遊戯王ARC-V 次元戦争なんて冗談じゃない!!!   作:皐月の王

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モンスターの効果を間違っていると言う報告を受けて修正改めて投稿させて頂きました!

皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ございません!


自分のデュエルを信じて

遊希は勝鬨の兄弟説の人物と当たることになり、色んな意味で口から魂が出ていた。

 

「マジか……マジか」

 

勝鬨勇雄と遊矢の決闘も気にはなるが、それと同時に自分も何とかしないといけない。

 

「デッキ、見直さないといけないかなぁ……。それより、受け身の練習?もう、遅いよねぇ……」

 

予想外な角度からの対戦相手にゲンナリしている遊希。痛い目に遭うのがほぼ確定している戦いほどゲンナリするものは無い。

 

「ユイに代わって貰おうかな……リオでも良いんだけど……」

 

『いやいやいや!殴られるの分かっててボクは代わらないよ!?何サラッと僕達を身代わりにしようとしてるのさ!?と言うか、代わっても結局は君の体だからね!?』

 

リオに言われて遊希は仕方ないとため息をつく。次元戦争やズァークや自分の謎よりも目下の暴力決闘に悩めるだけマシかもしれないと何処かで思いながらも、意識外からのトンデモ地雷が全力助走で殴ってきた事実に頭が痛くなる。

 

「確かに……そう言えばユイは?」

 

遊希が反応が無いユイが気になりリオに尋ねる。リオは首を横に振り

 

『まだ、眠ったまま。あの夜の消耗が大きかったかもしれないね。まぁ、ボクならもう目が覚めてるだろうけど!』

 

「元気がいい事で……私は憂鬱だよ」

 

割り当てられた自室で沈んだように横になる。対戦相手の名前を見て更に顔を歪ませる。

 

(梁山泊の決闘者と当たるのは聞いてないよぉ!まぁ、遊矢はそれ込みで勝てるように鍛えたし?私もただの決闘なら負ける気なんてサラサラないよ?でもこれアクションデュエルだし!取ろうとしたら襲ってくるじゃん!!)

 

ムンクの叫びみたいな表情になりながらもデッキを見直す。

 

「こうなったら、最速で潰す気で行かないと……じゃないと殺られる……!」

 

『この間の二人の決闘止める時よりも必死じゃない?』

 

「うるさい!こっちは私の肉体にもろにダメージが来るんだ!必死にもなるよ!」

 

悲鳴をあげながら無慈悲に時間が過ぎていく。そして翌日……。試合会場でそれぞれやる気を見せる中

 

「遊矢の次の試合かぁ……。!頑張れ!遊矢!逃げたいよ私!」

 

「オレの応援をしながら堂々と逃げたいと言うなよ!」

 

「そこは私も頑張るって言わなきゃだよ!遊希お姉ちゃん!」

 

「そうだぜ!LDSの時みたく痺れる決闘すると言ってくれる方がかっこいいぜ!!」

 

遊矢、アユ、フトシの3人に突っ込まれる遊希。

 

「でも、一回戦のあの決闘の後だと、私は二人が心配よ」

 

「そうだね、あの二人は容赦なく妨害してたし……ううん、あれは妨害なんてものじゃなかった」

 

「確かに、あの決闘は見ていて気持ちのいいものでは無い」

 

柚子、タツヤ、権現坂は二人の対戦相手について苦々しく話す。しかし、遊矢は深呼吸しながら言う。

 

「たとえ、相手が武闘派の決闘者としても俺のやることは変わらないよ。俺は俺の信じる決闘でアイツも笑顔にする!それに……」

 

遊矢は遊希と柚子の二人を見て言う。

 

「二人には特訓に付き合ってもらったしな!」

 

「遊矢……!」

 

柚子は少し笑顔になって遊矢を見る。遊希は小さく笑い遊矢と向き合い拳を出す。

 

「自分たちも楽しんでいこう!」

 

「ああ!でも、その前に、権現坂!勝てよ!」

 

「ああ、先に進んで待っているぞ!」

 

その言葉通り、権現坂は二回戦も突破する。そして次は遊矢の番である。

 

『遊勝塾!榊遊矢!』

 

スマイリーの紹介で舞台に上がる遊矢。観客の声援に答える様に手を振る。

 

『続いては梁山泊塾!勝鬨勇雄!』

 

ある観客席の一部を占領するかのように座り、小さな銅鑼を鳴らす。そしてその音ともに勝鬨も遊矢の前に立つ。

 

空気が変わる。前日の決闘や梁山泊の塾の空気が勝鬨の登場と共に場を支配する。

 

「塾の応援?の周り観客居ないじゃん……そりゃあんな人達の周り居たくないよね」

 

遊希は苦笑いを浮かべながらに言う。

 

「決闘に笑顔は禁物。それが武闘派梁山泊の流儀だからなぁ。彼等にとっては勝つ事が全てだ。お前らも見た通り、勝てば何してもいいのかって言うくらいに強引な決闘を仕掛けてくるんだ。塾長である梁山も手荒な決闘スタイルを批判されてきたが数多くのタイトルを制してきた」

 

遊希は首を傾げて、息を吐く。

 

(アレで手荒で済むのか……。いや、観客もドン引きしていたし、塾長も大人という手前言葉を選んでいるのかな。あっ……そんな奴と遊矢と私は決闘しないといけないのか……)

 

息を吐くどころか魂が抜けそうになる遊希だが、首を横に振り遊矢を見守りながら梁山泊の話を聞いて足を組み、顔を手に着き思わず呟く。

 

「デュエルが上手くなるには、カードに対する知識、対応力が求められるから教わるのも分かるけど、結局数多く試行して、組み合わせを探して、勝って負けてを繰り返して、デッキを強くするものなのにね」

 

これはプレイヤーとしてのセリフだった。タダの遊びとして嗜んできた者から出たただただ当たり前の言葉であった。

 

『それでは両者向かい合った所でフィールド魔法の選択です!』

 

両者の間でフィールド魔法がランダムに選択される。選ばれたフィールド魔法は……。

 

『アクションフィールドON!フィールド魔法仙界竹林発動!!』

 

スマイリーの宣言と共にフィールド魔法が起動し、スタジアムから竹林の景色へと早変わりする。

 

「昨日、お前の決闘見せて貰ったよ……」

 

勇雄はジャブをして体を解す。遊矢は勇雄を見据えながら

 

「オレはお前の決闘を認めない。あんなの……決闘じゃない!」

 

そうはっきりと言う。勇雄も遊矢を睨みつける。しかし意に介して無いのか

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが」

 

遊矢の言葉を無視して口上を言い始める。

 

「ッ!モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション……」

 

観客、スマイリー、そして二人が互いに見据えながら宣言する。

 

「「デュエル!」」

 

榊 遊矢 LP4000

手札5枚

 

勝鬨 勇雄 LP4000

手札5枚

 

宣言すると同時にアクションカードがフィールドに散らばる。

 

勇雄は遊矢に対して挑発とも取れる手招きをして先手を譲る。

 

「それじゃあ!俺のターン!俺は手札からEMエンタメイトドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー Lv4 ATK1800

 

ピンクと黒を基調としたサーカス衣装のモンスターが召喚される。遊矢を抱き抱え、空中をブランコのように移動する。その光景で観客から歓声が上がる。楽しそうな光景だが、竹林でそんな移動をすると、笹に揉まれて、口の中に笹の葉が入ってしまう。遊矢は目を回しながら口の中の笹の葉を吐き出し

 

「EMドクロバット・ジョーカーの召喚時効果!デッキから『EMドクロバット・ジョーカー』以外の『EMエンタメイト』モンスター、『魔術師』Pペンデュラムモンスター、『オッドアイズ』モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。俺はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に加える!オレはターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP4000

手札5枚

 

場:EMドクロバット・ジョーカー Lv4 ATK1800

 

勝鬨 勇雄 LP4000

手札5枚

 

「ドロー。相手フィールドのみにモンスターが存在する時、手札から地翔星ハヤテをリリース無しで召喚できる」

 

地翔星ハヤテ Lv5 ATK2100

 

「リリース無しで上級モンスターを召喚した!」

 

「バトル!自分は地翔星ハヤテでドクロバット・ジョーカーを攻撃!」

 

ハヤテが武器を構え突撃してくる。ドクロバット・ジョーカーはそれから逃げつつ遊矢を抱き抱えたまま竹林に入る。逃げている時に遊矢がアクションカードを見つける。

 

「あった!ドクロバット・ジョーカー!あそこだ!」

 

ドクロバット・ジョーカーに指示を出して取りに行こうとした時、進行を妨害するように竹が飛来する。

 

ドクロバット・ジョーカーは竹に気づき避ける。もう一度飛んできてそれも避ける。遊矢を落とすことなくアクロバットに避けきって見せた。その曲芸に歓声が上がるが

 

「あっぶねぇ……」

 

遊矢が冷や汗を流している時、悠々と勇雄が現れアクションカードを取り言う。

 

「ふっふふ、遅いんだよ。バトルは継続しているんだぞ?」

 

その言葉でハッとした時には遅く、ハヤテはドクロバット・ジョーカーを破壊していた。その衝撃で遊矢は大きく吹っ飛びダメージを受ける。

 

榊 遊矢 LP4000→LP3700

 

『勝鬨選手早くもダメージを与えた!!』

 

早くも試合が動いたことで盛り上がる。遊矢はゆっくり立ち上がり

 

「破壊されたペンデュラムモンスターはエクストラデッキに行く!」

 

「ターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP3700

手札5枚

 

場:無し

 

勝鬨 勇雄 LP4000

手札5枚

 

場:地翔星ハヤテ Lv5 ATK2100

 

なおも煽るように手招きをする勇雄。遊矢の表情は険しくなり睨みつけるように勇雄を見て

 

「お前はあくまでも、そう言う決闘をするつもりか……。なら、オレも……オレの信じる決闘をする!オレのターンドロー!」

 

遊矢は引いたカードを見て

 

「来た!オレはスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読み魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

遊矢の後ろに時読みの魔術師と時読みの魔術師が浮かびその下に3と8の数字が浮かぶ。

 

「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!!雄々しくも美しく輝く二色の眼!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!EMシルバー・クロウをペンデュラム召喚する!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv7 ATK2500

 

EMシルバー・クロウLv4 ATK1800

 

遊矢のお馴染みのモンスターが二体並ぶ。

 

「オレは手札からペンデュラム・フュージョンを発動!自分フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキデッキから融合召喚する!更に、自分のPゾーンにカードが2枚存在する場合、

自分のペンデュラムモンスターも融合素材に使用できる!オレはフィールドのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとPゾーンの時読みの魔術師で融合召喚!」

 

二体のモンスターが渦の中へと入り大きな光に包まれる。

 

「時を見る魔術師よ、眩き光となりて龍の眼に今宿らん!融合召喚!出でよ!秘術ふるいし魔天の龍!ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

 

ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv8 ATK3000

 

「来たぁ!ルーンアイズ!」

 

「痺れるぅ!!」

 

『来ましたペンデュラム融合!!榊選手の新たなエースモンスター!!』

 

観客も遊矢の応援も盛り上がる。

 

「融合素材になった二体のモンスターはエクストラデッキに行く」

 

遊矢は勇雄と向き合う。勇雄は何かを思い出したように言う。

 

「お前と自分。決闘するのは決まった宿命だったのかもしれない。……来るがいい!」

 

「なんの事だか知らないけど、バトルだ!ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで地翔星ハヤテを攻撃!」

 

ルーンアイズは咆哮を上げてハヤテにブレス攻撃を放つ。

 

「ハヤテの効果発動。自分フィールドにこのカード以外のモンスターが居ない時、攻撃を一度だけ無効にできる」

 

ハヤテが棒から出した光がブレスとぶつかり合い相殺される。

 

「ああ!ルーンアイズの攻撃が!」

 

「ルーンアイズの攻撃は一度じゃない」

 

「そうだよ!ルーンアイズの効果は!」

 

遊矢もニヤリと笑い

 

「ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果!このカードは融合素材とした自分フィールド上に存在した魔法使い族モンスターの元々のレベルによって以下の効果を得る。時読みの魔術師はレベル3!よって、このモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回まで相手モンスターに攻撃できる!もう一度だルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!地翔星ハヤテを攻撃!」

 

「アクションカード、回避を発動。相手モンスターの攻撃を無効にする!」

 

再び攻撃をかわされる。

 

「どうした?楽しいお遊戯決闘は終わりか?」

 

「いいや、すまないシルバークロウ!地翔星ハヤテを攻撃!EMシルバー・クロウの効果!自分フィールドの『EM』モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで300アップする。よってシルバー・クロウの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

EMシルバー・クロウLv4 ATK1800→ATK2100

 

「ハヤテに並んだ!」

 

「でも相打ち……!」

 

「いや、これでいいんだよ。相手の場にモンスターを残した状態で次に回す方が怖いからね」

 

シルバー・クロウとハヤテは相打ちにより互いに破壊される。

 

「ありがとう……シルバー・クロウ。今度はそっちに楽しませてもらうぜ?ターン…エンド」

 

榊 遊矢 LP3700

手札2枚

 

場:ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv8 ATK3000

ペンデュラムゾーン:時読みの魔術師 スケール1

 

勝鬨 勇雄 LP4000

手札5枚

 

場:無

 

「ドロー!相手フィールドのみにモンスターが存在する時、手札から地翔星ハヤテをリリース無しで召喚できる」

 

地翔星ハヤテ Lv5 ATK2100

 

「自分は場のハヤテと手札のテンマ素材として、マジックカード融合を発動する!」

 

「何!?」

 

「相手も融合召喚!?」

 

「天翔ける星、地を飛び、今一つとなって悠久の覇者たる星と輝け!融合召喚!来い、覇勝星イダテン!」

 

覇勝星イダテンLv10 ATK3000

 

『何と!勝鬨選手も融合召喚!昨年果たせなかった優勝を勝ち取るべく更なる進化を遂げて来たァァァ!!!』

 

攻撃力を見て権現坂が話す。

 

「攻撃力はルーンアイズと同じだが、遊矢なら!」

 

遊矢も切り抜けるべくアクションカードを求めて走り出す。

 

「いい事を教えておいてやる。イダテンはこのカードのレベル以下の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時にその相手モンスターの攻撃力は0として扱う」

 

「何っ!?」

 

「まともにバトルしたら!」

 

「うん、遊矢に3000ポイントのダメージが入る」

 

それでも遊希は慌てること無く遊矢を見ている。遊矢がアクションカードを取ろうとすると勇雄が妨害し、遊矢は転倒する。

 

「自分は装備魔法、魔星剣をイダテンに装備!このターン手札に加えたマジックカードを墓地に送るごとに攻撃力を100アップする!」

 

遊矢が転倒している隙に勝鬨がアクションカードを奪う。

 

「自分はアクションカードを一枚を墓地に送り、イダテンの攻撃力は100アップする」

 

覇勝星イダテンLv10 ATK3000→ATK3100

 

そこからは見ていられない光景が広がった。アクションカードを取ろうとした遊矢を徹底的に妨害する勇雄。そしてアクションカードを自身が取りイダテンの攻撃力を上げていく。それも直接的な暴力による妨害である。遊希の表情も険しいものになってきており

 

「正々堂々とやったら勝てないって証明でもしてるのかな……。底が知れるね」

 

「ゆ、遊希お姉ちゃん……怖いよ」

 

「ほんとだ、すっごい怒ってる……!」

 

そんな言葉が耳に入り、大きく深呼吸をして平静を取り戻す。この段階で既に六枚もアクションカードが行きイダテンの攻撃力も3600まで上昇していた。

 

覇勝星イダテンLv10 ATK3100→ATK3600

 

「お前には絶対アクションカードは渡さない!お前は今まで影ひとつ無い、明るい道をぬくぬくと歩い続けてきたのだろう?」

 

「何だよそれ!?」

 

「自分はひたすら暗い闇の道だけを歩んできた。お前のような者には負けない、必ず自分が勝利する!!」

 

「そんなの分かるかよ!アレは絶対に取る!」

 

「そうはさせん!バトルだ!自分はイダテンでルーンアイズを攻撃!イダテンの効果発動!ルーンアイズの攻撃力は0になる!」

 

ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv8 ATK3000→ATK0

 

「勝利の風は本当の闇を見た者だけに吹く!」

 

イダテンがルーンアイズに迫る中、遊矢はアクションカードに飛び込む。

 

「諦めてたまるかぁ!!!」

 

直後ルーンアイズがイダテンにより破壊される。

 

「おい、どうなった?」

 

「遊矢……」

 

「「「遊矢お兄ちゃん……!」

 

アクションカードは何とか遊矢の手に掴まれていた。それによりイダテンの攻撃力は上がらずダメージも3600で抑えられた。

 

榊 遊矢LP3700→LP100

 

「ぐっ……あぁ……」

 

勇雄は腕を踏みつけているのを退き、

 

「ターンエンド」

 

榊 遊矢LP100

手札2枚

 

場:無

ペンデュラムゾーン:星読みの魔術師 スケール1

 

勝鬨 勇雄 LP4000

手札2枚

 

場:覇勝星イダテンLv10 ATK3600

魔法・罠:魔星剣

 

「首の皮一枚で繋がったな。だがお前の闇はすぐそこだ。ひたすら暗い闇の中に堕ちるがいい」

 

「……」

 

遊矢はふらついて下を向いていた。そんな時、観客席から声が響き渡る。

 

「顔を上げて上を向いて行こう!遊矢!!」

 

その声に反応して遊矢は声のするほうを見る。そこには立って腕を組んでいる遊希と祈るように立っている柚子が居た。

 

「諦めないで遊矢!遊矢はまだ負けてないじゃない!」

 

「柚子の言う通り!全部出てないでしょ!?やりたいこと出来てないでしょ!LPは0になって無いでしょ!!まだ諦めるには早いよ!」

 

声援を投げかけて、最後に笑顔で遊矢を焚きつける。

 

「辛いかもしれないけど……!だからこそ!遊矢も笑顔で頑張って!!」

 

「最後まで楽しんで行こう!!遊矢!!」

 

その言葉を聞いた遊矢は目元を擦り。息を大きく吸い込んで

 

「ああ!オレの決闘はまだ……終わってない……!オレの決闘はこれからだ!!」

 

沈みかかっていた遊矢が持ち直した事に驚く勇雄。

 

「無駄な足掻きだな、場にはモンスターが居ない。手札2枚とアクションカードでどうするつもりだ」

 

勇雄の言葉に遊矢は笑う。

 

「無駄かどうかはやってみないと分からないだろ?オレは一人の決闘者としてこのドローに全てをかける!」

 

山札に指をかけて静かに深呼吸をしてから、力強く

 

「ドロー!!!」

 

カードを引く。そして、そのカードを見て小さく口角を上げて

 

「オレはマジックカード!ペンデュラム・パラドックスを発動する!自分のエクストラデッキの表側表示のPモンスターの中から、Pスケールが同じでカード名が異なるモンスター2体を選んで手札に加える!オレはエクストラデッキからEMドクロバット・ジョーカーと時読みの魔術師をエクストラデッキから手札に加え、再び時読みの魔術師をペンデュラムスケールにセッティング!」

 

再び時読みの魔術師がペンデュラムスケールに浮かび上がる。

 

「さらに、EMドクロバット・ジョーカーを通常召喚!ドクロバット・ジョーカー召喚時効果でデッキからEMソードフィッシュを手札に加える!そしてここからだ!」

 

遊矢は一度、自身の首のペンデュラムを握りしめてから

 

「揺れろ魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!!エクストラデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、EMシルバー・クロウ!そして手札のEMペンデュラム・マジシャン、の3体を召喚だ!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv7 ATK2500

 

EMシルバー・クロウLv4 ATK1800

 

EMペンデュラム・マジシャンLv4 ATK1500

 

「新しいモンスターだ!」

 

「ペンデュラム・マジシャン!」

 

「でも、遊矢お兄ちゃんは何をするつもりなの?イダテンの攻撃力は3600だぜ!?」

 

遊矢は続ける。

 

 

遊矢は再び両手を広げて大々的に言う

 

「Ladies and Gentlemen!!今日は我が一座の新参者EMペンデュラム・マジシャンの入れ替えマジックをご堪能ください!」

 

そう言うとペンデュラム・マジシャンはペンデュラムスケールの二体のモンスターの間に浮かぶ。

 

「今からこのスケールのモンスター二体が別のモンスターに入れ替わります!皆さん!3、2、1のカウントダウンを私と一緒にお願いします!!」

 

遊矢が観客に向かっていうと、ペンデュラム・マジシャンも大きな布を出しペンデュラムスケールのモンスターを隠す。

 

「遊矢お兄ちゃん何をするのかな!」

 

「痺れるくらいワクワクするぜ!」

 

「うん!楽しみだね!」

 

「それでは行きます!3!」

 

『2!』

 

「1!」

 

ペンデュラム・マジシャンが布を退かすとスケールのモンスターがEMドラミング・コングとEMオッドアイズ・ユニコーンになっていたのだ。

 

「ええ!?」

 

「ドラミング・コングと見た事の無いモンスターだ!」

 

歓声も大きく湧き上がる。勇雄は信じられんという目で叫ぶ。

 

「何をしたんだ!」

 

遊矢は紳士ぽく言う。

 

「それでは種明かしをしましょう!EMペンデュラム・マジシャンの効果でこのモンスターが特殊召喚に成功時に自身のフィールドのカードを二枚選択し、破壊できるのです!その効果でペンデュラムスケールの星読みの魔術師と時読みの魔術師を破壊しました。そして破壊した数だけデッキから『EMペンデュラム・マジシャン』以外の『EM』モンスターを手札に加えることが出来るので、EMドラミング・コングとEMオッドアイズ・ユニコーンを手札に加えて、再度ペンデュラムスケールにセッティングしたのです!」

 

光の柱のモンスター二体は笑顔で答えていた。

 

「それでは皆さん今回のメインのショーの新たな仲間を更に呼びましょう!私は手札の貴竜の魔術師の効果を発動します!自分フィールドのレベル7以上の『オッドアイズ』モンスター1体を対象として発動できます!そのモンスターのレベルを3つ下げます!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンのレベルを3つ下げます!

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv7 ATK2500→Lv4

 

「イダテンの効果を忘れたのか!態々レベルを下げてどうする!?血迷ったか!」

 

「そうだよ!レベルを下げちゃったらまたイダテンの効果で攻撃力を0にされちゃう!」

 

アユがそう言うと戻ってきた遊希が

 

「大丈夫!今の遊矢なら!ね?柚子!」

 

柚子は遊希の顔を見て遊矢を再度見て静かに頷く。

 

「うん、今の遊矢なら大丈夫よ。だから見てて、遊矢が何をするのか」

 

塾長、権現坂、小学生の三人が柚子の言葉を聞き遊矢を見守る。

 

「そして、チューナーモンスター貴竜の魔術師を特殊召喚する!」

 

「なっ!?」

 

「「「チューナーモンスター!?」」」

 

貴竜の魔術師Lv3 ATK700

 

『榊選手!ここでチューナーモンスターを召喚した!?』

 

「オレはレベル4になったオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンにレベル3の貴竜の魔術師をチューニング!二色の眼の竜よ!降り注ぐ星々のように願い運び太陽のように燃え上がれ!シンクロ召喚!レベル7オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンLv7 ATK2500

 

真っ赤に燃える新たなドラゴンが竹林に召喚される。

 

『今度はペンデュラム召喚からシンクロ召喚!これはペンデュラムシンクロ!!榊選手ここに来てシンクロ召喚をしました!!』

 

「何と!?遊矢もシンクロ召喚だと!?」

 

「まさか、遊希知っていたのか!」

 

「遊矢は私が育てた!」

 

遊希はしてやったりの表情を浮かべる。それと同時に大歓声が湧き上がるがメテオバーストの攻撃力は2500。イダテンは3600である。

 

「どうするんだろう遊矢お兄ちゃん」

 

「大丈夫、もう、条件は整っているから」

 

遊希がそう言うと遊矢は

 

「まだ、メテオバーストではイダテンに届きませんが、彼は独りではありません!!バトル!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンで覇勝星イダテンに攻撃!」

 

「え!?」

 

「血迷ったか遊矢!」

 

遊希、柚子以外が驚愕する。イダテンの効果で痛い目にあったのに関わらず攻撃力の劣るメテオバーストで攻撃を仕掛けたのだから。

 

「イダテンの効果発動!メテオバーストの攻撃力を0になる!」

 

イダテンの光がメテオバーストを縛ろうとするが、光は焼き尽くされる。

 

「何!?」

 

「オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンの効果!このモンスターがフィールドに存在する限り、相手はバトルフェイズ中にモンスターの効果を発動できない!よってイダテンの効果は発動できない!」

 

「だが、攻撃力ではイダテンが上回っているぞ!」

 

遊矢はシルバー・クロウに乗りながらに言う。

 

「オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンは独りじゃない!EMドラミング・コングのペンデュラム効果発動します!相手モンスターとバトルをする時に発動できる!1ターンに1度!選んだモンスターの攻撃力をバトルフェイズ終了まで600ポイントアップする!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンLv7 ATK2500→ATK3100

 

「まだ!イダテンの攻撃力は超えてないぞ!」

 

「それはどうかな!更に!EMオッドアイズ・ユニコーンのP効果発動!自分の『オッドアイズ」モンスターの攻撃宣言時、そのモンスター以外の自分フィールドの『EM』モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする!選ぶEMモンスターはシルバー・クロウ!よってシルバー・クロウの攻撃力1800分オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンの攻撃力は上昇する!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンLv7 ATK3100→ATK4900

 

「攻撃力4900!」

 

勇雄はアクションカードを取るべく走り出す。遊矢もそのままシルバー・クロウに乗り追い掛ける。

 

「「「イッケーー!!!遊矢お兄ちゃん!!」」」

 

メテオバースト・ドラゴンがブレスを放とうとした時。勇雄がアクションカードを拾い起動させる。

 

「アクションマジック!奇跡発動!イダテンは破壊されず、戦闘ダメージも半分だ」

 

皆が絶望しかけた時、遊矢は勇雄を追い抜きアクションカードを起動する。

 

「アクションマジック!ノーアクションを発動!アクション魔法カードの発動と効果を無効にし破壊する!奇跡は無効だ!」

 

「何っ!」

 

「それにまだだ!」

 

遊矢が進むその先にはアクションカードがあった。勇雄は阻止すべく竹を投げつけたりするが、遊矢はペンデュラム・マジシャン、ドクロバット・ジョーカーとの曲芸で掻い潜り、アクションカードを手に取る

 

「アクションマジック!仙界龍桃!バトルフェイズの間、対象モンスターの攻撃力を元々の攻撃力分上昇する!メテオ・バースト・ドラゴンの元々攻撃力は2500!更に2500の上昇だ!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンLv7 ATK4900→ATK7400

 

「こ、攻撃力7400!?」

 

「し、痺れるぅ!!」

 

「行け!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!流星のストライクバースト!!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンはイダテンを空中に蹴り上げ、真紅のブレスはイダテンを焼き付尽くし破壊する。

 

勝鬨勇雄 LP4000→200

 

3800の大ダメージを与え、勇雄は大きく体勢を崩す。遊矢は

 

「EMペンデュラム・マジシャンで直接攻撃!」

 

勇雄は最後には為す術なくペンデュラム・マジシャンの攻撃を受ける。

 

勝鬨勇雄 LP200→0

 

 

WIN榊 遊矢

 

「これにて今回のショーは幕引きとさせて頂きます!」

 

その遊矢の一礼と共に大歓声が上がる。妨害を物ともせず再起し、見事に逆転勝利を掴んだ遊矢は讃えられた。

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