遊戯王ARC-V 次元戦争なんて冗談じゃない!!!   作:皐月の王

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少女はその後に

それは、夢だと思いたい出来事であった。それは、夢にしては現実(リアル)な痛みだと思っていた。

 

「っ……あ」

 

少女は道路で仰向けに倒れながら、痛みを感じていた。軽く言えるものではなく、少女の状態は明らかに重傷である。

 

遠くからは、救急車のサイレンが耳に辛うじて届くくらいだ。少し転んだと言うより事故にあったと言うのが妥当だろう。何故そうなったかは、少し時を遡る必要がある。

 

――――――――――――

 

 

『バイク屋の源さんからバイク届いたって連絡来たわよ』

 

少女は、母親からの電話を受けていた。その連絡は少女が楽しみにしていたバイクが用意できたという報告が来たという話だ

 

「本当に!?免許を取ってから三ヶ月間!この時を待っていたんだよ!お母さん!私、源さんところ行ってバイク貰ってくる!じゃあ!」

 

少女は電話を切って軽く屈伸をして。

 

学校(ここ)から源さんのバイク屋まではそう大した距離じゃないし、走っていこ!たまに走らないと鈍るしね」

 

少女はリュックを固定し、最後に手首と足首を軽くストレッチすると走り出した。目の前に行く手を阻む金網のフェンスを片手を着いて飛び越える。

 

「よしっ、このまま行こう!」

 

勢いを殺すことなく走る。途中の障害物も何のそので街を駆けていく。すると目の前に泣いている子供を見た。どうやら高い位置の看板に風船が引っかかっているようだ。

 

「助けないとだね……やって見せよう!」

 

少女は建物の壁を走って少し登って蹴り、看板に引っかかっていた風船を見事に取る。

 

「ほら、君の風船はここだよ。そんなに泣いてたら風船さんも悲しんじゃうよ?」

 

「うん、ありがとうお姉ちゃん!」

 

「良いってことよ!じゃあね!」

 

少女は子供に風船を渡し、再び走り出す。今度は机を運んでいるところに出くわす。しかし、少女はブレーキをかけることなく、そのまま突っ込む。

 

「うお!止まれ嬢ちゃん!危ねぇ!」

 

「うおお!ぶつかる!?」

 

机を運んでいる大人はぶつかると思い目を瞑る。しかし、衝撃が来ることは無かった。目を開けると、少女は、スライディングをして机の下を潜り抜けていた。

 

「ごめんなさい!少し急いでいてて!」

 

少女は一声謝ってから走り出す。そしてそれから五分後、息を少し切らせて、バイク屋に辿り着く。

 

「はぁ……っ…はぁ!ふぅ」

 

「お、来たか嬢ちゃん。思ったより早いのう」

 

少女が息を切らして店の前で居ると、店から白髪の老人が出てくる。

 

「源さんチワッス!バイク取りに来ました!」

 

「そう慌てるな。そこにあるじゃろ」

 

原が指を指した方にその注文していたバイクがあった。緑と白色が特徴のバイクである。

 

「ふおおお!!!遂にこの時が来たのか!源さん鍵は?」

 

「あ、店の中だったわ。少しとって…」

 

「源さんバイクの調子が悪いんだ見てくれよ!」

 

別の客が来てバイクの調子悪いと言う。源は少女の方を見て少し申し訳なさそうにして

 

「少し待てるじゃろ?先にこっちを片付けるわ」

 

「えぇ……いいよ。別に急ぎの用事もないしね。少し公園で遊んでるから」

 

少女は肩を竦めながら公園に向かおうとする。すると、公園からサッカーボールがコロコロと転がり、それを追いかける男の子が公園から飛び出してくる。そして鳴り響くのはトラックのクラクション。

 

「嘘でしょ!」

 

少女は驚きながらも走り飛び出していた。男の子はボールを拾い、道の中央で立ち尽くしている。少女はそんな男の子を突き飛ばした。男の子はトラックから救われたが、少女が間に合わない。

 

「あ……」

 

少女はそのままトラックと激突した。そして今に至る。4トントラックに轢かれて、まだ意識があるのは頑丈と呼べるのか、その分苦しむ羽目になるから不幸と言うべきか。辺りには、少女が持っていた遊戯王のカードが散らばっている。

 

(あぁ……私のデッキが)

 

手を伸ばそうとするが、体は動かず、激痛が体を支配する。

 

「お姉ちゃん……」

 

サッカーボールを抱きしめた男の子が今にも泣き出しそうな、怯えた表情でこっちを見ている。自分のせいでこうなったと理解しているのか、それともこの光景を見て恐怖しているのか。でも、無事なのを見て少女は

 

(無事……だね。良かった。でも……デッキ散らばって、挙句にバイクの乗れないなんてね)

 

無事な姿を見て安堵した表情をうかべ、近くに散らばったカードの三枚を手に取る。初めて見たシリーズで初めて作ったデッキのカードをかざして。

 

「……やだぁ……これで、終わり……なんて」

 

少女の意識は途切れた。途切れたと言うより力尽きたという方が正しいだろう。色々頭に浮かぶが、より強く浮かぶのは、まだ生きたい、決闘(デュエル)がしたい、バイクに乗り街を走りたかった。そんな思考が意識が完全に消える寸前に浮かび、冷たい暗闇に閉ざされた。

 

暗い水底に落ちていく感覚だけが感じられ、体が冷たくなっていくのを感じさせられる。

 

(これが、死……怖いなぁ)

 

溺れて、今にも消えてしまいそうと思った時、視界に光が映る。これから死ぬというのに光が見えるのは不思議なことだろう。ただ、自分の直感に従うように

 

(そっちに、行けばいいの?)

 

自分の体を認識できてはいないが、深く息を吐き、光へ手を伸ばす。

 

(ああ、どうせ死ぬんだし、他に道がないのなら)

 

少女は足を踏み出した。光の方へ。一歩、一歩と踏み出し光へと飛び込んだ。視界が光で覆われた。

 




転生前
性別:女性
年齢:17
身長・体重:157cm/46kg
趣味:カードゲーム アニメ鑑賞 フリーランニング
好きな食べ物:寿司、甘いもの

遊戯王を知ったのは兄の影響であり、5D'sからアニメ入りデッキを作った。兄や友達とやる程度が基本で、小さな店の大会にも数回友達に誘われて出たことがある程度。
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