CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE 作:wataru012
ガンプラバトルシミュレーター用の
新規ガンプラ及びビルダーズパーツデータ
実装アドオンがイラトゲームコーナーの
シミュレーターに実装され、泰葉を始めとした
「ガンプラバトルプロジェクト」所属のアイドル達が
彩渡市に足を延ばしてミサとロボ太と共にプレイし…
「フェネクス」と「バルバトス第6形態」とのバトルに
勝利してから数日後の、再び泰葉達アイドル勢の
オフが重なったとある日のイラトゲームコーナー。
そこにはこの日が休日だった事もあってか、
大勢の近所の子供達がシミュレーター付近に
集まっており…泰葉達及びミサとロボ太は
その様子を眺めながらシミュレーターが
空くのを待っているという状況であった。
「アドオン実装の影響でしょうか、客足が明らかに多いですね」
「だねぇ、インフォちゃんから聞いた話だけどイラト婆ちゃんが
アドオン追加ステージの難易度を最高レベルで固定してる上
対人エンカウントも強制発生するように設定してる影響か
意地でもクリアしようと連コする子も増えててね…
それでもクリア出来ない子が多くて、イラト婆ちゃん的には
売上の増加でホクホク状態だけどインフォちゃんからすると
シミュレーターの客足離れが起こらないかって危惧してるみたい」
「イラトさんらしいと言えばらしいっスが…確かに連コが
横行するという状況は決して健全なものとは言い難いっスね」
「比奈さん、『連コ』というのはどういう意味でしょうか?」
「こういったアーケードゲームで、ゲームオーバーになった後に
コインを追加投入してのコンティニューを何度も繰り返す事っス」
「なるほど…そしてそれが横行するのは良い事ではない、と」
「ええ、こういったアーケードゲームでは一種の不文律として
『ゲームオーバーになった時点で交代』というのが一般的でして…
店舗で『連コインOK』に設定してるならまだしも、そうでない
状況かつプレイ待ちの人が並んでる状況での連コというのは
基本的に他の人に嫌われる行為の代表と言えるものっスね」
「なるほどな…それに泉から聞かされた前回プレイで解析出来た
範囲のアドオンデータの話も考慮すると、長時間の連続プレイは
ある種のリスクの可能性を抱えるという点でも好ましくないか」
「そうなんですか?」
「ええ…具体的に何らかの悪さをするかどうかまではわかりませんが、
一般的なガンプラバトルシミュレーターに必要なものとは異なる
何らかのプログラムと推測されるものの断片が見受けられて」
「それについてカドマツさんには伝えたんスか?」
「ああ、該当のプログラムと推測される断片についての
情報は送ったが…ハイム社も最近多忙なようで、
すぐに確認や返事をするのは難しい模様だ」
「宇宙開発加速による業務の増加に加えて、それの余波による
失業等のクレームも続いてると聞いてまスからねえ…」
「…話してるうちに、空いたみたいですね」
泰葉の客足増加の理由の推測を皮切りに、ミサが返事代わりに
アドオン追加ステージの設定とその影響について話しそれによって
起こっている事態に比奈が渋い顔をする。そこから続けて泰葉が
その比奈が苦言を呈した事態について質問し回答が為されると
晶葉と泉からアドオンデータに仕込まれていた「何か」について
話がされる。比奈がその「何か」についての情報をカドマツに
伝えたかを尋ねると晶葉から肯定の返事と共に最近のハイム社の
多忙さ故の即時返答の難しさが返され、比奈はそれを受けて
その「ハイム社の多忙さの理由」を口にする。そうした会話が
続く中、泰葉がシミュレーターが空いた事を皆に告げる。
「だね、さっきの話でちょっと不安もあるけど…
せっかくみんなで集まれたんだし、やってこうか」
「不安にさせてしまった身で言うのも何だが、私と泉も
出来る範囲で状況確認をし異常と思われる事態が
発生したら即座にバトル中断が行えるように心がけておく」
「どれだけ手早く確認や対応が出来るかはわからないけど、
出来る限りの最善を尽くす事は約束しますから」
「アタシはそういった技術的な面での助力が出来ない分、
バトルに関する情報提供で手助けしてくっス」
「皆さんありがとうございます、では行きましょうか」
泰葉の発言を受け、ミサが会話の中で出て来た話題による
不安を吐露すると晶葉と泉は状況の注視及び異常発生時の
可及的速やかな対応を約束し…比奈はバトル面での助言に
力を入れる事を告げると泰葉は礼の言葉と共にシミュレーターに
向けて進んで行く。続けてミサとロボ太も腹をくくった様子で
シミュレーターに進んで入り、各自ガンプラのセッティングに移る。
「岡崎泰葉、ダブルオーインハーリッティドウィッシュ…行きます!」
「サツキノ・ミサ、アザレア・サウザンドブレイカーいっきまーす!」
「ロボ太、バーサル騎士ガンダム出る!」
そうしてセッティングが完了すると、3人はいつもの口上と共に
ガンプラを出撃させ夜間砂漠のステージに飛び出して行った。
~~~~~
そのステージの第1エリアで「パーフェクトガンダム」「マスターガンダム」
「クロスボーンガンダムX1」といった面々を撃破していく中、
画面が止まりリーダー機の出現が行われる。
「リーダー機はνガンダムですか、でもカラーリングが今までのと
違ってますし右腕と左肩に見慣れない武装が付いてますね」
「あー、あれはおそらく『ビルドファイターズ』のスピンオフコミックに
出て来た『νガンダムヴレイブ』をイメージしたカラーリングで
右腕と左肩の追加武装もそのコミックに出て来た『マーキュリーレヴ』と
思われるっス。…厳密に言えばそれで出て来たあのカラーのνガンダム、
バックパックがフィン・ファンネルなしのやつだったんスけどね」
「さすがにフィン・ファンネルなしのνガンダムバックパックは
シミュレーターに実装されてないし、制限のある中で何とか
原作の雰囲気を出そうと手を尽くしたって感じだね」
「なるほどな…」
「何にせよ、油断は禁物ですね」
そうしてリーダー機として現れたνガンダムのカラーリングの違いと
右肩及び左腕の追加武装について泰葉が口にすると、比奈がその
カラーリング及び追加武装の由来について説明する。そこから続けて
原作との相違点に触れるとミサがその理由について話し、ロボ太が
感心した様子で反応した後に泰葉が「油断出来ない」と述べた上で挑んでいく。
そうしてリーダー機の「マーキュリーレヴ」装備νガンダムを撃破し
新規ビルダーズパーツとしての「マーキュリーレヴ」を入手すると
そのままの勢いで第2エリアに進み、そこで出会ったリーダー機の
ストライクガンダムもνガンダムとは別種の「マーキュリーレヴ」を
装備しており撃破する事でバリエーション違いの「マーキュリーレヴ」を
手に入れ…エリア移動ゾーン付近でエンカウントした他ファイターの
チームも難なく撃破し、泰葉達はさらに先のステージへと進んで行く。
~~~~~
そうして進んだ先はステージの「最後」を意味する
閉鎖空間であり…何が来るかと身構えていた泰葉達の
目の前にBOXが落下すると中から初見となるガンプラが出て来る。
「これも新規データ機だな…」
「スクランブルガンダムっスか…」
「これがファイター達の間で強いって話題になってた
やつかぁ、ある意味ピッタリな機体と言えるね」
「そうなんですか?」
「そっスねぇ、『ビルドファイターズ』世界のガンプラバトルシステムの
強化・改良の為のデータ収集用に作られた無人操作用のガンプラで
基本スペックが高めに設定されてる為に相当の強さを持ってるっス」
「うむ、少なくとも通常CPU操作機と比較して動きの早さや
各種行動の機敏さは大きく上回っているようだ」
「それならば、出し惜しみはしていられませんね」
そうして現れた、このアドオンで3機目となる新規データ機
「スクランブルガンダム」について比奈とミサが手分けする形で
泰葉に説明し…それを聞いたロボ太が通常CPU操作機を上回る
移動速度や反応速度の高さを口にすると泰葉は出せる手を全て
出し尽くした上で勝ちに向かおうと「覚醒」を発動させる。
そこから3機の連携で「スクランブルガンダム」にダメージを
与え続けて行くが、同時に格闘戦を挑もうとしたタイミングで
「スクランブルガンダム」が身を縮こまらせた姿勢を取った後に
その身体を広げるように動くと同時に周囲にオーラを拡散させ…
「うわっ!?」
「機体が動かない…まさか、今の行動で!?」
「ああ、どうやらあれは『トランザム』等と同様の
各種行動速度増加を齎すトランス系の部類のEXアクションだが
発動時に発生するオーラに接触した敵機のスタン効果があるようだ」
「自己強化に加えて敵機の足止め効果とは…発生速度は他の同種の
EXスキルに劣るとは言え、理に叶った取り合わせとも言えるな」
そのオーラを浴びてしまったミサが驚きの声を上げた直後に
泰葉が機体がスタン状態に陥ってしまった事を口にする。
それに答える形で晶葉が「スクランブルガンダム」が取った行動について
説明すると、ロボ太がそれを聞いての感想を返事代わりに述べる。
しかしながら機体強化の影響もあってか致命傷に至る前に
スタンが解除され、回復の後にお返しとばかりに
怒涛の攻めを叩き込んで最後に「ライザーソード」で
高々と持ち上げた後に勢いよく地面に叩き付けようとすると…
「!? 手応えがない…!?」
「…どうやら、一定時間内での撃破や一定時間経過後に一定のダメージを
受けた場合『スクランブルガンダム』が消失するように設定されているようだ」
「ちえー、何か不完全燃焼だなぁ…」
「まぁ、先行して実装された店舗でプレイしているファイターの
情報からするにこの先のステージでも『スクランブルガンダム』と
戦える機会はある模様ですし…次の機会に今回の不満も含めて
ありったけの力を叩き込んで次こそ完全勝利を目指しましょうか」
敵機を地面に叩き付ける感触がないまま消滅した事に戸惑う泰葉に、
晶葉がリアルタイムで確認したプログラム処理から短時間撃破及び
一定時間経過後の規定ダメージ到達時の消失設定を説明する。
それを聞いたミサは不満を口にするが、それに対して泉が
アドオン先行実装店舗をホームとするファイターからの情報を
返事代わりに話すと共にその中で語られた「次の機会」での
雪辱を提案し…泰葉達はポッドから出て来て再び休憩スペースに移動する。
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「ビルダーズパーツのマーキュリーレヴ、射撃仕様が4種と
近接仕様が3種というバリエーションっスか」
「だねぇ、あとは装飾用としてスクランブルガンダムの
膝部分のクリアパーツ付き装甲が今回のステージの報酬かぁ」
泰葉達が休憩スペースにて今回のステージで入手出来た
新規ビルダーズパーツについて話していると、シミュレーターの方から
泰葉達の後にプレイしていた近所の子供達の声が届いて来る。
「ちっくしょー、あいつ逃げやがった!」
「でも次のステージでも戦えるみたいで、
そこだと取り巻きも湧くけど今回みたいに
途中で逃げる事はないって話らしいぜ」
「だけどもう持って来た小遣い使い切っちまったしなぁ…」
「俺もだよ…しょうがない、今日はここまでにしとくか」
どうやら子供達が挑んだのも泰葉達と同様のステージの模様で、
「スクランブルガンダム」の途中離脱についての叫びや
その後のステージでの再戦について話していたが…
その先のステージをプレイするための小遣いが尽きた事を
互いに話し、残念さを感じさせる様子で退店して行った。
「ヒッヒッヒ…この儲け具合、笑いが止まらないとはまさにこの事だよ」
「マスター、気分が良い所申し訳ありませんが現状に対して一言。
ガンプラバトルシミュレーターについてですが、現在の難易度設定では
ライトプレイヤー層には厳しい状況である事は明白です。短期的な
売り上げの上昇はしていますが、この状況が続けばプレイヤー数の
減少からの現在の上昇率を大きく上回る売り上げの下降という店にとっても
マスターにとっても最悪の事態に至る可能性が非常に高いと予測されます。
今からでも難易度設定の適正化を図った方が良いかと思われますが」
そんな姿を気にも留めず、アドオン実装からの売り上げの上昇に
ホクホク顔のイラト婆さんにインフォが寄って来て現状の難易度設定を
継続させた場合の最悪の可能性について話した上で難易度設定の
適正化を提案する。だがそれを聞いた上でイラト婆さんはこう返答した。
「それはいけないというものだよ、インフォ…金が稼げる事が嬉しいのも
事実だけど、あたしゃそれだけの為に難しく設定している訳じゃなくてね…
『難しいゲーム』というハードルと、『小遣い』という限られた挑戦権…
それに加えてガキ共が持つ『若さ』という武器が組み合わさる事で、
『限られた機会の中で目的を達成する為の集中力』『機会を再び得る為の
努力の仕方』『困難に立ち向かう為の心の強さ』を磨く為のものになる。
たかがゲームにすら目先の金を惜しんで困難から逃げるような奴じゃ、
大人になってさらなる困難にぶつかった時に破滅する事は目に見えてる。
…だからこそ、あたしゃ心を鬼にしてこの困難な状況を作り出し…
そしてそれを乗り越えて強い大人になれるようにと願ってるんだ。
…長くなっちまったけど、ここまで話せばあたしの考えがわかるだろ?」
「…いいえ」
まさに「立て板に水」の言葉が具現化したような滑らかな口調で、
イラト婆さんはインフォに対して現在のアドオンの高難易度設定を
正当化する為の理屈を一気に述べ立てる。しかしながらインフォは
それが只の「屁理屈」であると言わんばかりに淡泊に否定していた。
「…あそこまで淀みなく自己正当化の理屈を口に出来るなんて、
ある意味恐ろしいレベルで頭が切れる人っスねぇ…」
「そうですね…こうして端から聞いている状況であれば
只の屁理屈と感じますが、仮に1対1での対話であそこまで
流暢に理屈を述べられると勢いに押されて同意してしまいそうです」
「泰葉の長い芸能活動の中でも、あそこまで流暢に
自己正当化できる人物というのはいなかったか」
「例えAI相手であったとしても、初期に作られた旧式のものが
相手だったら余裕で論破してしまいそうだって感じる代物だしね…」
「ホント、金儲けが絡んだ時のイラト婆ちゃんは頭脳だけでなく
身体能力さえ上がってるんじゃないかと思うくらいの頭のキレと
行動力を昔から発揮してたって父さん達が言ってるだけあるよ」
そんなイラト婆さんとインフォのやり取りを聞いていた泰葉達は、
その発言の流暢さと速やかな理屈の組み立てに圧倒されており…
そんな中でミサはユウイチ達から聞いていた発言を思い返していた。
P:さて…2025年最後の投稿となったこの作品、楽しんで頂けたでしょうか
比奈:今回は手短ながら後の「事件」への繋がりが描かれたり、
前回から引き続いて「宇宙開発加速の余波」についても
「ハイム社が受けた影響」という形で描写される…といった具合に
原作から細々と手を加えてる様子が見受けられまスね。
後は原作ゲームの該当ステージクリア後の会話シーンを
元にした場面で、イラト婆さんの「屁理屈」の描写が
P独自に情報量を増していったってのも印象的だったっス
P:色々自分独自で考えてる事を織り込んだり、該当シーンを見た時の
印象を元に自分で感じた事を織り込んで見たが…楽しめてるなら
幸いって所だな。…さて、今年は後半に「ガンブレ4とのクロスSS」の
執筆も開始した事でペースがさらに低下したり投稿予定のブッチも
頻発してしまいましたが来年も2作共々何とか続けて行こうとは
決めてますので見守って頂ければ幸いです…それでは、また来年