プロセガ恋愛物語   作:高坂蓮

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今回は朝比奈さんです。
オリ主は遠山陸です。
3000UAありがとうございます。


朝比奈まふゆ 見つけた思い

ある日の打ち上げで、いきなり瑞希がこんなこと言いだした。

 

 

「今度みんなで温泉旅行行かない?」

 

「温泉旅行?」

 

「そうそう!泊まりで温泉旅行!」

 

「……なんで急に?」

 

 

瑞希はキラキラした目で提案していたものの、僕達は皆ポカーンとしていた。

そんな僕達を置いて瑞希は再び話し始める。

 

 

「前にみんなで出かけてからだいぶ時間たったし、それにまふゆの親がボク達のことを認めてくれた祝いってことで!」

 

「でもなんで温泉なのよ」

 

「実はこの温泉街で期間限定でライトアップがあってそれがすごい綺麗だって話題になってるんだよ!」

 

「……それが目的なんだね」

 

「あはは……ま、まぁ、たまにはみんなの疲れをとるって意味でも良いんじゃないかな?」

 

 

瑞希はどうやら図星だったようで頭の後ろをかきながら苦笑いをしてそう言った。

 

 

「私は大丈夫だけど他のみんなは大丈夫なの?」

 

「……わたしも大丈夫。陸とまふゆは?」

 

「僕は大丈夫だけど……問題はまふゆじゃない?」

 

「……私はお母さんに聞いてみないと」

 

「お母さんにって、あんたねぇ……」

 

「まあまあ仕方ないよ、泊まりってなると親も心配だろうからさ」

 

 

ということでここではまふゆが分からないため、この件についてはまふゆ次第となった。

 

 

 

ーーー

 

 

「いや〜、みんなで行けて良かったね〜」

 

 

瑞希からの温泉旅行の提案があってから2週間後。

無事にまふゆの母親から許可が降り、僕達は電車の中にいた。

 

 

「そうだね、でもよくまふゆのお母さん、許してくれたね」

 

「……うん、羽目を外しすぎないようにって」

 

「きっとボク達のことを信用してくれてるってことだね!」

 

「ま、まあ、そうなるの……かな?」

 

 

などと他愛ない話をしながら目的地へ向かった。

 

 

その後、無事に目的地に着いた僕達は旅館でゆっくりした後、温泉街を巡り、イルミネーションを楽しんだ。

その後、夕食を食べて温泉に入った。

 

部屋は僕の一人部屋と、あと四人の部屋。

夜になると僕の部屋に皆が来てトランプをしたりした。

 

いつも夜から作業を始める僕達はまだまだ元気だった。

ただ、今回は流石に歩き回ったりしたためか、だんだんと眠気が襲ってきた。

それは他の皆も同じなようで、ある程度の時間になると皆は部屋に戻っていった。

 

僕が布団に潜ってから意識を手放すまでそう時間はかからなかった。

 

 

ーーー

 

 

目が覚めた。現在の時刻は5時半。

朝食の時刻にはまだまだ早い。

 

 

「……露天風呂にでも行ってみようかな」

 

 

この旅館には温泉は二つあった。

普通の温泉と露天風呂。

昨日は普通の温泉に入った。

せっかく温泉旅行に来たのだ。

なら露天風呂にも入っておきたい。

よって僕は準備を整えて部屋を出た。

 

 

ーーー

 

 

「「あ」」

 

 

部屋を出るとまふゆが丁度部屋から出てきた。

寝癖などはなく、浴衣姿だった。

どうやら寝起きというわけではないようだ。

 

 

「おはよう、まふゆ」

 

「…うん、おはよう」

 

「他のみんなは?」

 

「…まだみんな寝てる」

 

 

どうやら他の皆はまだ寝てるらしい。

まあ確かに他の3人は明らかに夜型で朝には弱い。

 

 

「まふゆはどこ行くの?」

 

「……特に決めてない。でも、目が覚めちゃったから」

 

 

どうやらまふゆは僕と同じく目が覚めてしまったらしい。

 

 

「陸は?どこ行くの?」

 

「僕は露天風呂に行こうと思うんだけど………まふゆもどう?」

 

「じゃあ私も行く、ちょっと待ってて」

 

 

そう言って、まふゆは部屋の中へと戻っていった。

 

 

その後まふゆが部屋から出てきて僕達は露天風呂へと向かった。

 

 

ーーー

 

 

「………うそやん」

 

 

僕達は露天風呂へと向かった。

が、僕の目に入ったのはまさかの混浴の文字。

なんと露天風呂は男女の区別はなく混浴だったのである。

これが男二人だったら喜んで入ったであろう。

だが今回はまふゆとだ。

ここで歩を進めてしまえば、もれなく僕は変態認定である。

 

 

「ま、まふゆ、やっぱり普通の温泉にしようか」

 

「……別にいいよ、混浴でも」

 

「え、い、いや、でも……」

 

「……陸となら良い、さ、行こ」

 

「え、えぇ、ちょ…」

 

 

そう言ってまふゆは女性用脱衣所へと入っていった。

 

 

ーーー

 

 

あの後僕も脱衣所へと入り、脱衣を済ませてバスタオルを腰に巻いた。

ここの露天風呂では混浴のためバスタオルを身に着けて良いこととなっていた。

中に入ると、浴槽はそこそこの広さだった。

そして時間帯が朝早いだけあって誰も居ない。

浴槽に手を入れ温度を確かめる。

 

 

「うーん、ちょっと熱いけど丁度…「何してるの?」いぃーー!?」

 

 

いきなり後ろから声をかけられ思わず変な声が出た。

 

 

「い、いや温度を確かめよう…とッ!?」

 

 

声のした方へ振り向くと思わず動揺してしまう。

そこにはバスタオルを見にまとったまふゆの姿があった。

そして、思わずその姿見入ってしまった。

今まであまり気にしたことはなかったが、今こうやって身体のラインがあらわになるとまふゆのスタイルの良さが分かる。

 

 

「………どうしたの?陸」

 

「い、いや、なんでも……か、身体が冷えるといけないから早く入ろう」

 

 

そう言って俺はかけ湯をして温泉に入る。

やはり少し熱いが気持ちいい。

ここ最近は忙しかったため、なかなかくつろげることがなかった。

と、まふゆも入ってくる。

俺の隣に。

 

 

「……良い湯だね」

 

「……うん」

 

 

そして沈黙が訪れる。

今思えば、こうしてまふゆが皆と温泉旅行に行くなんて考えられなかった。

だがこうして行けるのもまふゆが親に思いを伝えることが出来たからであり、まだ全てとまでは言えないものの、その第一歩として俺たちニーゴのメンバーとの音楽活動を認めてもらった。

 

 

「ねぇ、まふゆ」

 

「……なに?」

 

「見つかりそう?好きなものとか」

 

「……まだ、分からない」

 

「…そっか」

 

「……でも、心が軽くなった気がする」

 

「………そっか」

 

 

そして再びの沈黙。

 

なぜ僕が朝比奈まふゆを気にかけて、救おうとしているか。

 

僕は小学生の頃から勉強と習い事ばかりだった。

習い事はほぼ毎日。

その他は勉強に当てられた。

よって友人と遊ぶ機会はなかった。

しかし、親含め周りの大人は僕に期待した。

だから僕はその期待に応えてきた。

 

小学生の頃のテストはほとんど100点だったし、習い事だって沢山入賞した。

 

中学生になっても始めの頃は順調だった。

定期テストも上位、部活でも上級生と同等かそれ以上だった。

 

しかし、中学2年の後半から徐々に崩れ始めた。

テストの点数が落ち始め、部活でも伸びるどころか下がっていった。

 

期待に応えようとする気持ちと、身体とで差が生まれて始めたからだった。

焦れば焦るほどどんどん堕ちていく。

底なし沼のように。

 

両親は優しかった。

期待をしていたとはいえ、決して僕を叱責することはなかった。

でもその優しさは偽物だった。

期待に応えられなかった僕を見切ったのだ。

 

期待に応えられない自分が不甲斐なかった。

そして周りから期待され続けることが辛かった。

 

だから高校は少し離れた所で、一人暮らしをすることにした。

あの空間にいるのが苦痛だったから。

 

そして高校生になって唯一中学生の頃から癒しだだった暇つぶし程度の音楽作りに没頭した。

そんな中、Kこと宵崎奏からニーゴへの誘いがあった。

 

僕はその誘いを受け、朝比奈まふゆに出会った。

 

僕と彼女は似ていると思った。

常に周りの期待に応えようとしているところが。

 

だが彼女は僕とは違った。

挫折した僕とは違い彼女は常に周りの期待に応え続けた。

 

でもそれは着実に彼女の心を壊していった。

 

正直彼女の本当の姿には驚いた。

心が空っぽの彼女に。

 

そんな彼女を僕は助けたいと思った。

他人の意思ではなく自分の意思で。

 

彼女の辛さが全て分かるとは思わない。

でも周りから期待され続ける辛さは少しは分かっている。

少なくとも僕は彼女の味方でありたかった。

 

だから僕は……

 

 

「陸」

 

「えっ、な、なに……」

 

 

急にまふゆから名前を呼ばれ振り向く。

すると、なんと目の前に整ったまふゆの顔があった。

まふゆの目は真っ直ぐとこちらを見ている。

僕は彼女から目を逸らすことができなかった。

 

 

「……なにか考え事?」

 

「い、いや、なんでも、てか、ち、近くない?」

 

「……そうかな」

 

「え、ちょ……」

 

 

そう言うとまふゆは更に顔を近づけてきた。

こ、これ以上は……

そう思い、慌てて距離を取った。

 

僕の顔が赤くなってるのが分かる。

心臓の鼓動が早くなる。

だから僕はなんとか誤魔化そうとした。

 

 

「そ、そろそろ出ようか、みんなもそろそろ起きてくるかもだし」

 

「………うん」

 

 

 

そうして僕は逃げるように温泉から出て、部屋へと戻った。

 

 

ーーー

 

 

あの後、僕達は朝食を済ませて旅館をチェックアウト。

向こうで観光し、昼食をとって無事に帰ってくることができた。

 

 

「それじゃ、みんなまたね〜!」

 

 

そう言って瑞希はぶんぶんと手を振って家のある方へ帰って行った。

 

 

「またね、瑞希、じゃあわたしもコンビニ寄るからここで」

 

「じゃあね奏、まふゆと陸もまたナイトコードでね」

 

 

絵名と奏もお別れ。

残されたのは僕とまふゆだけ。

僕とまふゆの家は同じ方角なので途中まで一緒に帰ることになる。

 

 

「うん、じゃあね絵名、じゃあまふゆ、僕達も帰ろうか」

 

「………うん」

 

 

こうして、夕焼けに染まった空の下を僕達は歩く。

実は露天風呂以降まふゆとはまともに話していない。

よって今も気まずい時間が続いている。

 

 

「………ねぇ」

 

 

僕がこの状況をどうしたものかと悩んでいるとまふゆから声をかけてきた。

 

 

「どうしたの?まふゆ」

 

「……私、ひとつ見つけた」

 

「見つけた?何を?」

 

「……好きなもの」

 

 

そう言ってまふゆは立ち止まる。

相変わらず顔から感情を読み取ることは出来ない。

 

 

「へぇ、なになに?食べ物とか「陸のこと」……え?」

 

 

唐突にそんなことを言われ、思わず呆気にとられてしまう。

そしてまふゆは無表情のままこちらを向いた。

僕が反応に困っていると再びまふゆは僕に言った。

 

 

「……私、陸のことが好き」

 

「……えっと、それは音楽仲間としてってこと?」

 

「ううん………もちろん奏や瑞希、絵名は大切。でも蓮はそれ以上に大切」

 

「……じゃあ、恋愛感情としてってこと?」

 

「……それは……分からない」

 

 

そう言ってまふゆは顔を伏せてしまう。

 

まふゆはこうやって日々前に進んでいる。

その間、僕は止まったままでいる訳にはいかない。

僕は覚悟を決める。

別に伝わらなくても良い。

ただ、思いを伝えることが大事なのだ。

 

 

「………まふゆ、僕は君のことを尊敬してる。………そして好きだよ、一人の女性として」

 

 

僕がそう言うとまふゆは顔を上げ、こちらを見る。

無表情ではあるが、すこしばかり驚いているように見えた。

 

 

「だから………付き合って欲しい。僕の恋人になってください」

 

 

人生で初めての告白。

自分の心臓の音が聞こえる。

頭は真っ白だ。

 

やがて、まふゆは口を開く。

 

 

「………うん、よろしく、陸」

 

 

そう言って彼女は笑った。

笑ったと言っても微笑む程度である。

が、いままでの笑顔とは何か違って見えた。

 

僕が見た彼女の初めての笑顔は夕焼けに照らされながらも、何よりも輝いて見えた。

 

 

 

 

 

 

 

Fin

 

 

 

 

 

 

 

 




はじめは一人称は「俺」でしたが、途中で「僕」に変えたので、変わってないところがあれば指摘お願いします。

どのキャラを優先して欲しいか(2周目も可)

  • 星乃一歌
  • 天馬咲希
  • 望月穂波
  • 日野森志歩
  • 花里みのり
  • 桐谷遥
  • 桃井愛莉
  • 日野森雫
  • 小豆沢こはね
  • 白石杏
  • 鳳えむ
  • 草薙寧々
  • 宵崎奏
  • 朝比奈まふゆ
  • 東雲絵名
  • 暁山瑞希
  • その他男キャラ
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