CINDERELLA BRE@KER~BUILD THE FUTURE 作:wataru012
「ただいまー」
「ただいま戻りました」
「ただいまっス」
「3人ともおかえり、それで早速だけど…泰葉が自分の
機体を組む為に使うガンプラは、何になったんだ?」
「ええとですね…」
泰葉達3人がイラトゲームコーナーから五月野模型店に
帰って来た所をプロデューサーが出迎えると同時に、
泰葉に「自分の機体」を組み上げる為のベースとなる
ガンプラが何になったのかを尋ねる。その声に応え、
泰葉は売り場から4つのキットを選んでレジに運んでいく。
「エクシアにヴァーチェ、TV版のウイングに…クシャトリヤか。
どういう風にミキシングするか次第だが、おそらくは
初っ端からインパクトの大きい代物になりそうだな」
「どう組み立てるかの構想もまとめてますよ、こんな風に」
泰葉が選んだ4つのガンプラを見て感想を漏らしたプロデューサーに、
泰葉はスマホを差し出して4つのガンプラを組み合わせ機体カラーも
一部を各パーツのものから変更したまさに「自分だけのガンプラ」を
シミュレートした「アセンブルシミュレーター」の画面を見せていた。
「クシャトリヤの上半身にヴァーチェの下半身の組み合わせか…
大柄な上半身に釣り合う説得力に溢れた良いチョイスだな、
頭がエクシアなのはやはり最初に組み上げたガンプラだから
愛着が生まれて選んだって所か…ウイングからはバックパックを
選んだのか、ブースト移動の時にさり気なく主張する感じだな」
「もう1つのウイングガンダムやヴァーチェのバックパックですと、
シミュレーター上でクシャトリヤの肩のバインダーを貫通してしまう
見た目になって見栄えが悪く感じてしまうのと…エクシアのGNドライブは
収まりが良いんですがウイングガンダムの外装パーツを使わないと
いうのも不公平に感じたもので、このチョイスにしてみました」
「なるほど、そして武装はヴァーチェの『GNバズーカ』に
エクシアの『GNブレイド』2種と…盾はウイングのやつか、
これはクシャトリヤパーツのオプションと合わせて
遠距離砲撃型の武装構成と言える取り合わせになったな」
「ま、クシャトリヤにヴァーチェという砲撃型と言える
機体2種が入ったミキシングっスからねー」
シミュレーターの画面に現れたミキシング案を見ての
プロデューサーの感想とそれに対する泰葉や比奈の
返答が交わされる中で、ミサが割って入る形で声を上げる。
「泰葉ちゃんのイメージする機体カラーだと、結構なパーツを
塗装する必要があるね…泰葉ちゃんが塗りたい色の塗料や、
塗装以外でパーツの見た目をより良くする為の作業に使う
工具や道具各種は私が持ってるし良かったら…」
「…いえ、ミサさんのお気遣いは有難いですし是非とも
それらの作業について教えてもらいたいですが…
私もプラモデルとは異なりますが工作系の趣味を
持つ身として、自分が作る物に必要な道具類は
きちんと自分用に揃えておきたい性分なので…
プロデューサー、確認しますがガンプラそのもの以外の
道具類も必要なものであれば経費で購入出来ますか?」
「…そうだな、こちらで確認して本当に必要だと言えるものに
限定されるが工具や塗料等の道具類も経費で買う事は出来る」
「そうですか、ありがとうございます…ではミサさん、
私の考える機体カラーを再現する塗料やその他の
作業工程で必要な道具類を教えてもらえますか?」
「オッケー、まず塗料はこの色のスプレーがあるから
それで…次に塗装の下地用のサーフェイサーに、
スミ入れ用のマーカーと消しペン…塗料系はこの辺りで、
次は合わせ目消し用の瞬間接着剤と紙やすり各種に
デザインナイフ…あ、泰葉ちゃんピンセット持ってる?」
「ピンセットはありますね」
「なら持って来てくれるかな? シールを貼る時に
あるとないとじゃ段違いだから」
「わかりました」
「となると、これで必要な分は揃ったね」
「それじゃあ買わせてもらうよ、それと領収書もお願い」
「ありがとうございまーす♪」
ミサから塗料や工具等の貸し出しを提案されるが、
ドールハウス作りというプラモとは別種ながら
工作系の趣味を持つ者として「自分が作る物に
使う道具は自分用に用意したい」という気持ちが
生じた事でPに確認を取った上で塗料や工具類も
経費で購入する事となり…ミサと共に泰葉が作りたい
機体の為に必要な塗料や工具類を売り場から
レジへ運び、ガンプラとまとめて支払う事となった。
「よし、ガンプラや塗料・工具は買えたし早速だけど
泰葉達は組み立てを初めてくれるか? 俺はこれから
タウンカップのエントリーと大会運営への挨拶・相談に
行って来る、比奈は作業の様子を撮影しててくれ」
「SNSに宣伝動画として上げるんスか?」
「ああ、そういう事だ…それじゃあ、よろしく頼む」
ガンプラ及び塗料等の道具類の代金を支払い領収書を
受け取った後に、Pは比奈に鞄から取り出したデジカメを
手渡すと足早に五月野模型店の外に出て行った。
「じゃ、早速作り始めようか」
「はい、よろしくお願いしますミサさん」
「その前にカメラに向かって一言お願いっス」
Pが出て行った直後に、早速ガンプラ作成に取り掛かろうとする
泰葉とミサをデジカメ越しに見ながらカメラに向けての挨拶を
2人に要請する比奈。こうして泰葉の「2度目のガンプラ作り」にして
初めてとなる「自分だけの機体」作りは幕を開けた。
~~~~~
「サフ吹き付けは完了したね、それじゃ乾燥させようか」
「え…これって、食器乾燥機じゃないですか」
「いやー、実際問題塗装したプラモの塗料を
手早く乾燥させるのに食器乾燥機は最適なんだよね」
「塗装したいパーツと同じ色のランナーに直接塗りたい色を
スプレーしたのと、サフを吹いた上からスプレーしたのを
見比べると大きな違いが生じるのはわかったでしょ?」
「黒いパーツに直接塗料を吹き付けてもイメージ通りの
色にならないのは予想出来ましたが…淡い緑色のパーツでも
塗料の色そのものには決してならないんですね」
「泰葉ちゃんが塗りたい色が淡い色寄りってのもあるけど、
下地の色って馬鹿に出来ない影響があるんだよねー…
だからこそ最初にサフでパーツを白や灰色に染めた後に
塗りたい色に取り掛かる事が欠かせないんだよね」
「塗装していないパーツでも、凹んでる所を黒いペンで
なぞるだけで立体感を強く感じる見た目になるんですね」
「そうそう、塗装をしない『素組み』でもスミ入れをするだけで
見た目のメリハリが増すからお手軽に完成度を上げられるんだよ」
「泰葉ちゃんが最初に組み立てた『素組み』のエクシアの頭と
見比べると、合わせ目を消した事でどれだけ違うかわかるでしょ?」
「そうですね、今回の頭はまるで最初から1つのパーツのような
見た目で…一手間加えるだけでこんなに違って来るんですね」
塗装やスミ入れ、合わせ目消しといったパーツ1つ1つの
クオリティアップやイメージを具現化する為のテクニックを
ミサに教えてもらいながら着実に「自分の愛機」を
具現化する為の作業を泰葉は積み重ねていく。そして…
~~~~~
「これで…完成ですね」
「おお~…現物を目にするとシミュレーターで
見た時とは比べ物にならない迫力でスな」
「シミュレーターだとさらに縮小されてるからねぇ…」
「初心者故の荒さは所々見受けられるけど、
それでも手伝いありながら作り始めて2週間程で
ここまでのクオリティは素直に凄いよ」
「…ひとまずはお疲れ様、そして完成おめでとう泰葉」
塗装や合わせ目消し等のクオリティアップの作業を施した
各種パーツを組み上げて1つの機体として完成させた、
泰葉にとって初めての「自分の愛機」を見た4人は
率直な感想や泰葉へのねぎらいの言葉を口にしていた。
「ありがとうございます、とはいえタウンカップまであと
2週間程でしたよね? そうなると今すぐにICカードに
この機体を登録してこの前のプレイで獲得したパーツデータを
合成してアビリティを付与させないといけませんね」
「泰葉ちゃん泰葉ちゃん、ちょっと前のめりになってるっスよ」
「あ…すみません、完成させた事で精神が昂ってしまってて」
プロデューサーからのねぎらいの言葉に感謝を返しつつも、
これからやらねばならない事を捲し立てる勢いで発言する泰葉。
それを比奈が指摘すると、泰葉は詫びながら後退し
気持ちを落ち着ける為に深呼吸を大きく1回行う。
「ま、気持ちはわかるから謝る事はないさ。
…ついでになっちゃうが、機体の名前は決まってるのか?」
「はい、『ガンダムメイクプレゴレス』…『進歩する』という
意味合いの言い回しと『自我』を意味する『エゴ』を
混ぜ合わせた造語で、『他者からの命令のままに動いてた身から
自らの欲求や意思も主張していくという心の進歩』という
アイドルになる前となった後の私の心の変化を込めた
機体名にしてみました。ベースに選んだガンプラもパイロットが
おおむねそういった方向の変化を遂げたと言えるもので…
そういうものを選べたのも比奈さんのおかげです」
「いやいや、お役に立てたならアタシも嬉しいっスよ」
プロデューサーがそんな泰葉に言葉を返しながら
機体名を尋ねると、泰葉は機体名のみならず
それに込められた意味やベースガンプラのチョイス理由にも
同様の意味が込められている事を話しつつ
比奈に対して助力してくれた事への感謝を告げる。
「先程も言いましたがこれからまたあのゲームセンターに
行きます、今回はプロデューサーも来てもらえますか?
私の愛機の戦う様子を見てもらいたいので…」
「ああ、喜んで同行させてもらうよ」
「…という事でユウイチさん、またあのゲーセンに行って来るっス」
「ああ行ってらっしゃい、夕飯までには帰って来るように頼むよ」
「わかってるって、それじゃ行って来まーす」
ミサのその言葉を合図に、泰葉達4人は五月野模型店を
飛び出しイラトゲームコーナーへ向かって行った。
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その後、泰葉が完成したガンプラの写真と共に
彩渡商店街チームの一員としてタウンカップ彩渡大会への
出場報告をSNSの346プロ公式アカウントから投稿すると
すぐさまアイドルファンやガンプラファイター達の間で
話題となり拡散され…多くの人に知られる事となった。
それはもちろん、同じくタウンカップ彩渡大会に
出場する他チーム所属のファイターにも…。
「…は!? あの貧乏商店街チームに346プロダクションなんて
超大手芸能プロダクションとのコネがあったってのか!?
投稿アカがプロダクション公式のものだからマジなんだろうが…
そんなコネがあるんなら何故俺が居た時に言わなかったんだよクソが!
…まぁ、チームメンバーのアイドルは特にゲームが得意って訳じゃ
ないようだからあまり警戒する必要もなさそうだな…ガンプラの出来は
ミサに手伝ってもらったのを差っ引いても初心者とは思えない代物だが、
どんなに良いガンプラでもファイターがズブの素人じゃ所詮は
宝の持ち腐れだって事をその身を持って思い知るんだな…アイドルさんよ」
比奈:今回で一気に泰葉ちゃんの最初の愛機となる
ガンプラの完成まで持って行ったっスねぇ…
P:ああ、あまり長々と引っ張る訳にも行かないと思ってな…
このまま今回完成したガンプラの簡単な説明に移らせてもらう
【挿絵表示】
機体名:
ガンダムメイクプレゴレス
アセンブル:
頭~ガンダムエクシア
胴~クシャトリヤ
腕~クシャトリヤ
脚~ガンダムヴァーチェ
バックパック~ウイングガンダム
格闘武器~GNロングブレイド/GNショートブレイド
射撃武器~GNバズーカ(ヴァーチェ)
盾~シールド(ウイング)
EXアクション:
アーマーリペア/マルチブラスト/スプレッドシェル/クアッドスライサー
比奈:初っ端からなかなかのデカブツかつ、オプション武装も
豊富な砲撃機って感じの仕上がりっスな…
P:作中で泰葉に言わせたような機体チョイスの結果、
こんな感じの砲撃機になったって事になるな…
EXアクションはやり始めて間もないという事で
回復とバズーカ&ダブルサーベルの初期EXだ、
補足としてミサのアザレアのこの作品における
想定EXアクション設定も出しておく
アザレア想定EXアクション:
フィールドリペア/スラッシュペネトレイト/フリージングバレット/バレットオービット
比奈:回復と装備してるメイン武器のサーベルとマシンガンの
上位EXアクションの取り合わせっスね…オプション武装の
少なさをこっちで補ってるってところでしょうか?
P:どちらかと言うと「プレイ歴が長い分、上位EXアクションの
解放まで進んでる」というイメージでのチョイスって所だな
比奈:なるほど…
P:さて、次回からタウンカップ開始という事でいよいよ
本格的な物語の始まりになりますが…これからは
リアル都合や他にやりたい事の為に更新ペースを
基本週1回に落とします、これまでの間に何度も
更新予告を破ってしまった上にこの体たらくで
読者には申し訳ありませんが、SfC予選Cも終わったので
無理なく続ける為にこのペースにしました…
待たせてしまいますが次も楽しみにして頂ければと思います