CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE   作:wataru012

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立ち塞がる赤き器/36,000kmを超えて

「よし、今目の前の縦穴に中枢エリアに繋がる

 移動ゾーンの形成を確認した! 全員飛び込め!」

 

「わかりました!」

 

「オッケー!」

 

「承知した!」

 

「了解だ!」

 

静止軌道ステーション及びメガフロートの

コントロールAIにウィルスを感染させられ、

緊急離脱プログラムを実行させられた事で

宇宙漂流一歩手前の状態になってしまっている

ステーション本体を静止軌道に帰還させる為に

ガンプラバトル世界大会決勝戦の為にステーションに

備え付けられたガンプラバトルシミュレーターを

コントロールAIに接続する事でウィルス駆除を

行っていた泰葉達彩渡商店街チームの3人に

ウィルを加えた4人はガンプラデータ化した

ウィルスやセキュリティシステムが具現化した

自動砲台を次々に破壊しながら突き進んで行き…

その最中にカドマツから中枢エリアに繋がる道が

開かれたという報告に返事をしながら

指示された縦穴へと次々に飛び込んで行く。

 

「ここが中枢エリアですか…」

 

「でも何も見当たらないね、インフォちゃんの時は

 コアアサルトルールの時のようなウィルスコアが

 フィールドのど真ん中にどんっと置かれてたのに」

 

「…どうやら、ウィルスを構成しているプログラムの

 容量がインフォの時とは比べ物にならないレベルの

 大きさというのもあってあの時とはまた違った形での

 抵抗を試みるのではないかと思われる…油断はするな」

 

「承知した、晶葉殿」

 

「…!? また別の声がして来たぞ!」

 

そうして泰葉達が飛び込んだ中枢エリアが、

大型の円形の足場があるだけの殺風景な状態で

あった事にミサが疑問の声を上げる。それに対して

晶葉がウィルスの容量の大きさから以前とは異なる

手段を用いた抵抗の可能性を返事として口にし…

ロボ太が返答をした直後、ステーション内に居る

人物とは異なる声が聞こえて来た事にウィルが反応する。

 

「なるほど…これがガンプラバトルというものですか、

 私への攻撃手段ではありますがなかなかに興味を

 そそられるものですね。ここまで辿り着いた事への

 称賛の意味も込めて、そちらの土俵に立った上で

 完膚無きまでに排除して差し上げましょう」

 

コントロールAIがアナウンスボイスを用いて

泰葉達にこう告げると、目の前に桁外れの

大型のモビルアーマーと思しき物体が形成され…

具現化した「それ」を目の当たりにした

比奈やカドマツ、そしてミサは驚きの声を上げる。

 

「ネ…ネオ・ジオングっスか!?」

 

「シナンジュが乗ってないから厳密には『ハルユニット』単体だが…

 どっちにせよ厄介な奴を相手にするのは変わらねぇか!」

 

「よりによって…あんなのを倒せっていうの!?」

 

「臆するな、ミサ! 我々もここに至るまで

 幾度となくPGやモビルアーマーといった

 大型の敵機とも対峙し…その全てに打ち勝って

 ここまで来たのだ! 決して倒せない相手ではない!」

 

「…そ、そうだね! どっちみちここで勝たなきゃ

 地球に戻れないんだし…やるしかない、ね!」

 

「はい! 行きましょう、皆さん!」

 

「わかってる! 何が相手でも叩き潰すのみだ!」

 

予想外の敵機に気圧されるミサに対し、

ロボ太が激励を飛ばしてそれに応える形で

ミサも何とか気を取り直す。そこから続けての

泰葉とウィルの発言を合図代わりに、

コントロールAIが操るネオ・ジオングとの戦いが始まった。

 

~~~~~

 

「…よしっ! 何とか脚部代わりのシュツルム・ブースター壊せたっ!」

 

「1段階目はクリアした感じだが…機体を浮かせて移動を始めた

 様子を見ると、むしろ拘束具をぶっ壊しちまった感があるな」

 

「仕方あるまい、意図的にシュツルム・ブースターに攻撃を集中させた

 訳ではないのにああなった以上こうなるのは避けられなかっただろうしな」

 

「背部アームユニットの展開を確認、攻撃パターン変化の可能性が

 非常に高いです…警戒を怠らず、攻撃を継続して下さい!」

 

「わかりました!」

 

「棒立ちしての砲撃やバリアだけで終わるなんて思ってない、

 確実に厄介な攻撃もして来るだろう…しまった!」

 

「肩部大型メガ粒子砲」や腕部の「有線式大型ファンネル・ビット」による

照射ビームによる砲撃と、範囲内の敵機の吹き飛ばし効果も持ち合わせた

バリアによる防御を掻い潜りながらネオ・ジオングにダメージを与え…

シュツルム・ブースターが爆破消滅した事を確認し喜びの声を上げるミサ。

だがそれによって仰向けに倒れ込んだネオ・ジオングが身を起こした後に

浮遊し移動を開始した様子を見て、むしろ事態の厄介さが増したという

感想を口にするカドマツだがそこにロボ太が「どのように行動したとしても

こうなる事は避けられなかった可能性が高い」との推測を返答代わりに口にする。

それに加えての背部アームユニットが展開された様子を確認した泉が、

攻撃パターンの変化の可能性への警告を泰葉達に告げそれに対して

泰葉とウィルが反応した直後…間合いを詰めて来たネオ・ジオングが

ウィル機「ガンダムセレネス・SS」を掴んで持ち上げ地面に叩き付けると、

その衝撃によるダメージのみならず一撃で全パーツアウトさせられる。

 

「ぐっ…!」

 

「ウィルっ!」

 

「ミサ、ここは我々が攻撃する事で注意をこちらに向かせ

 ウィル殿がパーツの再接続を行うまでの時間を稼ぐぞ!」

 

「わ、わかった!」

 

「私も加勢します!」

 

「主殿、感謝する!」

 

「皆、すまない…!」

 

その様子を目の当たりにしたミサが驚きの声を上げるが、

ロボ太はすかさず「自分達の攻撃によって注意を向けさせ

ウィルのパーツ再接続の為の猶予を作る」事を提案する。

それに泰葉も加勢する事でネオ・ジオングが3人の方に

向かって攻撃して来た事もあり、ウィルは何とか

自機のパーツの再接続を行い戦線に復帰する。

 

「1機のみの行動不能では効果が薄いと判断…

 複数標的への攻撃手段を実行します」

 

その様子を見たコントロールAIがこう呟いた直後、

両腕と背部の合計6つのアームユニット先端の

「有線式大型ファンネル・ビット」を全て展開し

泰葉達4機全てを包囲する形でオールレンジ攻撃を仕掛ける。

それによる四方八方からのビームによる弾幕に加えて

ファンネル・ビット本体の接触によるダメージや

腹部の「大口径ハイメガ粒子砲」による正面への照射に

照射しながら機体を旋回する事による薙ぎ払いと

多彩な攻撃を繰り出し泰葉達にダメージを与えて行くが…

泰葉達もバリア系オプションやシールドガードを駆使して

ダメージを抑えつつ、数発直撃を受けた時も「リペアキット」や

「フィールドリペア」を用いて回復する事で致命傷を避けて

ネオ・ジオングに攻撃を続け着実に追い詰めていく。だが…

 

「…流石ですね、やはりガンプラバトルにおいては

 経験の差におけるそちら側の優位は揺るぎませんか…

 ならば、こういう手を使わせてもらいます」

 

コントロールAIのその言葉と共に、ネオ・ジオングの

両肩側面の大型スラスターユニット上部が展開し…

内部に収められていた機器が半月状に展開した後に

そこからネオ・ジオング背面にオレンジ色の光の輪が

形成され、その輪から泰葉達目掛けて光が放出される。

 

「うっ…!」

 

「うわっ!」

 

「ぬうっ!」

 

「くっ…!」

 

その光の眩しさに泰葉達一同が呻き声を上げた直後、

比奈から焦りがにじみ出るような声で通信が入る。

 

「みんな! 手持ちの武器や盾とか…機体各所のオプション武装が

 備え付けられてる部分やビルダーズパーツに破損はないっスか!?」

 

「比奈さん!? ええと、見た限りでは壊れてないようですが…」

 

「私から見ても泰葉ちゃんの機体や武装に目立った破損は

 見当たらないね…泰葉ちゃんも一応私の機体を見てもらえる?」

 

「いや、ここは私が確認しよう…私の方の武装は手持ちの剣と

 槍のみで、それらの損傷はないようだしな…一通り見てみたが、

 主殿もミサもウィル殿も機体及び武装に目立った破損はないようだ」

 

「だとしたら、さっきの光は一体…?」

 

「こけおどしか何かだったんでしょ、とにかく攻撃を…えっ!?」

 

「どうしましたか、ミサさん!?」

 

「嘘…射撃が出来ないし、オプション武装や

 EXアクションも使えなくなってるよ!」

 

「ええっ!?」

 

「何っ!?」

 

比奈の発言を聞き、泰葉達は一斉に自機を確認するが

危惧していた武装への損傷は見当たらず…ミサが攻撃を

再開しようと両手に持つ「GNビームピストル」2丁を

ネオ・ジオングに向けて撃とうとしたものの

銃口からビームが発射されず引き金を引く音だけが

響いている状況を目の当たりにした泰葉が声を掛けると、

ミサの口から「射撃攻撃にオプション武装、ならびに

EXアクションが使用不可」という報告がなされ…それを聞いた

泰葉とウィルはそれぞれ「ピーコック・スマッシャー」と

バンシィ・ノルン版「ビーム・マグナム」をミサと同じように

ネオ・ジオングに向けて引き金を引く。だが、それら2つからも

ビームが発射される事無く引き金の音だけが響き…続けて

オプション武装やEXアクションの使用を試みるが

ミサの言葉通りそれらを用いた攻撃も不可能になっていた。

 

「本当に使用出来ない…!?」

 

「まさか、さっきの光の影響か!?」

 

「ああ、その通りだ! こっちでも確認したが

 あの光にこちら側の攻撃行動の実行を

 阻害するウィルスが含まれてた!」

 

「そんな…!」

 

「ちょっとお! 反則にも程があるでしょ!!」

 

「ガンプラバトルの土俵に乗るとは言いましたが、

 ガンプラバトルのルールに従うとは一言も言っていません。

 あなた方は私にとっての脅威であり、それを排除する為に

 あらゆる手段を用いているのは当然の事で…このウィルスも、

 その手段の1つに過ぎません。…では、続きと行きましょうか」

 

射撃が不可能になっている事を実感しての泰葉の驚きの声に

続く形でウィルがこのような事態になった原因を予測すると、

カドマツからその予測が当たっている事を告げられる。

それを聞いたミサが非難の声を上げるが、コントロールAIは

それを気に留める事もなく平然と返答した上で攻撃を再開する。

 

~~~~~

 

「射撃が不可能ならば、格闘で…駄目だ! 格闘攻撃も実行出来ん!」

 

「こっちもだよ!」

 

「僕もだ…!」

 

「…原作だと、捕まれた後に徒手空拳でダメージを与えてましたし…

 もしかしたら、泰葉ちゃんの拳法攻撃なら行けるかもしれないっス!」

 

「わかりました、やってみます…!」

 

腹部の「大口径ハイメガ粒子砲」からの照射や

回転しての薙ぎ払いを何とか回避しつつ、

格闘攻撃ならば可能かもしれないという

一縷の望みに賭けて取り付いて攻撃を試みるも

格闘攻撃も出せない事が3人から告げられる。

そんな中、回避行動の影響でネオ・ジオングから

離れている為に未だ格闘攻撃を試していなかった

泰葉に対して比奈が「ガンダムUC」原作での

ネオ・ジオング戦を思い出し…泰葉機ならば

もしかしたら攻撃可能かもしれないという

予測を受け、泰葉も何とか自機をネオ・ジオングに

取り付かせる事に成功し格闘攻撃を試みる。

 

しかし…

 

「…ダメです! 拳法攻撃も出せません!」

 

「徒手空拳すら封印なんて、ある意味元ネタ超えじゃないっスか…!」

 

「効果が『武器の破壊』である為に反撃を受けたというデータから、

『攻撃行動そのものの封印』という効果の選択が適切であるという判断に

 基づいて効果設定をしてみましたが…どうやら正解の模様ですね」

 

最後の望みであった「素手での攻撃」すら封印されるという

原作以上の事態に驚く比奈に、コントロールAIは原作描写のデータから

より確実に攻撃を封印出来る設定にした事が正解であったと返す。

 

「こうなったら、何とかして一刻も早くウィルスを除去するしかねぇか…!」

 

「とは言っても、ウィルス除去なんてそんな短時間で出来るんスか!?」

 

「どれくらい時間が掛かるかわからんが…それでもこれ以外に手段はない!」

 

「…どうやら回復EXアクションとシールドガードは使用可能のようです、

 それにオートリペアアビリティも機能しているようなのである程度は粘れます!」

 

「わかりました! すみませんが、しばらくの間何とか耐え切って下さい!

 こちらも可能な限り早急にウィルスを除去出来るよう最善を尽くします!」

 

その一連の様子を目の当たりにしたカドマツが、自分達の手でどうにか現状を

打破する以外に手段がないと行動を起こすも…比奈は果たしてその行動が

短時間で成し遂げられるのかと疑問を返す。それに対して晶葉が必要時間が

不明瞭ではあるがこうする以外に現状打破が不可能であると返答した直後、

泰葉から「攻撃手段が封印された現状であっても実行可能な行動」についての

報告がなされる。それを聞いた泉が可能な限り最善を尽くすと返し、エンジニア勢が

必死に攻撃行動阻害ウィルスの駆除を試みる一方でシミュレーター内では

泰葉達ファイター勢が必死にネオ・ジオングからの砲撃を回避し続ける。

 

「砲撃のみでは有効打を与える事は困難な模様ですね…

 では、こちらの攻撃に変更させて頂きましょう」

 

砲撃を回避し続ける泰葉達を見て、コントロールAIは攻撃手段を

「有線式大型ファンネル・ビット」を展開してのオールレンジ攻撃に

再び切り替える。それでも泰葉達は必死に回避を繰り返す中…

 

~~~~~

 

「元ネタ超えの性能のサイコシャードって反則だろぉ!?」

 

「AIにとっては『バトル』ではなく『駆除』と受け止めている故に、

 面白味やルールといった要素は最初から存在していないのでしょうな…」

 

「どう、インフォちゃん!? 何とか接続出来そう!?」

 

「…行けました! ギリギリでしたが、加勢可能です!」

 

「よし! それじゃあ一刻の猶予もない、すぐに行こう!」

 

「ちょっと待て! 俺らも接続したら、あのウィルス喰らっちまうんじゃねぇか!?」

 

「その心配はないようです、ウィルスの散布は光の放出時に行われており

 サイコシャードの展開状態の維持によってウィルスを駆除から

 防いでいるようですので…再度ウィルスを散布するには

 一旦サイコシャードを収納する必要があり、そうなれば容易に

 ウィルスが駆除されうる為こちらの感染の可能性は低いと思われます」

 

「それなら躊躇う必要はないわね、行くわよ!」

 

「おう!」

 

「では、私も…!」

 

泰葉達の様子を見ていた商店街店主一同とミスターだったが、

ネオ・ジオングのサイコシャード展開による攻撃の完全封印という

事態を目の当たりにしたマチオが大声で叫ぶ。それに対して

ミスターがコントロールAIの目的故に手段を選ばなくなっていると

返した直後、インフォから何とかイラトゲームコーナーの

シミュレーターと静止軌道ステーションのシミュレーターとの

接続が完了したと報告がなされ…それを聞いたユウイチがすぐさま

シミュレーターに入ろうとした所にマチオがウィルスに対する

危惧を口にする。それを受けて、インフォはコントロールAIの

ウィルス散布方法と保護手段について説明を行う事で自分達が

感染する心配はないと判断したミヤコもシミュレーターに入り

マチオとミスターも後に続く形でシミュレーターに入り込む。

 

~~~~~

 

「ぐあっ!」

 

「ロボ太!?」

 

多数展開された「有線式大型ファンネル・ビット」による

オールレンジ攻撃を泰葉達が何とかして回避し続けている最中…

ビーム射撃を回避したロボ太にファンネル・ビットそのものが

激突し吹き飛ばされた事で泰葉達から大きく引き離される形となり、

ミサが思わず視線をロボ太の方に向けながら声を掛ける。

それによって一瞬泰葉達の動きが止まったのをコントロールAIは

見逃さず、展開しているファンネル・ビットを泰葉達3人と

ロボ太をそれぞれ包囲する形で浮遊状態で待機させる。

 

「しまった!」

 

「ああっ…!」

 

「ぐっ…!」

 

「…まだっ!!」

 

周囲をファンネル・ビットに取り囲まれた状態になった事に

ウィルからの声が上がり、ミサとロボ太は絶望的な声を上げながら

自機を俯かせるが…泰葉が諦めないとばかりにシールドガードの

体勢を取る。それを見たミサとウィルも同様にガード体勢を取った

その直後、ロボ太と泰葉達それぞれを取り囲んだファンネル・ビットが

それぞれの標的目掛けて一斉照射を行おうとしたその瞬間…

 

「ミサァァァァァッ!!」

 

「ウィルっ!!」

 

「何!?」

 

この場に居ないはずのユウイチとミスターの声に続き、

泰葉達とロボ太を包囲したファンネル・ビットが全て

破壊される様を目の当たりにしたコントロールAIが

驚きの声を上げた直後…ミスター機と、泰葉達にとっては

初見となるGP01fbのバックパックにシャイニングガンダムの

胴体と腕…そしてV2バスターの脚部という構成の

ガンダム顔のミキシングガンプラが泰葉達の前に降り立つ。

 

「ミサ、泰葉ちゃん、ロボ太くん…間に合って良かった」

 

「ウィル…こうして君を助けられて、安堵しているよ」

 

「父さん!? それにミスターも!?」

 

「チャンプ…一体どうやって此処に来たんだ?」

 

「それは…私の手でイラトゲームコーナーのシミュレーターと

 静止軌道ステーション備え付けのシミュレーターを接続して

 皆さんをこのフィールドに送り込みました」

 

「インフォ殿…」

 

泰葉達にとって初見となる機体からユウイチの声が聞こえた事に

驚きの声を上げるミサと、ミスター機と向き合う形となり

率直な疑問を口にするウィル。そのウィルの疑問に答える形で、

インフォは泰葉達にユウイチ達の参戦方法を説明する。

 

そんな最中、余りの予想外の出来事にしばし固まっていた

コントロールAIが残存している背部アームユニットの

「有線式大型ファンネル・ビット」をミスター機と

ユウイチ機を標的に定め射出し攻撃を行おうとしたその瞬間…

2機を狙ったファンネル・ビットが再度放たれた砲弾の

直撃を受け爆散する。その砲弾を放ったのは…

 

「ぶっつけ本番だったけど、案外動かせるものねぇ」

 

「『身体が覚えてる』って奴だろうな…おっと!」

 

マチオが操る∀頭の鈍重とも言える重厚な機体が

右手に持つサーペントの「バズーカ」と、

ミヤコが操るジェガンベースの連邦系MSによる

ミキシングが施された機体が両手で構える

「180mmキャノン」であり…見事に命中した事に

喜びの声を上げる中、自分達を標的に展開された

ファンネル・ビットをマチオ機が殴り付けて破壊する。

 

「カドマツさん、あのサイコシャードを破壊すればミサさん達は

 攻撃可能になる…という事で、間違いないでしょうか?」

 

「ああ、その通りだ…すまんが、頼めるか?」

 

「よし、皆…それにミスターさんも、行きましょう」

 

「うむ!」

 

「おう!」

 

「了解よ」

 

背面アームユニットから射出された「有線式大型ファンネル・ビット」を

全て破壊した後、インフォがこれから取るべき行動に対する確認を行い…

カドマツの返答を聞いたユウイチが、マチオとミヤコにミスターの3人に

サイコシャードを破壊する為の行動開始を呼びかける。

 

「父さん…」

 

「…シミュレーター越しならこうして触れる事も出来るけど、

 実際には36,000kmも離れているんだな…僕達の手で地球に

 帰還させたいけど、残念ながらそれは叶わない。だから…」

 

ミサの言葉に反応してユウイチが自機を動かし、ミサ機

「アザレア・サウザンドブレイカー」に手を触れながら

「自分達に出来る事の限界」を吐き出すように口にする。

そして、ユウイチは自機「ガンダムゼピュロス」を

泰葉機「ダブルオーインハーリッティドウィッシュ」の方に

向かせて正面から向き合わせた後に…願いを込めて口を開く。

 

「泰葉ちゃん、ミサ達の事…よろしく頼むよ」

 

「…はい! 約束します、誰一人欠ける事なく地球に帰還すると!」

 

「ありがとう…じゃあ、行って来るよ」

 

泰葉からの力強い返事を受けたユウイチは、

安堵の気持ちのこもった声で返答をすると

泰葉達に背を向けマチオにミヤコとミスターと共に

ネオ・ジオングに向けて突撃を開始した。

 

~~~~~

 

「何処から接続して来たかは不明だが…

 攻撃して来るのであれば、排除するのみ!」

 

ネオ・ジオング目掛けて突進して来るユウイチ達が操る4機を

迎撃しようと右手から放たれた照射ビームを、4機は散開して

回避する。その中で一直線に突進して来るユウイチ機を迎撃しようと

左腕のファンネル・ビットをオールレンジモードで展開し

四方から射撃を放とうとしたその瞬間…

 

「そうは…」

 

「させないわ!」

 

マチオ機「猛烈號」とミヤコ機「ジェガン・コマンドカスタム」が

それぞれのメイン射撃武器から放った砲弾がファンネル・ビットに着弾し、

爆発に巻き込まれる形で他のファンネル・ビットもまとめて破壊される。

 

「…オールレンジモードによる攻撃の有効性、低と判断…

 右腕部に残存のファンネル・ビット5機による照射にて標的を攻撃」

 

「させねぇって言ったろ!?」

 

ネオ・ジオングの右腕部をユウイチ機に向け照射ビームを

放とうとした瞬間、回り込む形で突進して来たマチオ機が右腕部側面を

全力で殴り付ける事で射線をズラしユウイチ機への着弾を阻止する。

 

「ならば、この質量による打撃で…!」

 

「甘いっ!!」

 

迫り来るユウイチ機を見て、右腕を動かして射線を再度

合わせるのでは間に合わないと判断したコントロールAIは

ファンネル・ビットを射出した左腕部で殴り付ける事によって

ユウイチ機の破壊を試みるが…全速力で突撃して来た

ミスター機が真正面からぶつかる事で再び阻止される。

 

そうしてネオ・ジオングに取り付けたユウイチ機が

EXアクションの「スーパーモード」を発動して

展開されているサイコシャードを見据えると…

 

「…娘とその友達に何て事しやがるんだ、この馬鹿野郎っ!!」

 

大声で怒声を吐き捨てると共に、EXアクション

「シャイニングフィンガー」を発動して

サイコシャード目掛けて突撃し…伸ばした右手で

それを掴むと同時に力を入れて握り締めると、

瞬く間に全体にヒビが入り…粉々に砕け散った。

 

「ぐっ…! だがようやくお前達の接続経路は

 確認出来た、その経路を遮断させてもらう!」

 

サイコシャードを破壊された事に苦悶の声を

上げながらも、ユウイチ達の接続経路を確認した

コントロールAIは該当経路の遮断を行い…

それによって、ユウイチ達3人とミスターの機体は

一瞬でフィールドから消え去っていた。

 

~~~~~

 

「接続の遮断を確認しました…おそらく接続元も向こうに

 認識されている以上、これ以上の助力は不可能ですね」

 

「そうか…」

 

バトルフィールドから弾き出され、VRハンガーに戻らされた

ユウイチ達にインフォが「これ以上の助力不能」と報告する。

それを聞いたユウイチは落胆を感じさせる声で一言零した後に

ポッドから出ると、その様子を見たマチオが声を掛ける。

 

「ユウイチ…」

 

「…大丈夫さ、泰葉ちゃんの心強い返事のおかげで

 必ず全員無事に地球に戻って来れるって信じられるから」

 

「ええ…彼女達4人は紛れもない最高のチームでした、

 必ずや勝利を掴み取って無事に帰還するでしょう」

 

「そうですね、それに私もダメ元ではありますが

 最後の置き土産をコントロールAIに送っておきました」

 

「…ま、あとは茶でも啜りながら見守ってやろうじゃないか」

 

「イラトおばちゃん、台所借りるわね」

 

マチオからの言葉に顔を上げ、泰葉からの言葉を受けた事で

全員の無事の地球帰還を信じられるとユウイチが返したのに続き

ミスターは泰葉達4人への称賛の言葉を口にする。続けてインフォが

コントロールAIに対して「何か」を送ったという報告をすると、

そこからさらにイラトが「後は見守るだけ」と一堂に向けて告げる。

それを受けてミヤコはイラトゲームコーナーの奥に続く

イラトの住居部にある台所に向けて進んで行った。




比奈:いや~、今回も9000字オーバーというボリュームに加えて
   ゲーム内描写を元に盛った内容をこれでもかと繰り出しましたな

P:何度も言ってるがこのパートは「書きたかった所」の1つだからな…
 クオリティはともかくやりたい事を出し切ろうと書きまくってるから、
 自然とボリュームも増してしまうって感じだな

比奈:それはそうと、ユウイチさん達の機体…プロデューサー作の
   バージョン、極力原作でのやつに近付けてはいまスけど
   ほぼ別物の仕上がりになってる理由は何故っスかね?

「ガンダムゼピュロス(Ver.CB)」(ユウイチ機)


【挿絵表示】


「猛烈號(Ver.CB)」(マチオ機)


【挿絵表示】


「ジェガン・コマンドカスタム」(ミヤコ機)


【挿絵表示】


P:これに関しては、この作品独自の「ガンプラバトルシミュレーターの歴史」の
 設定の関係上使用キットの作品を制限した上で可能な限りオリジナルに
 形状を近付けて作った為だな…アセンブルも含めた詳細な説明については、
 この3機がメインで出撃するDLCシナリオ3弾編で改めて行うので
 長く待たせてしまう形になって申し訳ないけどしばらく待って欲しい

比奈:なるほど…ま、その設定関係も含めて楽しみにさせてもらうっス

P:…さて、何とか2024年最後の作品も滑り込みになってしまいましたが
 予定日での投稿が出来て安堵しています。本編シナリオ決着には
 あと2、3回といったところでもう少し待たせてしまいますが
 来年2025年もDLCシナリオ編の本格開始という事で執筆して行きますので
 少々早いですが来年もどうぞよろしくお願いします…それでは、次話にて
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