CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE 作:wataru012
テザー切断を成し遂げ、無事にステーションの
格納庫ブロックにガンダムを帰還させ…
ミサさん共々無事にステーション本体部に戻った
私達は皆さんからのねぎらいの言葉をかけられ、
その後カドマツさんのコントロールAIへの指示と共に
ステーションは静止軌道への帰還を開始しました。
ツキミさんの言葉通り、それから静止軌道への帰還には
数週間という日数が掛かってしまいましたが…
その間に削除されてしまったカウンターウェイト側テザーの
接続及び切断の為のプログラムの地上からの受信からの
再インストール、そこからプログラム実行テストを兼ねての
私とミサさんがガンダムを用いて切断したテザーの
切断面の分離が行われ無事に成功したり…
ウィルさんがツキミさんとミソラさんに話していた
「鹿児島ロケットとタイムズユニバース宇宙開発部門との
連携確立による静止軌道ステーションへの定期的な
食料や飲料水等を搭載したロケットの打ち上げ」を、
ウィルさん自らの交渉によって実現させたり…
プロデューサーの提案による「生存報告を兼ねての
静止軌道帰還までの間の定期的な生配信」を、
事務所とタイムズユニバースの両方と交渉して実現の上
その2社に加えてガンプラバトル公式運営を含めた3つの団体の
公式SNSで宣伝して貰う事で多くの人に見てもらったり…
ウィルさん自ら私達の前で「彩渡商店街の土地買い上げを取り止めて
商店街との業務提携の形による百貨店の規模拡大を行う」と、
「実質的に僕の『命の恩人』とも言える立場になった君達の顔を
潰すような真似をすれば、こちらにとって甚大な規模の
損害が生じる事は免れない為こういう形を取らせてもらった」
という理由と共に説明されてミサさんが驚きながらも喜んだり…
その上で改めてウィルさんが「商店街の行く末等は抜きにして、
君達とのバトルの正式な決着は付けたい」と、ガンプラバトル公式運営と
交渉の上で世界大会決勝戦のリマッチの帰還後の実施に漕ぎ着けたり…
といった具合に色々な出来事があった為、静止軌道への帰還までの
体感的な時間はそこまで長いとは思えないものになりました。
そして、ステーションの静止軌道への帰還からカウンターウェイト及び
メガフロートから展開されたテザーへの再接続を経て軌道エレベーターで
地球に帰還してからも…まだまだ多くの出来事が続く事になりました。
訓練を受けていない身で一定期間以上の宇宙滞在をした事による
私達の肉体や体調に対しての確認の為の検査入院を、私達彩渡商店街チーム
及びウィルさん達タイムズユニバースチームのスタッフも含めた全員が
ウィルさんの提案で日本国内のとある病院に一緒に入院して行われたり…
検査の結果一同全員に異常がない事が判明して退院後、346プロと
彩渡商店街にタイムズユニバース…それに加えて静止軌道帰還の
立役者となったハイムロボティクス及び鹿児島ロケットの5団体による
合同記者会見が行われ、それをきっかけに様々なメディアからの
インタビュー依頼が立て続けに申し込まれ…ミサさん達を始めとした
彩渡商店街の負担を軽減する為に、私達346プロ側とカドマツさん達
ハイムロボティクス側にロクトさん達鹿児島ロケット側…それに加えて
ウィルさん達タイムズユニバース側が積極的にインタビューを受けようと
各社上層部も交えての相談の上決定した為、そこからしばらくの間は
立て続けにインタビューを受け続ける忙しい日々が続く事になりました。
その合間に各種メディアで「今回の静止軌道ステーション漂流未遂事件の
解決によって、軌道エレベーター及び静止軌道ステーションの信頼性が
証明された結果これまでとは比べ物にならない速度で各種宇宙開発計画が
実現化に向けて進行し始めている」というニュースが報道され、
それに対してミサさんが「自分達がプロパガンダに利用されたようで
釈然としない」と愚痴を零しており…その気持ちも理解は出来ますが、
どんな形であれ未来に向けて進んで行く事は喜ばしいと私は思いました。
そうして、ようやく私達の周囲が落ち着き始めた頃…
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「…泰葉ちゃん達、今彩渡駅に着いたって」
「お、だとすりゃあとちょいで始められるか」
「ようやくか…向こうの事情は理解しているけど、
それでも待ち遠しいという気持ちは生じてしまうな」
「今日この日が来る事を、非常に楽しみにされてましたからね」
「…まぁ、それは確かにその通りだね」
「随分ウキウキしてるみてぇだが、
そんな浮ついた気持ちであいつらに勝てると
思ってんならさすがに舐め過ぎだぜ?
…にしても、そっちも未だに忙しいってのに
こうしてやって来るなんて律義なもんだな」
「…記者会見直後よりは落ち着いては来たけど、
昨日もまた新しいインタビュー動画が
上がってたしなぁ…仕事とはいえ、そんな中で
来てくれるなんてホント凄いもんだよ」
「泰葉ちゃんは芸能界の経験年数で言えば
並のアイドルを遥かに上回っているって話だし、
それ故のプロ意識の高さもあって『仕事』に
対しては誠実だという話は聞いてるからね」
「そんな嬢ちゃんに来てもらった事が、
商店街にとっての最大の幸福だったって訳か」
「ホント、まさしく『救いの女神』だったわね」
「商店街との関わりが一切ない身だが、
それには同意だな…っておいウルチ、
もうすぐアイツらが来るから切り上げとけ」
「姐さん、急ぎますんで何とか最後までやらせて下さいよ」
「それにしても…一応人が入れないように塞いでるけど、
あんな大穴空いたままで大丈夫なのか婆さん?」
「なーに、泥棒さえ防げりゃ問題ないさ。それに今日の様子を
世界中に生放送して、視聴者がおひねりを飛ばしてくれるって
話だろ? そのおひねりの取り分次第で、本格的な壁の修理代を
捻出出来る状態になりゃあ手を付けてやろうって考えてるからね」
「言い方はともかく、皮算用にも程がありませんかそれ…?」
「そもそもイベント会場としてこの店を使わせる代わりに、
ガンプラバトル公式運営にイベント生配信の収益化を要求の上
投げられたスパチャの総額から結構な割合を店舗側の取り分に
させるようにするとは…強欲も極めればここまでの力に成り得る、か」
「…あ、今ちょうど入口に姿が見えました!」
「ようやく来たね…今日という日を形作る、最後のピースが!」
ようやく実施日が決まった世界大会決勝戦リマッチイベントの
会場となったイラトゲームコーナーには、ミサにカドマツや
ウィルとドロシーに加えタイムズユニバースチームのエンジニア勢…
それらに加えてユウイチ達彩渡商店街店主勢を始めとしてタイガーにカマセ、
モチヅキとウルチやツキミ・ミソラ・ロクトを始めとした人々が
観戦の為に店舗狭しと詰め込まれ…さらに司会と解説役のMCハルとミスター、
そしてここの店主と店員であるイラトとインフォがそれぞれ
思い思いの会話をしながら泰葉達346プロ勢の来店を待ち侘びていた。
そうして自動ドア越しに見えた集団が、一歩踏み出して店内に入ると…
「いらっしゃいませ」
「はあっ…すみません、前の仕事が押してギリギリになってしまいまして」
「何、待ち兼ねはしたけどこうして無事に来れたなら良かったよ」
インフォの挨拶に応える形で、泰葉が息を切らせながら
約束の時間ギリギリになってしまった事への詫びを口にする。
それに対してウィルは素直な気持ちと同時にねぎらいの言葉を返す。
「…さて、それでは両チームが全員集合しましたので早速ですが
『第1回ガンプラバトル世界大会決勝戦リマッチ』の開催を宣言しまーす!」
「世界大会の参加者や観戦者、配信の視聴者を始めとした多数の人から
『ルール上問題がないと言っても3対1の戦いでは不公平だ』という意見が
多数寄せられた為、彩渡商店街チームの面々には事前に説明したが
そちらのチームのファイター3名のうち1名を代表者として選出し
その代表者とウィルとの1対1のバトルとさせてもらう!
…さて、その代表者となるファイターは果たして誰かな?」
2人が挨拶を交わしたのに続けて、MCハルによる決勝戦リマッチの
開催宣言が為され…ミスターから今回のバトルのルールについて告げられる。
「…私です」
「やはり、か…とは言え僕としてもそれは望む所だけどね」
そのミスターの言葉に、呼吸を整えた泰葉は顔を上げ
ミスターを見据えながら「自分が出る」事を告げる。
それを聞いたウィルも、泰葉に視線を向け満足気な様子を見せる。
「と…ドロシー、彼女達にこの戦いに勝利した時の報酬を伝えてくれ」
「わかりました。…この戦いに勝利したチームが、来月より実施される
タイムズユニバース百貨店彩渡駅前店と彩渡商店街のコラボレーション
バーゲンセールの各種宣伝において名前を優先して表記する事が出来ます」
「おいおい、内容がショボ過ぎないか?」
「地球帰還後から今までこちらも多忙だったものでね、
企画立案の時間が十分に取れなくて今回は簡素なものに
留まってしまったが…次回の共同企画では、出来る限り
大規模なものをと考えているから今回はこれで勘弁して欲しい」
「…ま、確かにそっちも忙しかったってのは
外野の身にもひしひしと伝わって来てたからな…
次の機会にゃ、ドカンと派手なやつを頼むぜ?」
そこから続ける形で、ウィルがドロシーに今回の
決勝戦リマッチでタイムズユニバースが準備した
「勝利報酬」についての説明を促し…それを受けて
ドロシーが報酬内容を説明するとそれに対して
モチヅキからのツッコミが入る。それに対してウィルは
「地球帰還後からの多忙さの為に企画を練る為の時間が
取れなかった事でこういう内容に留まってしまった」と
謝罪と共に説明する。その言葉を聞いたタイガーはウィル達
タイムズユニバース側の地球帰還後からの忙しさについて
理解を示した上で次の機会での期待を口にする。
「さて、ウィルからの報酬に続けて…私からも1つ、
ガンプラバトル公式運営からの優勝トロフィーとは
別のとっておきのものを勝者に送らせてもらおう!」
「またトロフィー? にしては妙にあちこち曲がってたり
傷があったり歪んでたり壊れたりしてるみたいだけど…」
「…あっ! ミスターさん、もしかしてそのトロフィーは…!」
「…取ってあったのか、正直予想外だったよ」
「苦い記憶の塊ではあるが…どうしても捨てられなくてね」
タイガーの発言に続く形で、ミスターがガンプラバトル公式運営からの
世界大会優勝者へのトロフィーとは別個に持って来たカバンから
大掛かりなものを取り出すと…ファーストガンダム本編での
「ラストシューティング」の時の姿のガンダムが頂点に象られた
トロフィーだったが、ミサの感想通りあちこちに損傷や歪みが
生じているものであり…それを見た泰葉は、ジャパンカップ後の
打ち上げの時のミスターの話とそのトロフィーが結び付いて
ミスターに問い掛ける。その問いへの答え代わりと言わんばかりに
ウィルがそのトロフィーに反応し、その言葉にミスターは苦い記憶を
中心とした様々な感情が交じり合う複雑な気持ちが込められた一言を零した。
「なかなか沢山の思いが詰まっちゃいるが…
もう一声、何か付け足せないもんかね?」
「それじゃあ…勝った方のファイターに、
ミサちゃんのキスなんてどうかしら?」
「ちょ、ちょっとミヤコさん!?」
「娘の唇を賭けての戦いか…胸が熱くなるね」
「おいおい、父親としてその感想はどうなんだ?」
「泰葉ちゃんを信じてるからこそ言える、って事さ」
「全くもー…ゴメンね泰葉ちゃん、プレッシャー掛けちゃって」
それを聞き終えてのカドマツの一言に続けて言い放たれた
ミヤコの提案にミサは驚き…ユウイチとマチオの反応に
呆れながら泰葉に対しプレッシャーになってしまった事を詫びる。
「気にしないで下さい、この程度で動揺する程
柔な心ではないという自信はありますから」
「さぁ、盛り上がって来ました! それではファイターのお2人は
ポッドに入りガンプラの各種チェックを行って下さい!」
「さーてアンタ達、どっちが勝つか賭けな!」
「ちょっとイラト婆ちゃん!」
「それなら僕は泰葉ちゃんに一口だね」
「おう、俺も同じくだ!」
「私も乗らせてもらうわね?」
「そんじゃあ俺もミサの親父さんに同じくで行くぜ!」
「俺も右に同じくだ!」
「私も泰葉に一口と行こう!」
「アタシも姐さんに同じくっす」
「もちろん俺も泰葉さんに賭けるぜ!」
「じゃあ私も泰葉ちゃんに一口で乗らせてもらおうかな?」
「こちらも後輩2人に同じく、だね」
「ちょっとアンタ達! 全員同じ相手だったら賭けにならないじゃないか!」
「これは皆さんの方が上手でしたね、マスター」
ミサの詫びに対し泰葉が気にしないようにと返事をしたのに併せて、
MCハルが泰葉とウィルにポッド入りとバトル準備を促す。
その直後のイラトの言葉にミサがツッコミを入れるが、
ユウイチの返事を皮切りに観客全員がノる事で
イラトの目論見を見事に御破算に仕立て上げる。
「全くもって騒がしいな…だけど決して悪い気分じゃない、
こうも盛り上がってもらえるのは期待の表れだろうからね。
…だからこそ、その期待に応えるようなバトルをしようじゃないか」
「…はい!」
そんな喧騒を苦笑いしながら見つめつつも、それが自分達への期待と
受け取ったウィルは泰葉に対しそれに応えられるようなバトルを
するようにと声を掛ける。それに対する泰葉の力強い返答と共に
2人はそれぞれポッドに入り自分のガンプラの確認に移る。
そうして両者全ての準備が完了した事が告げられると…
「では、これより第1回ガンプラバトル世界大会決勝戦リマッチ
『彩渡商店街チーム』VS『タイムズユニバースチーム』を開始します!」
「言われるまでもないだろうが、全力を尽くしたバトルを期待してるぞ!」
「岡崎泰葉、ダブルオーインハーリッティドウィッシュ…行きます!」
「ウィリアム・タイムズ、ガンダムセレネス・SS…出撃する!」
MCハルのバトル開始宣言とミスターの期待の言葉に続き、
泰葉とウィルそれぞれの出撃口上がイラトゲームコーナーに響いた。
比奈:今回は最近よりは文字数少な目っスけど、
内容は結構詰めこまれてまスねぇ…
静止軌道帰還までのあれこれや地球帰還後の
慌ただしさ、そしてリマッチイベントの賑やかさと
P:前にも言ってたが、ゲーム内の描写だけでは物足りないと
個人的に感じた部分の自己流付け足しをあれこれを
していくうちにボリュームが増していってな
比奈:それに加えて色々とゲーム内描写からの変更も
加えられてまスからねぇ…上手い事、既プレイ者の
読者にとっての新鮮味に成れば良いっスね
P:そうなってもらえば幸いだな…さて、次回は今パート
「世界大会編」の決着としてゲーム内では描かれなかった
「リマッチバトル」とその決着後を書こうと思います。
どれだけ満足させられるかは何とも言えませんが
最善は尽くしますのでお待ち頂ければ幸いです