CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE   作:wataru012

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リマッチバトルアフター編~お祭り騒ぎと過去へのケジメ
ソロバトルロワイヤル編その1・決着後のお祭り騒ぎ


「さて、リマッチバトルも決着し優勝トロフィーの

 受け渡しや写真撮影も無事終わった所で…

 ミスターからの感想を一言お願いします!」

 

「そうだね…まさに『素晴らしいバトル』といった表現が

 しっくり来る、2人の闘志や『勝ちたい』という気持ちが

 ひしひしと伝わって来るものだったよ! 観戦しているうちに、

 私自身の現役時代を思い起こさせて熱くなってしまう程に!」

 

「そう言えば、今まで尋ねた事がありませんでしたが…

 ミスターの現役時代は一体どんな感じだったんでしょうか?」

 

「そうだな…詳細に語ろうとすると長話になってしまうが、

 一言で表すとすれば…まさしく『輝いていた』時代だったよ」

 

「輝いていた…ですか?」

 

「ああ…当時、私は多くのスポンサーを抱えるファイターとして

 世界各国の大会に参加し…その全てで優勝するという、

 まさにファイターとして脂が乗っていた時期だった」

 

「ちょうどその頃から、今でも続いている『ミスターガンプラ』という

 呼ばれ方もされ始め…そんな折、私はアメリカで開催された大会に参加し

 そこでウィルという1人の少年ファイターと出会った。彼は私のファンだと言い、

 決勝まで勝ち進んで私に挑戦してみせると宣言し…その宣言に対して

 私は『力を尽くした素晴らしいバトルをしよう』と返したが、

 正直な話…当時の私は彼が決勝まで勝ち進むとは思っていなかった」

 

「だが彼はその言葉を現実のものとし、決勝戦は私と彼のバトルとなった。

 そんな彼とのバトルは、私にとって忘れかけていた感覚である

『互角の実力を持った相手との戦いによる高揚感』を思い出させてくれた」

 

「あ、あのー…ミスター、もうそろそろ…」

 

「最早年齢差など忘れ、新たに『ライバル』と呼べるファイターが現れた事を

 心から喜び…バトルの中で互いの力をさらに高め合い、成長し続ける感覚を

 味わい…そんな時間もあっという間に過ぎ去っていき、私は彼に…」

 

「すみませんミスター、そのくらいで…」

 

「おっと済まない、あの頃を思い出すとつい多弁になってしまってね」

 

泰葉に頼まれて、ミサがミスターから渡されたトロフィーの土台部分に

キスをするシーンの写真撮影が終わってしばしの時間が経過した頃合いに

MCハルがミスターに対してリマッチバトルの感想を尋ねる。それに対しての

ミスターの返答に対し、その中に出て来た「ミスターの現役時代」について

尋ねると…ミスターは感慨深げな様子で、ジャパンカップ終了後に泰葉達に

話した「最高のバトル」を振り返っての言葉をまさに立て板に水の如く

語り始める。その様子を見たMCハルは、ジャパンカップ開催式の時の

二の舞を避けようと話のキリが良いと思ったタイミングで止めようと試み…

2度目の声掛けで何とか止める事に成功し、ミスターも詫びを返した。

 

~~~~~

 

(あのーミスター、話題に出してる少年本人が私の隣で顔を赤くしてるんだけど)

 

(ある意味公開処刑状態っスね…ミスターさん語り始めると止まらないとはいえ)

 

(ハルさん、知らないとは言え意図せず地雷を踏んでしまいましたね…)

 

「全く…覚えてくれているのは有難いけど、こうして大勢の人前で

 昔語りというのは恥ずかしいから勘弁してもらいたいよ…チャンプ」

 

ミスターが流暢に過去を思い返しての話を進める中、泰葉と比奈とミサは

大勢の前で名前を挙げられ赤面して俯いているウィルの姿を見ながら

それぞれ心の中でミスターへのツッコミやウィルへの労いを思い浮かべ…

ミスターの話が止まったタイミングで、照れが残る赤みを帯びた顔で

苦笑いをしながらウィルはミスターに感謝すると同時に苦言を呈していた。

 

「いやはや、すまんな…それはそうとウィル、8年前のバトルで

 君が使ったあのガンプラは…まだ手元にあるのかな?」

 

「そうだね…ずっとしまい込んでいたけれど、一応破損等は

 しないようにはしていたし今でも使おうと思えば使えるよ。

 …シミュレーターが対応していれば、の話だけどね」

 

「そうか…私も同じくだ。捨ててしまうには忍びないが、

 使うには辛くてしまい込んでしまった…といった所だろう?」

 

「…まぁ、否定はしないよ」

 

「…よし、せっかく今日この場所に多くのファイターが

 集っている絶好の環境だ。まずはソロ、続けてチームでの

 バトルロワイヤルと行こうじゃないか! 私とウィルは

 先程から話題に出している8年前の機体で出撃させてもらおう!」

 

「本当にシミュレーターに対応させたってのかい?

 …全く、準備がいいと言うか何と言うか…」

 

「ウィル…こうして再びガンプラバトルの世界に飛び込み、

 ファイターとしての情熱を取り戻した身であれば昂った

 気持ちのままに戦いたいという…この気持ちがわかるはずだ」

 

「その言葉でゴリ押すというのもどうかと思うけど…

 何だかんだでこうしてあの時のガンプラを持って来て

 しまっている僕も人の事をどうこうは言えないか」

 

そこからの2人のやりとりは終始ミスターが押せ押せの雰囲気で

ウィルは苦笑いを続けていたが…その中で、自分もミスターと

同様にやはりガンプラバトルが好きなのだという事をウィルは自覚する。

 

「…つってもここにあるシミュレーターは4台だけだろ?

 今ここに居る面子の中のファイターの数と比べると足りねぇし

 全員で一斉にバトルするってのは無理なんじゃねーか?」

 

「ああ、それについては心配無用だ。このゲームセンターの

 駐車場にシミュレーターとサーバーを搭載したトラックを

 止めさせてもらっているから、それらを併用すれば問題ない」

 

『ええっ!?』

 

2人の会話に区切りが付いた所に投げかけられたタイガーの疑問に

ミスターが返答すると、ミスターとイラトにインフォ以外の一同は

驚きの声を上げ…インフォ以外の一同は店外に飛び出し駐車場に向かう。

そうして一同が駐車場に到着すると、そこに止まっていた大型トラックと

それらの荷台の中のガンプラバトルシミュレーターを目の当たりにし

その様子にただただ圧倒され言葉に詰まりしばし立ち尽くしていた。

 

「す、すっご…」

 

「もう、それしか言葉が出ませんね…」

 

「情熱と金銭を持ち合わせているからこそ出来る事だなぁ…」

 

「それに加えて確かな実績とネームバリュー持ちっスからねぇ…」

 

「いや…仮に私に同等の情熱と金銭と実績とネームバリューが

 あったとしても果たしてここまでの事を成し遂げられるか疑問だな」

 

「それ以前に駐車場の殆どを占拠しているこの状況、

 今日がイベントで臨時休業だからこそ出来る荒業だね…」

 

「ま、近所のコインパーキング相当の駐車時間に応じた

 駐車場利用代も出してくれるって事で許可したんだけどね」

 

「相変わらず、その辺りはしっかりしてるなぁ…」

 

「ホント金が絡む事に関しては抜け目ねぇよなぁ」

 

「そういう所はやっぱりイラトおばちゃんらしいわね」

 

そんな中でミサと泰葉達が口々に感想を述べる中、

イラト婆さんがしっかりと駐車代も払わせる約束を

した事を口にするとユウイチ達彩渡商店街店主勢が

それぞれ呆れたような感心したような反応を返す。

 

その後は再びイラトゲームコーナーに戻って

参加者がどのシミュレーターを使用するかを

インフォを用いた抽選で決定し、その結果

店内のシミュレーター4台は泰葉・ミサ・ロボ太の

彩渡商店街チームとウィルの4人という事となり…

両チームのエンジニア勢が準備に取り掛かる中、

ウィルが泰葉達に声をかけて来た。

 

「チャンプの思い付きに振り回される形、かつ非公式の

 バトルとは言えこんな早々に君へのリベンジの

 機会が与えられた事は素直に有難いよ」

 

「でしたら私は、ミスターさんとそちらの過去の愛機も

 撃破する事でお2人に対して完全勝利と行きましょう」

 

「泰葉ちゃんにリベンジしたいってウィルの気持ちは

 私もわかるけど、まずはミスターを含めた私達にも

 勝つ必要があるって事は忘れるんじゃないわよ」

 

「わかってるさ、チャンプも含め君達全員を完膚なきまでに

 叩き潰す勢いでこのバトルロワイヤルに挑ませてもらうよ」

 

3人がそれぞれ「勝つのは自分だ」と言わんばかりの

言葉をぶつけ合う中、それぞれのチームのエンジニアから

準備完了の報告が入り…各人は指定されたポッドに入る。

 

「さて、と…」

 

「泰葉ちゃーん、聞こえるっスかー?」

 

「あ、比奈さん…はい、問題ありませんがどうしました?」

 

ポッドに入りガンプラをセットしようとした所で、

比奈からの通信が入り返答しその直後に質問をする泰葉。

 

「あー、今回エンジニアを中心としたサポート勢が

 ファイター3人それぞれを分担して受け持つ形に

 なりまして…泰葉ちゃんには私とプロデューサー、

 ミサちゃんは晶葉ちゃんと泉ちゃんが受け持って

 ロボ太くんにカドマツさんという形っス」

 

「そういう事、今までも外部から戦闘の様子は

 見させてもらってるけど状況報告とかは未経験だし

 上手には行かないかもだけどよろしく頼むよ」

 

「…いえ、こうして見守ってもらえている事が

 明確に自覚できるだけでも気持ちに大きく

 余裕が出来ますので…ありがとうございます」

 

比奈からのサポート分担の報告に続いての

プロデューサーの言葉に礼を返す泰葉。

そうして自身のガンプラの各種設定を

確認の後セッティングを行い…。

 

「岡崎泰葉、ダブルオーインハーリッティドウィッシュ…行きます!」

 

普段通りの出撃時口上と共に自身の初プレイ、

そしてアジアツアー1日目以来の単独での出撃が行われた。

 

~~~~~

 

そうして泰葉が最初に降り立ったフィールドは、

ロボ太の初バトル時の舞台となった満開の桜が咲く

和風建築の家の庭であり…泰葉のログインから間もなく、

敵機のログイン警告が表示される。そうしてやって来た

泰葉のバトルロワイヤル最初の相手となるガンプラは…

 

赤と黒と虎の縞模様を思わせる黒と茶の迷彩の機体色の

ガフランの頭にガーベラ・テトラの胴体、腕部は

ダブルガトリングガン付きのサーペントで脚部はサザビー…

そして右腕にバルバトスのメイスを持ち、背中に背負った

合計4本の「シュベルトゲベール」と左右にはみ出す形で

設置されたプロペラントタンク2本というパーツ構成と

機体の塗装を見て比奈は相手が誰かを察する。

 

「あの時と色合いは異なれど、虎の縞模様風迷彩入りの

 機体カラーでサーペントにガフランにバルバトス…

 それに加えてサザビーとガーベラ・テトラのパーツを

 使ってるという事は、その機体…タイガー君っスね」

 

「ハハッ、ご名答ってこった…とは言えこうして初っ端で

 あんたとぶつかったってのはある意味好都合だな」

 

「どういう事でしょうか?」

 

あっさりと眼前の機体のファイターを当てられながらも

上機嫌な様子で早々に泰葉と対峙出来た事を歓迎するような

タイガーの発言に、泰葉は率直に疑問を返す。

 

「あんた達の地球帰還から検査入院を経ての記者会見、

 俺も見させてもらったけどよ…そん時の出だしで

 あんたら一同が無事に地球に帰還出来た事の報告で

『ただいま』の挨拶してただろ? そいつを聞いた時に

 今日のリマッチイベントでタイミングを見計らって

 俺からの返事として『おかえり』って言ってやろうって

 思ってたんだが…こうして初っ端にぶつかったってんなら、

 その挨拶代わりに全力で戦り合おうって思ってな」

 

「なるほど…」

 

「あの時の一方的な言い分をこんな形で

 昇華させるとは…お見事としか言葉が出ないっス」

 

それに対するタイガーの返事に、泰葉も比奈も

感心した様子で一言口にすると…タイガーが

この場の空気を換えようとさらに一言言い放つ。

 

「…さて、お喋りはこんくらいで切り上げて…

 世界王者の腕前、見せてくれよ?」

 

「わかりました、では…行きます!」

 

その言葉への泰葉の返答を合図に、戦いの火蓋が切られた。

 

「ファンネル、シールドビット…全機展開!」

 

「突っ立ってんなら、遠慮なく行かせてもらうぜ!」

 

泰葉がビルダーズパーツで増設した「ファンネル」と

「シールドビット」を展開すると、その間無防備な姿を

晒していると判断したタイガー機が一直線に突撃する。

その突撃速度の予想以上の早さを見て、迎撃に

「ピーコック・スマッシャー」の照射を使っては

ビームが放たれる前にメイスの一撃を受けてしまうと

判断した泰葉は拳法ハンドによる打撃での迎撃を試みる。

 

「うっ…!」

 

「悪ぃが、得物のリーチならこっちが上だからな!」

 

しかしながらタイガーも泰葉機の踏み込みを見て格闘による

迎撃を行うと判断し、メイスを振るうタイミングを早めた事で

泰葉機の拳が届く前にその一撃を叩き込む事に成功し

そのまま連続打撃から打突部に仕込まれているパイルバンカーを

突き刺して吹き飛ばしダウンを取る。さらにそこから飛び上がっての

メイス叩き付けに繋ぎ、背中に備え付けたサザビー盾の内蔵格闘武装

「ビーム・トマホーク」による連撃からEXアクションの

「ブレードツイスター」に繋げてメイスによる打ち上げ打撃2発から

自機の頭上でメイスを振り回しての連続打撃…そして最後に

自機も飛び上がっての打ち上げ打撃で大きく浮かせた後に

ブーストで追跡しての「シュベルトゲベール」による連続斬りから

落下大車輪斬りに繋げて泰葉機を思い切り地面に叩き付ける。

 

「どうしたどうしたぁ! 世界王者の実力はこんなもんじゃねぇだろ!?」

 

先手を取ってからの連撃で一気にダメージを与えながらも、

泰葉機の耐久力はまだ多く残っている上にアビリティの

オートリペアによって回復している様子を見たタイガーが

泰葉を煽るような…それでいて発破をかけるような言葉を言い放つ。

 

「言ってくれますね…ですが、こちらの判断ミスもありますが

 それを的確に突くそちらの行動に成長を実感しました。

 だからこそ、私もそちらの期待に応える為に力を尽くします!」

 

それに対して、泰葉はタイガーの成長を認めた上で

それに応えられるように改めて力を出し切ると宣言し

ダウン状態から立ち上がると再びタイガー機目掛けて

ブーストを吹かして突撃して行く。それを迎撃せんと

タイガーが腕部備え付けの「ダブルガトリングガン」による

弾幕を浴びせようとした所に「ピーコック・スマッシャー」の

「ランダムシュート」による側転で弾幕を回避しながら

ビーム弾を放てば、タイガーもビーム弾を回避した後に

より確実に命中させる為に為に両肩備え付けのオプション武装

「肩部8連装ミサイルランチャー」からミサイルを放つ。

 

「たあっ!」

 

「そう来たか、だったら動いて…うおっ!?」

 

それを見て泰葉はEXアクション「ライトニングスラスト」を

発動して高々と飛び上がる事でミサイルを回避し、観戦時の記憶から

その後の行動を予測し回避行動を取ったタイガー機を追尾して

上空からの強襲を叩き込み地面への叩き付けからバウンドで浮かせる。

そこからこれまでに見せた追撃手段の「ブラストナックル」や

「GNマイクロミサイル」とは異なるブースト上昇からの拳法連撃を

数セット叩き込んだ後に「ブラストナックル」を叩き込んで

泰葉機の足元にダウンさせ、追撃に「ピーコック・スマッシャー」の

照射を「ファンネル」や「シールドビット」のオールレンジ攻撃と

共に叩き込み…さすがに耐えきれなかったタイガー機は爆散する。

 

「くっそぉ…分かっちゃいたが、やっぱ強ぇな」

 

悔しさと同時に泰葉の実力をその身で感じ取った

タイガーの言葉が響いた直後、泰葉機は次の

バトルステージへと転送されて行った。

 

~~~~~

 

タイガー戦が終わって転送されたバトルフィールドは、

小川とその左右に広がる草原に「ガンキャノン」

「ゴッドガンダム」「ビルドバーニングガンダム」の

3機がCPU機として多数現れているステージだった。

 

「対人メインとはいえ、CPU機も出て来ますか」

 

「MF系2種に砲撃機…見事な役割分担っスね。

 とはいえ今回は砲撃機より前衛の2種の方が

 一撃の重いEXアクションとプロミネンス属性付きの

 オプション武装持ちなので火力が高いと言えまスね」

 

「なるほど…ですがほぼ平地のこのステージなら

『ピーコック・スマッシャー』の照射に

『GNマイクロミサイル』や『ラピッドショット』を

 交えれば容易に一網打尽に出来そうなのは幸いですね」

 

CPU機の分かり易い役割分担と前衛2機の火力の高さについて

比奈が話すと、泰葉はフィールドの形状から手持ち武装による

一斉撃破が出来そうな戦況に安堵した様子で言葉を返す。

 

その言葉通りに的確に前衛2機の格闘攻撃やガンキャノンからの

砲撃及び「ビーム・ライフル」からの照射ビームを避けつつ

立ち位置を調整しての「ピーコック・スマッシャー」の照射に

「GNマイクロミサイル」と「ラピッドショット」を交える事で

順調にCPU機を殲滅しながらフィールドの奥に進むと…敵チームの

ログイン警告が響き、その直後に「2機」が眼前に降り立った。

 

「ミサさんに…ミソラさんですか」

 

「いやー、ミソラちゃんと接敵時に共闘を持ち掛けられちゃって

 面白そうだからノってみたけれど…相手が泰葉ちゃんとはねぇ」

 

「とはいえミサちゃんの武装に足止め効果のあるものが多いし、

 そこに私の増強した火力を叩き込めれば十分勝ち目はあるよ」

 

「アジアツアーの時のものから、分かり易く大砲が2門増設されてるね…」

 

「あの後『2人タッグ時に押されないようにするにはどうするか』を

 ツキミと相談した結果、『互いのコンセプトを尖らせる』という

 方面で行こうって事になってこうなった…って所ですね」

 

ミサの「アザレア・サウザンドブレイカー」の隣に建つ

GNアーチャー頭にブラストインパルスのバックパックという

取り合わせを見て、アジアツアー時の記憶からその機体が

ミソラのものと判断した泰葉の言葉に返す形でミサが

こうなった経緯の説明と泰葉とのエンカウントへの驚きを口にする。

その後、ミソラ機のバックパックの「ケルベロス」両サイドに

増設された「アグニ」2門を目の当たりにしたプロデューサーが

その見た目に圧倒されての感想を口にすると、ミソラがそれへの

返事としてそういうアセンブルになった理由を話す。

 

「と、早速だけど…行くよっ!」

 

ミサがその言葉と共にライトニングガンダム背のミサイルを

発射したのを合図代わりにバトルが始まり、泰葉はそれを

回避しながら明らかに高火力なミソラ機を標的に移動する。

 

「何のっ!」

 

「…っと!」

 

だがミソラが泰葉を迎撃せんと右手に持ったシナンジュの

「ビーム・アックス」を振るうのを見て泰葉は避けるために

ブーストを継続しながらミソラ機の側面に回り込む。

それを見たミサはオプション武装を脚部に増設した

「ミサイルポッド」に切り替えて発射し、泰葉機に再び

回避を強制させそれに呼応する形でミソラは右手の得物を

トールギスⅢの「メガキャノン」に切り替え照射ビームを放つ。

 

「即興タッグとは思えない連携ですね…でもっ!」

 

泰葉はそんなミサとミソラの連携の良さを賞賛しつつも、

「メガキャノン」の照射を回避した所で2機の硬直を確認すると

一気にミソラ機に取り付いて拳法連撃を叩き込み始める。

 

「悪いけど、思い通りにはさせないよっ!」

 

それを見たミサが両手の「GNビームピストル」の銃口を

泰葉機の側面に向けたのを横目で確認した泰葉は自機を

高く飛ばせる事で放たれたEXアクションを回避し、

そのまま空中からの「GNマイクロミサイル」による

爆撃から「ラピッドショット」の追尾弾に繋げる事で

2機にタメージを与えた後に空中で大きくブーストを

吹かせて移動し回り込むように着地し…そこから

「ピーコック・スマッシャー」の照射を浴びせる。

 

「さすがの強さだけど…やられっ放しじゃ終わらないよ!」

 

「そーいう事!」

 

それによって大ダメージを受けたミサとミソラだったが、

返す刀とばかりに同時のタイミングで「ケルベロス」の照射と

EXアクション「オルタネイトショット」を放つ。

 

「たあっ!」

 

「しまった、これは私狙い…」

 

「おわっ!?」

 

「ええっ!? そっち!?」

 

それらの照射ビームが着弾する前に、泰葉は

EXアクション「ライトニングスラスト」を発動し

大きく飛び上がって回避する。その動きを見て

自機の残り耐久力の低いミソラが自分が狙われると

感じた為に回避の為に動いた所にミサ機目掛けて

上空からの強襲を仕掛けた泰葉の姿を目の当たりにし、

予想外の行動を取られた事への驚きが口をついて出る。

 

「意表は突けたようですね…行きます!」

 

「何のーっ!」

 

「それなら、これで!」

 

「まだまだーっ!」

 

「私も行くよっ!」

 

驚きで固まっているミソラの様子を見て、

一気にブーストを吹かして突撃する泰葉。

それを迎撃せんと放たれた「アグニ」による

照射ビームを「ランダムシュート」の側転で

回避しつつ再度ブーストを吹かした所に

もう1門の「アグニ」からの照射と

体勢を立て直したミサ機から放たれる

「マイクロミサイルランチャー」からの

大量のミサイルの雨が泰葉機に向かう。

 

「ならば…これで押し通ります!」

 

その様子を確認した泰葉はEXアクション

「ブラストナックル」を発動し、それによる

無敵状態で照射ビームをすり抜けながら

ミソラ機に拳を叩き込み…その一撃によって

残り耐久力が僅かだったミソラ機は撃破される。

 

「ミサちゃん、ごめん…!」

 

「何の、まだまだぁーっ!」

 

先んじて落とされた事への謝罪を告げるミソラに対し、

ミサは「狂化」発動と同時にまだ勝負は終わっていないと

ばかりに気合に満ち満ちた一言を手短に返す。

 

「若干の劣化があるとは言え、実質的に時間無制限の

『覚醒』と言って良い状態…ミサさんの実力と

 合わさったこの現状は、確かに油断出来ませんね」

 

その様子を見た泰葉は、若干の性能劣化はあれど

永続的な「覚醒」と言える状態になったミサに対し

共に戦い続けた事で実感している実力も相まって

決して油断は出来ない状況である事を確認する。

 

その後は泰葉が「ファンネル」や「シールドビット」を

展開しつつ懐に飛び込む機を見計らっていたが、

「狂化」による射撃及びバリア武装やEXアクションの

リチャージ速度の増加もあって絶え間ないと言っても良い

射撃を放たれ続けてなかなか飛び込めない状況が続く中…

 

「おっ…それじゃあ、行かせてもらうよ!」

 

ミサがその言葉と共に自機の両腕を水平に後ろに振りかぶり、

そこに鞭のように連なった炎が見えた瞬間泰葉は自機を

高く飛び上がらせる事で左右への連続薙ぎ払いを回避した後

そこから大きく左側に回り込む事で大上段からの振り下ろしも

回避し…そこから一気にブーストを吹かしてミサ機に取り付いて

拳法ハンドの連撃や格闘系オプションにEXアクション各種を

交えての怒涛と言えるラッシュを叩き込んで撃破を成し遂げる。

 

「うわー、流石だなぁ…付け焼刃にすらなってない

 バーストアクションのぶっぱは無謀だったかぁ」

 

「ありがとうございます、ですがミサさんも

 ミソラさんとの連携がぶっつけ本番とは

 思えない程上出来で見事でしたよ」

 

撃破されたミサが、使用可能になった瞬間に

いきなりバーストアクションを放った行為を

反省する一言を述べると泰葉はぶっつけ本番の

状況でありながらミソラとの連携がしっかりと

撮れていた事に対しての称賛を返し…そのまま

泰葉は次のフィールドへと移動する事になった。

 

~~~~~

 

「このフィールド…という事は、対戦相手は…」

 

泰葉にとって3戦目のバトルフィールドは、

岩山で囲まれた昼間の砂漠ステージであり…

その場所から対戦相手を予測しているうちに、

眼前に3戦目の対戦相手の機体…これまでの

既存ガンプラのミキシングとビルダーズパーツを

交えた物とは一線を画す、未知の機体が降り立った。

 

「やはりと言うか、予想通りと言うか…

 ここまで勝ち上がったのは泰葉君、君か」

 

「ええ…それが、8年前のミスターさんの愛機ですか」

 

「リック・ディアスベースという事は調べてましたが、

 頭と腕が丸っきり別物と化してまスねぇ…」

 

「うむ、これが私の現役時代に数多くの戦いを

 勝ち抜いた相棒たる機体…『ブレイク・ディアス』だ。

 この機体をもって、エキシビジョンのリベンジをさせて貰おう!」

 

ミスターの泰葉が勝ち上がってきた事への一言に対し、

泰葉と比奈は初見となるミスターの現役時代の愛機

「ブレイク・ディアス」を目の当たりにしての

率直な驚きを返事代わりに口にする。それに対して

ミスターがリベンジへの気概を返すと共に「覚醒」を

発動したのを合図代わりにバトルの火蓋が切って落とされた。

 

「気合十分ですね…では、私も!」

 

それに応える形で泰葉も「覚醒」を発動し、

「GNフィールド」を展開の後一直線に自機を

「ブレイク・ディアス」に向けて突撃させる。

 

「やはり思い切りが良いな…だがっ!」

 

そうして突進して来る泰葉機に対し、ミスターは

胴体部備え付けのオプション武装「腹部メガ粒子砲」からの

照射ビームを最大出力で放ち浴びせて来た。

 

「リック・ディアス胴に照射ビームを仕込んだんスか!?」

 

「ある意味、過去のバージョンのシミュレーターの方が

 自由度が高かったとも言えるか…とはいえ、泰葉が事前に

 バリアを展開している以上耐久力へのダメージは避けられるか」

 

「リック・ディアス胴から照射ビーム」という予想外の

状況に比奈が驚きの声を上げ、プロデューサーは

そこから感じ取った「過去のバージョンのシミュレーター」

ならではの改造の自由度の高さにしみじみとした言葉を零す。

そこから続けて、事前に「GNフィールド」を展開した事で泰葉機は

ノーダメージで「ブレイク・ディアス」に取り付けると口にする。

 

「バリアは使い切らされましたが…取り付けました、そこっ!」

 

「甘いっ!」

 

プロデューサーの言葉通り、「GNフィールド」のゲージは

空にされながらも「ブレイク・ディアス」に取り付けた泰葉機は

その勢いのまま拳法ハンドによる連撃を叩き込もうと拳を振るう。

だがその拳が届く直前、バックパックに備え付けられていた

百式と同形状の「ビーム・ライフル」2丁を両手に持って側転する事で

泰葉機が振るった拳を回避しながらビーム弾を発射し着弾させる。

 

「うっ…!」

 

「では、続けて行かせてもらおう!」

 

「GNフィールド」を使い切った事でビーム弾をまともに受け、

それによって硬直した所に「ブレイク・ディアス」が踏み込み

右手にこれまた百式と同形状の「ビーム・サーベル」を持って

連続斬りを叩き込んだ後に脚部備え付けのオプション版による

連続斬りに繋げて吹き飛ばした後に両腕部に増設されたバインダーの

先端部備え付けの「ビーム砲」からの射撃を追い打ちに撃ち込む。

 

「エキシビジョンの時の格闘オンリーでも優れた腕前を

 実感させられましたが…射撃も交えるとここまでの

 凄まじさを発揮するんですね。それに加えて、バリアを

 展開しながら突進して来たこちらにあえて照射ビームを

 浴びせた事が後の攻撃と回避の同時行動の布石とは…」

 

「ありがとう。だが今回は正直なところ『初見殺し』が

 出来たが故にここまで上手く行ったと言えるな…

 君もこの程度で諦めるような身ではないだろう、

 まだまだ勝負は始まったばかりだ…さぁ来い!」

 

「言われずとも、そのつもりです!」

 

ダウンから体勢を立て直す間、泰葉はミスターの

的確な判断による回避からのカウンター連撃と

それに繋げる為の初撃の照射ビームという選択への

感嘆と共に、改めてその身で感じ取った現役引退から

8年の時が過ぎてもなお高いレベルのミスターの

実力に対しての称賛の言葉を口にする。それに対して

ミスターは礼を返した後に今回の戦法が上手く行ったのは

泰葉にとって初見の機体故であると続け、泰葉がこの程度で

諦めるような身ではない事を知る身として発破をかける。

それに対して泰葉も応えるように気合を入れ直し、

そこからは射撃戦を中心としつつも機を見て泰葉が

果敢に取り付いて格闘攻撃を振るうもミスターが早々に

間合いを取りながらの射撃戦に持ち込もうとする

互いの得意距離への相手の引き込みを狙い合う状況が続き…

 

「残り時間も後僅かか…ならば、行かせてもらおう!」

 

「覚醒」の残り時間が後僅かな事を確認したミスターが、

泰葉機を正面に捉えた今が絶好のチャンスと受け取って

バーストアクション「フルバースト」を発動し胴体の

「腹部メガ粒子砲」と両腕部の「ビーム砲」、そして

メイン射撃武器の「ビーム・ライフル」からの照射ビームの

一斉発射に加えてバックパックの「ビーム・ライフル」2丁から

追尾機能の高い光球を断続的に泰葉機目掛けて放つ。

 

「この距離でそれを放つとは…迂闊でしたね!」

 

「何っ…ぐぁっ!」

 

だが泰葉はそれらの一斉射撃が着弾する前に

EXアクション「ブラストナックル」を発動し、

その無敵時間をもってビームの奔流をノーダメージで

すり抜けながら「ブレイク・ディアス」に拳を叩き込む。

加えて岩盤を背負う形だった為に叩き付けられて

磔状態になった所に拳法ハンドの連撃コンボを

数セット叩き込み…泰葉の「覚醒」が切れる直前に

発動したバーストアクション「ライザーソード」を

その身に受けて持ち上げられ、再び岩盤目掛けて

叩き付けられる形で全解体から撃破される結果となった。

 

「リベンジならず、か…悔しいが、見事だ」

 

「ありがとうございます」

 

ミスターの悔しさと共に称賛の込められた言葉に

泰葉が礼を返したその直後、泰葉機はまだまだ続く

次の戦いの場となるステージへと転送されていった。




比奈:さて、今回からDLC編に突入っスが…
   初っ端は久々のバトル全開かつ1万字オーバー、
   加えてP独自の各ファイターとのやりとりと
   結構なボリュームになりましたねぇ

P:ここまでの展開から自分なりに考えて思いついたものを
 片っ端から投入したからな…どれだけ好まれるかは
 わからんが一先ず自分のやりたい事は出来て満足してる

比奈:だったら良かったっス。…その中でもミスターさんに
   ゲーム内該当ステージではしてこなかった「覚醒」を
   させた上にバーストアクションまで使わせたり、
   ミサちゃんの「狂化」発動からのバーストアクション使用と
   まさしくガンプラバトルならではの「自由な発想」が
   てんこ盛りなのは見応えがあると言えるでしょうねぇ

P:そう言ってもらえると有難いよ…さて、ゲーム内では独立した
 ミッションという形でしたがこの作品では連続したステージという
 形で次話はDLC1-2ステージ編に続きます。次も何とか今回に負けない
 ボリュームを出せるようにしますので楽しみにして頂ければ幸いです
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