砲」で
弾幕を貼りつつエクシアに向けて前進していく。
しかし泰葉はステップでそれを避けながら、
腰後ろの「GNビームダガー」をタイガー機目掛けて投擲する。
「うおっ!? やべぇ、動けねぇ!」
「このまま一気に…『トランザム』発動します!」
「GNビームダガー」が突き刺さり、スタンした事に焦るタイガー。
その様子を見て一気に畳みかける為、泰葉は移動や攻撃などの
各種行動速度が上昇するEXアクション「トランザム」を使用し
残像が生まれるレベルの高速移動でタイガー機に接近すると
右腕の「GNソード」の連続斬りから肩の「GNビームサーベル」二振りによる
連続斬りに繋いだ後に腰左右の「GNロングブレイド/GNショートブレイド」に
持ち替えて再び連続斬りを叩き込み…斬り抜けた後にEXアクションの
「ピアシングスラッシュ」で反対側から突進しての斬撃で浮いた所に
エクシアもブーストを吹かせて上昇しての「GNソード」による連続斬りから
ショルダータックルに繋げ、そして地面への叩き付け後に追い打ちとばかりに
EXアクション「ミラージュショット」による照射ビームをダウン状態の
タイガー機に浴びせる。その後も立ち上がるまで「GNソード」の
ライフルモードによる射撃を浴びせ、タイガー機の立ち上がる様子を見て
再び格闘攻撃を叩き込もうと「GNソード」を振るった所に…
「なめんなよっ!」
「うわっ!?」
タイガーが自機が完全に立ち上がるとほぼ同時にEXアクション
「ホイールストライク」を発動し、「グランドスラム」を両手でガッシリと
握りしめながら回転上昇する動作に巻き込まれエクシアも高々と打ち上げられ…
頂点に達した所で落下しながらの連続大車輪斬りをその身に受けながら
地面に叩き付けられると衝撃の影響かエクシアの左腕が外れて吹き飛ばされる。
「左腕が…!」
「腕1本じゃ済まさねぇぞ、コラぁっ!」
左腕が外れ、仰向けに倒れているエクシア目掛けて
EXアクション「デッドエンドバスター」を発動し
「グランドスラム」を大きく振りかぶるタイガー機。
だが泰葉は左手が吹き飛んだ方向にレバーを入れながらの
受け身動作で素早く立ち上がる事で振り下ろされた
「グランドスラム」の一撃を避けながら左腕を再接続し、
「GNソード」のライフルモードでビームを撃ちながら
ブーストを吹かしてタイガー機へ接近する。
「もらい…」
「させるかぁっ!」
だが、泰葉が「GNソード」で斬りかかろうとした瞬間に
タイガーの発動したEXアクション「トルネードアックス」で
タイガー機の周囲に発生した斬撃波を受けエクシアは吹き飛ばされる。
「きゃあっ!」
「喰らえぇっ!」
吹き飛んだエクシア目掛けてタイガーは胸部備え付けの
「メガ粒子砲」から照射ビームを放ち、一気に耐久力を削り取る。
だがその様子を見て、比奈は怪訝な反応を見せた。
「今まで使ってたEXアクションは2つとも大剣用の
やつだったのに、今度は斧用のやつを使って来た…?」
「あー…実はEXアクションって、一定回数使い込むと
武器の種類を問わず使えるようになるんだよね…
その『一定回数』が結構な数になるけど」
「そうなんスか? となると少なくともあの技を自由に使えるように
斧武器を使い込む程度にはやり込んでるって事っスか…」
比奈の疑問に女性客が使える理由を説明してる間に、
「メガ粒子砲」をゲージ切れまで撃ち切った事で
拘束状態からダウン状態となったエクシアへタイガー機が
再び腕部の「110mm機関砲」で弾幕を貼りながら接近していく。
しかし泰葉は慌てずにレバーを横方向に入れながら
受け身動作を取る事で弾幕から逃れつつ立ち上がりながら
「リペアキット」を使って大きく削られた耐久値を回復させる。
「いくら回復しようが何度でもぶった斬ってやんぞオラぁっ!」
自機を立ち上がり回復したエクシアに向き直らせ「110mm機関砲」による
弾幕を継続しながら前進していくタイガー。しかし泰葉はエクシアが
タイガー機と向き合うとほぼ同時にEXアクション「ピアシングスラッシュ」を
発動し「110mm機関砲」の弾幕をすり抜けながらタイガー機に急速接近して
斬り抜き真上に浮かせる。そこからタイガー機を追ってブーストを吹かして
上昇し「GNソード」の連続斬りを叩き込んでいるその最中…
バキィンッ!
「うお、やべぇ!」
先程エクシアが地面に叩き付けられ、左腕が外れた時と
同様の音が響くとタイガー機の下半身が腰から外れ地面に向けて
落下していく。そのまま「GNソード」の空中連続斬りを
出し切ってエクシアが着地しタイガー機の上半身が落下すると、
泰葉側の画面に「脚部パーツが外れた敵機を一撃で撃破する」
攻撃である「グラウンドブレイク」の表示が出る。
「これで…トドメです!」
泰葉が画面の指示に従って入力すると、エクシアは仰向けに転がっている
タイガー機の上半身部へ踏み出して右腕の「GNソード」を展開しその刀身を
タイガー機上半身の胴体部に突き立て外れた脚部もろとも爆散させる。
「ちっきしょー!」
悔しさを滲ませるタイガーの叫び声と同時に、
泰葉のポッドの画面中央に青色の文字で
「MISSION COMPLETE」の文字が表示される。
「ふぅ、何とか勝てましたか…予想外の出来事に
驚きはしましたが、素直に嬉しいですね」
緊張から解放された事で大きく息を吐きながら、
アクシデントへの驚きと勝利への喜びを口にする泰葉。
…アイドル・岡崎泰葉のガンプラバトルデビューは、
アクシデントに見舞われながらもそれを乗り越えて
勝利を掴むという最高の結果に終わった。
比奈:あのー…タイガー君、ゲーム本編より強くなってません?
オプション武装やEXアクション3種は確かにゲーム中でも使われてましたけど、
トルネードアックスの吹き飛ばしからメガ粒子砲照射に繋げるコンボとか
射撃でのダウン追い打ちはCPUはほとんど使った記憶がないんスが…
P:まぁそう言いたくなる気持ちはわかるが、動画サイトであれに類似した
「サイクロンアックスで吹き飛ばし→照射ビームで追撃」コンボを
見た記憶があってつい使いたくなっちゃったもんでな
比奈:書きたかったものを書けて満足したというのなら
それはそれで良しとして…今回はこれまで書かれた
1話と2話に比べて文章量が明確に多くなりましたね
P:登場人物が増えてセリフが増したってのもあるし、
バトルシーンの描写に文章を割いたからな…
それもあって1面だけで4話も使う事になるという
こちらとしても予想外な事態になってる
比奈:創作ではいくら緻密に計画を立てたとしても、
実際に取り掛かると予定通りに行かないという事は
「割とよくある」ぐらいの感覚で生じまスからね…
P:書きたい場面は沢山あるから、これからも1ステージに対して
予想以上に話数を割くという事は生じるだろうな…
それでも1話のあとがきで言ったように、どれだけ時間がかかっても
最後まで書き上げるという決意は変わってないので
読者の方々には手間をかけさせますがお付き合い頂ければと思います