プロセガ恋愛物語   作:高坂蓮

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今回はえむちゃんです。
オリ主の名前は大塚連夜です。


鳳えむ 才能

僕は昔から引っ込み思案で人前に出るのが苦手だった。

そのせいで小学生でも中学生でも友達はいなかった。

高校に入っても結局は小中学校と変わらない生活が続いた。

そんな自分を変えたくて僕はフェニックスランドのバイト面接を受けた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

面接当日しっかり開始30分前には会場に着いていた僕は意気込みは十分だった。

 

 

「……よし、僕は今日、今ここで変わる!」

 

 

僕の番が来るまでもうすぐ。

意気込んだはいいもののやはり人前で喋ると緊張してしまう。

なんとか心を落ち着ける。

もう間も無く僕の番。

 

 

「……ついに順番が……ん?」

 

「ハァハァ……なんとか間に合った…」

 

 

面接開始直前で1人の男が会場に入ってきた。

こんなギリギリで誰だろう?

気になったが今はそれどころではない。

そしてついに僕達のグループの番になった。

とにかく自分をアピールしなければ。

まずは自己紹介。

 

 

「お、大塚連夜です!こ、今回、こちらに応募させていただいた理由は……え、えと………じ、自分を変えたかったからです!!!」

 

 

 

 

 

「な、なんとか面接は終えたけど………はぁ……」

 

 

正直、あまり手応えはない。

それに同じグループにはすごい自己紹介してる人がいたし……。

僕なんかよりもきっと彼の方がこのバイトには向いてそうである。

何がともあれもう面接は終わった。

あとは結果を待つだけである。

 

 

 

 

結論、なんか合格してた。

で、合格者の集合場所に行けばまさかのあの同じ面接グループだった声のデカい人と2人だけ。

そして案内された場所はボロボロのステージ。

そこに現れたのが僕が『ワンダーランズ×ショータイム』というグループに入るきっかけとなった鳳えむだった。

彼女によると僕たちは不合格だったらしい。

が、彼女がこのオンボロステージでショーをするために集めたらしい。

それに声のデカい男は天馬司といい、その男の思いを見つけるとかなんかで異世界?に飛ばされたり、その男が連れてきた2人もなかなかの曲者ぶりだった。

 

何かと危ない発明品を使いたがる神代類。人見知りでロボット越しに喋る草薙寧々。自称スターの声のデカい天馬司。そして、何事にもポジティブ思考のこのグループ結成の原因の鳳えむ。

以上この4人とともに僕は『ワンダーランズ×ショータイム』として活動することになった。

……………強制的に。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんなことがあったものの今ではなんとか活動を続けている。

 

 

「まーた先輩達なんかやってるし……」

 

 

先輩とはワンダショのメンバーである司先輩と類先輩である。

まさかあの2人が僕と同じ学校とは驚いた。

それにあの2人は騒いでよく先生に怒られている。

………てかよく怒られるだけで済んでるな。

この前は何かを爆発させていた。

普通なら余裕で停学、下手すれば退学もありえる。

だがあの2人は怒られるだけで済んでいる。

何がともあれ今日の学校の後はショーの予定がある。

とにかくショーを成功させることに集中するのだ。

 

 

ーーーーー

 

 

「みんな!今日もすごかったよ!!」

 

「はーっはっはー!!!!まさしく最高なショーだったッ!!!!」

 

「あぁ、素晴らしいショーだったと思うよ」

 

「……みんな良かったよ」

 

 

結局ショーは大成功。

皆はそれに満足したようだった。

僕を除いては。

 

 

僕は最近感じ始めていた。

自分は他の4人とは違うと。

他の4人は才能がある。

司先輩は持ち前の声の大きさと演技の才能。

類先輩は演出家としての才能。

寧々は綺麗な歌を歌える才能。

そしてえむは運動神経が良いし、なにより周りの皆を笑顔にできる才能。

ただ、僕には何も才能がない。

司先輩のように声が大きく出せないし、演技もそこまで上手くない。

類先輩のように面白い演出を思い描けるわけでもない。

寧々のように綺麗な歌声で歌えるわけでもないし、

えむのような運動神経もないし、周りを笑顔にすることだってできない。

 

 

「………はぁ」

 

 

だから僕は感じていた。

僕は『ワンダーランズ×ショータイム』の足(・)手(・)ま(・)と(・)い(・)になっていると。

きっと僕がいない方が『ワンダーランズ×ショータイム』はもっとすごいショーができるはずだと。

 

 

「連夜くん!元気ないみたいだけど大丈夫?」

 

「あ、ああ、えむ、大丈夫だよ、ちょっと疲れちゃっただけだから……」

 

「そっかー!連夜くんの演技、すごかったからね!!!」

 

「そ、そうかな?」

 

「うん!こうギュイーンっていって、ガーーってなって、ドーーーンってなってて!!!」

 

「あ、ああ、そう、ありがとう、えむ」

 

 

正直何を言ってるのかよく分からなかったがきっと褒めているんだろう。

とりあえずお礼を言っておく。

 

えむは優しい。

こうやってショーが終わったあとになるとよく僕を気にかけてくれている。

まあ、きっとそれは僕だけではなく他の皆にもやっているのだろうがそれでも純粋に褒めてくれてる?のは嬉しい。

 

 

ただ、その優しさも僕には辛かった。

だから僕は………

 

 

「連夜くん!次のショーも  「ごめん」……え?」

 

「僕、ワンダショ辞める」

 

「え?ど、どうして?連夜くん!今日のショーだって……」

 

「ごめんね?えむ、でも、もう決めたから」

 

「な、なんで……」

 

「お別れだね、えむ。短い間だったけどありがとう」

 

「ま、待ってよ!連夜くん!」

 

 

そう言ってえむは帰ろうとした僕の腕を掴む。

 

 

「きょ、今日はどうしたの?何か嫌なことでも……」

 

「気づいたんだ、僕」

 

「え?気づいたって何を……」

 

「僕はえむたちとは違うって」

 

「あたし達と……違う?」

 

「えむ達にはショーをする才能があるんだ。でも僕にはその才能はない、だからみんなの足でまといになってるんだ」

 

「そ、そんなこと……そんなことないよ!連夜くん!」

 

「えむはあのステージを守って、みんなをもっと笑顔にしたいんだよね?」

 

「え、そ、そうだけど……」

 

「だったら僕はいちゃいけない。僕がいなければえむ達はもっとすごいショーができると思う、だから  」

 

 

そう言って僕は僕の腕を掴んでいるえむの手を引き離す。

そこまで抵抗はなく、簡単に離すことが出来た。

 

 

「あっ………」

 

「えむ、僕の分まで頑張ってね」

 

 

そう言って僕は出口へと歩き始める。

今度は後ろから声が掛かることも腕を掴まれることもなかった。

 

 

 

翌日は普通に学校に登校した。

いつもと何も変わらない朝。

強いて言えば放課後の自由な時間が出来たのがいつもと異なる点である。

久しぶりの自由な放課後。

何をしようかと考えていると、

 

 

「連夜ぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「失礼するよ、連夜」

 

「へ?司先輩?類先輩?」

 

 

僕の教室に司先輩と類先輩が入ってきた。

………大声で僕の名を呼んで。

 

 

「ど、どうしたんですか?」

 

「連夜!!ワンダーステージを辞めるとはどういうことだッ!!!」

 

「連夜くん、何かあったのかい?僕で良ければ相談に乗るよ」

 

 

やはりその内容か。

まぁ大体は予想ついてたけど。

 

 

「いえ、別に何かあった訳ではないです……」

 

「じゃあなぜ辞めると言い出したんだッッ!!!!」

 

「それは………色々あるんですよ………僕にも」

 

「ふむ、ではその色々とはなんなんだい?」

 

「それは………色々は色々です………というよりどうして先輩方はそんなに焦ってるんですか?」

 

「知らないのか!?あのえむがステージの活動を休止すると言い出したんだぞッッ!!!!」

 

「え?活動休止……?」

 

「………その様子だと連夜も知らなかったようだね」

 

「ちょ、活動休止ってどういう……」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「…とりあえずこの話は後でだね」

 

「連夜!!!勝手に辞めるなどこのオレが許さないからな!!!!」

 

 

そう言って2人は急いで各々の教室に帰って行った。

それにしても……

 

 

「なんで活動休止に……」

 

 

確かに僕が抜けたっていうのもあるかも知れないが、僕が抜けたところで他の4人の技術は一級品であるため問題なくショーはできるはずである。

ましてやその休止を決めたのがあの元気印のえむとなると……

 

 

「………体調でも悪いのかな?」

 

 

とにかく心配である。

連絡してみたいところだが………気まずい。

昨日辞めた相手が翌日に連絡をするっていうのはなんか良くない気がする。

………まあ、なんとかなるか。

そう納得し、僕はHRにのぞんだ。

 

 

その日の放課後。

なんとか2人の先輩を誤魔化し、僕が帰ろうとしていると…

 

 

「ちょっと、辞めるってどういうこと?」

 

 

同じくワンダショメンバーの草薙寧々が話しかけてきた。

 

 

「そのままの意味だよ、僕はワンダショを辞める」

 

「それは分かってる、理由を聞いてるの」

 

「それは……僕にも事情があるんだよ」

 

「ふーん……まぁ、私はいいけど」

 

 

そう言って踵を返して教室に戻ろうとする。

すると振り返ってこう言った。

 

 

「………でもえむ、すごい悲しんでたよ」

 

 

「え?」

 

 

 

僕がワンダショ辞めて3日が経った。

ぶっちゃけ平和だった。

ワンダショに入る前の生活に戻った感じ。

まあ司先輩は会う度に説得してくるけど。

でも初めに比べれば大分落ち着いた。

ちなみにワンダショはまだ活動休止中らしい。

 

 

ここまで来て、なんとなく分かってきた。

えむは体調が悪いわけではない。

原因は僕にあると。

それに寧々は言っていた、僕が辞めることをとても悲しんでいたと。

いくら同じメンバーだとしても、普段周りには笑顔を絶やさなかっただけに驚きだった。

彼女と会って話がしたい。

が、気まずい。

どうしたものかと考えながら帰路を行く。

すると家の前に人影がある。

逆光となりここからでは誰かわからない。

少し警戒しながらその人物に近づく。

 

 

「………えむ?」

 

 

なんと家の前にいたのはえむだった。

寧々の言っていたように元気がないように見える。

 

 

「連夜くん………」

 

 

そして訪れる静寂。

えむの目には涙が浮かんでるようにも見える。

いつも明るく周りに笑顔を振り撒いていた彼女のその姿を見て動揺した。

 

 

「……ごめんえむ」

 

 

僕はそれに耐えきれず引き返そうとする。

 

 

「連夜くん!」

 

「え……えむ?」

 

 

なんとえむが後ろから抱きついてきた。

 

 

「あたし嫌だ!連夜くんが居なくなるの!」

 

「えむ………」

 

 

振り解こうとするもできない。

そして、後ろから抱きつかれているためえむの姿は僕からは見えなかった。

 

 

「連夜くんが辞めるって言ってからずっと胸がぎゅーってするの……」

 

 

そう言ってえむはより強く抱きしめてきた。

そして、僕の背中に顔をうずめた。

 

 

「あたしは……もっと連夜くんと一緒に居たいよ…」

 

 

僕は気づいていた。この数日間何もなかったことで。

僕にとってワンダショは初めて自分の居場所だって思えた場所だった。

あの場所が好きだった。

もっと皆といたかった。

あの時は毎日が楽しかった。

 

 

「だから嫌だ……嫌だよぅ……」

 

 

だから、まだ間に合うのであればまたあの場所に戻りたい。

自分勝手だと分かってはいる。

でも、それでも僕は戻りたい。

なぜなら、ワンダショが好きだから。

 

 

「えむ………その………あの時辞めるって言ったけどさ……」

 

 

えむの反応はないが僕は言葉を続けた。

 

 

「僕………ほんとは辞めたくない………皆と違って才能はないかもしれないけど………でも…………」

 

 

そう言って僕はえむを引き離して向き合った。

やはり彼女の目には涙を浮かべている。

 

 

「あの場所が僕は好きだから…………だから………」

 

「連夜くん………」

 

「……もう一度ワンダショに入れてくれないかな?」

 

 

そう言うと、彼女は涙ぐみながらも笑顔を浮かべて言った。

 

 

「うん!連夜くん!また一緒にショーやろうね!」

 

「ちょ……えむ!いたたた……痛い痛い!」

 

 

えむがまた抱きついて来た。

でもさっきとは違う。

今度は満面の笑みで。

 

 

あたりは日が沈みかけて空は赤く染まっている。

その空の下で満開の笑顔の花が、彼女に咲いた。

 

 

 

 

 

 

 

Fin

 

 

 




なんとなく、えむちゃんは恋心に気付けなそうなので告白はなしにしました。
ただ告白編を続編として出すかもです。

どのキャラを優先して欲しいか(2周目も可)

  • 星乃一歌
  • 天馬咲希
  • 望月穂波
  • 日野森志歩
  • 花里みのり
  • 桐谷遥
  • 桃井愛莉
  • 日野森雫
  • 小豆沢こはね
  • 白石杏
  • 鳳えむ
  • 草薙寧々
  • 宵崎奏
  • 朝比奈まふゆ
  • 東雲絵名
  • 暁山瑞希
  • その他男キャラ
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