CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE   作:wataru012

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「最強」に必要なもの/数多消し去る光と無限の刃

「乱入者の排除完了、再度のウィルス散布を…

 何!? 外部からのプログラムによる干渉の為に

 散布コマンドの実行不能!? …奴らか!」

 

「い、一体何が!?」

 

「何かもう一回サイコシャード展開からウィルスを

 散布しようとして失敗したみたいだけど…」

 

「…多分、インフォがやってくれたんだろな」

 

「だろうな、あの面々の中でこういう事が

 実行出来るおそらく唯一の存在だしな」

 

「とはいえとっさにこんな事が出来るなんて…

 それも開発チームの凄さの表れってやつかな」

 

「ホントとんでもないっスが…今はそれが有難いっ!」

 

「カドマツ達にもインフォ殿にも、感謝あるのみだな」

 

「細かい事情はわからないが…ウィルスが

 除去されたというなら攻撃あるのみだ!」

 

ユウイチ達の接続ルートを遮断して追い払った直後、

再度のウィルス散布を試みたコントロールAIだったが…

外部プログラムからの干渉により実行できない事に

驚きの声を上げる。それを聞いた泰葉は困惑を示したが、

そんな泰葉への説明がてらこの事態が起こった理由の

推測をカドマツ達エンジニア組が口にする。その様子を見て、

ウィルが一堂に攻撃の再開を呼びかけたその直後…

 

「…ウィルスが封じられたからと言って問題はない、

 お前達の情報から私のガンプラを完成させる

 最後のピースが見つかった! それを使わせてもらう!」

 

ウィルスを封じられた焦りから立ち直ったかの如く、

自らが操るネオ・ジオングを「完成」させる

「何か」を見つけたとコントロールAIは高らかに告げ…

その直後、ハルユニットのシナンジュ搭乗部に

「何か」が生成される様子が映し出される。

 

「見るがいい! これが私のガンプラの完成形だ!!」

 

コントロールAIの自信に満ちた声と共に生成された「それ」は…

ダブルオーガンダムの頭部にゴッドガンダムの胴体、

クロスボーンの腕とダブルオーライザーのバックパックで構成された…

泰葉機「ダブルオーインハーリッティドウィッシュ」のコピーデータであった。

 

「主殿の機体を…コピーしただと!?」

 

「…どうやら、コントロールAIは泰葉の嬢ちゃんこそが

『最強のガンプラファイター』だと認識したみてぇだな」

 

「なるほど、『最強のプレイヤーが操る機体を使えば自分も

 最強になれる』と…ある意味、初心者らしい素朴な発想っスね」

 

「…それならば、『最強』と見込まれた身として

 私はコントロールAIに本当の意味で『最強』に

 なる為に必要なものをこの手で伝えてみせます!」

 

「そうだな…その拳をもってAIに刻み込んでやれ、泰葉!」

 

「私達の地球帰還の為にも、本当の意味での

『最強』の力をもって勝利をもぎ取って下さい!」

 

「だね、駆け付けてくれた父さん達やミスターに

 道を繋いでくれたインフォちゃんの為にも…!」

 

「どんな姿になろうと地球に戻る為にやる事は変わらない、

 僕達の全力をもって奴を完膚無きまでに叩き潰すぞ!」

 

「やってみるがいい、最強となったこの私に勝てると言うのならば!」

 

眼前で起こった事に驚くロボ太の言葉を受けて、

カドマツがコントロールAIがこのような行動を

取った理由を推測し…比奈がそれへの感想を述べると、

それらの言葉を聞いた泰葉は闘志を燃やし自機の

コピーデータが搭乗しているネオ・ジオングを見据える。

そんな泰葉への晶葉と泉の激励、それにミサとウィルの

言葉に対しコントロールAIは自信満々の声を上げ…

それを合図代わりに、第2ラウンドの幕が開いた。

 

~~~~~

 

「攻撃パターンが大きく変わってる…!」

 

「ですがある意味では前より避けやすくなったと感じますね」

 

「照射系の攻撃がオミットされたのが大きいな」

 

「とはいえ長時間展開される全方位への衝撃波や

 地を這う衝撃波と上方からの追尾エネルギー弾の同時発射、

 引き続き行われている捕縛からの叩き付けという取り合わせで

 取り付くには一苦労だが…隙を見逃さずに飛び込むのみだな」

 

コントロールAIが操る泰葉機コピーデータ搭乗のネオ・ジオングの

攻撃パターンの大規模な変化にミサが驚きの反応を示すが、

泰葉やウィルは先程まで行われていた腹部の「大口径ハイメガ粒子砲」を

用いた攻撃が行われなくなった事でかえって回避が容易になったと返す。

それに続けてロボ太がネオ・ジオングに取り付く事の難しさを零すが、

それを理解した上で諦めずに隙を見つけて飛び込むのみと自身を鼓舞する。

そうして泰葉達がネオ・ジオングからの攻撃を回避しつつ被弾時も即座に

回復し、着実に攻撃を当て続け耐久力を削り取っていくその最中…

 

「何故だ…! 最強の身となったこの私が、何故こうも押される…!」

 

泰葉達が押している現状を受け入れられないコントロールAIの

嘆きの言葉が響く中、泰葉はその言葉への返答を口にする。

 

「…ガンプラバトルにおける『最強』というものは、

 機体だけで決まるものではありません。その機体を

 作り上げる時にどれだけの気持ちを込めたか…

 完成させた後に、その機体を自在に操れるように

 どれだけの鍛錬を積み重ねたか…そして、

 どれだけの強い思いで戦いに挑んでいるか!

 それらの要素を高いレベルで兼ね備えた時に、

 初めて本当の意味で『最強』になれるんです!」

 

「そのような不確かな事柄が、具体的なデータで示された

 強さを上回るとでもいうのか! そのような事などありえん!」

 

「確かに数値等で示す事の出来ない不確かな事ではあります…

 ですが、それらを切り捨て目を背けている限り…

 あなたは決して『最強』にはなれないんです!」

 

「…ならば見せてやろう、そのような不確かな事柄など

 跡形もなく吹き飛ばす『最強』に相応しい力というものを!」

 

~~~~~

 

泰葉の言葉を受け入れられないコントロールAIが、

己の信じる「最強に相応しい力」を見せつける為に

再びサイコシャードを展開して光を放出する。

 

「ま、またウィルス!?」

 

「いや、確かにウィルスだがさっきのとはまた別物だ!」

 

「メインにシールドにオプションの射撃系武装と

 バリア系武装のゲージに…EXアクションのゲージも

 全て空にされています! とはいえゲージ回復は

 通常通りのペースで行われているみたいですが…」

 

「メインやオプションの格闘攻撃は使用や選択が出来るし、

 一体何の目的でこのような事をしたんだ…?」

 

「…見ろ! ネオ・ジオングが!」

 

その様子を目の当たりにしたミサの驚きの声に対し、

カドマツが返答する。それに続ける形で泉とウィルが

現状を確認していく中、光が完全に引いた後の光景を

目の当たりにしたロボ太が声を上げる。

 

「あんなに遠くに…!?」

 

「こんな小細工で時間稼ぎして…何のつもり!?」

 

「一時凌ぎさえ出来れば問題ない、再び射撃攻撃や

 防御行動が可能になる前に消し飛ばせば良いのだから!」

 

円形フィールドから遠く離れた位置に移動したネオ・ジオングを

目の当たりにして驚く泰葉と、コントロールAIが取った行動への

率直な疑問をぶつけるミサ。それに対してコントロールAIは

一言返すと同時にフィールド全てを覆うレベルの大きさの

ネオ・ジオングとは異なる「何か」の生成を開始する。

 

「あの形状…まさか、コロニーレーザーっスか!?」

 

「ああ、間違いない…! しかもあの大きさじゃ、

 フィールドの横幅のみならず設定されている縦幅も

 スッポリと飲み込んじまう太さの光が放たれちまう!」

 

「なんという手を…!」

 

「止められないのか、カドマツ!?」

 

「悔しいが、コントロールAIへの直接的なアクセスが

 まだ出来ない以上止める事は出来ねぇ…だが、

 それとは別の対応出来る可能性のある策ならあるぞ!」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ、それを実行する為にも…『覚醒』をしてくれ、泰葉!」

 

「わかりました!」

 

コントロールAIが生成し始めたものの形を見て、

比奈が思い当たる物の名前を口にすると…

カドマツから肯定の言葉が返り、続けてそれの

大きさから攻撃が実行されると泰葉達はそれを

回避する事が不可能である事が告げられる。

それを聞いたウィルは苦々しさが滲み出る声で一言零し、

続けてロボ太がカドマツにコロニーレーザーの生成を

止められないかを尋ねる。それに対してカドマツは

直接止める事は不可能だが別の手立てがあると告げ…

それの実行の為に晶葉が泰葉に「覚醒」を要求する。

それに応えて泰葉が「覚醒」を発動させると…

 

「よし、悪いが一時的に泰葉の嬢ちゃんの機体の

 コントロール権限を俺達エンジニア組に移すぞ!」

 

「は、はい!」

 

「覚醒」の発動を確認したカドマツが、泰葉に断りを

入れた上で泰葉機のコントロール権限をカドマツ達

彩渡商店街チームエンジニア勢に移譲させる。

それから少々時間が経過した所で、泰葉機は右腕を

真上に掲げて備え付けの「ブランド・マーカー」を

展開し…そこから無限とも思える長さのビーム刃を形成させる。

 

「これは…ライザーソード!?」

 

「でも、ビーム刃の長さも太さも普段泰葉ちゃんが

 発動させた時のやつより大きくなってるよ!」

 

「…『覚醒』に関する各種データの収集作業の過程で

 取得した副産物の、『バーストアクションの威力及び

 判定操作』機能を使わせてもらったからな!」

 

「もちろん、ここまでの戦いで使用した事は一度もないが…

 今こそ使うべき時だと確信したので使わせてもらった!」

 

「向こうのコロニーレーザーが発射されるギリギリまで

 強化を施して、放たれる光を含めた全てを断ち切ってみせます!」

 

発動したバーストアクションの見た目が、これまで

使っていたものより大きくなっている事に泰葉とミサが

驚くとカドマツ達がそうなった理由を説明する。

 

そんな最中…

 

「わわっ!? き、機体が…!」

 

「泰葉ちゃんっ!」

 

「おっと!」

 

「主殿っ!」

 

ライザーソードが大型化した影響か、泰葉機がバランスを

崩して後方に倒れそうになったところで…ミサが振り上げている

右腕を掴み、ウィルとロボ太が後ろから支える形で再び立たせる。

 

「皆さん、すみません…!」

 

「構わないさ、その代わりこの一撃で終わらせてくれよ?」

 

「どんな形であれ主殿やミサを支えるのが私の役目、気に病む事はない」

 

「そーいう事、絶対にみんなで地球に帰るんだから!」

 

「そのような小細工程度でコロニーレーザーが撃ち負ける事などない、

 その光の刃もろとも全てを跡形もなく消滅させてみせよう!」

 

自機を支えてくれた事への泰葉が謝罪と感謝の意を込めた言葉に

ミサ達が返答する最中、コントロールAIは自信に満ち溢れた様子で

自らが放つコロニーレーザーが全てを消し去ると宣言する。

そこから間もなくコロニーレーザーが完全に生成され…

 

「コロニーレーザー、ジェネレート完了…全て消し飛べ!」

 

「今っス!」

 

「ああ! 行けぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

「頼むよっ!」

 

「お願いします…!」

 

巨大コロニーレーザーから光が放たれると同時に、

カドマツの掛け声と共に無限にも思える長さの

ビーム刃を展開した泰葉機の右腕が振り下ろされ…

ミサと泰葉の祈りを込めた言葉の直後に

コロニーレーザーから放たれた光とぶつかり合う。

 

そこから数秒でありながら永遠にも思える間、

ぶつかり合った全てを消し去る光と無限の長さの

光の刃が固まったかのようにその場に留まったその後…

 

その光の刃は放たれた光を、

 

その光を放った巨大コロニーレーザーを、

 

その巨大コロニーレーザーを生成したネオ・ジオングを、

 

全てを縦に真っ二つに断ち斬り…

 

「馬鹿な…!!」

 

コントロールAIの驚愕の言葉を合図代わりに

巨大コロニーレーザーとネオ・ジオングは爆散し、

断ち斬られた光は泰葉達を避けるように

左右に分かれて飛んで行った後に消滅した。




比奈:今回は文字数は控えめっスが…何ともまぁ
   ゲーム内描写を元にプロデューサーの
   独自解釈が詰め込まれた代物っスね

P:「コロニーレーザー召喚を最後の大技にしよう」というのと
 「ライザーソードでコロニーレーザーから放たれた光を断ち切ろう」
 という2点についてはそれこそ最初から決めてた部分だからな…
 そこに漕ぎ着ける為の独自設定の影響で、最終的にトドメをさしたのが
 泰葉達じゃなくてカドマツになってしまったのは正直予想外だったが

比奈:まぁそもそものシミュレーターによるウィルス駆除という手法が
   カドマツさんなしでは使えない手法でしたし、その流れから
   トドメ役を担当するというのも決して不自然ではないと思うっス

P:すまんな…さて、次回はいよいよステージクリア後から
 エピローグまでを描いてゲームにおいて描写された
 本編シーンを書き切る事になります。その部分においても
 独自解釈を織り込む事でボリュームと面白さを増すように
 最善は尽くしますのでお待ち頂ければ幸いです
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