遊戯王ARC-V 次元戦争なんて冗談じゃない!!!   作:皐月の王

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新たな道へ

遊希は夢を見る。何回も見ていればまたかと内心思ってしまう遊希だが、そんな事は言ってられないし夢が覚めるまでどうしようも出来ない。夢の場面は灰色の髪の男性と誰かが決闘をしていた。互いに楽しそうに病室の台の上でゆっくりとカードを並べて行っていた。微笑ましい光景ではある。

 

(これは……ズァークかな?と誰だろう?)

 

遊希はその光景を見ているが対戦相手より暫定ズァークの方に目がいってしまう。ズァークは楽しそうな、嬉しそうな表情で決闘をしており、対戦相手もその表情を見て嬉しそうと言うのは反応を見てわかる。

 

しかし、場面が変わると荒廃した街に覇王龍となったズァークに入院服に羽織を来た女性が雨が降る中、決闘を行っていた。

 

『もう、止まることなど出来んのだ!!!奴らが我にそうするように望んだのだから!!!』

 

『お願い!昔の優しい君に戻って!!!』

 

女性の方は咳き込みながらも、決闘を敢行していた。そこで夢が終わる。

 

目が覚めると、病室だった。その病室というのも、ユーゴとの決闘の後、倒れ赤馬に保護された時の病室である。見覚えのある部屋で何となくの事情は察することが出来た。

 

(そうか、ユイと一時的に融合して……。いや、遊馬とアストラルみたいな感じだから、ゼアルみたいなものかな?まぁ、それで決闘して二人の決闘に乱入して……何か話したまでは覚えているんだけど……)

 

そう考えて体を起こす。そのタイミングで病室の扉が開き、柚子と遊矢が入ってくる。

 

「遊希!目が覚めたのね!」

 

「良かった!目が覚めたんだな遊希!」

 

二人は嬉しそうに近づき、二人は遊希に抱きつく。遊希は驚きながらも二人を受け止めて

 

「おはよう、それと心配かけてごめんね?」

 

「本当よ!毎回毎回!無茶して心配させて!!少しは心配するこっちの身にもなってよ!」

 

「そうだぞ、あの時倒れたの本当に心配したんだからな」

 

柚子は怒りながら、遊矢も心底心配したと言わんばりに言う。遊希は苦笑いを浮かべながら、思い出したように言う。

 

「遊矢!あの後どうなったの?」

 

「あの後は、ユートが赤馬零児に連絡を取り、その後は医療班が来て遊希は搬送されて、ユートは赤馬零児と一緒に行ったな。ユーゴは最後まで居るつもりだったらしいけど、カードが光って突然いなくなった……。遊希のおかげでユーゴとユートの誤解は解けたみたいだけど……。その後は会ってない」

 

話を聞き、自身の中でまとめる遊希。

 

(とりあえずは、遊矢とユートが同化するのは阻止はできた。先ずは第一ステップはクリアしたと言っても良いけど、ここからは私も未知の領域。ヘラってる時間は無いしね。それにやっぱり、ユートが残存しているのは戦力として申し分無いしだけど、その分遊矢の戦力は上昇しない……ここを何とかしないと)

 

遊希は自分が変えた運命と向き合い始める。ユートと遊希の同化を阻止したことによる遊矢の戦力上昇はほとんど無い。遊希はそこを懸念していた。しかし、それ以上に溜めていた何かがあるのか遊矢は遊希の肩を掴み懇願するように言う。

 

「教えてくれ……遊希。オレ、分からないんだ、ユートやユーゴだけじゃない、融合次元にもオレとそっくりな顔をしている奴がいるんだろ!?分からないんだよ……ユートもユーゴもどうして……!!」

 

悲痛な叫びに遊希はどうすることも出来ない。真実は話せない。そんな時、柚子が言う

 

「遊矢だけじゃないわ……私にも、遊希にもそっくりな人が居るみたいなの」

 

「え!?」

 

遊矢は驚いた様に声を上げる。柚子は続ける。

 

「黒咲の妹の瑠璃に私がそっくりだって……そして、遊希はユートの妹のユイに」

 

「柚子と瑠璃がそっくりで遊希とユイがそっくりってユートが言ったのか!?いや、あの時……」

 

中央公園の事を思い出す遊矢。

 

『オレには妹のユイが居る。訳あってユイは遊希の体に宿って……』

 

ユートが確かに言った、ユイという人物が遊希に宿っているという話。その事を思い出して

 

「ユートが言ってたんだけど、遊希の中にユートの妹ユイが居るって本当なのか?遊希」

 

遊希に尋ねる。遊希は遊矢の質問に対して悩むこと無く正直に答える。

 

「うん、どう言った経緯かは分からないけど、私の体にはユートの妹のユイ、そしてユーゴが探しているリンと言う少女の妹のリオが宿っているの。しかも、全員が私にそっくりらしいの」

 

「うん、ユイは本当に遊希にそっくりだった」

 

「柚子は知ってたのか!?」

 

遊矢は柚子が知っていた事について驚く。柚子は話す。

 

「そりゃ、ユートの事とか遊希の事とか色々あったし……。こんな大きなこと大会が近いときに言える?」

 

「……いや、柚子と遊希なら黙ってるよな。ごめん」

 

「謝らなくていいわよ遊矢。そうでしょ遊希」

 

柚子が言うと遊希は頷く。

 

「当然!その程度で怒る理由なんて無いしね。でも、今回の一件で遊矢だって知らぬ存じぬは通じなくなるとは思う。遊矢だって、何が起きているかだけでも知るだけは知っておきたいよね?」

 

遊希は息を吐いて言う。ここで聞かなかったことにしては通用しない。赤馬に説明を任せるとどのような誤解が生まれるか分かったもんじゃない。動揺しているとは言えど、比較的冷静な今なら話しても大丈夫と思い確認をとる。

 

「ああ、教えてくれ。話せる範囲でいいから」

 

遊矢もデリケートな話題と言うのは承知しているのか話せる範囲でと言う。それとも遊希を信用し信頼しているからこそかもしれない。

 

「分かった、私が今話せる範囲で話をするね」

 

そして、遊希は説明する。融合次元とエクシーズ次元が争っていること。原因は融合次元がエクシーズ次元に侵略を仕掛けたことに起因している。そのため、エクシーズ側はレジスタンスを結成し反抗しているというのだ。そのレジスタンスがユートと黒咲である。

 

「だから黒咲は素良との決闘であんな事を……待てよ、じゃあ、あのフィールドは!」

 

「エクシーズ次元を代表する街だろうね。ユイも見て泣くくらいにはそっくりに作り上げていたみたいだし」

 

「そんな……」

 

二人は黙り込む遊希は続ける。そこで融合次元の遊矢のそっくりが瑠璃とリンを拐っていること、そうなれば柚子にも矛先が向きかねないことを伝える。

 

「そんな……」

 

「そんな事絶対にさせない!!」

 

「私としてはそんなの許したくないし、全力で阻止しないといけない。その為にも遊矢も柚子も強くなる必要があるよ」

 

その言葉を聞いて遊矢はあの日の夜の素良の事を思い出していた。本当の戦いにもう一度は無い。黒咲のあの怒りを思い出していた。敵を倒す為の決闘。でも遊矢のデュエルは楽しませる決闘。決闘を争いの道具のようには使いたくないと遊矢は考えるが、

 

(もし、柚子や遊希……他の皆に何かあったとなった時にそんな事言えるのか?)

 

遊矢が拳を強く握り、歯を食いしばる。柚子はそんな遊矢を不安げに見る。遊希はそれを見て息を吐き

 

「勿論、敵を倒すためじゃない……」

 

その言葉に二人は遊希の方を見る。

 

「結果的にそうなるのかもしれないけど、何より大切な人を大切な場所を守るため、そして何よりも自分の信じる決闘の為にね」

 

その言葉を聞いて遊矢は心の重荷が軽くなるのを感じる。

 

「ああ、そうだな……!オレはオレの信じる決闘をするだけだ!その為にも今より強くならないと行けない。そういう事だろ?遊希!」

 

「そ言うこと、となれば大会中の一日でも特訓しようか。勿論、柚子もだよ」

 

「「特訓?」」

 

遊希はベットから降りてデッキケースを手に持ちベットに戻り

 

「これから三人にはシンクロ召喚とエクシーズ召喚を学んでもらうよ!知ってるのと知らないとじゃ全然違うからね。勿論二人ともやるでしょ?」

 

遊希がそう言うと二人は顔を見合せて頷き

 

「ああ、教えてくれ遊希!」

 

「私もやるわ!」

 

「OK、それじゃあ時間無いからスパルタで行くよ!!」

 

遊希によるシンクロ、エクシーズ講座が二人に叩き込まれる。各デッキに合うような動かし方やキーカードの見直しを三人で行う。最初は真剣そのものだったが時間が経つにつれて三人は和気藹々と楽しんで調整を行っていた。次の日、遊勝塾のフトシの試合を見て励ました。その次の日で1回戦が終わる。

 

衝撃的な決闘で。梁山泊塾の塾生の暴力的な決闘を見て観客は唖然とする。そしてそんな中無情にも対戦カードが出揃う。

 

勝鬨勇雄VS榊遊矢

 

遊希も自身の決闘ディスクを確認すると対戦相手が出ていた。その相手というのが、勝鬨勇雄と同じく梁山泊塾の塾生である。

 

勝鬨将正VS星風遊希

 

(ウッソだろお前!?なんでよりによって!!)

 

魂が抜けそうな気分で空を仰いで頭を抱える遊希がそこには居た。




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